シンプル理学療法学シリーズ
物理療法学テキスト改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 木村貞治/沖田実/Goh Ah Cheng |
ISBN | : 978-4-524-26839-9 |
発行年月 | : 2013年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 426 |
在庫
定価4,950円(本体4,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
将来の臨床活動において、症例の特性に応じた適切な臨床判断を行うために、基本的な概念の理解を目標として構成。全体を大きく「概論」「温熱療法」「エネルギー変換療法」「超音波療法」「寒冷療法」「電気刺激療法」「光線療法」「力学的機器を用いた治療法」「水治療法」の9つのセクションに分けて詳説。今版では、痛みについての記述を厚くするなど、全体的に内容を充実させている。
物理療法学概論
1 物理療法学の概要
A 物理療法の定義
B 物理療法の歴史
1 温泉療法
2 マッサージ療法
3 電気刺激療法
4 超音波療法
5 光線療法
6 エネルギー変換療法
7 力学的機器を用いた治療法
8 水治療法
C 物理療法の分類
1 温熱療法
a. ホットパック
b. パラフィン浴
c. 赤外線療法
d. エネルギー変換療法
2 寒冷療法
a. 伝導冷却法
b. 対流冷却法
c. 気化冷却法
3 電気刺激療法
4 光線療法
5 力学的機器を用いた治療法
a. 牽引療法
b. 持続的他動運動(CPM)装置を用いた治療
6 水治療法
D 理学療法における物理療法の位置づけと今後の課題
a. 臨床場面における理学療法
b. 適切な臨床判断
2 物理療法の生理学的基礎
A 痛みのメカニズムの生理学
1 特殊説
2 パターン説
3 現在の理論
a. 変換
b. 伝導
c. 伝達
d. 知覚
4 痛みの定義と分類
5 痛みの修飾
B 物理療法の生理学的効果
1 温熱療法
a. 生理学的効果
b. 治療効果
2 寒冷療法
a. 生理学的効果
b. 治療効果
3 電気刺激療法
a. 生理学的効果
b. 治療効果
4 光線療法
a. 生理学的効果
b. 治療効果
5 力学的機器を用いた治療法
6 水治療法
3 物理療法の適応と禁忌
A 物理療法の適応症状・疾患
1 炎症に対する物理療法
a. 炎 症
b. 物理療法
2 痛みに対する物理療法
a. 急性痛と慢性痛
b. 物理療法
3 創傷に対する物理療法
a. 創傷とは
b. 物理療法
4 運動制限に対する物理療法
a. 運動制限を引き起こす病理
b. 物理療法
5 筋トーヌス異常に対する物理療法
a. 筋トーヌス異常
b. 物理療法
B 物理療法の禁忌と注意事項
1 治療に影響する因子
2 物理療法の禁忌
3 物理療法機器の管理・医療事故
a. 理学療法士による影響
b. 患者による影響
c. 物理療法機器の安全管理
4 EMC
C 物理療法の治療ガイドライン
1 治療を行ううえでの注意事項
2 治療ガイドライン
温熱療法
4 温熱療法の概要
A 熱力学とは
1 熱とは
2 熱の移動
3 熱の移動と物質の温度変化
4 物質の熱特性
B 温熱療法の分類
1 熱の移動形態による分類
2 熱の深達度による分類
3 エネルギー形態による分類
C 温熱療法の生理学的効果
1 全身反応
a. 体温調節機構
b. 呼吸・循環作用
2 局所反応
a. 代謝機能の変化
b. 末梢血管反応
c. 神経、筋に対する影響
d. 結合組織(コラーゲン線維)に対する影響
e. 免疫機能に対する影響
D 温熱療法の目的
E 温熱療法の効果、エビデンス
1 温熱療法の効果
a. 痛みの軽減
b. 循環の改善
c. 軟部組織の伸張性の向上
d. 創傷治癒の促進
2 温熱療法のエビデンス
F 温熱療法の適応と禁忌
1 温熱療法の一般的適応
2 温熱療法の禁忌
a. 温熱療法の一般的禁忌
b. 特殊禁忌の例
3 温熱療法実施にあたっての注意事項
5 ホットパック
A ホットパックとは
B 機器の特性
a. ハイドロコレータ(温水槽)
b. ホットパック
c. コットンタオル
d. ビニール
C 治療方法
1 湿熱法
a. ホットパックの大きさ、形状の選択
b. ホットパックの加温方法
c. ホットパック適用前の準備
d. ホットパックの作製手順
e. ホットパック作製時の注意事項
f. ホットパックの適用と適用中のチェック
g. ホットパック適用後の処置
2 乾熱法
a. ホットパックの大きさ、形状の選択
b. ホットパックの加温方法
c. ホットパック適用前の準備
d. ホットパックの作製手順
e. ホットパックの適用と適用中のチェック
f. ホットパック適用後の処置
D 適応と禁忌
1 適応
a. 体温の維持
b. 循環の改善
c. 痛みの軽減
d. 精神的・身体的緊張の緩和
e. 軟部組織の伸張性の増大
2 禁忌
a. 出血のおそれのある部位
b. 急性炎症
c. 開放創
d. 皮膚疾患および感染部位
e. 腎臓や心臓障害などによる強い浮腫や重度な循環障害
f. 血管障害起因の循環不全
g. 収縮期血圧が90mmHg未満の場合
h. 皮膚がんなどの表在性の悪性腫瘍が存在する部位
3 注意事項
a. 温度感覚の欠如している患者(温度感覚を報告できない患者)・部位
b. 極端に衰弱した患者、心・肺機能の極度に低下した患者
c. 高齢者や幼児
d. アジソン(Addison)病などの代謝疾患
e. 過度な温熱による痛みと熱傷
f. 脱水症の危険
g. 内臓の血液循環の低下
6 パラフィン浴
A パラフィン浴とは
1 パラフィン浴の種類
a. グローブ法dip wrap method
b. 浴中法dip immersion method
c. 塗布法brush wrap method
B 機器の特性
C パラフィンの特徴と加温の特徴
a. 高温であるがゆっくりとした熱伝導
b. パラフィン被膜の少ない総熱量
c. 環境温度と治療前の皮膚温度
D 治療手順
1 グローブ法
2 浴中法
3 塗布法
E パラフィン浴の長所、短所
1 長所
2 短所
F 適応と禁忌
1 適応
2 禁忌
3 注意事項
G パラフィンの衛生管理
H パラフィンの清掃、交換管理
7 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
a. 準備するもの
b. 準備
c. 実験手順
3 結果
4 考察
エネルギー変換療法
8 エネルギー変換療法の概要
A 電磁エネルギーとは
1 電磁波
2 電磁波の生体への作用
3 電磁エネルギーと分子の運動
B エネルギー変換療法の分類
C エネルギー変換療法の生理学的効果
D エネルギー変換療法の目的
E エネルギー変換療法の効果、エビデンス
F 適応と禁忌
1 適応
2 禁忌と注意事項
9 極超短波療法
A 極超短波療法の特性
1 極超短波とは
2 極超短波治療器の構成と特性
3 極超短波の照射強度特性(電磁波一般の共通特性)
4 生理学的効果
a. 鎮痛
b. 血流増大
c. 皮膚・筋肉などの軟部組織の粘弾性改善
B 治療方法
a. 機器の準備、設定
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 慢性炎症性の関節疾患
b. 亜急性期以降の外傷
c. 亜急性期以降の筋・筋膜性疾患
d. 拘縮
e. 筋スパズム
2 禁忌
a. 金属
b. 急性炎症性疾患
c. 眼球、男性生殖器、乏血、うっ血、浮腫
d. 感覚障害(特に温痛覚障害)
e. 出血部位、出血の危険性のある部位
f. 悪性腫瘍
3 注意事項
a. 治療設定条件にかかわる注意事項
b. EMC(電磁両立性)と人工電磁場環境管理体制の重要性
10 超短波療法
A 機器の特性
a. コンデンサー
b. コイル
B 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 痛みの軽減
b. 伸張性増大
c. 循環改善
d. 創傷治癒
2 禁忌
a. 温熱療法の一般的な禁忌
b. 悪性腫瘍
c. 金属インプラント
d. 心臓ペースメーカ
e. 月経
f. 妊婦
g. 精巣
h. 眼
i. 成長期の骨端
3 注意事項
11 赤外線療法
A 機器の特性
1 赤外線の性質
2 機器の構成
3 赤外線療法の利点
4 赤外線療法の欠点
5 管理、保守点検
B 治療手順
1 遠赤外線療法
2 近赤外線療法
C 適応と禁忌
1 適応
a. 血行改善
b. 筋スパズム鎮静
c. 疼痛緩和
d. ROMの増加、柔軟性の増加
e. 創傷治癒
f. 抗炎症作用
g. 交感神経過緊張の抑制
2 禁忌
3 注意事項
a. 開放創、知覚鈍麻、局所循環障害
b. 最近できた傷跡、外耳、乳首、生殖器
c. 治療による反応と不快感との判別
d. 発汗状態
e. 長期使用
f. 眼
12 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
a. 実験手順
3 データ処理
4 考察
5 結論
超音波療法
13 超音波療法の概要
A 超音波とは
B 超音波療法の効果を左右する因子
1 出力、強度
2 ビーム不均等率(BNR)
3 超音波の吸収、反射、屈折、減衰
4 連続波、パルス波、照射時間率
5 周波数
6 組織の種類
7 治療時間、治療面積、有効照射面積
8 導子の移動方法
9 直接法と水中法
a. 直接法
b. 水中法
C 超音波療法の分類
1 温熱的超音波療法
2 非温熱的超音波療法
D 超音波療法の生理学的効果
1 温熱効果
2 キャビテーション
3 マイクロストリーミング、音響流
E 超音波療法の効果、エビデンス
1 関節可動域(ROM)に対する効果
2 痛みに対する効果
3 褥瘡に対する効果
4 静脈性潰瘍に対する効果
5 石灰沈着性腱板炎に対する効果
6 手根管症候群に対する効果
F 超音波療法の適応と禁忌
1 適応
a. 拘縮
b. 痛みのコントロール
c. 骨折
d. 手根管症候群
e. 石灰沈着性腱板炎
2 禁忌と注意事項
14 超音波療法の実際
A 機器の準備
B 治療手順
C 導子操作方法
1 温熱モード
a. 直接法
b. 水中法
2 非温熱モード
a. 直接法
b. 水中法
15 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
3 機器
4 手順
5 結果
6 考察
寒冷療法
16 寒冷療法の概要
A 寒冷療法の分類
1 伝導冷却法
2 対流冷却法
3 気化冷却法
B 寒冷療法の生理学的作用
1 循環系
a. 一次的血管収縮
b. 二次的血管拡張
2 代謝系
3 神経・筋系
a. 神経伝導速度の低下
b. 神経筋接合部の興奮伝導の低下
c. 筋紡錘活動の低下
4 自覚的感覚
C 寒冷療法の目的
1 急性外傷(救急処置)における寒冷療法の目的
2 整形外科術後における寒冷療法の目的
3 理学療法における寒冷療法の目的
a. 運動療法の前処置としての寒冷療法
b. ファシリテーションテクニックとしての寒冷療法
c. 運動療法後の寒冷療法
D 寒冷療法の効果、エビデンス
1 寒冷療法の効果
a. 炎症の抑制と二次的な周辺組織の損傷予防効果
b. 痙縮の軽減効果
c. 神経筋活動の促通効果
d. 疲労の回復促進効果
2 寒冷療法のエビデンス
E 寒冷療法の適応と禁忌
1 適応
a. 急性外傷における救急処置
b. 整形外科術後の炎症の抑制と止血
c. 運動療法の前処置としての痛み・筋スパズムの緩和
d. 中枢神経障害による痙縮の抑制
e. 脳卒中片麻痺に対する神経筋活動の促通
f. 運動療法後のクーリングダウン
g. その他
2 禁忌
a. 疾患
b. 部位
c. 症状
3 注意事項
a. 自覚的感覚
b. 凍傷
c. 感染
d. 神経麻痺
e. 血圧、心拍
f. 自律神経過反射
17 伝導冷却法
A 冷却装置とパックの特性
1 持続的冷却装置
a. 冷却循環液型
b. アイスボックス型
2 アイスパックとコールドパック
a. アイスパック
b. コールドパック
3 アイスマッサージ
B 治療方法
1 持続的冷却装置
a. 準備
b. 治療手順
2 アイスパックとコールドパック
a. 準備
b. 治療手順
3 アイスマッサージ
a. 準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 急性外傷受傷直後の応急処置
b. 整形外科術後早期の冷却処置
c. 痛み―筋スパズム―痛みのサイクル(痛みの悪循環)の遮断
d. 痙縮の抑制作用
e. 筋収縮の促通効果
f. 激しい運動後におけるクーリングダウン
2 禁忌
a. 寒冷過敏症(寒冷誘発蕁麻疹)
b. 開放創がある場合
3 注意事項
a. 凍傷
b. 神経麻痺
c. 感染
18 対流冷却法
A 冷却機器
1 極低温療法機器
2 冷水を利用した渦流浴
B 治療方法
1 極低温療法機器
a. 機器の準備
b. 治療手順
2 冷水を利用した渦流浴
a. 機器の準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 関節リウマチ
b. 痙縮抑制
c. 疼痛緩和
d. 四肢関節における外傷受傷後の腫脹、浮腫
2 禁忌
a. 高血圧を有する患者
b. 開放創がある場合
3 注意事項
a. 医療用電子機器の誤作動
b. 感染防止
19 気化冷却法
A 冷却機器
B 治療方法
a. 準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. スポーツ場面における打撲、捻挫
b. 疼痛緩和
2 禁忌
a. 開放創がある場合
b. 眼や粘膜
3 注意事項
a. 凍傷
b. 高温
c. 火気
20 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
a. 準備するもの
b. 実験準備
c. 実験手順
3 結果
a. 経時的変化の確認
b. 皮膚温、自覚的感覚、疼痛閾値の関係性について
4 考察
電気刺激療法
21 電気刺激療法の概要
A 電気エネルギーとは
B 電気刺激療法の分類
a. DC刺激装置
b. AC刺激装置
c. PC刺激装置
d. 治療機器の構成
C 電気刺激療法の専門用語
a. 相の数
b. 相の対称性
c. 電荷のバランス
d. 相の波形
e. 電流の分類
f. 電流のX軸、Y軸の特性
g. 変調の種類
h. 電極配置
i. 刺激の種類
D 電気刺激療法の生理学的作用と目的
E 電気刺激療法の適応と禁忌
1 適応
a. DC刺激
b. AC刺激
c. 単相性、二相性PC刺激
2 禁忌
F 治療方法
a. 機器を熟知すること
b. 治療手順
G 電気刺激療法の効果、エビデンス
22 痛みのコントロール:経皮的電気神経刺激(TENS)
A 経皮的電気神経刺激(TENS)とは
B 痛みの軽減のメカニズム
a. 痛みの軽減と神経系
b. TENSの効果
C TENSの適応と禁忌
1 適応
2 禁忌
D TENSの治療モード
a. モードI:従来式TENS
b. モードII:低頻度TENS
c. モードIII:バーストTENS
d. モードIV:単一強出力TENS
e. モードV:変調TENS
f. モードVI:強さ―時間TENS
g. モードVII:過刺激TENS
E TENSにおける電極の配置方法
F 治療方法
a. 機器の準備
b. 治療手順
c. TENSに関する特記事項
G DC、AC、PCの刺激装置を用いたTENS治療
1 DC刺激装置トリガープロTRP-M1
2 干渉電流型低周波治療器セダンテラディアSD-5302
3 PC刺激装置Elepuls HV-F121
4 PC刺激装置イトーES-420
5 SSP療法器グラナスTM-5702
H TENSの効果、エビデンス
23 運動の制御:神経筋電気刺激(NMES)
A 神経筋電気刺激(NMES)とは
B 骨格筋の自動運動
C 骨格筋への電気刺激
D NMESの適応と禁忌
1 適応
a. 正常筋に対する適応
b. 脱神経筋に対する適応
2 禁忌
E NMESの治療モード
1 モードI:筋力強化
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
2 モードII:筋持久力の向上
a. 目 的
b. 方 法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
3 モードIII:筋の促通または再教育
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
4 モードIV:痙縮の軽減
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
5 モードV:ROMの改善
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
6 モードVI:末梢循環の改善
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
7 モードVII:脱神経筋への刺激
a. 目的
b. 方法
c. 患者の準備
d. 臨床適応
e. 主な長所
f. 主な短所
F NMESにおける電極の配置方法
a. 運動点上に配置
b. 筋線維に沿って配置
G 治療方法
a. 機器の準備
b. 治療手順
c. NMESに関する特記事項
H DC、AC、PCの刺激装置を用いたNMES治療
1 DC刺激装置トリガープロTRP-M1
2 干渉電流型低周波治療器セダンテラディアSD-5302
3 PC刺激装置Elepuls HV-F121
4 PC刺激装置イトーES-420
5 SSP療法器グラナスTM-5702
I NMESの効果、エビデンス
24 実習:生理学的効果実験
A 電流波形のタイプ
1 目的
2 方法
a. 器具
b. 手順
3 結果
4 討論
5 結論
B 電極配置と皮膚の電気抵抗
1 目的
2 方法
a. 対象
b. 器具
c. 手順
3 結果
4 討論
5 結論
C 刺激のタイプ
1 目的
2 方法
a. 対象
b. 器具
c. 準備
d. 手順
3 結果
4 討論
5 結論
25 電気生理学的評価法とバイオフィードバック
A はじめに
B 電気生理学的評価法
1 脳波(EEG)
2 心電図(ECG)
3 筋電図(EMG)
4 神経刺激
a. 末梢神経への刺激
b. 中枢神経への刺激
5 筋刺激
a. 運動点(モーターポイント)刺激
b. 運動神経刺激閾値
c. 感覚神経刺激閾値
C バイオフィードバック
光線療法
26 光線療法の概要
A 光エネルギーとは
a. 光
b. 電磁波の分類
B 光線療法の分類
1 レーザー療法
a. レーザーとは
b. 医療への応用
2 紫外線療法
3 赤外線療法
C 光線療法の生理学的効果
1 レーザー療法
2 紫外線療法
a. 紫外線の作用
b. 紅斑
c. 色素沈着
d. 殺菌作用
e. ビタミンDの生成
f. 眼に対する作用
g. 血液・循環器系への作用
h. その他
3 赤外線療法
a. 温熱効果
b. 血管の拡張作用
c. 紅斑
d. 色素沈着
e. 新陳代謝の亢進
f. 知覚神経終末への作用
g. 鎮痛効果
D 光線療法の目的
E 光線療法の効果、エビデンス
1 レーザー療法
2 紫外線療法
3 赤外線療法
F 光線療法の適応と禁忌
1 適応
a. 皮膚疾患
b. 創傷治癒
c. 疼痛管理
d. その他
2 禁忌
a. 眼球への照射
b. 皮膚悪性腫瘍
c. 放射線治療後
d. 日光過敏症(光線過敏症)
e. 全身性エリテマトーデス(SLE)
27 レーザー療法
A 機器の特性
1 2つのレーザー発光方式
a. He-Neレーザー
b. Ga-Asレーザー(Ga-Al-Asレーザー、半導体レーザー)
2 機器の特性
3 機器の点検、管理
B 治療方法
1 評価
a. 痛みの場合
b. 創傷治癒促進の場合
2 治療の準備と説明
3 操作手順
a. 標準的操作手順
b. プローブの当て方
c. 照射モードについて
4 痛みの場合
a. 照射時間
b. 照射部位
c. 治療例
5 創傷治癒促進の場合
a. 照射時間
b. レーザー照射の種類
6 治療回数
7 適切な治療量
8 治療後の記録とアセスメント
C 適応と禁忌
1 適応
a. 痛みの緩和
b. 創傷治癒の促進(生体の活性化)
c. 局所的血液循環の改善
d. その他の適応
2 禁忌
a. 適用してはならない対象
b. 副作用
3 注意事項
28 紫外線療法
A 紫外線発生装置
B 紫外線の臨床応用
1 最小紅斑量テスト(MED test)
a. 照射部位
b. 照射方法
c. 照射時間(5個の穴があいている場合)
d. MEDの決定
2 紫外線療法(基本的なUVB光線療法)
a. 準備
b. 照射量
c. 照射頻度
d. 連続照射する場合の照射量の増量
e. 応用的な紫外線療法
C 適応と禁忌
1 適応
a. 乾癬
b. アトピー性皮膚炎
c. 褥瘡、皮膚潰瘍、創傷
d. その他
2 禁忌
29 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
a. 準備するもの
b. 準備
c. 実験手順
3 結果
a. 最小紅斑量の決定
4 考察
力学的機器を用いた治療法
30 牽引療法の概要
A 牽引療法の分類
1 伝達
a. 直達牽引
b. 介達牽引
2 部位
a. 四肢牽引
b. 脊椎牽引
3 連続性
a. 持続牽引
b. 間欠牽引
4 力 源
a. 体位牽引
b. 徒手牽引
c. 電動式牽引
d. 逆さ牽引
e. 重錘牽引
5 力
a. 高牽引力牽引
b. 中牽引力牽引
c. 低牽引力牽引
6 肢位
a. 座位
b. セミファウラーsemi-Fowler位
c. 膝立て臥位
d. 股・膝屈曲位臥位(90/90 position)
7 方向
a. 長軸方向
b. 屈曲方向
B 牽引療法の力学的・生理学的効果
1 力学的効果
2 生理学的効果
C 牽引療法の効果、エビデンス
1 頸椎牽引
2 腰椎牽引
D 牽引療法の適応と禁忌
1 適応
a. 頸椎
b. 腰椎
2 禁忌
3 適応、禁忌となるX線上の所見
a. 適応
b. 禁忌
4 注意事項
31 牽引療法の実際
A 頸椎牽引
1 治療効果に影響する因子
a. 牽引姿勢
b. 牽引角度
c. 牽引力と牽引時間
2 治療方法
a. 機器、器具の準備
b. 治療手順
3 その他の頸椎牽引の施行方法
a. 背臥位で斜面台を用いた持続頸椎牽引
b. 握りこぶしを使った頸椎自己牽引
c. 背臥位での吊り上げ式頸椎牽引
B 腰椎牽引
1 治療効果に影響する因子
a. 牽引姿勢
b. 牽引角度
c. 牽引力と牽引時間
2 治療方法
a. 機器、器具の準備
b. 治療手順
3 その他の腰椎牽引施行方法
a. 自己の体重を用いた自己牽引
b. 背臥位での吊り上げ式腰椎牽引
c. 寝起きが困難な症例に適した腰椎牽引器
32 持続的他動運動装置を用いた治療法の概要
A CPM療法の分類
1 動作別CPMの分類
a. 単関節CPM
b. 複合関節CPM
2 関節別CPMの分類
B CPM療法の生理学的作用
1 滑液に対する作用
2 関節軟骨に対する作用
3 靱帯に対する作用
4 関節包ならびに筋内膜のコラーゲン線維に対する作用
5 筋緊張に対する作用
6 痛みに対する作用
7 血流に対する作用
8 皮膚に対する作用
C CPM療法の目的
1 関節外科術後に行われるCPM療法
2 その他のCPM療法
D CPM療法の効果、エビデンス
1 CPM療法の効果
2 CPM療法のエビデンス
33 持続的他動運動装置を用いた治療法の実際
A 機器の特性
B 治療方法
a. 機器の準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 関節軟骨の修復
b. 関節可動域(ROM)の維持および拡大
c. 腫脹の改善
d. 術後深部静脈血栓症の予防
2 禁忌
a. 開放創
b. 患部の固定が不安定な骨折
3 注意事項
a. 出血や血腫が起こりやすい組織
b. 末梢神経障害
c. 循環の増大により悪化しうる部位
d. 全可動範囲の改善
e. 機器が身体に合わない場合
f. 精神機能に障害がある患者や感覚が損なわれている領域
g. 運動を制御できない患者
34 間欠的空気圧迫装置
A 圧迫とは
B 圧迫の生理的作用
C 浮腫の成因
a. 局所性因子
b. 全身性因子
D 浮腫の分類
a. 局所性浮腫
b. 全身性浮腫
E 間欠的空気圧迫装置の種類
F 間欠的空気圧迫装置の使用方法
1 静脈性浮腫に対する治療
2 リンパ浮腫
G 間欠的空気圧迫装置の効果とエビデンス
1 静脈還流促進効果(抗凝固能の活性化)
2 深部静脈血栓症の予防
3 局所性浮腫の軽減
H 適応と禁忌
1 適応
2 禁忌
3 注意事項
35 実習:腰椎電動式牽引療法の生理学的実験方法
1 目的
2 方法
a. 機器、機材
b. 手順
3 結果
4 考察
5 結論
水治療法
36 水治療法の概要
A 水の物理的作用
a. 比重
b. 比熱
c. 浮力
d. 粘性抵抗
e. 水圧の分類
f. 水温
g. 水質(温泉成分)
B 水治療法の分類
1 目的別にみた水治療法の分類
2 浴温度による分類と作用
C 水治療法の生理学的効果
1 水の特性による生理学的効果
a. 浮力
b. 粘性抵抗
c. 動水圧
d. 静水圧
2 温水による生理学的効果
a. 血管拡張作用
b. コラーゲン組織の伸展性への作用
c. 代謝亢進、内分泌系への作用
d. 神経系への作用
e. 免疫系への作用
f. 腎機能への作用
3 冷水による生理学的効果
D 水治療法の目的
a. 水中運動療法
b. 鎮痛(温水・冷水効果)
c. 創傷の治療(洗浄)
d. 浮腫の治療
e. リラクセーション(心理的効果)
E 水治療法の効果、エビデンス
a. 高血圧に対する効果
b. 痛みに対する効果
F 水治療法の適応と禁忌
1 適応
a. 全身浴
b. 局所浴
2 禁忌
a. 全身浴
b. 局所浴
3 注意事項
37 渦流浴
A 渦流浴の特性
B 治療方法
a. 機器の準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
a. 末梢循環の改善
b. 鎮痛、鎮静
c. 壊死組織、老廃物の除去、洗浄
d. 筋緊張の緩和、関節のこわばりの低下
2 禁忌
a. 急性炎症、出血傾向のある患者
b. 悪性腫瘍、結核
c. 浮腫
d. 感覚障害
e. 皮膚疾患
f. 循環障害
3 注意事項
a. 食前、食後
b. 浴槽
c. 開放創
d. 熱中症
e. MRSA
38 ハバードタンク
A 機器の特性
B 治療方法
a. 機器の準備
b. 治療手順
C 適応と禁忌
1 適応
2 禁忌
3 注意事項
39 プール療法
A プール療法の特性
B 治療準備
a. 水温の調節
b. 水深の調節
c. 水流の調節
d. 感染対策および水質管理
e. 緊急時の対応
f. その他
C 治療手順
D 適応と禁忌
1 適応
a. 運動器疾患
b. 中枢神経疾患
c. 呼吸器・循環器疾患
2 禁忌
a. コントロールされていない高血圧、心不全
b. 開放創
c. 認知症
d. 感染症
e. 尿意、便意がない患者
40 実習:生理学的効果実験
1 目的
2 方法
a. 器具、機材
b. 実験手順
3 結果
4 考察
5 結論
参考文献
学習到達度自己評価問題の解答
索引
和文索引
欧文索引
平成20年11月にシンプル理学療法学シリーズ『物理療法学テキスト』第1版が発刊されてから4年の歳月が過ぎた。この間、読者の皆様や執筆者の皆様からいただいたご意見を参考にさせていただき内容の見直しを行い、この度第2版として改訂することになった。
そこで、あらためて理学療法の臨床活動における物理療法の意義について考えてみたい。
理学療法の臨床活動においては、寝返り、起き上がり、歩行などの基本的動作能力や日常生活活動など応用的な動作能力を維持・改善させていくために、対象者の残存機能を活用した能動的な運動制御・運動学習を促し、動作能力の最適化を支援していくことが重要な課題となる。しかし、基本的動作や応用的動作を遂行する際に、痛みや関節可動域の制限などの機能・構造障害が存在すると、それらの影響によって代償的な動作による負の運動学習をしてしまい、結果として動作の最適化を図ることが難しくなる場合がある。
そこで、動作練習を展開する前段階として、できるだけ痛みや関節可動域制限などの機能・構造障害を改善させるための治療的なアプローチを実施して、「動きやすい身体条件を整える」ことが重要なポイントとなる。そのような治療手段の一環として、温熱、寒冷、超音波、電気などさまざまな物理的なエネルギーを生体に与えることによって生体が有する治癒機転を促進することを目的とした「物理療法」がある。物理療法を理学療法の臨床場面において適切に実施するためには、物理療法が有する生理学的効果、臨床的効果、臨床症状に応じた基本的な治療の進め方に関する臨床判断の進め方、適応と禁忌、関連するエビデンス、などについての系統的な知識と具体的な治療技術を習得していくことが必要となる。
そこで、本書の改訂においては、学生諸君や臨床現場で物理療法に関する情報を求めている理学療法士の方々が、これらの点について、よりわかりやすく理解できるよう、全体の内容を見直し、表現を工夫した。改訂のポイントは、(1)表現方法や紙面構成を工夫したこと、(2)重要な点については「用語解説」、「memo」などのコラムの部分での解説を追加したこと、(3)必要に応じて新しいエビデンスに追加・変更したこと、などである。なお、本書で引用されている物理療法機器は、それぞれの治療法の基本的な理解を深めることを目的として、各章の執筆者が使用されている機器、もしくは、パンフレット等から情報を入手した機器が紹介されているが、実際に市販されている最新の機器に関する情報とは異なる場合があるため、それらの点については、直接メーカーに確認していただきたい。
本書が、より安全に、そして、より効果的に物理療法を実施するための羅針盤として、教育現場ならびに臨床現場で活用されることを期待したい。
平成25年1月
編者を代表して
木村貞治