標準薬剤学改訂第3版
医療の担い手としての薬剤師をめざして
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 渡辺善照/芳賀信 |
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ISBN | : 978-4-524-40282-3 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 708 |
在庫
定価8,360円(本体7,600円 + 税)
サポート情報
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2015年03月12日
改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応表
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
薬剤学で扱う物理系、生物系、医療系全般の内容を統合的に解説。「くすりを造る」「くすりの有効性・安全性・信頼性を高める」「くすりの適正使用を支える」のカテゴリーを中心にして、科目別にしばられることなく「薬剤学」の全体像をとらえて学習できる構成。今改訂では日本薬局方第十六改正、薬剤師国家試験出題基準に対応させたほか、より見やすい2色刷とした。
I 序論:薬剤学と薬剤師
1 薬剤学
a.目標
b.領域
c.薬剤学と公定書
2 薬剤と剤形
a.薬剤(医薬品製剤)
b.薬剤の適用と剤形
3 薬剤学および法・制度と薬剤師の役割
4 先端医療の進歩と薬剤学
II 医薬品の開発と生産
1.医薬品開発
1 医薬品開発のコンセプト
a.医薬品のニーズ
b.医薬品の分類
c.医薬品の価格(薬価)
d.知的財産権
2 医薬品の製造承認
a.医薬品の承認ならびに製造販売
b.医薬品の製造販売承認取得に必要な試験
3 承認後の制度
a.GQPおよびGVP
b.製造販売後調査とGPSP
c.再審査および再評価
4 医薬品の製造と品質管理
a.GMP
b.環境対策
5 規範
a.国内規範
b.国際的な規範
6 薬害発生の防止
a.サリドマイド
b.キノホルム(スモン)
c.ソリブジン
d.非加熱血液製剤
2.治験
1 治験の意義と業務
a.ヘルシンキ宣言
b.GCP
c.インフォームド・コンセント
d.治療のステップ
e.治験の業務
2 治験における薬剤師の役割
a.治験依頼者
b.治験実施医療機関
c.治験コーディネーター
3.リード化合物の創製と最適化
1 医薬品創製の歴史
2 標的生体分子との相互作用
a.主な標的分子と創薬事例
b.立体構造と相互作用
3 スクリーニング
a.スクリーニングの代表的なアッセイ法
b.コンビナトリアルケミストリー
c.ハイスループットスクリーニング
4 リード化合物の最適化
a.構造活性相関
b.ゲノム創薬
c.生物学的等価性と薬物動態を考慮したドラッグデザイン
d.薬剤学の創薬へのかかわり方ードラッグライクネス(くすりになりやすさ)ー
4.バイオ医薬品とゲノム情報
1 組換え医薬品
a.組換え医薬品の製造方法
b.代表的な組換え医薬品
c.抗体医薬
2 ヒトゲノム情報の活用
3 個別化医療
a.遺伝子多型の解析法
b.遺伝子診断
c.抗がん剤の副作用予測と個別化医療への応用
4 遺伝子治療
a.核酸医薬
5 再生医療
a.ES細胞を用いた再生医療
b.体性幹細胞を用いた再生医療
c.iPS細胞(人工多能性幹細胞)
5.バイオスタティスティクス
1 生物統計学の基礎
a.確率とオッズ比
b.基本統計量
c.検定
d.相関と回帰
e.信頼区間・信頼限界
2 医学研究における研究手法
a.観察的研究
b.実験的研究
c.生存曲線分析
III 剤形と基礎理論
1.日本薬局方
1 製剤総則と製剤通則
2 剤形の分類
3 剤形の各条概論
a.経口投与する製剤
b.口腔内に適用する製剤
c.注射により投与する製剤
d.透析に用いる製剤
e.気管支・肺に適用する製剤
f.目、耳、鼻に投与する製剤
g.直腸、膣に適用する製剤
h.皮膚などに適用する製剤
i.生薬関連製剤
2.各種剤形の製法と理論
A 液状製剤
1 物質の溶解
a.溶液の濃度とその性質
b.物質の溶解とその速度
c.溶解した物質の膜透過速度
2 代表的な液状製剤の種類と性質
2-1 経口投与する製剤
a.経口製剤
b.シロップ剤
2-2 口腔内に適用する製剤
a.含そう剤
2-3 気管支・肺に適用する製剤
a.吸入剤
2-4 耳に投与する製剤
a.点耳剤
2-5 鼻に投与する製剤
a.点鼻剤
2-6 直腸に適用する製剤
2-7 皮膚などに適用する製剤
a.外用液剤
2-8 生薬関連製剤
a.生薬抽出製剤
b.主として生薬を有効成分とする製剤
3 液状製剤に用いる医薬品添加剤の種類と性質
B 分散製剤
1 分散系
a.界面の性質
b.代表的な界面活性剤の種類と性質
c.乳剤の型と性質
d.代表的な分散系とその性質
e.分散粒子の沈降現象
2 代表的な分散製剤の種類と性質
2-1 経口投与する製剤
a.経口液剤
2-2 口腔内に適用する製剤
2-3 気管支・肺に適用する製剤
a.吸入剤-
2-4 皮膚などに適用する製剤
a.スプレー剤
3 分散製剤に用いる医薬品添加剤の種類と性質
C 半固形製剤
1 製剤材料の物性(I)
1-1 流動と変形(レオロジー)の概念、代表的なモデル
a.レオロジー
1-2 高分子の構造と高分子溶液の性質
a.高分子の種類
b.高分子の構造
c.高分子の分子量
d.高分子溶液の性質
1-3 製剤分野で汎用される高分子の物性
a.製剤用高分子
b.DDS用高分子
2 代表的な半固形製剤の種類と性質
2-1 経口投与する製剤
a.経口ゼリー剤
2-2 口腔内に適用する製剤
a.口腔用剤
2-3 直腸に適用する製剤
a.坐剤
b.直腸用半固形剤
2-4 膣に適用する製剤
a.膣用坐剤
b.膣錠
2-5 皮膚などに適用する製剤
a.軟膏剤
b.クリーム剤
c.ゲル剤
d.貼付剤
2-6 目に投与する製剤
a.眼軟膏剤
3 半固形製剤に用いる医薬品添加剤の種類と性質
3-1 基剤
a.坐剤
b.軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤
3-2 乳化剤
3-3 懸濁化剤
3-4 保存剤
D 固形製剤
1 製剤材料の物性(II)
1-1 粉体の物性
a.粒子・粉体の性質
1-2 製剤材料としての分子集合体
a.結晶多形
b.無定形固体(無晶形、非晶質固体)
c.固体分散体と固溶体
d.溶媒和物と水和物
e.複合体と包接化合物
1-3 粉末X線回折測定法の原理と利用法
1-4 製剤材料の物性測定
a.粉体の粒子密度測定法
b.粒度測定法
c.比表面積測定法
d.かさ密度およびタップ密度測定法
e.熱分析法
2 代表的な固形製剤の種類と性質
2-1 経口投与する製剤
a.散剤
b.頼粒剤
c.錠剤
d.カプセル剤
2-2 口腔内に適用する製剤
a.口腔用錠剤
2-3 鼻に適用する製剤
a.点鼻剤
2-4 気管支・肺に適用する製剤
a.吸入剤
2-5 膣に適用する製剤
a.膣錠
2-6 皮膚などに適用する製剤
a.外用固形剤
2-7 生薬関連製剤
3 固形製剤に用いる医薬品添加剤の種類と性質
a.賦形剤
b.崩壊剤
c.結合剤
d.滑沢剤
e.コーティング剤
E 無菌製剤
1 無菌製剤の製造環境と条件
a.無菌の定義
b.無菌製剤の製造環境と菌の管理
c.無菌医薬品の滅菌と無菌性保証
d.製造機器や製造環境における微生物の管理
e.注射剤に求められる発熱性物質の管理
2 代表的な無菌製剤の種類と性質
2-1 注射により投与する製剤
a.注射剤
2-2 透析に用いる製剤
a.腹膜透析用剤
b.血液透析用剤
2-3 目に投与する製剤
a.点眼剤
b.眼軟膏剤
2-4 気管支・肺に適用する製剤
a.吸入剤
3 無菌製剤に用いる医薬品添加剤の種類と性質
a.注射剤・点眼剤のpH、浸透圧調節
b.注射剤に使用される添加剤
c.透析用剤に使用される添加剤
d.点眼剤に使用される添加剤
e.眼軟膏剤に使用される添加剤
3.製剤化の方法
A 製剤化の単位操作および汎用される製剤機械
1 粉砕
a.エネルギ一法則
b.粉砕機の種類
2 分級
a.分級操作と分級効率
b.分級機の種類
c.粉体粒度測定法
3 混合
a.メカニズム
b.混合機の種類
4 造粒
a.造粒機構
b.造粒方法の分類
5 乾燥
a.水分の測定法と水分量の表示
b.乾燥機構
c.乾燥装置
6 製錠
a.打錠機(錠剤機)の種類
7 コーティング
a.種類
b.装置
8 乳化と分散
a.装置の種類
9 包装と充てん
B 汎用される容器、包装の種類や特徴
1 医薬品の保存
a.容器
b.医薬品の包装、容器の分類
2 医薬品の包装
a.散剤、細粒、顆粒剤
b.錠剤、カプセル剤
c.半固形製剤
d.液状製剤
e.無菌製剤
f.包装形態
g.包装容器の透湿性
h.有効期限および使用期限
4.製剤に関連する試験法
A 日本薬局方一般試験法
1 化学的試験法
a.アルコール数測定法
2 物理的試験法
a.浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)
b.粉末X線回折測定法
3 粉体物性試験法
a.かさ密度およびタップ密度測定法
b.比表面積測定法
c.粉体の粒子密度測定法
d.粒度測定法
4 生物学的試験法/生化学的試験法/微生物学的試験法
a.エンドトキシン試験法
b.発熱性物質試験法
c.無菌試験法
5 製剤試験法
a.眼軟膏剤の金属性異物試験法
b.製剤均一性試験法
c.製剤の粒度の試験法
d.制酸力試験法
e.注射剤の採取容量試験法
f.注射剤の不溶性異物検査法
g.注射剤の不溶性微粒子試験法
h.点眼剤の不溶性異物検査法
i.点眼剤の不溶性微粒子試験法
j.崩壊試験法
k.溶出試験法
6 容器・包装材料試験法
a.注射剤用ガラス容器試験法
b.プラスチック製医薬品容器試験法
c.輸液用ゴム栓試験法
7 その他
a.滅菌法および無菌操作法
B 一般試験法以外の試験法
a.錠剤の硬度および摩損度試験
b.軟膏剤の試験
5.薬物と製剤材料の安定性に影響する要因、安定化方法
1 医薬品の安定性に影響を及ぼす要因
a.自動酸化
b.光分解
c.ラセミ化、異性化
d.微生物
2 反応速度
a.0次反応
b.1次反応
c.2次反応
3 複合反応
a.併発反応
b.連続(逐次)反応
c.可逆反応
4 反応速度に影響を及ぼす因子
a.温度
b.pH
c.イオン強度
d.溶媒(誘電率)
5 医薬品製剤の安定化
a.複合体形成による安定化
b.包接化合物
c.ミセル形成
d.化学構造の修飾ープロドラッグー
6 安定剤、保存剤、緩衝剤の添加
a.安定剤
b.保存剤
c.緩衝材
7 医薬品の承認申請における安定性試験
IV 薬物の投与経路および体内動態の評価と基礎理論
1.薬物の投与経路および体内移行と変化
A 体内動態の基礎(物質の生体膜透過と生体内運命)
1 体内動態(吸収、分布、代謝、排泄)と薬効発現
2 代表的な投与方法(剤形、投与経路)、その意義
3 経口投与された製剤からの薬物吸収(崩壊、分散、溶解など)
4 薬物の生体膜透過
a.生体膜および上皮細胞の構造
b.薬物の輸送機構
5 生体内分布における循環系の重要性
B 薬物の吸収
1 消化管からの薬物吸収
2 消化管以外での薬物の吸収
a.注射部位からの吸収
b.粘膜部位からの吸収
c.皮膚からの吸収(経皮吸収)
C 薬物の分布
1 組織の循環血液量
2 血液-組織関係障壁
a.血液-脳関門
b.血液-脳脊髄関門
c.胎盤関門
3 血漿タンパク質との結合
a.タンパク結合
b.タンパク結合率
4 タンパク結合と血漿中薬物濃度
5 リンパ系への移行
D 薬物の代謝
1 薬物代謝反応
a.酸化
b.還元(ミクロソーム)
c.加水分解(上清、ミクロソーム)
d.抱合
2 代謝にかかわる酵素
a.酸化反応に関与するもの
b.還元反応に関与するもの
c.加水分解反応に関与するもの
d.抱合反応に関与するもの
3 薬物代謝酵素誘導と阻害
a.代謝誘導
b.代謝阻害
4 薬物代謝酵素活性に影響を及ぼす因子
E 薬物の排泄
1 腎排泄
a.腎臓の構造と機能
b.糸球体ろ過
c.尿細管分泌
d.尿細管再吸収
2 胆汁中排泄
3 乳汁中、唾液中、呼気中への排泄
a.乳汁中排泄
b.唾液中排泄
c.呼気中排泄
2.薬物動態の解析
A 薬動学
1 基礎理論
a.コンパートメントモデルと生理学的モデル
b.線形モデルと非線形モデル
c.モーメント解析
2 応用
a.薬物の投与方法と速度論的解析
b.ファーマコキネティクス(PK)とファーマコダイナミクス(PD)の関係
c.ポピュレーションファーマコキネテイクス
B 治療薬物モニタリング(TDM)
1 治療薬物モニタリング
a.概念と歴史
b.対象薬物
c.実施の必要性の判断
d.血中薬物濃度測定の時期
e.治療有効濃度(範囲)と投与量の変更
f.血中薬物濃度測定の実際
g.TDMが必須の事例
2 薬物投与計画
a.血中薬物濃度測定データの解析と投与量設
b.患者個人の血中薬物濃度測定データがない場合
c.患者個人の血中薬物濃度測定データがある場合
3 TDMの実例
a.ジゴキシンによる中毒症状を示した症例
b.フレカイニドの減量によって心房細胞が再発した症例
4 薬物療法における問題点とその対策
a.投与環境と採血方法に関する情報
b.患者情報
3.薬物相互作用
1 薬物間相互作用
a.薬動学的相互作用
b.薬力学的相互作用
2 薬物と飲食物の相互作用
a.アルコール
b.タバコ
c.牛乳
d.グレープフルーツジュース
e.炭酸飲料
f.食物
3 薬物の臨床検査値への影響
4 薬物相互作用の回避
4.薬物体内動態に影響する要因(テーラーメイド薬物治療に向けて)
1 遺伝的素因
a.薬物代謝酵素
2 年齢的要因
a.小児に対する薬物治療
b.薬物輸送担体(薬物トランスポーター)
3 生理的要因
a.妊娠時における母体の生理機能変化
b.肥満患者の生理機能変化
4 合併症
a.腎臓疾患患者の薬物療法
b.肝臓疾患患者の薬物療法
c.心臓疾患患者の薬物療法
5 個体内変動を考慮した投与計画
a.生体の機能に関する生体リズム
b.疾患に関する生体リズムと薬物投与
c.薬物動態と生体リズム
5.バイオアベイラビリティおよび生物学的同等性試験と後発医薬品(ジェネリック医薬品)
1 量的バイオアベイラビリティ
a.絶対的バイオアベイラビリティ
b.相対的バイオアベイラビリテイ
2 速度的バイオアベイラビリティ
a.モデルに依存した推定法
b.モデルに依存しない推定法
3 初回通過効果とバイオアベイラビリティ
4 バイオアベイラビリティと生理学的モデルとの関係
5 バイオアベイラビリティに影響を及ぼす製剤の物性的要因と生理的要因
6 生物学的同等性試験と後発医薬品(ジェネリック医薬品)
V 製剤の作用性能の改善
1.医薬品の修飾
1 化学的修飾
a.プロドラッグ
b.アンテドラッグとソフトドラッグ
c.タンパク質医薬品の化学修飾
d.光学活性体
2 物理化学的修飾
a.固体分散体、固溶体
b.分子間相互作用と複合体
2.薬物送達システム(DDS)の基礎と応用
1 DDSの必要性
a.従来の医薬品製剤の主な問題点
2 DDSの概要と有用性
a.放出制御
b.吸収促進
c.標的指向化(ターゲティング)
3 放出制御製剤
a.放出制御のメカニズム
b.代表的な放出制御製剤
c.放出制御製剤に用いられる製剤材料
4 経粘膜投与製剤と経皮吸収型製剤
a.投与部位の粘膜特性と開発状況
b.代表的な吸収促進法
5 標的指向製剤(ターゲティング製剤)
a.リポソーム
b.脂質微粒子
c.高分子ミセル
d.ナノ粒子抗がん薬
e.光線力学的治療
f.プロドラッグ
g.PEGylation
h.脳指向製剤
6 利便性製剤
a.口腔内崩壊錠
b.ペン型自己注射剤
c.針なし注射剤
d.マイクロニ一ドルパッチ
e.キット注射剤
7 その他のDDS
a.遺伝子治療用製剤と核酸薬
b.細胞治療
c.その他の製剤
VI 医療と薬剤学
1.医療の担い手としてのこころ構え
1 医療における薬剤師業務の変化
2 患者側の変化
3 医療提供者側の変化
4 医療倫理
a.インフォームド・コンセント
b.世界における医療倫理の流れ
c.患者の権利
d.薬剤師の研究と倫理指針
2.薬剤師業務の基礎と処方せん
1 薬剤師
a.日本における医療倫理と薬剤師
b.薬剤師の役割
c.これからの薬剤師
d.ファーマシューティカルケア
2 チーム医療
a.医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について
b.基本的な考え方
c.各医療スタッフが実施することができる業務の具体例
3 調剤の概念と法的根拠
a.調剤の概念
b.調剤業務の法的根拠
4 処方せんの点検と処方意図の理解
a.処方せん
b.処方せんの種類、特徴と記載事項
5 医薬品の用法・用量
3.処方オーダリングシステム
1 電子カルテシステムと処方オーダリングシステム
2 処方オーダリングシステムの概要
3 処方オーダリングシステムと調剤などの自動化
a.薬袋印字機
b.薬剤情報提供印字機
c.自動錠剤分包機
d.自動散剤分包機
4 処方・調剤関連過誤防止としての処方オーダリングシステム
a.処方鑑査システム
b.散剤鑑査システム、水剤鑑査システム
c.処方オーダリングシステムで作成された処方せんの注意点
5 薬剤管理指導業務の電子カルテへの展開
4.疑義照会
1 疑義照会の意義
2 代表的な配合変化
3 特定の配合によって生じる医薬品の性状、外観変化
a.配合不可
b.配合不適
c.配合注意
4 不適切な処方例について
a.商標、剤形、規格(含量)単位の確認
b.分量の確認
c.用法の確認
d.散剤の分量の確認
e.投与日数の確認
f.頓服薬の量の確認
g.外用剤の用法・容量の確認
h.疫病禁忌薬の確認
i.相互作用の確認
5 処方せんの問題点を解決するための薬剤師と医師の連携
6 代表的な医薬品の効能・効果、用法・用量
7 代表的な医薬品の警告、禁忌、副作用
8 代表的な医薬品の相互作用
9 疑義照会の流れ
5.調剤の実際
1 計量器
a.調剤用天秤
b.メートグラス
c.ディスペンサー
d.標準滴瓶
2 毒薬・劇薬
a.毒薬
b.劇薬
3 麻薬
a.麻薬処方せんの記載事項
b.麻薬の保管
c.病院内における麻薬注射剤の取り扱い
d.麻薬調剤上の留意点
4 希釈散
a.賦形剤の選択
b.希釈散の着色剤と濃度
c.希釈散の濃度表示
5 薬用量
a.薬用量
b.小児薬用量
c.高齢者薬用量
6 薬袋
a.種類
b.薬袋への表示事項
c.留意事項
7 鑑査
a.内容
b.方法
8 調剤過誤
付.処方解析
6.医薬品の管理と供給
A 医薬品の管理(医薬品管理業務)
1 医薬品取り扱い上の規制
2 医薬品流通機構と購入管理
a.医薬品の流通機構
b.医薬品の採用と購入
3 品質管理
a.保管法
b.有効期限
c.その他
4 経済管理
a.購入管理
b.在庫管理
B 特別な配慮を要する医薬品
1 毒薬・劇薬および麻薬、向精神薬など
2 覚せい剤原料
3 放射性医薬品
4 生物学的製剤
5 診断用医薬品
6 治験薬の管理
C 薬局製剤と病院製剤(製剤化の基礎)
1 薬局製剤
a.薬局製造承認と認可
b.薬局製剤の品質管理
c.情報提供
d.代表的な薬局製剤
2 病院製剤
a.病院製剤の種類
b.病院製剤の法的規制
c.病院製剤の診療報酬
e.病院製剤の品質管理
f.代表的な病院製剤
D 注射剤・輸液・血液製剤および消毒薬
1 注射剤調剤
a.注射剤調剤の基本的手順
b.注射剤処方せんの記載事項
c.輸液調製に必要な基礎知識
d.高カロリー輸液(TPN)
2 注射剤と配合変化
a.配合変化と分類
3 血液製剤の取り扱い
4 消毒薬
a.代表的な消毒薬と分類-
b.消毒薬の使用方法
7.服薬指導と患者情報
1 服薬指導
a.患者の基本的権利、自己決定権、インフォームド・コンセント、守秘義務
b.服薬指導の意義(法的、倫理的、科学的根拠)
c.服薬指導内容
d.服薬指導上の注意点.
e.医薬品への不安、抵抗感
f.患者接遇における注意点
g.効果が現れていない、副作用が疑われる場合の対処法
h.患者向け説明文書、作成上の留意点
2 患者情報の重要性
a.服薬指導に必要な、患者情報
b.患者情報の収集法
c.薬歴、服薬指導歴などへの記載事項と留意点
d.POSに基づく薬剤管理指導記録
e.薬歴管理の意義と重要性
f.医師、看護師などとの情報共有の方策と重要性
g.病院薬剤師と薬局薬剤師の連携
8.医薬品情報(医薬品情報管理業務)
1 医薬品と情報
2 医薬品情報源の種類
a.1次資料(情報)
b.2次資料(情報)
c.3次資料(情報)
3 医薬品情報業務の実際
a.情報収集と評価
b.情報提供・発信
c.情報管理
4 副作用が疑われる症例報告
5 EBMと医薬品情報、ジェネリック医薬品適正使用
9.リスクマネジメント(安全管理)
1 医療における薬剤師の役割
2 医薬品の副作用(薬物有害反応)
3 院内感染
4 メディケーションエラー
a.メディケーションエラーが問題となる背景
b.調剤過誤
c.メディケーションエラーの分析
d.情報伝達エラーの問題
e.メディケーションエラー事例から学ぶ
f.「危険」に対する認識を深める
g.重篤な薬物有害反応を発見するための初期症状と臨床検査項目
h.プレアボイド
i.メディケーションエラーを防ぐ
10.高次医療および在宅医療と薬剤学・薬剤師
1 高次医療とは
2 先進医療と高度医療
3 特定疾患治療研究事業
4 生命倫理
5 在宅医療
6 地域医療
a.学校薬剤師の職務とその役割
b.医薬品の適正使用の啓発活動における薬剤
d.日用品、日用品に含まれる化学物質に係る薬剤師の役割
e.誤飲、誤食による中毒・食中毒に対するアドバイス
f.生活環境における消毒の概念
付表
A 主な医薬品添加剤の一覧
B 臨床的に重要な薬物相互作用(実践上の分類)
C 主な薬物のpKa値表
D 薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラムと本書の内容の関係
E 薬剤師国家試験出題基準(抜粋)と本書の内容の関係
参考文献
索引
本書「標準薬剤学」を企画してから10年が経過した。初版を刊行後今日までの間に、わが国における薬学教育は大きく変革した。学校教育法および薬剤師法の改正にともない薬学教育において6年制課程が2006年(平成18年)から始まり、第1期の学生が本年(2012年)3月に各大学を卒業し、新たな薬剤師として社会貢献が期待されている。一方制度面では、6年制課程に対応した新薬剤師国家試験出題基準が決定され、また、日本薬局方の改正が行われるなど、薬学教育における「薬剤学」の内容も改革が必要となっている。このような状況に鑑み、本書も大幅な改訂を行うこととした。
本書は、初版から医療の担い手としての薬剤師養成が明確にされた6年制課程の目標に沿った「薬剤学」の教科書として編纂してきている。医療の担い手としての薬剤師とは、必ずしも医療機関等で活動を行う人材というだけではなく、薬剤師法第1条に謳われているように、「調剤(医療機関、保険薬局等)、医薬品の供給(製薬企業等)その他薬事衛生(行政機関等)をつかさどることによって」国民の健康な生活を確保するために社会で広く活躍する「くすり」の専門家である。この観点に立ち、薬学におけるもっとも主要な教育・研究分野の1つであり基礎科学から臨床領域まで深く関連する「薬剤学」について、学生が知識、技能および態度を体系的に修得するための工夫をしてきた。本書では、従来の「物理薬剤学」、「生物薬剤学」といった専門分野別の編集とせずに、「くすりを造るための薬剤学」、「くすりの有効性・安全性・信頼性を高めるための薬剤学」および「くすりの適正使用を支える(確保する)ための薬剤学」の観点から編纂し、改訂第3版でもこれを踏襲した。また、学生の勉学に役立てるために、初版から採用している項目ごとの学習のポイント(一般目標および到達目標)を改訂し、明示した。さらに、本書の内容と薬学教育で取り入れられている「薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラム(以下、モデル・コアカリキュラム)」ならびに薬剤師国家試験出題基準(抜粋)との関係を各々巻末にまとめた。なお、現在モデル・コアカリキユラムの見直しが開始されており、改まった後には本書も適宜改訂する予定である。本書の思わぬ誤謬については、読者のご指摘とご叱正をお願いしたい。
2012年3月
渡辺善照
芳賀信