教科書

微生物学改訂第6版

病原微生物の基礎

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 今井康之/増澤俊幸
ISBN : 978-4-524-40301-1
発行年月 : 2011年8月
判型 : B5
ページ数 : 410

在庫なし

定価5,830円(本体5,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学部学生向けの微生物学の教科書。定評のある各種病原微生物についての詳細な解説を継承しつつ、今改訂では、「抗菌薬のはたらき」「抗菌薬を用いた薬物治療」の2つの章を新設し、抗菌薬等についての記述の拡充を図った。病原微生物の基礎から抗菌薬等を用いた薬物治療まで、わかりやすい記述で広く深く学ぶことができる。

第I章 序論
 1.微生物学とその研究領域
 2.病原微生物学の生い立ち
 3.ウイルスの発見
 4.病原微生物克服への闘い
 5.病原微生物学の今日の使命

第II章 細菌学総論
 1.細菌の分類
  a.生物学上の位置
  b.細菌における種の概念
  c.分類の目的と方法
   (i)古典的分類法
   (ii)分子分類法
  d.細菌の命名の標準化
 2.形態と構造
  a.形と大きさ
  b.細胞の構造
   (i)真核細胞との違い
   (ii)細胞質膜
   (iii)細胞壁
   (iv)細胞質内構造体
   (v)莢膜と粘液層
   (vi)鞭毛
   (vii)線毛
   (viii)芽胞
 3.生理と代謝
  a.細菌の増殖
   (i)誘導期
   (ii)対数増殖期
   (iii)定常期
   (iv)死滅期
  b.エネルギーおよび炭素源
  c.栄養因子
   (i)主要栄養素
   (ii)微量栄養素
  d.環境因子
   (i)温度
   (ii)水素イオン濃度
   (iii)酸素
   (iv)二酸化炭素
   (v)浸透圧
  e.細菌の培養
   (i)培地
   (ii)培養方法
   (iii)増殖の測定法
   (iv)連続培養
  f.エネルギー代謝:呼吸と発酵
   (i)発酵
   (ii)呼吸
  g.合成代謝
   (i)生体成分の生合成
   (ii)ペプチドグリカンの生合成
  h.代謝調節
   (i)フィードバック阻害
   (ii)共有結合による酵素の修飾
  i.発酵生産と微生物代謝産物の利用
 4.細菌の行動と適応
  a.細菌の運動性と集団生活
   (i)細菌の運動
   (ii)細菌の集団生活
  b.二成分制御系
  c.トランスポーター
  d.タンパク質分泌機構
  e.菌体密度感知機構

第III章 細菌の遺伝学
 1.細菌の遺伝子
  a.染色体DNA
  b.染色体の複製
   (i)複製開始
   (ii)DNA合成
   (iii)複製の終了
  c.遺伝子発現
   (i)転写
   (ii)翻訳
  d.代謝調節
   (i)オペロン
   (ii)アテニュエーション
  e.プラスミドDNA
   (i)F因子
   (ii)R因子
   (iii)コリシン産生因子
   (iv)病原性プラスミド
   (v)その他のプラスミド
 2.細菌の突然変異
  a.DNA塩基の変化
   (i)塩基の置換
   (ii)塩基の欠失または挿入
  b.突然変異の型
   (i)ミスセンス変異
   (ii)ナンセンス変異
   (iii)フレームシフト変異
   (iv)復帰変異
  c.細菌の主な変異現象
   (i)形態の変化
   (ii)集落の変異
   (iii)抗原性の変化
   (iv)毒力、病原性の変異
   (v)耐性の変化
   (vi)生化学的性状の変化
  d.変異原と変異原検出法
   (i)変異原
   (ii)DNA損傷の修復
   (iii)DNA損傷の検出
   (iv)Amesテスト
 3.遺伝子の伝達
  a.接合
  b.形質転換
  c.ファージによる遺伝子伝達
   (i)溶原化とプロファージ
   (ii)形質導入
   (iii)ファージ変換
  d.転移因子
  e.インテグロン
  f.細胞融合
 4.細菌のゲノム構造
  a.多様なゲノム
  b.遺伝子の水平伝達
  c.病原遺伝子の解析
 5.遺伝子操作
  a.制限酵素
  b.宿主─ベクター系
  c.遺伝子クローニング
  d.塩基配列決定法
  e.ハイブリッド形成による遺伝子解析
   (i)サザンブロットハイブリダイゼーション
   (ii)ノーザンブロットハイブリダイゼーションとウエスタンブロットハイブリダイゼーション
  f.遺伝子変異と機能解析
   (i)部位指定変異導入
   (ii)RNA干渉
  g.DNAマイクロアレイ
 6.遺伝情報と利用
  a.病原細菌の検出と同定
   (i)ポリメラーゼ連鎖反応
   (ii)リアルタイムPCR
   (iii)RAPDとAP-PCR
   (iv)パルスフィールドゲル電気泳動法
  b.バイオテクノロジーの発展
   (i)バイオ医薬品
   (ii)遺伝子組換え作物
  c.遺伝子組換えと生物多様性

第IV章 免疫学
 1.免疫学の歴史
  a.免疫学のあけぼの
  b.近代免疫学の登場
  c.免疫化学の発展
  d.免疫担当細胞の解明
  e.移植免疫学
  f.免疫理論
  g.細胞工学と遺伝子工学と免疫学
  h.サイトカインと免疫学
 2.免疫の特徴と種類
  a.免疫の働き
  b.免疫の特徴
   (i)特異性
   (ii)免疫学的記憶
   (iii)反応の多様性
  c.免疫の種類
   (i)獲得方法による分類
   (ii)自然免疫とToll-like receptor
   (iii)NLRファミリーとRLRファミリー
   (iv)自然免疫から獲得免疫へ
 3.免疫系組織と担当細胞
  a.免疫系組織
   (i)中枢リンパ組織
   (ii)末梢リンパ組織
   (iii)粘膜免疫組織
   (iv)免疫細胞の分化とCD抗原
  b.免疫担当細胞の分化と種類
   (i)単核食細胞
   (ii)顆粒球、多形核白血球、樹状細胞
   (iii)胸腺由来細胞
   (iv)骨髄由来細胞、ブルザ相当器官由来細胞
   (v)NK細胞
   (vi)NKT細胞
 4.抗原と免疫応答
  a.抗原
  b.抗原の条件
  c.抗原の種類
   (i)タンパク質
   (ii)多糖類
   (iii)脂質
   (iv)核酸
 5.抗体
  a.抗体の構造と機能
  b.抗体の種類と特徴
   (i)IgG
   (ii)IgM
   (iii)IgA
   (iv)IgD
   (v)IgE
  c.抗体の多様性発現機構
  d.抗体の産生
  e.単クローン抗体
 6.補体
  a.補体系の成分
  b.補体の活性化
   (i)古典経路
   (ii)第二経路
   (iii)レクチン経路
  c.補体活性化により生ずる生物活性
   (i)アナフィラトキシン
   (ii)オプソニン
   (iii)細胞溶解反応
 7.抗原抗体反応
  a.抗原と抗体の結合
  b.沈降反応
   (i)液相沈降反応
   (ii)ゲル内沈降反応
   (iii)免疫電気泳動法
  c.凝集反応
   (i)細菌の凝集反応
   (ii)赤血球凝集反応
  d.中和反応
   (i)毒素・抗毒素反応
   (ii)ウイルス・リケッチア中和反応
  e.補体結合反応
  f.標識免疫測定法および標識抗体法
   (i)ラジオイムノアッセイ
   (ii)酵素免疫測定法、または酵素標識抗体免疫測定法
   (iii)ウエスタンブロット法
   (iv)蛍光抗体法
   (v)流動細胞計測法
   (vi)免疫電子顕微鏡法
 8.細胞性免疫
  a.細胞性免疫の概念の変遷
  b.細胞性免疫に関与する免疫担当細胞
   (i)ヘルパーT細胞
   (ii)遅延型過敏症に関与するT細胞
   (iii)キラーT細胞
  c.抗原提示と主要組織適合抗原複合体
   (i)マウスのMHC
   (ii)ヒトのMHC
   (iii)MHCの医学的意義
   (iv)T細胞レセプター
   (v)T細胞の抗原提示機構
  d.サイトカインと細胞性免疫調節機構
   (i)サイトカイン
   (ii)サイトカインレセプター
   (iii)サイトカインによる免疫制御
   (iv)サイトカインの治療への応用
  e.ケモカイン
 9.過敏症
  a.過敏症の種類
   (i)I型─アナフィラキシー
   (ii)II型─抗体依存性細胞性細胞傷害反応
   (iii)III型─免疫複合体型過敏症
   (iv)IV型─遅延型過敏症
 10.免疫異常による疾患
  a.免疫不全症候群
   (i)先天性免疫不全症候群
   (ii)続発性免疫不全症
  b.免疫増殖性症候群
  c.自己免疫疾患
 11.免疫抑制薬
 12.免疫強化薬とBRM
 13.免疫と神経、内分泌系の相関

第V章 感染論
A.感染症学で用いられる用語の定義
B.常在微生物叢
C.感染の成立
 1.感染源
 2.感染経路
  a.直接感染
   (i)接触感染
   (ii)飛沫感染
  b.間接感染
   (i)飛沫核感染と空気感染
   (ii)食物媒介感染
   (iii)水系感染
   (iv)器物・衣類による感染
  c.水平伝播と垂直伝播
D.感染と生体防御
 1.侵入門戸
 2.宿主側の因子
  a.非特異的生体防御機構
   (i)生理的障壁
   (ii)液性防御因子
   (iii)細胞性防御因子
  b.感染防御免疫
   (i)細菌感染に対する感染防御
   (ii)ウイルス感染に対する感染防御
   (iii)真菌に対する感染防御
   (iv)寄生虫に対する感染防御
 3.病原体側の因子
  a.定着因子
   (i)線毛
   (ii)鞭毛
   (iii)増殖因子
  b.生体防御に対する抵抗因子
   (i)補体や食作用に対する抵抗因子
   (ii)細胞内寄生性と殺菌抵抗性
   (iii)相変異と抗原変異
  c.外毒素と酵素
   (i)外毒素遺伝子と構造
   (ii)外毒素受容体
   (iii)孔形成毒素
   (iv)リパーゼ活性毒素
   (v)タンパク質合成阻害毒素
   (vi)細胞内シグナル伝達系を障害する毒素
   (vii)スーパー抗原
   (viii)加水分解酵素活性を示す毒素
  d.内毒素
E.感染症の疫学とその制御
 1.世界の感染症の現状
 2.新興・再興感染症
 3.人獣共通感染症
 4.WHOの感染症対策と米国疾病管理センターおよびNIIDの役割
 5.感染症法
 6.その他の感染症を防止するための法律
  a.予防接種法
  b.食品衛生法
  c.家畜伝染病予防法
  d.狂犬病予防法
  e.検疫法
  f.学校保健安全法
 7.日本における感染症の現状
F.様々な感染症
 1.食中毒
  a.発生状況
  b.細菌性食中毒
   (i)毒素型食中毒
   (ii)感染型食中毒
  c.ウイルス性食中毒
  d.微生物によるアレルギー様食中毒
  e.生鮮食品由来寄生虫症
 2.院内感染症
  a.院内感染の発生要因
  b.院内感染を起こしやすい微生物
  c.院内感染防止対策
  d.標準的予防策
  e.感染経路別予防策
  f.感染性廃棄物の処理
 3.敗血症
 4.中枢神経感染症
 5.呼吸器系感染症
  a.上気道感染症
  b.下気道感染症
 6.消化器系感染症
 7.尿路感染症
 8.性感染症
 9.母子感染症
    母子感染の予防と治療
 10.眼感染症
 11.日和見感染症
G.生物学的製剤
 1.ワクチン
  a.ワクチンの種類と原理
  b.多価ワクチンと混合ワクチン
  c.ワクチンの接種法
 2.抗毒素血清
 3.血液製剤
H.感染症の診断
 1.検体の採取
 2.光学顕微鏡による検査
 3.分離培養検査
 4.純培養とその保存
 5.同定
  a.生化学的、生理学的同定
  b.遺伝学的同定法
  c.免疫学的同定法
 6.患者血清中の病原体特異抗体の検出
 7.患者臨床材料中の病原体遺伝子、あるいは抗原の検出
  a.遺伝子増幅法
  b.抗原検出法
I.滅菌と消毒
    滅菌の無菌性保証水準
 1.物理的方法による滅菌法・消毒法
  a.加熱による滅菌法
   (i)火炎滅菌法
   (ii)乾熱滅菌法
   (iii)高圧蒸気滅菌法
  b.加熱による消毒法
   (i)流通蒸気消毒法
   (ii)煮沸消毒法
   (iii)間歇消毒法
   (iv)低温殺菌法
  c.濾過による方法
   (i)濾過法
   (ii)超濾過法
  d.照射による方法
   (i)放射線滅菌法
   (ii)高周波滅菌法
   (iii)紫外線消毒法
 2.化学的方法による滅菌
    ガス滅菌法
   (i)エチレンオキシドガス滅菌
   (ii)プラズマ滅菌
 3.消毒薬の作用と選択
  a.消毒薬の作用
  b.消毒薬の条件
  c.消毒薬の効力評価法
  d.消毒薬の選択基準
 4.消毒薬の種類と性質
  a.ハロゲン化物類
   (i)ヨードホル
   (ii)ヨードチンキ
   (iii)ヨードホルム
   (iv)塩素ガス
   (v)サラシ粉
   (vi)次亜塩素酸ナトリウム
   (vii)塩素化イソシアヌール酸
   (viii)クロラミンT
   (ix)強酸性電解水
  b.酸化剤
   (i)過酸化水素
   (ii)過酢酸
  c.アルコール類
   (i)エタノール
   (ii)イソプロパノール
  d.アルデヒド類
   (i)ホルムアルデヒド
   (ii)グルタラール
   (iii)フタラール
  e.フェノール類
   (i)フェノール
   (ii)クレゾール
  f.界面活性剤
   (i)陽イオン界面活性剤
   (ii)両性界面活性剤
  g.ビグアナイド系化合物
    クロルヘキシジン
J.バイオセーフティ
 1.バイオセーフティレベル
 2.物理的封じ込め
 3.クリーンベンチと安全キャビネット

第VI章 細菌と疾病
A.グラム陽性菌(I)
 1.グラム陽性球菌
  a.ブドウ球菌属
   (i)黄色ブドウ球菌
   (ii)表皮性ブドウ球菌
  b.レンサ球菌属
   (i)化膿レンサ球菌
   (ii)ストレプトコッカス・アガラクチエ
   (iii)口腔レンサ球菌
   (iv)肺炎レンサ球菌
  c.腸球菌属
 2.グラム陽性芽胞形成桿菌
  a.バシラス属
   (i)炭疽菌
   (ii)セレウス菌
   (iii)枯草菌
  b.クロストリジウム属
   (i)破傷風菌
   (ii)ガス壊疽菌群
   (iii)ボツリヌス菌
   (iv)ディフィシレ菌
 3.グラム陽性芽胞非形成桿菌
  a.乳酸桿菌属
  b.リステリア属
    リステリア・モノサイトゲネス
  c.エリジペロスリックス属
    ブタ丹毒菌
 4.芽胞非形成偏性嫌気性菌
  a.ユウバクテリウム属
  b.ベイヨネラ属
 5.マイコプラズマ
  a.マイコプラズマ属
   (i)肺炎マイコプラズマ
   (ii)M.hominisとU.urealyticum
B.グラム陽性菌(II)
 1.不規則型の芽胞非形成グラム陽性桿菌
  a.コリネバクテリウム属
    ジフテリア菌
  b.プロピオニバクテリウム属
  c.ビフィドバクテリウム属
 2.マイコバクテリア
    マイコバクテリウム属
   (i)結核菌
   (ii)ウシ型結核菌
   (iii)非定型抗酸菌
   (iv)らい菌
 3.菌糸形成菌
  a.ノカルジア属
  b.ストレプトマイセス属
  c.アクチノマイセス属
C.グラム陰性菌
 1.グラム陰性球菌および球桿菌
  a.ナイセリア属
   (i)淋菌
   (ii)髄膜炎菌
  b.バークホルデリア属
  c.アルカリゲネス属
  d.ボルデテラ属
    百日咳菌
 2.グラム陰性好気性桿菌
  a.シュードモナス属
    緑膿菌
  b.モラクセラ属
  c.アシネトバクター属
  d.レジオネラ属
    レジオネラ・ニューモフィラ
  e.フランシセラ属
    野兎病菌
  f.コクシエラ属
    Q熱コクシエラ
 3.グラム陰性通性嫌気性桿菌(I)
    腸内細菌科
  a.大腸菌属
   (i)大腸菌
   (ii)大腸菌群
  b.シゲラ属
    赤痢菌
  c.サルモネラ属
   (i)腸チフス型
   (ii)菌血症型
   (iii)胃腸炎型
  d.シトロバクター属
  e.クレブシエラ属
  f.エンテロバクター属
  g.セラチア属
  h.エドワードシエラ属
  i.プロテウス属
  j.エルシニア属
   (i)ペスト菌
   (ii)偽結核菌と腸炎エルシニア
  k.プレシオモナス属
  l.その他の腸内細菌
 4.グラム陰性通性嫌気性桿菌(II)
  a.ビブリオ属
   (i)コレラ菌
   (ii)腸炎ビブリオ
   (iii)ビブリオ・フルビアーリス
   (iv)ビブリオ・ミミカス
  b.エロモナス属
  c.パスツレラ属
  d.ヘモフィルス属
   (i)インフルエンザ菌
   (ii)軟性下疳菌
   (iii)その他のHaemophilus
  e.アクチノバシラス属
    鼠咬熱菌
 5.短型らせん菌
  a.スピリルム属
    鼠咬症スピリルム
  b.カンピロバクター属
   (i)ジェジュニ/コリ菌
   (ii)カンピロバクター・フィタス
  c.ヘリコバクター属
    ヘリコバクター・ピロリ
 6.ブルセラ属とバルトネラ属
  a.ブルセラ属
  b.バルトネラ属
 7.リケッチア
I.リケッチア科
  a.リケッチア属
   (i)発疹チフスリケッチア
   (ii)発疹熱リケッチア
   (iii)紅斑熱群リケッチア
  b.オリエンチア属
    恙虫病病原体
II.アナプラスマ科
   (i)エーリキア・シャフィエンシス
   (ii)アナプラスマ・ファゴサイトフィラム
   (iii)ネオリケッチア・センネツ
D.クラミジア
    クラミジア科
  a.クラミジア属
    クラミジア・トラコマチス
  b.クラミドフィラ属
   (i)クラミドフィラ・シッタシ
   (ii)クラミドフィラ・ニューモニアエ
E.スピロヘータ
  a.トレポネーマ属
   (i)梅毒トレポネーマ
   (ii)フランベジア・トレポネーマ
   (iii)地域流行性梅毒トレポネーマ
   (iv)ピンタトレポネーマ
   (v)トレポネーマ・デンティコーラ
  b.ボレリア属
   (i)回帰熱スピロヘータ
   (ii)ライム病ボレリア
  c.レプトスピラ属
F.グラム陰性無芽胞嫌気性菌
  a.バクテロイデス属
  b.ポルフィロモナス属
  c.フゾバクテリウム属

第VII章 ウイルス学総論
 1.ウイルスの発見
 2.ウイルスの性状
  a.概括的性状
  b.形態
  c.ウイルスの構成成分
   (i)化学組成
   (ii)ウイルス核酸
   (iii)ウイルスタンパク質
   (iv)ウイルス粒子中の酵素
 3.ウイルスの分類
 4.ウイルスの増殖
  a.ウイルスの培養
   (i)実験動物
   (ii)発育鶏卵
   (iii)培養細胞
  b.ウイルスの定量法
   (i)ウイルス粒子数の計数法
   (ii)終末点希釈法
   (iii)プラーク計数法
   (iv)ウイルス核酸の検出
   (v)赤血球凝集反応
  c.ウイルスの増殖機構
   (i)吸着
   (ii)細胞への侵入
   (iii)脱殻
   (iv)ウイルス素材の複製
   (v)成熟
   (vi)放出
   (vii)欠損ウイルスの産生
   (viii)ウイルス感染にともなう宿主細胞側の反応
   (ix)ウイルス増殖部域、封入体の形成
   (x)ウイルスの増殖曲線
 5.ウイルスの干渉現象
  a.干渉現象
   (i)ウイルスレセプターの破壊による場合
   (ii)欠損ウイルスによる場合
   (iii)インターフェロンによる場合
  b.インターフェロン
   (i)インターフェロンの種類
   (ii)インターフェロンの抗ウイルス作用
   (iii)インターフェロンの誘発因子
   (iv)インターフェロンの多様な生物活性
   (v)インターフェロンの臨床応用
 6.赤血球凝集反応
 7.宿主とウイルスとの関係
  a.細胞レベル
  b.個体レベル
   (i)種特異性
   (ii)顕性感染と不顕性感染
   (iii)発病形式:局所感染と全身感染
   (iv)感染様式
  c.ウイルスの伝播様式
   (i)水平伝播
   (ii)垂直伝播
  d.ウイルス病の免疫:特異抗体と自然抗体
 8.ウイルスと発癌
  a.ウイルスDNAの細胞染色体への組み込み
  b.レトロウイルスによる発癌機構
  c.DNA型腫瘍ウイルスの発癌機構
  d.ヒトの癌の原因になる腫瘍ウイルス
 9.ウイルスの分離、同定、診断
   (i)分離
   (ii)同定
   (iii)診断
 10.バクテリオファージ
  a.ファージの一般的性状
  b.ファージの増殖
  c.ビルレントファージとテンペレートファージ

第VIII章 ウイルス学各論
 1.二本鎖のDNAをゲノムとするウイルス
  a.ポックスウイルス科のウイルスと感染症
   (i)痘瘡ウイルス
   (ii)種痘ウイルス
   (iii)サル痘ウイルス
   (iv)伝染性軟属腫ウイルス
  b.ヘルペスウイルス科のウイルスと感染症
   (i)ヒトヘルペスウイルス1、2
   (ii)ヒトヘルペスウイルス3
   (iii)ヒトヘルペスウイルス4
   (iv)ヒトヘルペスウイルス5
   (v)ヒトヘルペスウイルス6、7
   (vi)ヒトヘルペスウイルス8
  c.アデノウイルス科のウイルスと感染症
  d.ポリオーマウイルス科のウイルスと感染症
  e.パピローマウイルス科のウイルスと感染症
 2.一本鎖のDNAをゲノムとするウイルス
    パルボウイルス科のウイルスと感染症
    ヒトパルボウイルスB19
 3.+鎖一本鎖のRNAをゲノムとするウイルス
  a.ピコルナウイルス科のウイルスと感染症
   (i)ポリオウイルス1-3
   (ii)エンテロウイルス属のウイルス
   (iii)A型肝炎ウイルス
   (iv)ライノウイルス
  b.カリシウイルス科のウイルスと感染症
    ノロウイルス
  c.E型肝炎ウイルスと感染症
  d.トガウイルス科のウイルスと感染症
   (i)アルファウイルス属のウイルス
   (ii)風疹ウイルス
  e.フラビウイルス科のウイルスと感染症
   (i)黄熱ウイルス
   (ii)デングウイルス1-4
   (iii)日本脳炎ウイルス
   (iv)ウエストナイルウイルス
   (v)C型肝炎ウイルス
  f.コロナウイルス科のウイルスと感染症
   (i)ヒトコロナウイルス
   (ii)SARSコロナウイルス
 4.−鎖一本鎖のRNAをゲノムとするウイルス
  a.パラミクソウイルス科のウイルスと感染症
   (i)麻疹ウイルス
   (ii)ムンプスウイルス
   (iii)ヒトパラインフルエンザウイルス1-4
   (iv)RSウイルス
   (v)ニパウイルスとヘンドラウイルス
  b.ラブドウイルス科のウイルスと感染症
   (i)狂犬病ウイルス
   (ii)リッサウイルス属のウイルス
  c.フィロウイルス科のウイルスと感染症
   (i)エボラウイルス
   (ii)マールブルグウイルス
  d.オルトミクソウイルス科のウイルスと感染症
    インフルエンザウイルス
  e.ブニヤウイルス科のウイルスと感染症
   (i)クリミア・コンゴ出血熱ウイルス
   (ii)ハンタウイルス属のウイルス
  f.アレナウイルス科のウイルスと感染症
   (i)ラッサウイルス
   (ii)新世界アレナウイルス群のウイルス
 5.二本鎖のRNAをゲノムとするウイルス
    レオウイルス科のウイルスと感染症
    ロタウイルス
 6.ゲノム複製に逆転写が関与するウイルス
  a.レトロウイルス科のウイルスと感染症
   (i)ヒト免疫不全ウイルス1、2
   (ii)ヒトT細胞白血病ウイルス1
  b.ヘパドナウイルス科のウイルスと感染症
    B型肝炎ウイルス
 7.抗ウイルス薬
  a.抗ヘルペスウイルス薬
  b.抗サイトメガロウイルス薬
  c.抗HIV薬
  d.抗B型肝炎ウイルス薬
  e.抗C型肝炎ウイルス薬
  f.抗インフルエンザウイルス薬

第IX章 ウイロイド、プリオン
 1.ウイロイド
 2.デルタ肝炎因子
 3.プリオン
   (i)クールー
   (ii)クロイツフェルト・ヤコブ病
   (iii)ウシ海綿状脳症と変異型CJD

第X章 真菌学
 1.真菌の一般的性状
  a.形態および微細構造
   (i)真菌の形態
   (ii)ゲノム
  b.真菌の分類
 2.真菌症
  a.深在性真菌症
   (i)アスペルギルス症
   (ii)カンジダ症
   (iii)クリプトコックス症
   (iv)接合菌症
   (v)その他の真菌症
  b.深部皮膚真菌症
   (i)スポロトリコーシス
   (ii)黒色真菌感染症
  c.表在性真菌症
   (i)皮膚糸状菌症
   (ii)表在性カンジダ感染症
   (iii)皮膚マラセチア感染症
 3.抗真菌薬
   (i)ポリエンマクロライド系
   (ii)フルオロピリミジン系
   (iii)アゾール系
   (iv)キャンディン系
   (v)チオカルバメート系、ベンジルアミン系、アリルアミン系
   (vi)モルホミン系

第XI章 寄生虫学─原虫と蠕虫
A.原虫類
 1.赤痢アメーバ
 2.ランブル鞭毛虫
 3.腟トリコモナス
 4.トリパノソーマ属
 5.リーシュマニア属
 6.マラリア原虫
 7.トキソプラズマ原虫
 8.バベシア属原虫
 9.クリプトスポリジウム属原虫
 10.サイクロスポーラ属原虫
B.蠕虫類
C.抗寄生虫薬
 1.抗原虫薬
  a.アミノキノリン系薬
  b.葉酸拮抗薬
  c.キノロン系薬
  d.ニトロイミダゾール系薬
  e.ジアミジン系薬
  f.タンパク質合成阻害薬
  g.フェナントレンメタノール
  h.ナフチルアミン硫酸系薬
  i.セスキテルペン系薬
  j.ナフトキノン系薬
  k.重金属化合物類
 2.抗蠕虫薬
  a.ベンズイミダゾール系薬
  b.テトラヒドロピリミジン系薬
  c.ピペラジン系薬
  d.アベルメクチン系薬
  e.ピラジノイソキノリン系薬
  f.ナフチルアミン硫酸系薬
  g.セスキテルペン系薬
  h.カイニン酸
  i.ビチオノール

第XII章 抗菌薬の働き
 1.化学療法の歴史と現在の問題点
  a.化学療法とは
  b.化学療法の歴史
  c.化学療法が抱える現在の問題点
  d.化学療法における薬剤師の役割
 2.抗菌薬の性質
  a.抗菌薬の定義
  b.選択毒性
  c.抗菌作用
  d.抗菌薬に対する感受性
   (i)抗菌スペクトル
   (ii)薬剤感受性
 3.抗菌薬の作用機序
  a.細胞壁合成と阻害薬
  b.細胞膜を傷害する抗菌薬
  c.タンパク質合成と阻害薬
  d.核酸合成経路と阻害薬
  e.葉酸代謝と阻害薬
 4.薬剤耐性機構
  a.抗菌薬の不活化
  b.抗菌薬の作用点の変化
  c.薬剤の細胞内濃度の低下
   (i)膜透過性の低下
   (ii)能動的排出
 5.抗菌薬各論
  a.細胞壁合成阻害薬
   (i)β-ラクタム系抗菌薬
   (ii)グリコペプチド系抗菌薬
   (iii)ホスホマイシン
   (iv)サイクロセリン
   (v)バシトラシン
  b.細胞膜障害作用をもつポリペプチド系抗菌薬
  c.タンパク質合成阻害薬
   (i)アミノグリコシド系抗菌薬
   (ii)マクロライド系抗菌薬
   (iii)マクロライド系抗菌薬と同様の作用点をもつもの
   (iv)テトラサイクリン系抗菌薬
   (v)クロラムフェニコール系抗菌薬
   (vi)その他のタンパク質合成阻害薬
  d.核酸合成阻害薬
   (i)キノロン系抗菌薬
   (ii)メトロニダゾール
  e.葉酸代謝阻害薬
  f.抗結核薬・ハンセン病治療薬
   (i)抗結核薬
   (ii)ハンセン病治療薬
 6.重要な薬剤耐性菌
  a.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
  b.バンコマイシン耐性腸球菌
  c.多剤耐性緑膿菌
  d.ペニシリン耐性肺炎球菌
  e.β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性菌
  f.超多剤耐性結核菌

第XIII章 抗菌薬を用いた薬物治療
 1.各種抗菌薬の副作用
  a.アレルギー
  b.肝毒性
  c.腎毒性
  d.聴覚器毒性
  e.神経障害
  f.二次的副作用
   (i)ビタミン欠乏症
   (ii)菌交代症
  g.その他
   (i)レッド・ネック症候群
   (ii)骨髄抑制
   (iii)消化管障害
   (iv)歯牙の着色
   (v)光線過敏症
   (vi)血糖降下
   (vii)横紋筋融解症
 2.抗菌薬の薬物相互作用
  a.薬力学的相互作用
   (i)キノロン系薬とNSAIDsとの相互作用
   (ii)キノロン系薬と抗不整脈薬との相互作用
   (iii)交差耐性
  b.薬物動態学的相互作用
   (i)吸収抑制
   (ii)チトクロームP450の阻害
   (iii)チトクロームP450の誘導
   (iv)ジスルフィラム様反応
   (v)カルバペネム系薬とバルプロ酸ナトリウムの相互作用
   (vi)P糖タンパク質の阻害
 3.小児、妊婦、高齢者における抗菌薬療法
  a.新生児・小児における抗菌薬療法
  b.妊婦における抗菌薬療法
  c.高齢者における抗菌薬療法
 4.抗菌薬の薬物動態学および薬力学
  a.抗菌薬の組織移行性
  b.sub-MIC効果とPAE
  c.PK/PDパラメータによる抗菌薬投与
 5.TDMの実際
  a.アミノグリコシド系薬のTDM
   (i)ゲンタマイシンのTDM
   (ii)アルベカシンのTDM
  b.グリコペプチド系薬のTDM
   (i)バンコマイシンのTDM
   (ii)テイコプラニンのTDM
  c.腎機能に応じた薬物の投与設計
 6.エンピリック治療法と適正な抗菌薬療法
  a.感染症の診断
  b.エンピリック治療
  c.抗菌薬の選択
  d.耐性菌出現の防止対策
 7.代表的感染症に対する抗菌薬治療
  a.呼吸器感染症
   (i)結核
   (ii)非結核性抗酸菌症
   (iii)マイコプラズマ肺炎
   (iv)レジオネラ肺炎
   (v)MRSA肺炎
  b.性感染症
   (i)性器クラミジア感染症
   (ii)淋病
  c.ヘリコバクター胃潰瘍
  d.腸管感染症
   (i)赤痢
   (ii)コレラ
   (iii)腸管出血性大腸菌腸炎
   (iv)抗菌薬関連腸炎
  e.院内感染症
    緑膿菌感染症
 8.抗菌薬の特殊な使用法
  a.マクロライド系薬の少量療法
  b.β-ラクタム系薬の大量投与
  c.細菌感染症における免疫グロブリン療法
   (i)重症感染症におけるヒト免疫グロブリン
   (ii)外傷時における抗破傷風免疫グロブリン

付表
 細胞壁合成阻害薬
 タンパク質合成阻害薬
 核酸合成阻害薬
 抗結核薬
 抗菌スペクトル一覧

和文索引
欧文索引

本書は薬学系を意識した微生物学の教科書であるが、断片的な知識の寄せ集めにならないように、微生物学の学問体系を語ることを目標としている。微生物学の学習には、複数の座標軸が必要と考える。病原微生物を中心とした領域を考えても、微生物自身の性格を軸とするもの、病気がどのような微生物によって起こされるのかを軸とした臨床微生物学、病気の伝わり方を軸とした感染症学、感染症の薬物治療を軸とした化学療法学、宿主の防御機構の研究を軸とした免疫学の観点が代表的である。本書は、これらの軸を意識して構成されている。
 本書は故三淵一二先生(前静岡県立静岡薬科大学教授)の編集による初版(1987年)以来、第3版(1998年)から多村憲先生(新潟薬科大学名誉教授)および柳原保武先生(静岡県立大学名誉教授)の編集となり定期的に改訂されてきた。前版の第5版は、薬学教育6年制が開始された2006年の改訂である。そして今回、初めての薬学部6年生を送り出す節目の年となったのを機会に、編集を増澤、今井が担当することとなった。内容の見直しとともに、第5版までの本書の良き伝統を引き継いだ改訂第6版をここにお届けする。
 今回の改訂では、杉田隆、塩田澄子、宇野勝次の充実した執筆者に新たに参加いただくことができた。真菌については、疾患や抗真菌薬について分かりやすく整理した内容となった。抗菌薬については、細菌側から見た観点と、治療薬として患者側から見た観点の双方向からの記述を盛り込むことができた。抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬についても薬がどのように使われるのかを意識した記述となっている。また薬学教育モデル・コアカリキュラムがどの章に対応しているのかを示した一覧表を作成したので活用いただければ幸いである。
 本改訂においても本書の伝統である微生物学を概観した視点と、微生物の性格を個別に記述した各論からなる基本姿勢を貫いた。また微生物学研究の科学的な進歩を積極的に反映させたものとなっている。薬学部学生のみならず、広く微生物学を学ぼうとする様々な専門分野の大学院学生や、医療、看護、臨床検査、衛生行政に携わる方々にとっても、入門書として役立てば幸いである。
 読者の方々から、今後ともご意見、ご助言、ご批判を賜りながら内容の充実に努めたいと考えている。
2011年7月
編者

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