教科書

シンプル生理学改訂第8版

  • 新刊

: 貴邑冨久子/根来英雄
ISBN : 978-4-524-22655-9
発行年月 : 2021年3月
判型 : B5
ページ数 : 384

在庫あり

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

1988年の初版刊行から好評を得て版を重ねている医療系学生を主対象とした生理学の定番教科書。医学部生の入門用、試験前の通読用としても活用されている。初学者でも通読しやすい平易な文章と豊富な図表とともに、読者の興味を惹く生理学的実験やエピソードも多数紹介。今版では、一部章項目の再構成と内容の整理・アップデートを行い、また読者・採用者からの要望にも対応した。全ページフルカラー、図は発生胚葉別に色付けし理解を深めるのに好適。

1.生理学の基礎
 1 生理学とは
 2 人体を構成する要素
 3 細胞の基本的な構造と機能
 4 細胞の分裂/増殖と分化
 5 生理機能制御の基本原理
2.神経の基本的機能
 1 神経細胞の形態
 2 静止膜電位
 3 活動電位
 4 閾刺激
 5 全か無かの法則
 6 不応期
 7 興奮の伝導
 8 複合活動電位
 9 興奮の伝達
3.感覚受容器の基本的機能
 1 感覚器の種類
 2 感覚受容細胞における電気現象
 3 順応
 4 感覚情報の伝導と新皮質感覚野
 5 感覚の種類
4.筋肉の基本的機能
 1 3種類の筋肉の役割と特徴
 2 骨格筋
 3 心筋
 4 平滑筋
5.神経系の構成
 1 反射と反射弓
 2 脳-脊髄神経系の構成
 3 脊髄と脊髄神経,脳幹と脳神経
 4 体性神経系と自律神経系
6.さまざまな感覚
 1 視覚
 2 聴覚
 3 前庭感覚
 4 嗅覚と味覚
 5 皮膚感覚
 6 深部感覚(固有覚)
 7 内臓感覚
7.自律神経系と内臓機能
 1 交感神経系と副交感神経系
 2 化学伝達物質
 3 効果器支配の様式
 4 自律神経遠心性線維の分布と作用
 5 いろいろな内臓反射と中枢
8.体性神経系と運動機能
 1 運動機能概説
 2 姿勢の定義
 3 いろいろな体性反射と中枢
 4 脊髄の運動機能
 5 脳幹の運動機能
 6 小脳の運動機能
 7 大脳基底核の運動機能
 8 新皮質運動野の運動機能
9.中枢神経系の高次機能
 1 大脳皮質,視床,脳幹の一般構造
 2 大脳皮質の活動レベル,覚醒と睡眠
 3 新皮質の構造と神経連絡
 4 新皮質連合野の統合機能
 5 辺縁系と視床下部の機能
10.内分泌系の機能
 1 概説
 2 ホルモンの一般的性質
 3 視床下部のホルモン
 4 下垂体前葉のホルモン
 5 下垂体後葉のホルモン
 6 甲状腺のホルモン
 7 骨代謝の内分泌性調節
 8 副腎皮質のホルモン
 9 副腎髄質のホルモン
 10 膵臓のホルモン
 11 糖代謝の調節
 12 白色脂肪細胞のホルモン
11.生殖機能
 1 性染色体と配偶子形成
 2 性分化
 3 ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)
 4 男性の生殖機能
 5 女性の生殖機能
 6 生殖機能の加齢変化
12.栄養と代謝
 1 概説
 2 生体に必要な食物成分とエネルギー
 3 エネルギー産生栄養素の中間代謝
 4 エネルギー産生栄養素のエネルギー代謝
13.消化器系の機能
 1 消化器系の役割
 2 消化管の運動と分泌機能
 3 消化管の消化と吸収機能
 4 消化管ホルモン
 5 肝臓
14.血液の生理
 1 血液の機能
 2 血液の組成
 3 血液型
 4 止血機構
 5 生体防御機構
15.循環系の機能
 1 概説
 2 心臓
 3 血管系とリンパ管系
 4 循環の調節
 5 局所循環
16.呼吸の生理
 1 呼吸とは
 2 呼吸器の構造
 3 呼吸機能の構成
 4 換気
 5 ガスの拡散と交換
 6 血液中の酸素の運搬
 7 一酸化炭素中毒
 8 血液による二酸化炭素の運搬
 9 呼吸を調節するしくみ
 10 肺換気量の調節
 11 呼吸の異常
 12 人工呼吸
17.尿の生成と排泄
 1 腎の機能的構造
 2 糸球体ろ過
 3 糸球体ろ過量,腎血漿流量,クリアランス
 4 尿細管における再吸収
 5 尿細管における分泌
 6 尿の成分
 7 排尿
18.体液とその調節
 1 体液とその区分
 2 体液の恒常性を維持するしくみ
19.体温とその調節
 1 体温
 2 体温の生理的変動
 3 体内における熱の産生
 4 熱放散
 5 行動性体温調節
 6 熱平衡
 7 体温調節機構
 8 高体温
 9 低体温
付録
 1 生理学で使われる単位
 2 略語集
索引

第8版のはしがき

 人体には、神経系、感覚系、筋/骨格系、循環系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、内分泌系、生殖器系、免疫系などがあるが、これらのうち、動物で良く発達している器官系、つまり、神経系、感覚系、筋/骨格系の生理機能を動物機能、その他の器官系の生理機能を植物機能と呼んでいる。改訂第7版までも、おおよそは、前半に動物機能、後半に植物機能について記述していた。しかし、改訂第8版においては、動物機能、植物機能のいずれの発現においても特別な役割を果たしている電気的興奮をする細胞、つまり「興奮性細胞」の基本的機能の説明を、第2章、第3章、第4章でまとめることにした。これらは、神経細胞、感覚細胞、筋肉細胞である。ただし、多くの水溶性ホルモンの分泌細胞もホルモン分泌に先立ち脱分極することが知られているが、これについては第10章に記述した。
 改訂第8版では、「免疫機能」についての説明を第14章に補足・追加した。これは読者からの要望に答えたもので、予定していたことであった。しかし、大変驚いたことに、2019年12月から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染がパンデミックまでに拡大し、この改訂第8版のはしがきを書いている2021年1月末には世界での感染者数が1億人を超え、死者数も230万人に迫り、未だ拡大中である。日本では、1月7日に1ヵ月間の予定で出た第3波に対する緊急事態宣言のもう1ヵ月間の延長が決まり、同時に2月末に向けてワクチンの接種が始まろうとしている。こうした世界史にも残るような新型ウイルス感染の真最中に免疫について書くという奇遇に驚きながらの作業であったので、ここに敢えて記させていただき、2021年度新学期にこの教科書を手にした読者の皆さんにこの後のフォローをお願いしたい。
 このような事から、この改訂第8版の出版には、思いもかけない、かなりの苦労がつきまとった。初めに触れたような記述の大幅な入れ替えに加え、改訂第7版では、「図版のカラー化」に主力を注いだため、「図版のリニューアル化」が遅れた。この遅れを取り戻すことが是非とも必要であったにもかかわらず、先述の新型コロナウイルス感染予防のため、世の中が在宅勤務を含む新しい働き方に否応なしに対応せざるをえなくなってしまった。これをもって、改訂第8版の刊行の遅れを覚悟しなければと思った。しかし、イラストレーターの榎本星和氏の御尽力のおかげで、多数の図版を、科学の進歩に沿った、新しいものにすることができた。また、第16章においては、聖マリアンナ医科大学生理学舩橋利也教授により呼吸生理の新知識を新しい図版とともに盛り込んでいただくことができた。お二人には、この場を借りて心からの感謝をいたします。そして、多くの困難を乗り越えて、予定通りに改訂版の出版に漕ぎ着けて下さった南江堂出版部諸氏に対しても心からの感謝を申し上げさせていただきます。

2021年1月
貴邑冨久子
根来英雄