整形外科学テキスト改訂第3版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 高橋邦泰/芳賀信彦 |
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ISBN | : 978-4-524-26245-8 |
発行年月 | : 2011年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 404 |
在庫
定価5,830円(本体5,300円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
PT・OT学生にとって重要科目である整形外科学をこの一冊で網羅できる充実した内容の教科書。頻度が高く、重要な疾患については典型的な症例の術前・術後の写真を充実させ、ていねいに解説を行った。最新の知見について記述を追加し、国家試験に頻出の項目はとくに詳細に解説した。また、項目のはじめの「学習のまとめ」を引き続き生かし、到達目標を明示した。
総論
I.整形外科学について
1 整形外科学とは
2 整形外科という名前とその発展
3 整形外科の歴史
4 リハビリテーションとの関わり合い
II.整形外科学的診断学
1 診察の基本
a.医療面接(問診)
b.視診
c.触診
d.関節運動性の診察
2 救急時の診察
3 検査法(補助診断法)
a.画像診断
b.血液、関節液、脳脊髄液、尿の検査
c.骨密度の測定
d.細菌学的検査
e.神経生理学的検査
f.病理的組織検査
g.関節鏡検査(内視鏡検査)
4 整形外科学的診断と障害の評価によるゴール設定
III.整形外科学的治療法
1 インフォームド・コンセント
2 保存療法
a.安静
b.徒手整復、徒手矯正
c.固定法
d.牽引療法
e.薬物療法
f.義肢装具療法(補装具療法)
g.理学療法
h.作業療法
3 手術療法
a.手術にあたっての基本的注意事項
b.整形外科手術
c.輸血
d.麻酔法
e.手術患者の術前術後のケア
f.クリニカルパス
g.病院感染の知識
各論
I.部位別の外傷と疾患
A.軟部組織損傷
1 皮膚の構造と機能
2 軟部組織の再生と修復
a.再生と修復
b.治癒過程
3 皮膚損傷
a.擦過傷(擦過創)
b.切創
c.挫傷、挫創、挫滅創
d.刺創
e.咬創
f.皮膚欠損
4 筋・腱損傷
a.開放性筋・腱損傷
b.閉鎖性筋・腱損傷
5 血管損傷
a.動脈損傷
b.静脈損傷
6 デブリドマン
7 挫滅症候群
コラム・蜂窩織炎(蜂巣炎)
・破傷風
8 熱傷
a.疫学
b.症状・病態
c.評価・診断・治療
d.拘縮と治療法
e.リハビリテーション
B.骨・関節の損傷総論
1 骨・軟骨の構造と機能
2 骨折
3 脱臼
4 捻挫
C.肩関節および上腕
1肩関節の構造と機能
a.肩甲上腕関節(狭義の肩関節)
b.肩甲上腕リズム
c.肩(回旋筋)腱板
d.ゼロポジション
2 肩関節および上腕の外傷
a.肩関節脱臼
b.肩鎖関節脱臼
c.鎖骨骨折
d.上腕骨頚部骨折
e.上腕骨骨幹部骨折
3 肩関節の疾患
a.肩関節周囲炎(五十肩)
b.肩(回旋筋)腱板損傷
D.肘関節および前腕
1 肘関節の構造と機能
2 肘関節および前腕の外傷
a.上腕骨顆上骨折
b.上腕骨外顆骨折
c.肘頭骨折
d.モンテジア骨折
e.ガレアッツィ骨折
f.橈尺骨骨幹部骨折(両前腕骨骨折)
g.肘関節脱臼
h.肘内障
3 肘関節の疾患
a.上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
b.上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
c.離断性骨軟骨炎
d.肘頭部滑液包炎
E.手関節と手指
1 手の筋、腱の構造と機能
a.筋肉と神経の構造
2 手関節と手指の外傷
a.手の外傷治療の原則
b.屈筋腱損傷
c.伸筋腱損傷
d.橈骨遠位端骨折
e.舟状骨骨折
f.ベネット骨折
3 手関節と手指の疾患
a.ばね指(弾発指)
b.ドゥケルヴァン病
c.ヘバーデン結節
d.ブシャール結節
e.デュピュイトラン拘縮
f.阻血性拘縮
g.手の先天異常
F.股関節および大腿
1 股関節および大腿の構造と機能
2 股関節および大腿の外傷
a.大腿骨近位部骨折
コラム・高齢者の転倒予防
b.外傷性股関節脱臼
c.大腿骨骨幹部骨折
3 股関節および大腿の疾患
a.先天性股関節脱臼
b.変形性股関節症
c.大腿骨頭壊死
d.ペルテス病
e.大腿骨頭すべり症
f.単純性股関節炎
g.急性化膿性股関節炎
h.弾発股
i.大転子滑液包炎
j.成長痛、発育痛
G.膝関節および下腿
1 膝関節の構造と機能
a.膝関節の特徴
b.靭帯
c.半月板
d.筋肉
e.下肢アライメント
2 膝関節および下腿の外傷
a.大腿骨遠位部骨折
b.膝蓋骨骨折
c.脛骨顆部骨折
d.下腿骨骨幹部骨折
e.膝蓋骨脱臼・亜脱臼
f.半月板損傷
g.靭帯損傷
h.アキレス腱皮下断裂
3 膝関節の疾患
a.変形性膝関節症
b.ベーカー腫
c.オズグッド・シュラッター病
H.足関節と足部
1 足関節の構造と機能
a.足関節の構造
b.足関節の運動と筋の作用
c.足関節周囲の靭帯
2 足部の構造と機能
a.足部の構造
b.足部の各関節とその運動
c.足部の靭帯や腱膜
3 足関節と足部の外傷
a.足関節脱臼骨折・果部骨折
b.脛骨天蓋骨折(ピロン骨折)
c.足関節捻挫・外側靭帯損傷
d.踵骨骨折
e.距骨骨折
f.中足骨骨折
4 足関節と足部の疾患
a.先天性内反足
b.垂直距骨
c.外反扁平足・外反足
d.外反母趾
I.脊椎・脊髄
1 脊椎・脊髄の構造と機能
a.脊椎
b.脊髄
2 脊椎・脊髄の外傷
a.頚椎骨折
b.胸椎・腰椎の骨折
c.脊髄損傷
d.頚椎捻挫
3 脊椎・脊髄の疾患
a.二分脊椎
コラム・水頭症
b.筋性斜頚
c.頚椎症(頚部脊椎症)
d.頚椎症性神経根症
e.頚椎症性脊髄症(頚髄症)
f.頚椎後縦靭帯骨化症
g.胸郭出口症候群
h.頚肩腕症候群
i.腰痛症
j.変形性脊椎症
k.腰部脊柱管狭窄症
l.頚椎椎間板ヘルニア
m.腰椎椎間板ヘルニア
n.腰椎分離・すべり症
o.脊柱側弯症
p.脊柱後弯症
J.骨盤
1 骨盤の構造と機能
2 骨盤の外傷
a.骨盤骨折
b.仙腸関節捻挫
3 骨盤の疾患
a.骨盤輪不安定症
b.変形性仙腸関節症
II.全身性の疾患
A.慢性関節疾患
1 関節の構造と機能
a.関節の分類
b.関節の構造
c.関節の機能
2 骨、関節の病的変化
a.関節の可動域制限
b.関節の変形
3 変形性関節症
4 痛風
5 血友病性関節症
B.リウマチとその類縁疾患
1 関節リウマチとはどんな疾患か
2 関節リウマチの診断
3 関節リウマチの病勢・進行評価法
4 関節リウマチの治療
a.薬物療法
b.手術療法
c.運動療法・物理療法・日常生活指導
d.装具療法と自助具
5 悪性関節リウマチ
6 強直性脊椎炎
7 若年性特発性関節炎
C.感染症
1 化膿性骨髄炎
a.急性化膿性骨髄炎
b.慢性化膿性骨髄炎
2 化膿性関節炎
a.乳児化膿性股関節炎
3 骨・関節結核
a.脊椎カリエス
4 嫌気性感染症
D.代謝・内分泌疾患
1 骨軟化症、くる病
2 骨粗鬆症
3 上皮小体機能異常
a.上皮小体機能亢進症
b.上皮小体機能低下症
4 甲状腺機能異常
a.甲状腺機能亢進症
b.甲状腺機能低下症
5 巨人症、末端肥大症
E.骨・軟部腫瘍
1 良性骨腫瘍
a.原発性骨腫瘍
b.腫瘍類似疾患
2 悪性骨腫瘍
a.原発性悪性骨腫瘍
b.続発性骨腫瘍
3 軟部腫瘍
a.良性軟部腫瘍
b.悪性軟部腫瘍
F.神経疾患・筋疾患
1 末梢神経の機能と構造
a.末梢神経の構造
b.末梢神経損傷の分類
2 末梢神経機能の評価
a.診察法
b.検査
3 末梢神経損傷の治療
4 脳性麻痺
コラム・産科医療補償制度について
・脳性麻痺児・者をとりまく社会福祉制度についての知識をもとう
5 筋ジストロフィー
a.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
b.ベッカー型筋ジストロフィー
c.肢帯型筋ジストロフィー
d.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
e.先天性筋ジストロフィー(福山型)
f.筋強直性ジストロフィー
G.骨系統疾患
1 骨の構造、成長
2 骨形成不全症
3 軟骨無形成症
4 脊椎・骨端異形成症
5 大理石骨病
6 神経線維腫症
7 マルファン症候群
H.骨壊死性疾患および骨端症
1 無腐性壊死症
2 骨端症
a.ペルテス病
b.キーンベック病
c.オズグッド・シュラッター病
d.ショイエルマン病
e.ブラント病
f.ケーラー病
g.パンナー病
h.セーヴァー病(踵骨骨端症)
I.四肢循環障害
1 閉塞性動脈硬化症
2 閉塞性血栓血管炎(バージャー病)
3 レイノー症候群
4 深部静脈血栓症
5 下肢静脈瘤
6 リンパ浮腫
J.四肢切断および四肢欠損
1 言葉の定義
2 切断部位
a.切断部位と特別な名称
3 切断の原因
4 切断術
a.骨の処理
b.軟部組織の処理
c.皮膚の処理
5 断端合併症
a.関節拘縮
b.循環障害
c.感覚障害
d.瘢痕
e.骨突出
f.過剰な軟部組織
g.有痛性神経腫
h.疼痛
i.幻肢痛
6 リハビリテーション
a.義肢
b.義肢練習
c.切断者の心理
K.慢性疼痛疾患
1 疼痛の種類とメカニズム
a.発生機序に基づいた分類
b.罹病期間に基づいた分類
2 慢性疼痛疾患
a.病気としての慢性疼痛の疫学
b.慢性疼痛疾患各論
L.スポーツ整形外科
1 総論
a.スポーツの分類
b.スポーツ外傷と障害
c.発育期のスポーツ外傷と障害
d.中高年者のスポーツ外傷と障害
e.現場での応急処置
f.治療
g.予防
2 各論
a.スポーツ種目別の外傷と障害
b.スポーツに特有な外傷と障害
M.身体障害者スポーツ
1 身体障害者スポーツの意義
2 身体障害者スポーツの歴史と組織
a.世界の歩み
b.日本の歩み
3 リハビリテーションとしてのスポーツ
a.病院での練習
b.更生練習施設でのスポーツ
4 QOLとしての障害者スポーツ
a.競技スポーツ
b.レクリエーションスポーツ
5 身体障害者のために考案されたスポーツ
a.ルールや用具の工夫で行われる競技
b.重度障害者のスポーツ
6 クラス分け
7 知的障害者と精神障害者のスポーツ
a.知的障害者のスポーツ
b.精神障害者のスポーツ
7 メディカルチェック
a.脊髄損傷
b.脳性麻痺
c.ポリオ
d.脳血管障害による片麻痺
e.切断
8 スポーツ障害
9 ドーピング
10 今後の展望
●参考図書
和文索引
欧文索引
「整形外科学テキスト」が世に出て、初版発行より10年、改訂第2版発行より5年が経過した。また、2008年9月には厚生労働省から「平成22年版理学療法士作業療法士国家試験出題基準」が発表された。このような状況から、内容の点検・見直しをすることとなった。改訂第2版の過不足のある表現や項目などの反省点を含めて執筆の各先生方にブラッシュアップをお願いした。本書は整形外科の分野で著明な先生方やご活躍中の先生方で理学療法、作業療法などのコメディカルの教育にも実際に携わっておられる先生方に専門分野を執筆いただき編集したものである。
今回の主な改訂内容は以下のとおりである。
1。理学療法士国家試験受験者が1万人近くになり、作業療法士国家試験受験者も7千人になろうとしている。このような状況で、新しい国家試験出題基準を取り入れ、表現はなるべく統一性を持たせ簡潔な表現に努めた。
2。疾患によって記述に軽重をつけるべく臨床実習で体験する機会の多い疾患や外傷など、理学療法士・作業療法士などのコメディカル専門職が熟知していなければならない知識に関しては、頁数を増やして詳細な説明を加えた。
3。第40回理学療法士・作業療法士国家試験(2005年実施)からX線写真やMRI画像が出題されてきている。養成校では、画像に関する授業が必ずしも十分に行われていない現状に鑑み、重要な疾患には画像をふんだんに掲載して簡潔な説明を加え疾患の理解の向上に資することにした。この画像は臨床実習や臨床現場においても、十分に役に立つものであると自負している。
4。整形外科疾患において、現症の裏に潜む病理学的または生理学的な背景や治療法を成書の解説には及ばないにしても少し詳細に記載した。
5。前版に引き続き項目の最初に「学習のまとめ」を掲載している。重要なポイント、症状、検査法など、少なくともこれは覚えて欲しいというものである。
6。四肢計測、関節可動域、徒手筋力テスト、神経反射、運動学などは、検査測定として養成校では多くの時間をかけて学習するカリキュラムになっている。重複を避け、必要に応じて各論にて述べるにとどめた。
新しく理学療法士・作業療法士になるために整形外科学を勉強する多くの学生にとって本書が効率よい学習に少しでも役に立てれば幸いである。
2011年1月
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