新入門食品衛生学改訂第2版
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著 | : 和泉喬/小田隆弘/貞包治夫/堀井正治/松岡麻男 |
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ISBN | : 978-4-524-26863-4 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 266 |
在庫
定価2,530円(本体2,300円 + 税)
正誤表
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2013年10月30日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
長年にわたり版を重ね好評を博した『入門食品衛生学』後継書の改訂版。コンパクトながら充実した解説で、栄養士養成課程から管理栄養士養成課程にも対応。食中毒などの各種統計データや各種法改正に合わせて内容をアップデートしたほか、第2版では、食肉の安全性や食品の放射性物質汚染に関する解説を充実。
1章 健康と食品衛生
1 食品衛生の概念
a.食品による健康障害
b.食品の安全性の考え方
2 食品衛生の定義
3 食品の安全性確保の概要
a.食品の安全性確保のための手段
b.食品の安全性に関する情報提供
2章 食品衛生行政
1 食品衛生行政の沿革
2 行政システム
3 対象と範囲
4 食品衛生監視員と食品衛生管理者・食品衛生責任者
a.食品衛生監視員
b.食品衛生管理者・食品衛生責任者
5 食品衛生行政と栄養士
3章 食品衛生関連法規
1 食品衛生に関連した主な法令
a.食品安全基本法
b.食品衛生法
c.と畜場法および食鳥検査法
d.健康増進法
e.農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)
f.水道法
g.農薬取締法および飼料安全法
h.その他の食品衛生関連法令
2 食品衛生法
a.食品衛生法の構成と概要
b.目的と規制の範囲
c.国および都道府県等ならびに食品等事業者の責務
3 食品衛生法が定める規格基準
a.食品および乳・乳製品の規格基準
b.食品添加物の規格基準
c.器具および容器包装、洗浄剤、おもちゃの規格基準
d.食品の表示に関する基準
4 食品総合衛生管理製造過程の承認制度
5 食品衛生法による営業関係の規定
6 食品衛生に関する国際規格
4章 食品と微生物
1 微生物の種類と性状
a.微生物の分類学上の位置
b.微生物の増殖の仕方
c.各種微生物の特性・分類
2 微生物(細菌)の増殖と環境条件
a.細菌の増殖
b.栄養
c.酸素
d.温度
e.水分活性
f.食塩濃度
g.水素イオン濃度(pH)
h.他の微生物との関係
3 食品と微生物の関係
a.自然界における微生物の分布
b.食品のミクロフローラ
c.食品と関係の深い衛生微生物
5章 食品の変質とその防止
1 変質の概要
2 微生物による変質・腐敗
a.変質の機序
b.初期腐敗の鑑別法
c.腐敗における化学反応
3 化学的な変質・油脂の酸敗
a.変質の機序
b.油脂の変質の鑑別法
4 変質の防止
a.冷蔵・冷凍法
b.脱水法
c.加熱法
d.紫外線法
e.放射線法
f.塩蔵・糖蔵法および酢漬法
g.燻煙法
h.化学的変質の防止
6章 食中毒
1 食中毒の定義と分類
a.食中毒の定義
b.食中毒の分類
2 食中毒の発生状況
a.分類別食中毒発生状況
b.月別食中毒発生状況
c.病因物質別にみた原因食品
d.原因施設別にみた病因物質
3 細菌性食中毒
a.サルモネラ属菌食中毒
b.腸炎ビブリオ食中毒
c.病原大腸菌食中毒
d.カンピロバクター食中毒
e.ブドウ球菌食中毒
f.ボツリヌス菌食中毒
g.セレウス菌食中毒
h.ウェルシュ菌食中毒
i.その他の細菌性食中毒
j.細菌性食中毒の要点
4 ウイルス性食中毒
a.感染性胃腸炎ウイルス食中毒
b.肝炎ウイルス食中毒
5 自然毒食中毒
a.植物性自然毒
b.動物性自然毒
6 化学性食中毒
a.ヒスタミン中毒
b.加工、製造過程中の不純物、有害物質の混入
c.誤認による事故
d.農薬その他の有害物質の残留、蓄積
7 その他の食中毒
8 マスターテーブル法
7章 食品の媒介による感染症
1 感染症の分類
2 経口感染症の概要
3 経口感染症の感染経路
a.感染経路
b.予防
4 主な消化器系感染症
a.細菌性赤痢
b.腸チフス
c.パラチフス
d.コレラ
e.嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)
5 人畜共通感染症
a.炭疽
b.結核
c.ブルセラ症
d.野兎病
e.リステリア症
f.仮性結核菌感染症
g.レプトスピラ症
h.プリオン病
8章 食品から感染する寄生虫
1 寄生虫の概要
a.寄生虫の種類
b.寄生虫による主な健康障害
c.寄生虫症の現状
d.寄生虫の感染経路
e.飲食物媒介寄生虫感染予防の原則
2 野菜、果実、飲料水などから感染する寄生虫
a.回虫
b.鞭虫
c.鉤虫
d.肝蛭
e.エキノコックス
3 魚介類から感染する寄生虫
a.顎口虫類
b.フィリピン毛頭虫類
c.横川吸虫
d.肝吸虫(肝ジストマ)
e.肺吸虫(肺ジストマ)
f.日本海裂頭条虫
g.アニサキス
h.シュードテラノーバ
i.旋尾線虫類
j.大複殖門条虫
k.クドア・セプテンプンクタータ
4 獣肉から感染する寄生虫
a.旋毛虫
b.有鉤条虫
c.無鉤条虫
d.トキソプラズマ
e.サルコシスチス・フェイヤー
5 その他の食品から感染する寄生虫
a.広東住血線虫
b.マンソン裂頭条虫
9章 食品中の汚染物質
1 カビ毒
a.アフラトキシン
b.麦角
c.黄変米
d.その他のカビ毒
2 有害化学物質
a.有害食品添加物
b.残留農薬
c.動物用医薬品
d.内分泌撹乱物質
e.その他
3 重金属
a.カドミウム(イタイイタイ病)
b.メチル水銀(水俣病)
c.ヒ素
d.スズ
4 放射性物質
a.放射線の種類
b.食品衛生に係る主要な放射性物質と放射線障害
c.食品中の放射性物質に係る規格基準
5 食品成分の変化により生成する有害物質
a.ヒスタミン
b.過酸化脂質
c.ニトロソ化合物
6 混入異物
a.動物性異物
b.植物性異物
c.鉱物性異物
d.その他
10章 食品添加物
1 食品添加物の概要
a.定義
b.指定
c.化学的合成品等の販売等の禁止
d.規格・基準
e.食品添加物の表示および広告
f.食品添加物に対する世界的な動き
2 食品添加物のメリットとデメリット
3 種類と用途
a.指定添加物
b.既存添加物
c.天然香料
d.一般飲食物添加物
e.加工食品中に含まれる食品添加物の種類
4 食品に含まれる食品添加物の表示
a.表示の対象となる添加物
b.表示免除
5 安全性評価
a.安全性評価の考え方
b.安全性の確認と評価方法
c.一日摂取許容量と使用基準の設定
d.安全性評価における問題点
6 MSDSの普及
11章 食品用の器具と容器包装
1 素材と衛生
a.金属製品
b.ガラス製品
c.陶磁器、ほうろう製品
d.合成樹脂(プラスチック)
e.ゴム製器具
2 素材による環境汚染
12章 食品衛生管理
1 食中毒の防止
a.細菌性食中毒予防の3原則
b.二次汚染防止のための洗浄と殺菌消毒
c.その他の二次汚染防止対策
d.使用水の衛生確保
e.食品取り扱い従事者の健康管理と衛生作業
f.自然毒食中毒および化学性食中毒の防止
2 HACCPによる食品の衛生管理
a.HACCPとは
b.HACCPの7原則と12手順
c.HACCPプラン例と「大量調理施設衛生管理マニュアル」
3 食品取り扱い施設における一般衛生管理
a.一般衛生管理の重要性
b.一般衛生管理プログラムとして重要な事項
4 家庭における衛生管理
13章 食品の安全性問題
1 輸入食品の安全性
a.食品衛生法違反事例
b.安全性確保の対策
2 遺伝子組換え食品の安全性
a.安全性の検査・評価
b.表示制度
3 放射線照射食品の安全性
a.食品への放射線照射の目的
b.安全性評価
c.放射線照射食品の種類
d.問題点
付表
1.食品の規格基準(乳および乳製品を除く)
2.食品の暫定的規制値等
3.動物用医薬品の残留基準(抜粋)
4.農薬の残留基準(抜粋)
5.食品添加物の使用基準
6.器具・容器包装の規格基準(抜粋)
7.おもちゃの規格基準
8.洗浄剤の規格基準
参考図書
情報収集に役立つWebサイト
索引
故渡辺忠雄先生(九州大学名誉教授)らの執筆による『入門食品衛生学』は、時代・社会の変貌に伴う食品衛生の動向に即応しながら、35 年余りの間に12 回改訂された。その後、食品衛生に関する新しい形の問題や事件が起こり、食品の安全性を取り巻く情勢は大きな変化を遂げた。また、「栄養士法の一部を改正する法律」が施行され、新カリキュラムに基づいた出題基準による管理栄養士国家試験の実施など、食品衛生とその教育の分野にも多くの変革があった。栄養士・管理栄養士養成施設で用いられる教科書として、食品衛生の教育に適応したものとすべく、2007 年に『入門食品衛生学』を書き改めて、『新入門食品衛生学』として発行した。
この初版が発行されてからすでに5 年目を迎えるが、この間、数回にわたる食品添加物の見直し、遺伝子組換え農作物および品種の追加認定、それに伴う遺伝子組換え食品の表示対象物の追加、感染症法の改正、食中毒発生状況の変化、東日本大震災における原子力発電所事故に伴う炉心溶融による放射性物質の食品への汚染問題、およびこれに対応した「食品中の放射性物質に係る規格基準」の設定、生食用牛肉・レバー摂取時の腸管出血性大腸菌による集団食中毒事件の発生、およびこれに対応した「牛の生食用食肉の規格基準」と「表示基準」の設定、ヒラメ、馬肉摂取時の有症事例における特定寄生虫の関与の解明、これらの寄生虫が新たに食中毒の病因物質として取り扱われるようになったことなど、食品衛生の分野において様々な事件や変化が起こった。
栄養士・管理栄養士になるには、食品の安全性に関する知識や技能を修得しなければならない。また食品衛生に関する基本的な知識に加えて、時代・社会に即応した新しい知識も身につける必要があろう。
2012年3月
和泉喬
小田隆弘
貞包治夫
堀井正治
松岡麻男