臨床製剤学改訂第4版
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編集 | : 三嶋基弘/内田享弘/平井正巳/川崎博文 |
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ISBN | : 978-4-524-40345-5 |
発行年月 | : 2017年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 410 |
在庫
定価6,270円(本体5,700円 + 税)
正誤表
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2020年03月10日
第1刷・第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
製剤の理解に必要な物理化学・剤形論に、臨床現場で必要な製剤に関する知識を組み合わせた教科書。製剤と密接に関係する新薬の開発、医薬品製造、品質管理から、現場の薬剤師目線での病院・薬局製剤、無菌調剤、配合変化等まで、製剤に関するすべての部分を解説。今改訂では、第十七改正日本薬局方へ対応するとともに、平成25年度改訂版薬学教育モデル・コアカリキュラムにも準拠した。
I 製剤の基礎物理化学
1 粒子・粉体
a 粒子
b 粉体粒子としての性質
c 粉体としての性質
2 溶液・溶解
a 溶液
b 溶解現象
3 界面現象
a 相と界面
b 界面に働く力
c 界面への吸着
d 界面活性剤とその性質
e 分散液とその安定性
4 レオロジー
a 粘性
b 粘弾性
5 反応速度
a 化学反応速度論
b 安定性に影響する要因
c 衝突説・遷移状態理論
d 酵素反応・酵素反応の拮抗阻害と非拮抗阻害の機構
e 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因と安定化法
6 医薬品の修飾
a 代表的なプロドラッグとそのメカニズム・有用性
b 代表的な生体膜透過促進法
II 医薬品の開発と育薬
a 医薬品とは
b 新薬の開発
c 非臨床試験
d 臨床試験
e 新医薬品の製造販売承認申請と承認審査
f 後発医薬品の開発および製造販売承認申請
g 製造販売後の安全監視体制
h 医薬品の品質管理・安全管理
III 各種医薬品製剤
1 日本薬局方
a 日本薬局方の構成と概要
b 製剤総則
2 経口投与する製剤
a 即放性製剤と放出制御型製剤
b 錠剤
c カプセル剤
d 顆粒剤
e 散剤
f 経口液剤
g シロップ剤
h 経口ゼリー剤
i 添加剤
3 口腔内に適用する製剤
a 口腔用錠剤
b 口腔用液剤
c 口腔用スプレー剤
d 口腔用半固形剤
4 注射により投与する製剤
a 注射剤
b無菌製剤の等張化
5 透析に用いる製剤
a 透析用剤
6 気管支・肺に適用する製剤
a 吸入剤
7 目に投与する製剤
a 点眼剤
b 目軟膏剤
8 耳に投与する製剤
a 点耳剤
9 鼻に適用する製剤
a 点鼻剤
10 直腸に適用する製剤
a 坐剤
b 直腸用半固形剤
c 注腸剤
11 腟に適用する製剤
a 腟錠
b 腟用坐剤
12 皮膚などに適用する製剤
a 外用固形剤
b 外用液剤
c スプレー剤
d 軟膏剤
e クリーム剤
f ゲル剤
g 貼付剤
13 その他の製剤
a 生物学的製剤
b 放射性医薬品
c 生薬関連製剤
14 単位操作
a 粉砕
b 分級
c 混合,混練・捏和,撹拌
d 乳化・懸濁化
e 造粒
f 打錠
g カプセル充てん
h コーティング
i 乾燥
15 日本薬局方一般試験法
a 化学的試験法
b 製剤試験法
c 生物学的試験法/生化学的試験法/微生物学的試験法
d 製剤試験法(無菌製剤)
e 滅菌法
f 容器・包装材料試験法
16 ドラッグデリバリーシステム
a DDSの必要性
b 放出制御型製剤
c 経口投与製剤
d 外用放出制御製剤
e 注射・注入型放出制御製剤
f 標的部位指向
17 製剤の品質確保
a 安定性の評価
b 容器・包装
IV 臨床製剤
1 病院・薬局製剤
A 病院・薬局製剤の取扱い
a 院内製剤
b 薬局製剤
c 製剤管理
d PL法
B 市販製剤の取扱い
a 固形剤の剤形変更
b 軟膏剤混合
c 坐剤の併用
C 特殊製剤
D 後発医薬品の評価と選択
2 注射剤の無菌調製
A 無菌調製に必要な環境
B 中心静脈栄養と末梢静脈栄養
a 投与経路,投与速度
b 静脈栄養剤の種類と組成
c 静脈栄養における栄養素
d 電解質濃度とカロリー量の計算
e 水分バランスの考え方
f 器材と取扱い
g 合併症と対策
3 注射剤の配合変化
a 配合変化の要因
b 添加剤の影響
c 配合変化の予測法
d 配合変化時の対応
4 抗悪性腫瘍剤の取扱い
a 抗悪性腫瘍剤調製のための安全装置
b 抗悪性腫瘍剤の調製
c 抗悪性腫瘍剤使用における輸液セットなどの選択
d 血管外漏出および血管痛の防止および対策
5 キット製剤・使用法
a キット製剤とは
b 注射用キット製剤
c キット製剤の利点と欠点
6 院内感染・消毒剤の意義
a 消毒剤の種類と特徴
b 使用法
c 院内感染防止対策
参考文献
解答
索引
改訂第4版の序
今回、日本薬局方が第十七改正になったこと、2015年4月から新薬学教育モデル・コアカリキュラムがスタートしたことに伴い、本書の改訂作業を行った。基本的な章構成はほとんど変更していないが、「II 医薬品の開発」の章を「II 医薬品の開発と育薬」とし、医薬品開発から育薬までの流れを詳述した。また、後発医薬品について生物学的同等性を含めて解説を加えた。「IV 臨床製剤」の章では、「後発医薬品の評価と選択」の項目を新設し、後発医薬品の選択が増えることを見込んで、製剤学的な違いを考慮した医薬品の選択について記述した。
第十七改正日本薬局方は、大幅な変更はなかったが、通則や製剤総則において新規に掲載されたり改正されたりしたところがある。新規掲載については、通則では、残留溶媒に係る規定、無菌関連用語の定義、医薬品各条に設ける項目として「製造要件」の項および「意図的混入有害物質」の項などが加えられた。製剤総則では、製剤包装通則が製剤通則から独立した点などがあげられる。これらの改正点を、今回の改訂に反映させている。
初版同様、各項目の冒頭に新薬学教育モデル・コアカリキュラムの到達目標を明示して学習のポイントを明らかにするとともに、2色刷りにすることで見やすく学びやすくすることを心がけた。各章末に国家試験に対応した問題を掲載し学生自身が到達度を確認できるように工夫している。
本書は、初版から10年の歳月が経ち、この間3回の改訂作業を行った。薬学6年制教育に必要な内容を網羅しつつ、現場の薬剤師や製薬企業の薬学人のニーズにも十分こたえられるように常に新しい情報を盛り込んだ内容になっている。多くの皆様に本書をご活用いただければ幸甚である。
2017年2月
編集者一同