パートナーシリーズ
パートナー分析化学I改訂第3版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 | : 萩中淳/能田均/山口政俊 |
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ISBN | : 978-4-524-40343-1 |
発行年月 | : 2017年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 300 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

化学的分析法(定性・定量分析およびその基礎的事項)を中心に解説し、姉妹書「パートナー分析化学II」とセットで分析化学分野をすべて網羅している。重要語句と要点を色分けしたほか、ハイレベルな内容を区別して表示し、ポイントがわかりやすい構成となっている。今改訂では日本薬局方第十七改正ならびに改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応。
第1章 序論
1.分析化学とは
2.分析法の分類
A 分析法による分類
B 分析規模による分類
C 分析対象による分類
3.試薬と水
A 試薬
B 標準物質
C 水
4.分析用器具の材質
A ガラス
B 石英ガラス
C 磁器
D 白金
E プラスチック
5.単位と濃度
A 単位
B 濃度の表示
第2章 定量分析総論
1.定量分析とは
A 化学反応式と化学量論
B 検量線
2.定量分析の種類
A 化学的分析法
B 物理的分析法
C 生物学的分析法
3.分析データの取扱い
A 有効数字とその計算
B 誤差
C 真度と精度
D 標準偏差
E かけ離れた測定値の棄却検定
4.分析法バリデーション
A 分析法バリデーションとは
B 分析能パラメーター
C 分析法を適用する試験法の分類
第3章 容量分析総論
1.容量分析総論
A 容量分析法とは
B 容量分析法の種類
C 滴定終点検出法
D 容量分析用標準液
E 量器と補正
第4章 酸・塩基平衡,中和滴定,非水滴定
I 酸・塩基平衡
1.化学平衡の基礎概念と酸・塩基平衡
A 「」と「」
B 化学平衡と質量作用の法則
C 酸・塩基平衡の基礎概念
2.酸・塩基水溶液のpH
A 酸・塩基の定義
B 強酸と強塩基の水溶液のpH
C 1価の弱酸と弱塩基の水溶液のpH
D 多価の弱酸・弱塩基の水溶液のpH
E 両性物質の水溶液のpH
3.pH緩衝液
A ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式
B 緩衝液に用いられる共役酸・塩基対
C 緩衝液の調製方法
4.分子形とイオン形の存在比
II 中和滴定
A 中和滴定とは
B 酸・塩基平衡と中和滴定
C 酸・塩基指示薬
D 中和滴定曲線
E 多塩基酸の滴定曲線
F 加水分解する塩の滴定(追い出し滴定)
G 中和滴定各論
H 電気的終点検出法
III 非水滴定
A 非水滴定とは
B 非水溶媒中の酸・塩基平衡
C 非水滴定
D 水分測定法(カールフィッシャー法)
第5章 錯体・キレート生成平衡,キレート滴定99
I 錯体・キレート生成平衡
1.錯体・キレート
2.配位結合
3.金属錯体の配位構造
4.金属錯体生成反応
5.錯体生成に影響を及ぼす因子
A 配位子の塩基性
B キレート効果
C 金属イオン
D pH
E 特定の組合せ
F 温度,イオン強度
6.錯体の立体構造と錯体種形成
7.生体の遷移金属
8.反応速度による分類
9.遷移金属
A d軌道
B 高スピン,低スピン
C 分光化学系列
10.錯体の命名法
II キレート滴定
A キレート滴定用試薬
B キレート滴定におけるpHの影響
C 補助錯化剤
D 金属指示薬
E 選択滴定について
F キレート滴定各論
第6章 沈殿平衡,沈殿滴定
I 沈殿平衡
1.沈殿の生成
A 沈殿の生成と溶解度積
B コロイド
C 水酸化物の生成
D 硫化物の生成
E 共通イオン効果
F 異種イオン効果
G 分別沈殿
H マスキング
I 誘発沈殿
2.沈殿の溶解
A 水酸化物の溶解
B 硫化物の溶解
C その他の難溶性塩の溶解
II 沈殿滴定
A 沈殿滴定とは
B 沈殿滴定曲線
C 沈殿滴定各論
D 酸素フラスコ燃焼法によるハロゲン,イオウの定量
第7章 酸化還元平衡,酸化還元滴定
I 酸化還元平衡
1.酸化還元反応
A 酸化と還元
B 酸化数
2.ダニエル電池
3.標準酸化還元電位とネルンストの式
4.酸化還元電位の測定
5.酸化還元平衡
6.酸化還元平衡に影響する因子
II 酸化還元滴定
A 酸化還元滴定とは
B 過マンガン酸塩滴定
C ヨウ素滴定
D ヨウ素酸滴定
E その他の滴定
第8章 分配平衡,イオン交換平衡
1.分配平衡
A 分配平衡と分配係数
B 分配比
C 溶媒抽出
2.イオン交換平衡
A イオン交換平衡と選択性
B イオン交換容量
第9章 定性分析
I 無機イオンの定性分析
1.炎色反応試験法
2.定性反応
A 陽イオンの定性反応
B 陰イオンの定性反応
3.純度試験
A 一般試験法(純度試験)
II 医薬品の確認試験
1.官能基の定性分析
A アルコール性ヒドロキシ基
B フェノール性ヒドロキシ基
C アルデヒド
D アルデヒド,ケトンおよび活性水素化合物
E カルボン酸
F アミン
G グアニジノ基
H ニトロソおよびニトロ
I チオール
J 糖および炭水化物
2.構造特異的な定性分析
第10章 実試料の分析
1.標準分析法
2.分析法の選択
A 分析の目的
B 試料
C 目的成分とその含量
D 分析法の精度
E 共存物質の影響
F 使用機器など
3.前処理法
A サンプリング
B 前処理法
〔付〕 第十七改正日本薬局方医薬品の定量法一覧
参考書
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応一覧
索引
改訂第3版の序
本書『パートナー分析化学I改訂第3版』は、2012年3月に出版された『パートナー分析化学I改訂第2版』の改訂版であり、『パートナー分析化学II改訂第3版』と対をなすものである。薬学領域における分析化学は、創薬科学、医療薬学、生命科学、衛生薬学のあらゆる分野で不可欠な基礎知識および基盤技術となっている。医薬品の確認試験、純度試験および定量、生体試料中の薬物濃度の測定、ゲノム、プロテオームおよびメタボローム解析、環境および食の安全性の評価を行ううえで、分析化学の知識や技能が必要となってくる。
薬の専門家として社会のニーズに応えることのできる薬剤師・薬学研究者の養成を目指した「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が2004年8月に作成され、2006年4月から薬学教育6年制がスタートした。2010年10月には厚生労働省から新薬剤師国家試験出題基準が発表された。その後、薬剤師として求められる「基本的な資質」を前提とした学習成果基盤型教育に基づく、「薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)」(改訂コアカリ)が2013年12月に作成され、2015年4月から各大学で新カリキュラムが開始された。2016年11月には改訂コアカリを踏まえた新たな薬剤師国家試験出題基準が公表された。また、2016年4月に第十七改正日本薬局方(日局17)が施行され、これを機に改訂版を企画した。
本書は、改訂コアカリを完全に網羅するとともに、新薬剤師国家試験出題基準(2010年策定/2016年策定)および日局17に準拠した内容となっている。また、改訂第2版と同様に、改訂コアカリ(SBO)対応一覧を掲載し、読者の便宜を図るとともに、「要点のまとめ」として本文中の重要な語句と文章を色刷りとした。さらに、本改訂版では、本文のうち初学者にとって高度な部分を「発展」として表示するとともに、一部の医薬品については、何の薬であるかという簡単な説明を加えた。また、例題および章末の演習問題は、CBTから薬剤師国家試験レベルまで、多岐にわたる問題を配するようにした。さらに、巻末〔付〕には日局17に収載の医薬品の定量法を網羅した。
本書は、改訂コアカリの「C2化学物質の分析」中の(1)分析の基礎、(2)溶液中の化学平衡、(3)化学物質の定性分析・定量分析で取り扱われている、化学的分析法を中心に記述した。化学的分析法は、物理的分析法(機器分析法)の進歩によって、軽視されがちである。しかし、いかに機器がコンピュータ化され、自動化されても、基本的な概念は、化学的分析法に依存している。特に、デジタル化された結果が容易に得られる昨今、その結果に至る過程で分析化学的な誤りがあっても、基本的な知識がないと気付かず、重大な誤謬につながる。また、本書で述べる基本的な思考方法や理論は、薬剤師あるいは薬学研究者にとっては不可欠なものである。したがって、読者各位が、本書『パートナー分析化学I改訂第3版』の重要性を認識し、姉妹書『パートナー分析化学II改訂第3版』と併せて、今後の発展の基盤として活用されることを期待する。
2017年2月
編集者一同
