薬学生のための漢方医薬学改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 山田陽城/花輪壽彦/金成俊 |
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ISBN | : 978-4-524-40291-5 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 406 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
漢方薬の概念・理論から薬理作用、疾患への応用とその注意点、臨床における調剤・製剤、外来・病棟の服薬指導まで、薬学生に必要な漢方の内容をすべて網羅した教科書。和文用語、生薬名、方剤名、欧文用語別の索引も充実。さらに付録にて一般用漢方処方・医療用漢方エキス製剤、またそれらに用いられる構成生薬を詳説。今改訂では、最新薬理学研究、漢方のEBMについても解説し、日本薬局方第一六改正、改訂一般用漢方処方の手引に対応させた。
第1章 漢方医学総論
1.漢方医学総論
A 漢方医学の特徴と西洋医学との相違点
B 漢方医学の復興
C 現代医療における漢方医学
D 漢方治療の適応・不適応
E 漢方医学のEBM
F 日本の医療のあり方
G 課題
2.漢方医学の理論
A 陰陽理論
B 五行理論
C 病因
3.漢方医学の診断
A 四診(診断の基本)
B 八綱(陰陽・表裏・寒熱・虚実)
C 気血水とその機能低下による症状
D 証の概念
4.漢方医学の歴史
A 中国
B 日本
第2章 漢方薬学総論
1.本草学
A 本草学とは
B 本草学的薬能
2.漢方薬に用いる生薬
A 生薬とは
B 基原植物
C 生薬の分類
3.漢方製剤の種類と剤形
A 一般用漢方処方
B 医療用漢方製剤
C 薬局製剤
D 漢方薬の剤形
E 漢方薬と民間薬の相違
4.原料生薬の流通
A 原料生薬の現状
B 生薬供給国の変化と現状
C 原料生薬が抱える問題
D 医薬品と食品の区分
5.漢方薬の品質管理
A 生薬の生産・加工・製品化まで
B 品質評価
C 生薬の品質管理
D 医療用漢方エキス製剤の品質管理
第3章 漢方薬の作用メカニズム
1.漢方薬理の特徴
A 証と病態動物モデル
B 経口投与と漢方薬の代謝
C 漢方薬は多成分系の薬物
2.主な漢方処方の薬理作用と作用機序
A 免疫系疾患に対する漢方処方
B 腎臓疾患に対する漢方処方
C 精神・神経疾患に対する漢方処方
D 婦人科系疾患に対する漢方処方
E 呼吸器疾患に対する漢方処方
F 循環器疾患に対する漢方処方
G 消化器疾患に対する漢方処方
H 内分泌疾患に対する漢方処方
I 疼痛に対する漢方処方
3.漢方薬の複合効果
4.漢方薬の吸収と代謝
5.新薬との併用効果
第4章 漢方処方の疾患への応用
1.医療用漢方製剤の適用
A 医療用漢方製剤
B 漢方医学に基づく処方の適用
2.現代医療における漢方処方
A 処方選択における注意
B 各疾患における処方の適用
C 疾患分類による該当処方
3.漢方におけるEBM
A EBMとは
B 漢方におけるEBM
第5章 医療漢方薬学
1.漢方薬の調剤・製剤
A 漢方薬の調剤
B 製剤
C 薬歴
D 処方鑑査
E 調剤過誤防止への取り組み
2.漢方薬の服薬指導
A 処方の目的と内容の把握
B 初診患者に必要な服薬指導
C 服薬指導の実際
3.入院患者の服薬指導
A 入院患者と薬剤管理の特徴
B 入院患者への服薬指導の実際
4.漢方薬の使用上の注意と薬物相互作用
A 漢方薬の副作用(有害作用)
B 漢方薬の副作用回避のための注意事項
第6章 世界の伝統医学と相補代替医療
1.世界の伝統医学
A 中国の伝統医学(中医学)
B 韓国の伝統医学(韓医学)
C インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)
D イスラムの伝統医学(ユナニ)
E チベットの伝統医学
2.相補代替医療
A アロマテラピー
B カイロプラクティック
C 栄養補助食品
D ホメオパシー
付録
1.新一般用漢方処方
2.医療用および一般用漢方製剤に用いられる構成生薬
3.医療用漢方エキス製剤一覧
参考文献
索引
薬学生の漢方医薬学教育のための教科書として、本書の初版が刊行されてから5年を経過し、この度改訂版刊行の運びとなった。初版の刊行時と比較しても、漢方薬は現代医療の中でその役割が益々重要となっている。薬学教育も6年制に移行し、臨床を重視した新たな制度のもとでの教育を受けた薬学士が誕生し始めている。そのような中で漢方医薬学の教育も、薬学生が身につけておくべき漢方薬や漢方医学の特色と共に、現代医療におけるその役割をよく理解させることが求められている。また臨床現場で薬剤師として必要な漢方薬の知識や、最先端の科学に裏付けされた漢方薬の薬理作用とその作用機序、新薬との相互作用などについても、西洋薬(現代薬)と対応した教育が求められている。
本改訂版は初版と同様、薬学生向けに、薬剤師となった時に知っておくべき漢方薬についての知識を中心に、「漢方医学総論」、「漢方薬学総論」、「漢方薬の作用メカニズム」、「漢方処方の疾患への応用」、「医療漢方薬学」に加え、「世界の伝統医学と相補代替医療」から構成されている。主な改訂点として、日本薬局方の第十六改正及び一般用漢方処方の改訂に準拠して各章の見直しを行ったことや、第3章の「主な漢方処方の薬理作用と作用機序」には医薬品情報や研究情報としても重要な新たな知見を加えることで内容をより充実させたこと、第4章では今後その重要性が増すであろう「漢方におけるEBM」を新たに追加したこと等が挙げられる。執筆には、多くの薬学部で実際に教育を担当しており、また漢方の臨床現場で漢方医薬学を実践している北里大学東洋医学総合研究所と同北里生命科学研究所の教職員や関係者があたっている。
本書は、6年制の薬学教育の課程でその関連教科目の修学に合わせ、章ごとの教育が可能なように構成されており、薬学生ばかりでなく、これから漢方を薬の面から勉強しようとする薬剤師や大学院生、薬学研究者、チーム医療に関わるすべての医療従事者、その他の研究者にも役立つ成書と考えられる。
2012年3月
山田陽城
花輪壽彦
金成俊