衛生薬学改訂第3版
基礎・予防・臨床
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 今井浩孝/小椋康光 |
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ISBN | : 978-4-524-40372-1 |
発行年月 | : 2020年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 728 |
在庫
定価7,700円(本体7,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
「骨太」をコンセプトとした衛生薬学の教科書。基礎をしっかり解説したうえに、アドバンストな内容や臨床現場とのつながり等も適宜紹介し、より深い理解を目指した構成が特長。今改訂では日本人の食事摂取基準2020に対応したほか、統計値や各種基準等の情報更新を行った。薬学教育モデル・コアカリキュラム「D衛生薬学」、4年制薬学教育参照基準に対応。
第1部 健康
第I章 社会・集団と健康
1 健康と疾病
A 健康と疾病
2 保健統計
A 人口統計の意義
B 人口統計と疾病統計
C わが国における死因別死亡率の変遷
3 疫学
A 疫学の役割
B 疫学の三要因
C 疫学の種類
D 疫学調査結果の解析
第II章 疾病の予防
1 疾病の予防とは
A 疾病予防の段階
B わが国の健康増進政策
2 感染症とその予防
A 感染症の特徴
B 感染症とその対策
C 予防接種
3 生活習慣病とその予防
A 生活習慣病の種類とその予防
B 食生活や喫煙などの生活習慣と疾病とのかかわり
4 母子保健
A 母子保健施策の概要
B 新生児マススクリーニングの意義と代表的な検査項目
C 母子感染
5 学校保健
A 学校薬剤師の役割
6 労働衛生
A 労働衛生
7 高齢者保健
A 高齢者保健対策アドバンス
第III章 栄養と健康
1 栄養
A 五大栄養素の役割
B 栄養素の消化,吸収,代謝
C 食品中の三大栄養素の栄養的価値
D 五大栄養素以外の食品成分の機能
E エネルギー代謝にかかわる基礎代謝量,呼吸商,推定エネルギー必要量
F 日本人の食事摂取基準(2020年版)
G わが国における栄養素摂取および健康状態の現状
H ライフステージにおける栄養の必要性
J ライフステージにおける疾患と栄養管理
K 疾病治療と栄養
2 食品機能と食品衛生
A タンパク質の変質
B 炭水化物の変質
C 油脂の変敗機構と変質試験
D 食品の変質に関与する因子と変質防止法
E 食品成分由来の発がん物質
F 食品添加物
G 特別用途食品と保健機能食品
H 遺伝子組換え食品
I 食品衛生に関する法的規制
3 食中毒と食品汚染
A 微生物による食中毒
B 自然毒による食中毒
C 化学物質食品汚染の具体例
第2部 環境
第IV章 毒性学
1 化学物質の毒性
A 化学物質の体内動態
B 化学物質の代謝
C 化学物質の毒性発現機構と標的臓器
D 化学物質の毒性
E 化学物質に対する生体防御機構
F 乱用薬物の健康および社会への影響
G 化学物質による中毒に対する処置
H 中毒原因物質の試験法
2 化学物質の安全性評価と適正使用
A リスクコミュニケーションに基づいたリスク回避
B 化学物質の毒性試験
C 毒性試験結果の解析・
D 化学物質の安全性評価
E 有害化学物質による人体影響を防ぐための法的規制
3 化学物質による発がん
A 発がん物質
B 遺伝毒性試験
C 多段階発がん過程
4 放射線の生体への影響
A 電離放射線の種類と性質
B 放射性核種と生体との相互作用
C 電離放射線の生体影響
D 電離放射線の防御
E 非電離放射線
第V章 生活環境と健康
1 地球環境と生態系
A 地球環境と生態系
B 化学物質の環境内動態
C 地球環境問題と国際的な取り組み
D 環境問題に関する討論
2 環境保全と法的規制
A 典型七公害と四大公害
B 環境基本法
C 公害・環境汚染防止のための法規制
3 水環境
A 上水
B 下水
C 水質汚濁
4 大気環境
A 大気環境と健康
B 大気環境汚染物質の測定
C 大気環境と気象条件
5 室内環境
A 室内環境を評価するための代表的な指標
B 室内環境と健康との関係
6 廃棄物
A 廃棄物の種類と処理
B 廃棄物処理の問題点と対策
C 医療廃棄物
索引
改訂第3版の刊行にあたって
2016年に『衛生薬学−基礎・予防・臨床』を発刊してから、4年で改訂第3版を出版できることになった。今改訂では、2020年度から使用がはじまる「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に対応し、またゲノム食品に関する法改正、新型コロナウィルスに関する情報など、衛生薬学分野に不可欠な統計や法律など日々更新される事項を改訂し、第2版までを使用していただいた多くの方々からのご意見を反映させ、より良い学修書を目指し、改訂3版を作成した。
衛生薬学は、栄養化学、食品衛生学、保健統計学、疫学、毒性学、環境科学など多岐にわたる分野で、基礎と臨床現場をつなぎ、生命を衛る(まもる)学問である。とくに6年制課程においては薬剤師による健康増進・疾病予防・環境衛生の管理を理解する上で重要な知識を習得する必要がある。また創薬研究者として4年制課程の薬学部教育においては、生活習慣病など日々の栄養管理の破綻がどのように疾患に結びつくのか、発がんなど様々な薬物の毒性がどのように引き起こされるのか、また公衆衛生の管理者としての知識など、創薬だけでなく、薬の副作用、環境汚染にも必須な基礎知識を学ぶことが重要である。改訂第3版でも薬学4年制教育参照基準対応表を6年制薬学教育モデル・コアカリキュラム対応表の後に掲載し、両課程での利便性に配慮した。
2020年度の第106回薬剤師国家試験からは、2015年度から始まった薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)に基づく新たな出題基準による試験が始まる。すでに新傾向問題として、実務分野と衛生領域の複合問題に加えて、基礎薬学分野と衛生領域の理論問題での複合問題が多数出題され、これまで以上に基礎薬学分野と衛生領域の項目の関連性を理解し学習することは重要になってきた。本書では、特に栄養分野においては基礎薬学分野も含み複合性を強く意識した内容構成となっている。
本書は、実務、臨床あるいは基礎との複合問題を意識したコラム(関連する疾患、医薬品等や化合物の構造など)を増設したほか、「禁忌肢」を含む試験問題への対応として、必ず知っておくべき語句を索引において色文字等で強調表示している。また、全体として構造式の掲載数を増やしたほか、各所で記述の充実化を図り、初版以来の“骨太”な内容を継承している。
本書を利用して学修した多くの薬学生が、衛生薬学に興味をもち、衛生薬学分野で将来活躍してくれれば、編者としては望外の喜びである。
最後に、改訂にあたり本書の執筆に携わっていただいた多くの方々、編集にご尽力いただいた南江堂の野澤美紀子氏、松本岳氏に深く感謝する。
2020年2月
編者