健康・栄養科学シリーズ
社会・環境と健康改訂第5版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 |
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編集 | : 古野純典/辻一郎/吉池信男 |
ISBN | : 978-4-524-25968-7 |
発行年月 | : 2017年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 350 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
管理栄養士が活動の根拠として必ず理解しておくべき、人間の健康とそれを規定する社会・環境要因、健康の維持・増進や疾病予防の考え方とその取り組みを学ぶテキスト。第5版では、2015年改定の管理栄養士国家試験出題基準に準拠し、必須事項を精選。最新の動向、施策を解説し、統計データもアップデートした。
第1章 社会と健康
A.健康の概念
1 健康の定義
2 健康づくりと健康管理
B.公衆衛生の概念
1 公衆衛生の定義と目標
2 公衆衛生と予防医学
3 プライマリ・ヘルス・ケア
4 ヘルスプロモーション
C.公衆衛生活動の過程・方法
1 公衆衛生活動とは
2 公衆衛生活動の過程・方法
3 プリシード-プロシードモデル
4 ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ
D.公衆衛生・予防医学の歴史
1 外国での歴史
2 日本における歴史
第2章 環境と健康
A.生態系と人々の生活
1 生態系と環境の保全
2 地球規模の環境
B.環境汚染と健康影響
1 環境汚染
2 公害
C.環境衛生
1 気候,季節
2 空気
3 温熱,低温
4 上水道と下水道
5 廃棄物処理
6 電離放射線と非電離放射線
第3章 健康,疾病,行動にかかわる統計資料
A.保健統計の概要
B.人口静態統計
1 人口静態統計と国勢調査
2 人口の推移
3 世界の人口
C.人口動態統計
1 人口動態統計と各指標の届出制度
2 出生
3 死亡
4 婚姻と離婚
D.生命表
1 生命表
2 平均寿命と平均余命の推移
3 健康寿命
E.傷病統計
1 患者調査
2 国民生活基礎調査
3 食中毒統計
F.その他の保健統計
1 国民健康・栄養調査
2 都道府県民健康・栄養調査
3 家計調査
第4章 健康状態・疾病の測定と評価
A.疫学の概念
1 疫学の定義
2 疫学の対象と領域
B.疫学指標
1 疾病頻度
2 曝露効果の測定
C.疫学の方法
1 疫学的方法の全体像
2 記述疫学
3 分析疫学的方法
4 介入研究
D.バイアスの制御と疫学的因果関係
1 分析疫学研究の妥当性
2 バイアス(選択バイアス,情報バイアス)と交絡
3 疫学研究の総合評価と因果関係のとらえ方
E.スクリーニング
1 スクリーニングの意義と有効性
2 スクリーニングの精度
F.根拠に基づいた医療および保健対策
1 根拠の質のレベル
2 系統的レビューとメタアナリシス
3 効能,効果,効率の評価
4 主な疾患管理ガイドライン
G.リスクのとらえ方と安全性の確保
1 リスクアナリシス(リスク分析)の背景
2 危害分析重要管理点
3 FAO/WHO合同食品規格(コーデックス)委員会
4 リスクアナリシス(リスク分析)
H.疫学研究と倫理
1 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
2 インフォームド・コンセント
第5章 生活習慣(ライフスタイル)の現状と対策
A.健康に関する行動と社会
1 健康の生物心理社会モデル
2 生活習慣病,NCDの概念
3 健康日本21
B.食生活,食行動,食環境
1 食生活の現状と対策
2 食行動の現状と対策
3 食環境の現状と対策
C.身体活動,運動
1 身体活動・運動の現状
2 身体活動・運動の健康影響
3 健康づくりのための身体活動基準および指針
D.喫煙行動
1 喫煙の現状
2 喫煙の健康影響と社会的問題
3 禁煙サポートと喫煙防止
4 たばこ対策
E.飲酒行動
1 飲酒の現状
2 飲酒の健康影響と社会的問題
3 アルコール対策と適正飲酒
F.睡眠・休養,ストレス
1 睡眠と生活リズム
2 睡眠障害と睡眠不足の現状,睡眠指針
3 休養の概念と休養指針
4 ストレスの概念
5 ストレスマネジメント
G.歯科保健行動と歯科疾患
1 歯の健康と食生活
2 歯科保健行動
3 歯科疾患
4 歯科保健対策
第6章 主要疾患の疫学と予防対策
A.がん
1 がん統計
2 がん対策
3 がん検診
B.循環器疾患
1 高血圧
2 脳血管疾患
3 心疾患
C.代謝疾患
1 肥満
2 メタボリックシンドローム
3 糖尿病
4 脂質異常症
D.骨・関節疾患
1 骨粗鬆症・骨折
2 変形性関節症
3 ロコモティブシンドローム
E.感染症
1 感染症法
2 主要感染症
3 予防接種(ワクチン)
4 検疫
F.精神疾患
1 主要な精神疾患
2 精神保健対策
G.その他の疾患
1 腎臓疾患
2 呼吸器疾患
3 消化器疾患
4 肝臓疾患
5 アレルギー疾患
6 認知症
H.外因(自殺,不慮の事故,虐待・暴力)
1 自殺
2 不慮の事故
3 虐待・暴力
第7章 保健・医療・福祉の制度
A.社会保障の概念
1 社会保障の定義と歴史
2 公衆衛生と社会保障
B.保健・医療・福祉における行政のしくみ
1 国の役割と法律
2 衛生法規の定義とその内容
3 地方自治のしくみ
4 都道府県の役割
5 市町村の役割
C.医療制度
1 医療保険制度
2 医療法と医療施設,医療計画
3 医療従事者
4 医療費
D.福祉制度
1 社会福祉
2 社会福祉施設
3 障害者福祉
4 障害者支援施設
5 在宅ケア,訪問看護
第8章 地域保健
A.地域保健活動の概要
1 地域保健の意味と方法
2 戦後の地域保健活動の変遷
3 地域保健活動の組織
4 地域保健従事者
B.地域における資源と連携
C.地域における健康危機管理
第9章 母子保健
A.母子保健法
B.母子保健事業
1 母子健康手帳
2 乳幼児健康診査
3 育児指導
4 新生児マススクリーニング
C.母子保健施策
1 健やか親子21
2 少子化対策,子ども・子育てビジョン
第10章 成人保健
A.生活習慣病の発症予防と重症化予防
B.特定健康診査・特定保健指導
1 特定健診・特定保健指導事業が導入された背景
2 特定健診・特定保健指導事業の概要
3 特定健診・特定保健指導事業の評価
C.高齢者の医療の確保に関する法律
第11章 高齢者保健・介護
A.高齢者保健・介護の概要
B.介護保険法
C.介護予防
1 介護予防サービス
2 地域支援事業
D.要介護認定とケアマネジメント
1 要介護認定
2 ケアマネジメント
3 給付サービスの種類
E.地域包括支援センター
F.介護施設,老人保健施設
1 介護施設
G.地域包括ケアシステム
1 地域包括ケアシステムの定義
2 地域ケア会議
第12章 産業保健
A.産業保健の目的と制度
1 目的
2 労働(作業条件・作業環境)と健康
3 法的枠組み
4 行政組織と関連組織
B.産業保健の現状と対策
1 労働災害の発生件数
2 業務上疾病の認定件数
3 産業保健従事者の職種
4 労働安全衛生対策
C.職業と健康障害
1 産業疲労
2 職業病と作業関連疾患
3 代表的な作業関連疾患
4 代表的な職業病
第13章 学校保健
A.学校保健の概要
1 目的
2 制度
B.学校保健の現状と対策
1 概要
2 学校保健従事者
3 学校保健統計
4 児童・生徒の健康
5 学校保健安全対策
6 学校感染症
第14章 国際保健
A.地球規模の健康問題と国際協力
1 開発途上国の概況
2 開発途上国の健康問題
3 国際保健の目的
4 国際協力
B.関連機関・組織の役割
1 国際協力の仕組み
2 世界保健機関(WHO)
3 国連食糧農業機関(FAO)
4 国連児童基金(UNICEF)
5 日本国際協力機構(JICA)
付録1 保健・医療・福祉・介護関連法規
A.栄養関連法規
1 憲法
2 栄養士法
3 健康増進法
4 地域保健法
5 食品衛生法
6 食品安全基本法
7 食育基本法
8 調理師法
9 学校給食法
0 母子保健法
B.一般衛生法規
1 公衆衛生法規
2 医務衛生法規
3 薬務衛生法規
4 介護,福祉関係法規
付録2 情報化社会におけるコミュニケーション
A.情報収集の方法
1 データベース
2 データベース・ソフト
3 データベースの種類
4 データベースの利用
5 情報の批判的吟味
B.情報マネジメント
1 健康情報管理
2 個人情報保護
参考図書
練習問題解答
和文索引
欧文索引
改訂第5版の序
本書は管理栄養士国家試験出題基準に準拠した“健康・栄養科学シリーズ”の1冊として、2004(平成16)年4月に初版が刊行された。本書で学ぶ科目「社会・環境と健康」は、医学・健康科学の領域では一般に「公衆衛生学」と呼ばれる内容を網羅している。
個人の健康増進と疾病予防は、その個人が生活する社会・環境によって大きく左右される。そのため、健康増進や疾病予防においては健康事象やその関連要因をヒト集団における現象としてとらえ、その実践活動は生活の場としての地域、職場あるいは学校などにおいて行われる。生活環境の変化や医療の進歩は疾病構造の変化をもたらし、これに対応して国・自治体の健康施策も変化してきた。
本書は初版刊行より13年間で4回の改訂がなされたが、各改訂時には改定出題基準への準拠あるいは新たな健康施策への対応を行うことで、読者が最新情報を学べるように工夫してきた。保健統計の読み方、集団を対象とする調査研究の方法、生涯をとおした保健対策のあり方などの基本的な学習項目に変わりはないが、一方で、気候変動、新たな感染症の出現、急速な高齢化に伴う認知症や高齢虚弱の増加などは、この数年で社会的課題として重要視されるようになった。今回の改訂では以上のような最新情報を盛り込んだことのほかに、記述を一層簡潔にし、図表を多用するように努めた。なお本書では、公害および職業病の歴史的事例や保健医療制度の歴史についても解説されており、温故知新は「社会・環境と健康」にも当てはまるといえる。
管理栄養士を目指す学生にとって、また、それぞれの職場で管理栄養士として活躍している者にとっても、本書は健康増進と疾病予防を図る実践科学を学習するまたと無い機会を提供するものである。本書が教科書としてだけでなく、卒後も座右の書として活用していただけることを祈念する。
平成29年2月
編集者一同