シンプルシリーズ
シンプル生化学改訂第6版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 林典夫/廣野治子 |
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編集 | : 野口正人/五十嵐和彦 |
ISBN | : 978-4-524-26807-8 |
発行年月 | : 2014年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 426 |
在庫
定価3,190円(本体2,900円 + 税)
正誤表
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2015年09月07日
第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
初版から約20年にわたり改訂を重ねてきた生化学の好評教科書。成書では詳しすぎる、入門書では物足りないというニーズに応える。単調な事実の羅列ではなく、文章構成に流れがあり、初学者でも無理なく読み進められる。生命科学、医療技術系学部のみならず、医学部の学生でも成書への橋渡しとして、また試験前の確認・通読用として支持されている。今版よりオールカラー、視覚的にも理解しやすくなっている。
1 序論
1−1 生物と生化学
1−2 生体成分
1−3 物質代謝とエネルギー代謝
1−4 細胞の基本構造
2 糖質
2−1 糖質の定義
2−2 糖質の分類
2−3 単糖類
2−4 オリゴ糖類(少糖類)
2−5 多糖類
3 脂質
3−1 脂質の定義と分類
3−2 脂肪酸
3−3 単純脂質
3−4 複合脂質
3−5 その他の脂質
3−6 リポタンパク質と血清脂質
4 タンパク質
4−1 アミノ酸
4−2 タンパク質
5 核酸
5−1 核酸の基本構造
5−2 ヌクレオシドとヌクレオチド
5−3 DNAとRNAの構造
6 酵素
6−1 酵素の特徴
6−2 酵素反応の特徴
6−3 酵素活性の測定
6−4 酵素の構造と活性中心
6−5 補酵素とビタミン
6−6 酵素の分類と命名
6−7 酵素反応速度論
6−8 酵素反応の阻害
6−9 酵素活性の調節
6−10 酵素の細胞内分布
6−11 酵素欠損症
7 ビタミン
7−1 脂溶性ビタミン
7−2 水溶性ビタミン
8 生体膜
8−1 生体膜の構造
8−2 生体膜における輸送
8−3 情報伝達と受容体の構造
9 消化と吸収
9−1 消化管における消化と吸収
9−2 消化管上皮細胞膜の物質輸送
9−3 消化の調節と消化管ホルモン
9−4 各栄養素の消化と吸収
10 糖質の代謝
10−1 代謝とは
10−2 糖質の代謝
10−3 解糖
10−4 グリコーゲン合成と分解
10−5 クエン酸回路
10−6 糖新生
10−7 ペントースリン酸回路
10−8 フルクトース、ガラクトースおよびマンノースの代謝
10−9 グルクロン酸経路
10−10 複合糖質の代謝
10−11 糖質代謝異常症
11 脂質の代謝
11−1 脂肪酸の貯蔵と動員
11−2 脂肪酸の分解
11−3 ケトン体の生成と利用
11−4 脂肪酸の生合成
11−5 リン脂質の代謝
11−6 ステロイド化合物の代謝
11−7 脂質代謝異常症
12 アミノ酸の代謝
12−1 アミノ酸の分解
12−2 アミノ酸から合成される代表的な生体物質
12−3 アミノ酸の生合成
12−4 アミノ酸代謝経路の異常
13 モノヌクレオチドの代謝
13−1 新生経路によるヌクレオチドの合成
13−2 デオキシリボヌクレオチドの合成
13−3 プリンおよびピリミジン合成の阻害剤
13−4 ヌクレオチドの代謝分解と再生経路
13−5 癌と核酸代謝
13−6 酵素異常と疾患
14 生体と酸素
14−1 生物学的酸化還元反応
14−2 ATPと高エネルギーリン酸化合物
14−3 酸化還元酵素の種類と性質
14−4 活性酸素
15 エネルギー代謝
15−1 ミトコンドリアの構造
15−2 電子伝達系
15−3 酸化的リン酸化の機構
15−4 呼吸の調節
15−5 ミトコンドリア内膜における物質輸送
15−6 グルコースの完全酸化によるATP合成の収支
16 代謝の相互関係と調節
16−1 糖質代謝、脂質代謝およびアミノ酸代謝の相互作用と調節
16−2 代謝調節の意義
17 核酸およびタンパク質の合成
17−1 DNAの複製
17−2 DNAの校正と修復
17−3 RNAの合成
17−4 タンパク質の生合成と代謝
17−5 ミトコンドリアのDNAとタンパク質合成の特徴
18 水と無機質の代謝
18−1 水
18−2 無機質
19 情報伝達とホルモン
19−1 ホルモンの定義および分類
19−2 ホルモンによる生体調節機構
19−3 ホルモンの作用機構
19−4 各内分泌腺より分泌されるホルモン
19−5 プロスタノイド
19−6 神経伝達物質
20 生体色素:ポルフィリンとその代謝産物
20−1 ヘムの生合成と分解
20−2 ポルフィリンおよびビリルビンの代謝異常
21 器官の生化学
21−1 血液
21−2 肺
21−3 腎臓
21−4 肝臓
21−5 膵臓
21−6 筋
21−7 結合組織
21−8 脂肪組織
21−9 硬組織
21−10 神経
22 ゲノムの生化学
22−1 遺伝子の生化学的研究
22−2 ゲノムと遺伝子とプロテオーム
22−3 遺伝情報発現の調節
22−4 クロマチンとエピジェネティクス
22−5 ゲノムと疾患
22−6 遺伝子操作解析法
23 細胞増殖と癌の生化学
23−1 細胞増殖
23−2 細胞周期
23−3 アポトーシス
23−4 癌
24 免疫の生化学
24−1 免疫応答にあずかる器官と細胞
24−2 抗原提示と抗原認識
24−3 細胞間相互作用とサイトカイン
24−4 抗原の処理・排除・無毒化の機構−免疫応答の最終段階
24−5 免疫担当細胞の細胞内情報伝達
24−6 自然免疫
25 栄養の生化学
25−1 栄養素の代謝とエネルギー
25−2 栄養状態の判定
25−3 タンパク質の栄養価
25−4 日本人の食事摂取基準
参考文献
索引
和文索引
欧文索引
本書は前回の改訂からも7年を過ぎ、この度改訂第6版を上梓することとなった。
生化学を含む生命科学の分野は、20世紀後半から分子生物学的な知識や技術の進歩とともにその発展が加速され、21世紀に入ってもますます急速に前進し続けている。本書の初版以来26年、この間に蓄積された新しい知識は膨大なものとなり、その医学・医療に与える影響は著しいものがある。例えば、最近の各種幹細胞における進歩も勿論その一つである。また、生化学の中心テーマの一つである代謝に関する従来の理解は、代表的な代謝経路とそこで働く酵素に注目して行われ、正常・異常における体内の代謝状況の実態を必ずしも正確に把握できているとはいえないのが実情であった。しかし、各酵素遺伝子の詳細な発現状況の把握や、メタボロームのような細胞全体として代謝状態を捉える手法の発展などによって、各臓器組織の正常代謝および癌細胞を含む異常組織の代謝の特徴に対する理解が、近年急速に深まりつつある。
本書は医学や医療を学ぶ学生が生化学の基本原理を理解し、基礎知識を修得するための教科書として作られたものであるが、そのためには上記のような新しい研究成果のエッセンスを取り込むことも重要であり、本改訂はこのような観点から行われた。しかし、本書の目指すものは、新しい知識の断片的、表面的な理解ではなく、医学・医療の領域に日々取り入れられている新しい研究成果を正しく理解し、それに適切に対応できるような生化学的基礎能力を身につけることであり、これはこれまでの版と変わりはない。今回は内容の改訂の他に、図版を中心に多色刷の部分を多くした。読者の方々の理解の一助になれば幸いである。
本書は初版より読んで分かり易いことも目標にしてきたつもりであるが、版を重ねるにつれ冗長な部分も増えてきており、今回は時間的な制約もあり十分に是正されていないのではないかと危惧している。これからも従来通り読者の方々に誤りのご指摘や忌憚のないご意見をお願いし、改善を積み重ねていきたい。
2014年2月
林典夫