臨床製剤学改訂第3版
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編集 | : 三嶋基弘/内田享弘/平井正巳/川崎博文 |
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ISBN | : 978-4-524-40292-2 |
発行年月 | : 2012年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 412 |
在庫
定価6,270円(本体5,700円 + 税)
正誤表
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2013年07月23日
第1刷・第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
製剤学に必要な基礎理論・剤形論に「病院製剤」を組み合わせ、基礎から臨床まで、製剤にかかわるすべての分野を解説した、新しいタイプの教科書。とくに臨床分野に重点を置いており、ひとつの流れとして基礎から臨床応用までを学ぶことができる。今改訂では日本薬局方第十六改正に対応させたほか、2色刷として見やすさに配慮した。
I.製剤の基礎物理化学
1.粒子・粉体
a 粒子
1)粒子の構成要素
2)結晶
3)結晶多形
4)溶媒和物
5)非晶質固体
b 粉体粒子としての性質
1)粒子密度
2)粒子形状
3)粉体の粒子径の測定法
4)比表面積
c 粉体としての性質
1)粒度分布と平均粒子径
2)付着・凝集性
3)充てん性
4)流動性
5)ぬれ
6)吸湿性
2.溶液・溶解
a 溶液
1)溶液の状態
2)溶解度
3)非電解質の溶解度
4)強電解質の溶解度
5)弱電解質の溶解度
6)溶解度に影響する因子
b 溶解現象
1)溶解の律速過程
2)表面積が一定のときの拡散律速溶解速度式
3)安定形結晶の析出を伴う拡散律速の溶解速度式
4)粉末の溶解速度式
3.界面現象
a 相と界面
1)相律と相平衡
2)1成分系の相平衡
3)2成分系、3成分系の相平衡
b 界面に働く力
1)界面(表面)張力
2)表面張力の測定
c 界面への吸着
1)固体表面への吸着
2)吸着等温式による吸着の評価
3)液体表面への吸着
d 界面活性剤とその性質
1)界面活性作用の指標
2)界面活性剤の溶解とミセル形成
3)界面活性剤の作用
e 分散液とその安定性
1)粗大分散系とその安定性
2)コロイド分散系とその安定性
4.レオロジー
a 粘性
1)ニュートン流体の流れと粘性
2)種々の粘度
3)非ニュートン流体
4)チキソトロピーと履歴現象
b 粘弾性
1)高分子溶液の粘弾性
2)粘弾性の力学的モデル
3)レオロジー特性値の測定
5.反応速度
a 化学反応速度論
1)反応速度と反応次数
2)複合反応
3)半減期
4)反応次数の決定法
b 安定性に影響する要因
1)pHの影響
2)温度の影響(アレニウス式)
3)イオン強度
4)誘電率
c 衝突説・遷移状態理論
1)衝突説(衝突理論)
2)遷移状態理論
d 酵素反応・酵素反応の拮抗阻害と非拮抗阻害の機構
1)酵素反応とは
2)作用機序
3)反応速度
4)酵素阻害
e 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因と安定化法
6.医薬品の修飾
a 代表的なプロドラッグとそのメカニズム・有用性
b 代表的な生体膜透過促進法
1)薬物側の因子
2)製剤側の因子
3)生体側の因子
練習問題
II.医薬品の開発
a 医薬品とは
b 新薬の開発
1)新薬開発におけるテーマの設定
2)バイオ医薬品(組換え体医薬品)の開発
3)医薬品開発における国際協調
c 非臨床試験
1)製剤化試験
2)薬物動態試験
3)薬理学的試験
4)毒性試験
d 臨床試験
1)臨床試験の倫理性とGCP
2)臨床試験の概要
3)臨床試験の段階(相)
e 新医薬品の製造販売承認申請と承認審査
f 製造販売後の安全監視体制
1)市販後調査
2)調査
g 医薬品の製造と品質管理
1)GMP
2)バリデーション
3)製剤における品質管理
4)製剤の品質確保
5)品質管理と医薬品の回収
練習問題
III.各種医薬品製剤
1.日本薬局方
a 日本薬局方の構成と概要
b 製剤総則
2.経口投与する製剤
a 即放性製剤と放出制御型製剤
b 錠剤
錠剤の中で小分類される剤形(特殊錠剤)
1)口腔内崩壊錠
2)チュアブル錠
3)発泡錠
4)分散錠
5)溶解錠
c カプセル剤
d 顆粒剤
顆粒剤の中で小分類される剤形
1)発泡顆粒剤
e 散剤
f 経口液剤
経口液剤の中で小分類される剤形
1)エリキシル剤
2)懸濁剤
3)乳剤
4)リモナーデ剤
g シロップ剤
シロップ剤の中で小分類される剤形
1)シロップ用剤
h 経口ゼリー剤
i 添加剤
1)固形製剤に用いられる添加剤
2)半固形製剤、液状製剤の添加剤
3.口腔内に適用する製剤
a 口腔用錠剤
口腔用錠剤の中で小分類される剤形
1)トローチ剤
2)舌下錠
3)バッカル錠
4)付着錠
5)ガム剤
b 口腔用スプレー剤
c 口腔用半固形剤
d 含 剤
4.注射により投与する製剤
a 注射剤
注射剤の中で小分類される剤形
1)輸液剤
2)埋め込み注射剤
3)持続性注射剤
b 無菌製剤の等張化
1)浸透圧とオスモル濃度の関係
2)浸透圧調整のための計算法
5.透析に用いる製剤
a 透析用剤
1)腹膜透析溶剤
2)血液透析用剤
6.気管支・肺に適用する製剤
a 吸入剤
1)吸入エアゾール剤
2)吸入粉末剤
3)吸入液剤
7.目に投与する製剤
a 点眼剤
b 目軟膏剤
8.耳に投与する製剤
a 点耳剤
9.鼻に適用する製剤
a 点鼻剤
1)点鼻粉末剤
2)点鼻液剤
10.直腸に適用する製剤
a 坐剤
b 直腸用半固形剤
c 注腸剤
11.膣に適用する製剤
a 腔錠
b 腔用坐剤
12.皮膚などに適用する製剤
a 外用固形剤
外用固形剤の中で小分類される剤形
1)外用散剤
b 外用液剤
外用液剤の中で小分類される剤形
1)リニメント剤
2)ローション剤
c スプレー剤
1)外用エアゾール剤
2)ポンプスプレー剤
d 軟膏剤
e クリーム剤
f ゲル剤
g 貼付剤
1)テープ剤
2)パップ剤
13.その他の製剤
a 生物学的製剤
1)ワクチン、 トキソイド、抗毒素
2)生物薬品
3)血液製剤
b 放射性医薬品
1)治療用医薬品
2)診断用医薬品
3)体外核医学検査(体外診断)用医薬品
c 生薬抽出製剤
1)エキス剤
2)丸剤
3)酒精剤
4)浸剤・煎剤
5)茶剤
6)チンキ剤
7)芳香水剤
8)流エキス剤
14.単位操作
a 粉砕
b 分級
c 混合、混練・捏和
d 乳化・懸濁化
e 造粒
f 打錠
g カプセル充てん
h コーティング
i 乾燥
15.日本薬局方一般試験法
a 化学的試験法
1)アルコール数測定法
2)鉱油試験法
b 製剤試験法
1)製剤の粒度の試験法
2)制酸力試験法
3)崩壊試験法
4)溶出試験法
5)製剤均一性試験法
c 生物学的試験法/生化学的試験法/徴生物学的試験法
1)発熱性物質試験法
2)エンドトキシン試験法
3)無菌試験法
4)微生物限度試験法
d 滅菌、無菌操作及び消毒に関する操作法
1)滅菌法及び無菌操作法
2)最終滅菌医薬品の無菌性保証
3)最終滅菌法及び滅菌指標体
4)微生物殺滅法
e 製剤試験法(無菌製剤)
1)注射剤の採取容量試験法
2)注射剤の不溶性異物検査法
3)注射剤の不溶性微粒子試験法
4)点眼剤の不溶性異物検査法
5)点眼剤の不溶性微粒子試験法
6)眼軟膏剤の金属性異物試験法
f 容器・包装材料試験法
1)注射剤用ガラス容器試験法
2)プラスチック製医薬品容器試験法
3)輸液用ゴム栓試験法
16.ドラッグデリバリーシステム
a DDSの必要性
b 放出制御型製剤
c 経口投与製剤
1)溶解速度促進
2)放出遅延
d 外用放出制御製剤
1)眼粘膜適用製剤
2)鼻腔粘膜適用製剤
3)口腔粘膜適用製剤
4)子宮粘膜適用製剤
5)皮膚適用製剤
e 注射・注入型放出制御製剤
f 標的部位指向
1)標的部位指向(ターゲティング)の概要と意義
2)キャリアーを利用したターゲティング
3)プロドラッグを利用したターゲティング
4)遺伝子治療製剤のターゲティング
17.製剤の品質確保
a 安定性の評価
1)安定性試験
b 容器・包装
1)容器
2)包装
3)容器・包装材料
4)内用固形製剤の包装形態
練習問題
IV.臨床製剤
1.病院・薬局製剤
A 病院・薬局製剤の取扱い
a 病院製剤
1)一般製剤
2)特殊製剤
b 薬局製剤
c 製剤管理
1)製剤原料の管理
2)製剤作業の管理
3)製造用水の管理
d PL法
B 市販製剤の取扱い
a 固形剤の剤形変更
1)錠剤・カプセル剤の粉砕
2)錠剤・カプセル剤の懸濁化
b 軟膏剤混合
1)軟膏剤混合の取扱い
2)主薬と基剤との練合
c)坐剤の併用
C 特殊製剤
1)レバミピド注腸剤
2)アロプリノール含 液
3)カプサイシンクリーム(0.025%、0.075%)
4)50%酢酸注入液
2.注射剤の無菌調製
A 無菌調製に必要な環境
1)清浄度区分
2)空調システム
3)無菌室とクリーンベンチ
B 中心静脈栄養と末梢静脈栄養
a 投与経路、投与速度
b 静脈栄養剤の種類と組成
1)高カロリー輸液製剤
2)末梢静脈栄養輸液製剤
c 静脈栄養における栄養素
d 電解質濃度とカロリー量の計算
1)電解質の投与量
2)カロリー量の計算
3)栄養評価
e 水分バランスの考え方
f 器材と取扱い
g 合併症と対策
3.注射剤の配合変化
a 配合変化の要因
1)治療に影響を及ぼす配合変化
2)物理的配合変化
3)化学的配合変化
b 添加剤の影響
1)pH調整剤
2)リン酸カルシウムの沈殿防止
3)糖のカラメル化の防止
4)亜硫酸塩の影響
5)メイラード反応
c 配合変化の予測法
1)pH 変動試験の図解式による配合変化の予測
2)緩衝係数を使用した式によるpH 予測
3)理論式による配合変化の予測
4)臨界点pH による配合変化予測
5)溶解度変化を予測した配合変化予測
d 配合変化時の対応
4.抗悪性腫瘍剤の取扱い
a 抗悪性腫瘍剤調製のための安全装置
1)安全キャビネット
2)クラス・型安全キャビネットの気流特性および仕様
b 抗悪性腫瘍剤の調製
c 抗悪性腫瘍剤使用における輸液セットなどの選択
d 血管外漏出および血管痛の防止および対策
1)血管外漏出時の対応
2)血管痛
5.キット製剤・使用法
a キット製剤とは
b 注射用キット製剤
c キット製剤の利点と欠点
1)安全面
2)衛生面
3)作業効率面
4)管理・経済面
6.院内感染・消毒剤の意義
a 消毒剤の種類と特徴
1)高水準消毒剤
2)中水準消毒剤
3)低水準消毒剤
4)その他の消毒剤
b 使用法
1)効果に影響を及ぼす因子
2)器械・器具と環境の消毒
3)手指の消毒
c 院内感染防止対策
1)院内感染とは
2)スタンダートプリコーション(標準予防策)
3)感染経路別予防策
4)器具や環境における院内感染対策〜消毒の観点から〜
練習問題
参考文献
練習問題解答
索引
第十六改正日本薬局方公布に伴う「臨床製剤学」の改訂にあたって
今回の改訂では、基本的な章構成はそのままにしたが、内容のさらなる充実を図るため、新たな執筆者に加わっていただき、すべての章にわたって改訂作業を行った。特に、第十六改正日本薬局方の製剤総則はこれまでに規定されていなかった剤形が多く追加され、投与経路・適用部位に基づく剤形分類および各剤形の定義と適用すべき試験の規定などが全面的に改正されたため、III章の各種医薬品製剤では、経口投与する製剤、口腔内に適用する製剤、注射により投与する製剤、透析に用いる製剤、気管支・肺に適用する製剤、目に投与する製剤、耳に投与する製剤、鼻に適用する製剤、直腸に適用する製剤、膣に適用する製剤、皮膚などに適用する製剤、その他の製剤として生物学的製剤・放射性医薬品・生薬抽出製剤という項目立てで構成し直した。
初版同様、各項目の冒頭に薬学教育モデル・コアカリキュラムの到達目標を明示して学習のポイントを明らかにするとともに、二色刷りにすることで見やすく学びやすくすることを心がけた。各章末に新国家試験形式に対応した問題を掲載し学生自身が到達度を確認できるように工夫している。
本書は、薬学6年制教育に必要な内容を網羅しつつ、現場の薬剤師や製薬企業の薬学人のニーズにも十分こたえる内容になっているので、ご活用いただきたい。
2012年2月
編集者一同