健康・栄養科学シリーズ
公衆栄養学改訂第5版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 |
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編集 | : 古野純典/伊達ちぐさ/吉池信男 |
ISBN | : 978-4-524-26166-6 |
発行年月 | : 2015年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 326 |
在庫
定価3,300円(本体3,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
管理栄養士が担う公衆栄養活動で必須な知識として、現在の社会・地域の健康・栄養問題の背景を理解し、それらの情報収集・アセスメントからプログラムの作成・実施・評価の総合的なマネジメントまでを学べる第一線の執筆陣による好評テキスト。管理栄養士国家試験出題基準に準拠、「日本人の食事摂取基準2015年版」に対応した改訂版。
第1章 公衆栄養学の概念
A.公衆栄養の概念
1 健康と公衆栄養
2 世界とわが国の公衆栄養
3 保健・医療・福祉システムと公衆栄養
4 コミュニティと公衆栄養活動
B.公衆栄養活動
1 公衆栄養活動の歴史
2 生態系保全のための公衆栄養活動
3 地域づくりのための公衆栄養活動
4 ヘルス・プロモーションのための公衆栄養活動
5 自己管理能力(エンパワメント)のための公衆栄養活動
6 疾病予防のための公衆栄養活動
7 少子・高齢社会における健康増進
第2章 健康・栄養問題の現状と課題
A.社会環境と健康・栄養問題
1 人口問題
2 人口構成の変遷
3 少子化
4 長寿社会
5 食料問題
B.健康状態の変化
1 死因別死亡
2 平均寿命,健康寿命
3 生活習慣病の有病率
C.食事の変化
1 エネルギー・栄養素摂取量の変化
2 食品群別摂取量の変化
3 料理・食事パターンの変化
D.食生活の変化:食行動・食態度・食知識・食スキルの変化
E.食環境の変化
1 食品生産・流通(食物へのアクセス)
2 食情報の提供
3 保健を目的とした食品の提供(健康食品、サプリメント)
4 食料需給表(フードバランスシート)
5 食料自給率
F.諸外国の健康・栄養問題の現状
1 先進諸国
2 開発途上国
3 地域間格差
第3章 栄養政策
A.わが国の公衆栄養活動
1 公衆栄養活動の役割
2 公衆栄養活動と組織・人材育成
B.公衆栄養関連法規
1 地域保健法
2 健康増進法
3 食育基本法
C.管理栄養士・栄養士養成制度
1 栄養士法
2 管理栄養士・栄養士の社会的役割
3 管理栄養士・栄養士養成制度の沿革
D.国民健康・栄養調査
1 調査の目的
2 調査の沿革
3 調査の内容
4 調査方法
E.実施に関する指針、ツール
1 食生活指針、運動指針
2 食事バランスガイド
3 食育ガイド
4 生活習慣病に関する学会ガイドライン
F.わが国の健康増進基本方針と地方計画
1 健康日本21
2 特定健康診査・特定保健指導
3 第二次食育推進基本計画
G.諸外国の健康・栄養政策
1 公衆栄養活動に関係する国際的な栄養行政組織
2 諸外国の健康・栄養政策
3 諸外国の食事摂取基準
4 諸外国の食生活指針とフードガイド
5 諸外国の栄養士養成制度
第4章 栄養疫学
A.栄養疫学の概要
1 疫学の概要
2 歴史上の疫学の業績に学ぶ
3 栄養疫学が取り扱う分野
B.栄養疫学の指標
1 疾病頻度
2 食品・栄養素摂取(曝露)効果の測定
C.栄養疫学の方法
1 観察研究
2 介入研究
3 系統的レビューとメタアナリシス
4 エビデンスのレベル
D.栄養疫学のための食事調査法
1 食品と栄養素
2 食事の個人内変動と個人間変動
3 日常的・平均的な食事摂取量
E.食事摂取量の測定方法
1 食事記録法
2 24 時間食事思い出し法
3 食物摂取頻度調査法と妥当性・再現性
4 食事摂取量を反映する生化学的指標
5 食事摂取量を反映する身体計測値
F.食事摂取量の評価方法
1 食事調査と食事摂取基準
2 総エネルギー調整栄養素摂取量
3 データの処理と解析
第5章 公衆栄養マネジメント
A.公衆栄養マネジメントの概念とプロセス
1 公衆栄養マネジメントの定義
2 公衆栄養マネジメントの対象と実施者
3 公衆栄養マネジメントと住民参加
4 公衆栄養マネジメントのプロセス
5 公衆栄養マネジメントのためのモデル:プリシード・プロシード
B.公衆栄養アセスメント
1 公衆栄養アセスメントの目的と項目の枠組み
2 食物摂取状況のアセスメントとしての食事摂取基準の地域集団への活用
3 地域観察の方法と活用
4 質問紙調査の方法と活用
5 既存資料活用の方法と留意点
6 健康・栄養情報の収集と管理
C.公衆栄養プログラムの計画
1 計画策定の必要性、短期・中期・長期計画と短期・中期・長期目標
2 運営面のアセスメント
3 政策面のアセスメント
4 評価の計画
5 計画書の作成
D。公衆栄養プログラムの実施
1 地域社会資源の把握と管理
2 運営面・政策面のアセスメント
3 計画策定・実施に必要な技能
4 住民参加
5 プログラムに関連する関係者・機関の役割
6 コミュニケーションの管理
E.公衆栄養プログラムの評価
1 評価の種類・デザイン
2 過程(経過)評価
3 影響・結果評価
4 経済評価
5 総合評価
6 評価結果のフィードバック
第6章 公衆栄養プログラムの展開
A.地域特性に対応したプログラムの展開
1 健康づくり
2 食育
3 在宅医療、介護支援
4 健康・食生活の危機管理と食支援
5 地域栄養ケアのためのネットワークづくり
B.食環境づくりプログラムの展開
1 特別用途食品・特定保健用食品・栄養機能食品の活用
2 栄養成分表示の活用
3 健康づくりのための外食料理の活用
C.地域集団の特性別プログラムの展開
1 母子(妊娠期、授乳期、新生児・乳幼児期)の公衆栄養プログラム
2 学童・思春期の公衆栄養プログラム
3 成人の公衆栄養プログラム
4 高齢者の公衆栄養プログラム
5 障害者の公衆栄養プログラム
6 生活習慣病ハイリスク集団の公衆栄養プログラム
付録 公衆栄養の歴史
参考図書
練習問題解答
索引
改訂第5版の序
管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)に準拠した教科書である「健康・栄養科学シリーズ公衆栄養学」の初版が出版されたのは平成18年4月であり、9年間で4回の改訂になる。本書はガイドライン改定あるいは新たな栄養政策に合わせて改訂をおこない、読者が最新情報を学べるよう工夫されてきた。今回は「日本人の食事摂取基準(年版)」の公表に合わせた改訂である。2010年版までは基礎代謝量と身体活動レベルを勘案した推定エネルギー必要量が示されていたが、2015年版では理想的なBMIの維持を目指したエネルギー摂取量が提案されている。
今回の改訂より前版の編集者であった田中平三と徳留信寛に替わり、古野純典と吉池信男が加わり、初版から継続して編集を担当している伊達ちぐさとの3名の編集体制となった。また、執筆者数名の変更もおこなった。改訂に際しては、最新情報を取り入れたほか、記述を一層簡潔にし、図表を多用するように努めた。
公衆栄養学は栄養改善を通して公衆衛生の向上を図る実践科学であり、疾病・健康モニタリングから栄養政策までを包含する幅広い学問である。従って、これを学ぶことにより保健統計の動向、疫学の基本知識さらには健康政策の全体像をも理解できるようになる。栄養政策、栄養疫学、栄養プログラムの計画・実施は管理栄養士を目指す学生にとって重要な学習項目であるが、本書は公衆栄養活動や栄養教育・指導の実務にも有用な情報を網羅している。座右の書として学生および卒業生に活用していただけることを祈念する。
平成27年3月
編集者一同