教科書

健康・栄養科学シリーズ

公衆栄養学改訂第9版

監修 : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
編集 : 吉池信男/林宏一/木村安美
ISBN : 978-4-524-21092-3
発行年月 : 2025年3月
判型 : B5判
ページ数 : 324

在庫あり

定価3,300円(本体3,000円 + 税)


サポート情報

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

公衆栄養活動に必須な知識として,栄養疫学の基礎知識,栄養政策,現代の健康・栄養問題とそのアセスメントからプログラムの実施・評価までを総合的に学べる好評テキスト.国民健康・栄養調査,日本人の食事摂取基準(2025年版)等の統計・制度の情報更新に対応.

第1章 公衆栄養学の概念
 A 公衆栄養の概念
  1 公衆栄養の意義と目的
  2 生態系と食料・栄養
  3 保健・医療・福祉システムと公衆栄養
  4 コミュニティと公衆栄養活動
  5 地域診断と公衆栄養活動
 B 公衆栄養活動の基本と展開過程
  1 公衆栄養活動の歴史
  2 少子・高齢社会における健康増進
  3 疾病予防のための公衆栄養活動
  4 ヘルスプロモーションのための公衆栄養活動
  5 エンパワメントと公衆栄養活動
  6 住民参加による公衆栄養活動
  7 ソーシャルキャピタルの醸成と活用
  8 持続可能性(サステナビリティ)を踏まえた公衆栄養活動
  9 多職種連携・多機関連携   
第2章 健康・栄養問題の現状と課題
 A 健康状態の変化
  1 人口構成の変遷と現在の課題
  2 死因別死亡
  3 平均寿命,健康寿命
  4 疾病構造の変化と栄養・食生活
 B 食事の変化
  1 エネルギー・栄養素摂取量の変化
  2 食品群別摂取量の変化
  3 料理・食事パターンの変化
 C 食生活の変化:食行動・食態度・食知識・食スキルの変化
 D 食環境の変化
  1 フードシステムとは
  2 食環境整備とは
  3 食品生産・流通(食物へのアクセス)
  4 食情報の提供(食情報へのアクセス)
  5 保健を目的とした食品の提供
  6 食料安全保障
 E 諸外国の健康・栄養問題の現状
  1 先進諸国の健康・栄養問題
  2 開発途上国の健康・栄養問題
  3 地域間格差
    確認問題   
第3章 栄養政策
 A わが国の公衆栄養活動と関連法規
  1 公衆栄養活動の役割
  2 栄養政策・関連法規
  3 公衆栄養活動と組織
 B 管理栄養士・栄養士制度と職業倫理
  1 公衆栄養活動を担う人材育成
  2 職業倫理
 C わが国の健康増進基本方針と地方計画
  1 健康日本21
  2 特定健康診査・特定保健指導
  3 第4次食育推進基本計画
 D 国民健康・栄養調査
  1 調査の目的
  2 調査の沿革
  3 調査方法
  4 調査票の種類
 E 実施に関する指針,ツール
  1 食生活指針,運動指針
   a  食生活指針
   b  妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
   c  健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
  2 食事バランスガイド
  3 食育ガイド
  4 健康な食事
 F 諸外国の健康・栄養政策
  1 国際的な栄養行政組織と活動
  2 諸外国の健康・栄養政策
  3 諸外国の食事摂取基準
  4 諸外国の食生活指針とフードガイド
  5 諸外国の栄養士養成制度
    確認問題
第4章 栄養疫学
 A 栄養疫学の概要
  1 疫学の概要
  2 歴史上の疫学の業績に学ぶ
  3 栄養疫学が取り扱う分野
 B 栄養疫学の指標
  1 疾病頻度
  2 曝露効果の測定
 C 栄養疫学の方法
  1 観察研究
  2 介入研究
  3 系統的レビューとメタ解析
  4 エビデンスのレベル
 D 栄養疫学のための食事調査法
  1 食品と栄養素
  2 食事の個人内変動と個人間変動
  3 日常的・平均的な食事摂取量
 E 食事摂取量の測定方法
  1 食事記録法
   a  秤量法
   b  目安量法
  2 24時間食事思い出し法
  3 食物摂取頻度調査法
  4 食事摂取量を反映する生化学的指標
  5 食事摂取量を反映する身体計測値
 F 食事摂取量の評価方法
  1 食事調査と食事摂取基準
  2 総エネルギー調整栄養素摂取量
  3 データの処理と解析
    確認問題
第5章 地域診断と公衆栄養マネジメント
 A 公衆栄養マネジメントの概念とプロセス
  1 公衆栄養マネジメントの必要性と定義
  2 公衆栄養マネジメントの対象と実施者
  3 公衆栄養マネジメントのプロセス
  4 公衆栄養マネジメントのためのモデル: プリシード・プロシードモデル
 B 公衆栄養アセスメント
  1 公衆栄養アセスメントの目的と方法
  2 地域診断の方法
  3 地域観察の方法と活用
  4 質問法による調査の方法と活用
  5 既存資料活用の方法と留意点
  6 健康・栄養情報の収集と管理
 C 公衆栄養プログラムの目標設定
  1 公衆栄養アセスメント結果からの状況把握
  2 改善課題の抽出
  3 課題設定の目的と相互の関連
  4 改善課題に基づく改善目標の設定
  5 目標設定の優先順位
 D 公衆栄養プログラムの計画
  1 地域社会資源の把握と管理
  2 運営面のアセスメント
  3 政策面のアセスメント
  4 計画の策定
  5 評価の計画
  6 計画書の作成
 E 公衆栄養プログラムの実施
  1 住民参加
  2 プログラムに関連する関係者・機関の役割
  3 計画策定・実施に必要な技能
  4 コミュニケーションの管理
 F 公衆栄養プログラムの実施
  1 評価の意義と方法
  2 評価の実際
    確認問題
第6章 公衆栄養プログラムの展開
 A 地域特性に対応したプログラムの展開
  1 健康づくり
  2 食育
  3 在宅医療,介護支援
  4 健康・食生活の危機管理と食支援
  5 公衆栄養における地域包括ケアシステムの構築
 B 食環境整備のためのプログラムの展開
  1 食物・食情報へのアクセスと食環境整備
  2 栄養成分表示の活用
  3 特別用途食品,保健機能食品の活用
  4 健康づくりのための外食料理の活用
 C 地域集団の特性別プログラムの展開
  1 母子(妊娠期,授乳期,新生児・乳幼児期)の公衆栄養プログラム
  2 学童・思春期の公衆栄養プログラム
  3 成人の公衆栄養プログラム
  4 高齢者の公衆栄養プログラム
  5 障害者の公衆栄養プログラム
  6 生活習慣病ハイリスク集団の公衆栄養プログラム
    確認問題
付録 公衆栄養の歴史
付録 栄養関連法規
参考図書
確認問題解答
索引

 本書「健康・栄養科学シリーズ 公衆栄養学」は,管理栄養士国家試験の出題基準(ガイドライン)に準拠した教科書として,2006 年4 月の初版刊行以来,約2 〜 3 年ごとに改訂を重ねてきました.改訂にあたっては,出題基準の改定,新たな栄養政策やガイドライン(今回は「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」「健康日本21(第三次)」など)を反映し,読者が常に最新の知識を学べるよう配慮しています.
 改訂のたびに,内容の分かりやすさと読みやすさの向上を重視し,学習効果を高める工夫を施してきました.本書では各章の冒頭に学習目標を示し,学ぶべき内容を明確にしています.また,各項目に小見出しをつけて視認性を高めるとともに,重要用語を欄外に配置し,学習の一助としました.さらに,学習内容の確認・定着を目的とした確認問題も設けていますので,積極的に活用してください.
 公衆栄養学は,日本のみならず,すべての人々が生命を維持し,健全に成長・発達し,健康を増進するために不可欠な実践的な科学です.栄養に関連する疾病や障害を予防するためには,個人や国内に対する視点に加えて,地球規模の視点も求められます.私たちの食物の多くは他の生物に由来するものであり,地球環境や生物多様性の観点(PlanetaryHealth)を踏まえた柔軟で広い視野を持つことが重要です.
 また,わが国の栄養政策や栄養関連の取り組みは,「誰一人取り残さない」という理念(Inclusion)のもと推進されてきました.国内外でさまざまな格差(Disparity)の拡大が課題となる中,社会的公正(Social Justice)や持続可能性(Sustainability)を意識しながら行動していくことが求められています.そのためには,多様な個人が集まる社会(Diversity)において,人それぞれのWell-being の実現に向けて,適切なサポートを実現するためのマネジメントサイクルを理解し,専門職としての責任と創造性を発揮することが不可欠です.本書を通じて,公衆栄養学の知識を深め,実践に生かしていただければ幸いです.
2025 年2 月
編集者一同

9784524210923