シンプルシリーズ
シンプル薬理学改訂第5版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 野村隆英/石川直久 |
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ISBN | : 978-4-524-26767-5 |
発行年月 | : 2014年7月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 376 |
在庫
定価3,190円(本体2,900円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
簡潔でわかりやすく通読性に優れた記述と、豊富な図表が特徴の薬理学の教科書。今改訂では新知見の追加と医薬品情報の更新はもちろん、救急時に用いられる薬物の章の新設、各種生理活性物質、漢方薬の薬理について改訂。さらに、誌面をオールカラー化し、より親しみやすく、読者の理解に役立つ教科書となっている。
第1章 総論
1 薬理学とは
A 薬理学の役割
B 医薬品の歴史
C 薬理学の構成
D 薬物療法の分類
2 薬と法律、処方
A 薬と法律
B 処方、調剤
3 薬理作用と作用機序
A 薬の作用点(薬物受容体)
1.薬物受容体
2.受容体と薬物との親和性
3.薬物受容体の構造
4.薬物の拮抗作用(競合的拮抗と非競合的拮抗)
5.酵素やイオンチャネル、トランスポーターに作用点をもつ薬
B 情報伝達系
1.GTP結合蛋白質と共役する受容体(代謝型受容体)
2.イオンチャネル型の受容体
3.酵素活性をもつ受容体
4.酵素と共役する受容体
5.細胞内受容体
C 骨格筋、心筋、平滑筋の細胞内情報伝達機構と薬物による調節
1.骨格筋
2.心筋
3.平滑筋
D 薬物の作用と投与量の関係
E 薬物の有害作用
4 薬の生体内運命と薬効
A 薬物の投与経路
B 薬物の生体膜の通過
C 薬物の吸収・分布・代謝・排泄
1.吸収
2.分布
3.代謝
4.排泄
D 薬物動態学
1.1回投与の場合
2.反復投与の場合
E 薬物体内動態と薬効
F 治療薬物モニタリング
G 薬物相互作用
1.薬物動態学的相互作用
2.薬力学的相互作用
5 薬物治療に影響を与える因子
A 生体側の因子
B 薬物側の因子
C 薬物の相加・相乗・拮抗作用
6 小児、妊婦、高齢者の薬物療法
A 小児の薬物療法
1.小児薬物動態の特性
2.薬物感受性
B 妊婦の薬物療法
1.妊娠中薬物投与の原則
2.胎児、新生児への薬物の影響とその区分
3.授乳時の薬物投与
C 高齢者の薬物療法
7 個人化医療
8 薬物送達システム(DDS)
A プロドラッグ
B アンテドラッグ
C 経皮吸収剤
D 徐放性製剤
E 分子標的薬
9 医薬品の安定性−保存および混合の問題点
A 医薬品の保存
B 医薬品の混合
10 新薬の開発
第2章 末梢神経作用薬
1 自律神経作用薬
A 自律神経作用薬とは
1.自律神経
2.自律神経作用薬とは
3.自律神経作用薬の臨床応用
B 自律神経系の基礎知識
1.自律神経系の解剖
2.自律神経系の生理学的意義
3.自律神経系における情報の伝達
4.アセチルコリン受容体とアドレナリン受容体
5.自律神経系に作用する薬物
C コリン作動薬
1.コリンエステル類
2.コリン作動性天然アルカロイドおよび合成類似薬
3.抗コリンエステラーゼ薬
D コリン作動性効果遮断薬
1.ベラドンナアルカロイド
2.アトロピン代用薬
E アドレナリン作動薬
1.カテコールアミン
2.選択性アドレナリン作動薬
3.間接型アドレナリン作動薬
F アドレナリン作動性効果遮断薬
1.α受容体遮断薬
2.β受容体遮断薬
G アドレナリン作動性ニューロン遮断薬
1.伝達物質の生合成に影響する薬物
2.伝達物質の貯蔵を障害する物質
H 自律神経節作用薬
1.神経節興奮薬
2.神経節遮断薬
2 筋弛緩薬
A 末梢性筋弛緩薬
1.神経筋接合部遮断薬
2.神経筋接合部遮断薬拮抗薬(筋弛緩回復薬)
3.末梢性骨格筋弛緩薬
B 中枢性筋弛緩薬
3 局所麻酔薬
第3章 中枢神経作用薬
1 中枢神経系の神経伝達物質
A カテコールアミン(ドパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)
1.ドパミン
2.ノルアドレナリン
3.カテコールアミンの臨床応用
B アセチルコリン(ACh)
C γ-アミノ酪酸(GABA)とグルタミン酸
1.GABA
2.GABAの臨床応用
3.グルタミン酸
4.グルタミン酸の臨床応用
D セロトニン
2 全身麻酔薬
A 理想的な全身麻酔薬
B 全身麻酔薬の分類
C 全身麻酔薬の作用機序
1.生化学的仮説
2.生物物理化学的仮説
3.電気生理学的仮説
D 全身麻酔薬の徴候
E 全身麻酔薬の動態に関連した指標
1.分配係数
2.最小肺胞内濃度
F 麻酔前投薬
G 各種全身麻酔薬
1.吸入麻酔薬
2.静脈内麻酔薬
3 鎮静睡眠薬
A 理想的な睡眠薬の条件
B 睡眠薬の分類
1.ベンゾジアゼピン誘導体
2.バルビツール酸誘導体
3.その他の睡眠薬
4 麻薬性鎮痛薬
A 薬理作用
B 副作用、中毒
C 癌性疼痛への応用と徐痛ラダー
5 抗てんかん薬
1.Na+チャネルを不活性化する薬物
2.Ca2+チャネルの阻害
3.GABAを介する抑制作用を増強する薬物
4.その他
5.副作用
6 向精神薬
A 抗精神病薬
1.定型抗精神病薬
2.非定型抗精神病薬
3.抗躁薬
B 抗不安薬
C 抗うつ薬
1.再取り込み阻害薬
2.モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬
7 抗パーキンソン病薬
1.ドパミン前駆物質
2.ドパミン受容体アゴニスト
3.モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害薬
4.カテコール-O-転移酵素(COMT)阻害薬
5.ドパミン遊離促進薬
6.抗コリン薬
7.ノルアドレナリン前駆物質
8.その他
8 中枢神経興奮薬
9 抗認知症薬
10 麻薬と薬物依存
A 禁断(退薬)症状の特徴
1.オピオイド(麻薬性鎮痛薬)
2.バルビツール酸誘導体(睡眠薬)
3.アルコール
B 覚醒剤と幻覚薬
第4章 心・血管系作用薬
1 関連する生理活性物質
A レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系
1.アンジオテンシンIIの生成
2.受容体
3.生理・薬理作用
2 心臓作用薬
A 心不全治療薬
1.心不全の病態生理
2.心不全の薬物療法の目的
3.心不全の指標としての脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)およびNT-proBNP
4.強心薬−ジギタリス
5.レニン・アンジオテンシン系抑制薬
6.β受容体遮断薬
7.利尿薬
8.心不全の急性期や重症心不全に使用される薬物
B 狭心症治療薬
1.狭心症の病態生理
2.ニトログリセリン系血管拡張薬(硝酸化合物)
3.β受容体遮断薬
4.カルシウム拮抗薬
5.ニコランジル
6.不安定狭心症に対する薬物療法
C 抗不整脈薬
1.抗不整脈薬理解のための電気生理学
2.不整脈の病態生理
3.抗不整脈薬の分類と適応
4.抗不整脈薬の副作用
3 降圧薬
A 高血圧治療の基本的な考え方
1.薬物療法の位置づけ
2.薬物の整理に有用な二つの物理学的法則
B 血管抵抗に作用する降圧薬
1.レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAs)を抑制する薬
2.カルシウム(Ca2+)チャネル遮断薬(カルシウム拮抗薬)
3.交感神経を抑制する薬
4.血管拡張薬
C 容量(血流量)に作用する薬
1.利尿薬
2.β受容体遮断薬
D 降圧薬の選択のまとめ
4 脂質異常症治療薬
A 主に血清総コレステロール、LDL-コレステロールを低下させる薬剤
1.HMG-CoA還元酵素阻害薬
2.抗酸化剤
3.陰イオン交換樹脂製剤
4.エゼチミブ
B 主にトリグリセライドを低下させる薬剤
1.フィブラート系薬
2.ニコチン製剤
C その他の製剤
1.エイコサペンタエン酸製剤
2.パンテチン製剤
3.酵素製剤
4.LDL吸着療法
5.その他
第5章 血液・造血器系作用薬
1 貧血治療薬
2 抗血栓療法薬
A 経口抗凝固薬
B ヘパリン
C 血小板機能阻害薬
D 血栓溶解薬
3 止血薬
4 血液製剤
第6章 水・電解質・腎臓作用薬
1 体液の区分・移動と水の出納
A 体液の区分と移動
B 水の出納
2 体液の異常と治療薬
A 体液分布の異常
1.浮腫
2.脱水
B 電解質異常・酸塩基平衡異常と治療薬
1.ナトリウムの異常
2.カリウムの異常
3.カルシウムの異常
4.酸塩基平衡の異常(アシドーシスとアルカローシス)
C 血漿増量薬
3 腎臓についての基本事項
A 腎臓の構造と機能
B ネフロンの構造と尿の生成
1.糸球体
2.近位尿細管
3.ヘンレ係蹄
4.遠位尿細管
5.集合管
C 腎機能の評価
D 薬物の分泌と再吸収
4 利尿薬
A 利尿薬とは
B 利尿薬の分類
C 利尿薬の作用機序
1.炭酸脱水酵素阻害薬
2.浸透圧利尿薬
3.ループ利尿薬
4.チアジド系(サイアザイド系)利尿薬
5.カリウム保持性利尿薬
6.心房性ナトリウム利尿ペプチド
7.ADH(バソプレシン)受容体拮抗薬
5 尿路結石治療薬
第7章 抗感染症薬
1 抗菌薬
A 抗菌薬の種類
1.βラクタム系薬
2.アミノグリコシド系薬(AG、アミノ配糖体)
3.マクロライド系薬(ML)
4.テトラサイクリン系薬(TC)
5.グリシルサイクリン系薬
6.クロラムフェニコール系薬(CP)
7.ホスホマイシン(FOM)
8.ペプチド系薬
9.環状リポペプチド系薬
10.合成抗菌薬
11.ストレプトグラミン系薬
B 薬物の選択
1.抗菌薬の併用療法
2.抗菌薬の予防投与
3.抗菌薬の投与時の注意
4.耐性菌
2 抗結核薬
3 抗ウイルス薬
4 抗真菌薬
1.ポリエン系抗生物質
2.アゾール系抗真菌薬
3.キャンディン系薬
4.その他
5 駆虫薬
第8章 抗悪性腫瘍薬
1 作用部位
2 分類
A アルキル化薬
B 代謝拮抗薬
C 抗腫瘍性抗生物質
D 微小管阻害薬
E ホルモンとホルモン拮抗薬
F トポイソメラーゼ阻害薬
G 分子標的薬
1.モノクローナル抗体
2.チロシンキナーゼ阻害薬
H その他
3 抗悪性腫瘍薬の使い方
A 多剤併用療法
B P-糖蛋白質と薬剤耐性
第9章 抗炎症薬、免疫関連薬
1 生体防御反応(炎症と免疫)と生体警告反応(痛み)
2 生体防御に関係する生体内活性物質
A ヒスタミン
1.分布と受容体
2.生理作用
3.抗ヒスタミン薬
B カリクレイン・キニン系
1.生成と受容体
2.生理・薬理作用
3.薬物
C エイコサノイド
1.生成と受容体
2.生理作用
3.病理的側面への関与
4.アラキドン酸代謝を修飾する薬
D サイトカイン
E 生理活性を有するその他のペプチド類
3 抗炎症薬と鎮痛薬概説
A 概説
B 炎症と抗炎症薬
C 抗炎症薬の作用機序
D ステロイド性抗炎症薬
E 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
1.生体内動態
2.臨床応用
3.副作用
4.NSAIDsの有害作用軽減策
5.COX-2選択性NSAIDs
6.主なNSAIDs
7.塩基性NSAIDs
F アラキドン酸代謝を修飾する薬物
1.トロンボキサンA2合成酵素阻害薬(オザグレル)
2.トロンボキサンA2受容体拮抗薬(セラトロダスト、ラマトロバン)
3.ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)とリポキシゲナーゼ阻害薬
G 解熱鎮痛薬
1.ピリン系解熱鎮痛薬
2.非ピリン系解熱鎮痛薬
H モルヒネなど麻薬性鎮痛薬と3段階除痛ラダー
I 消炎酵素薬
4 免疫調節薬
A 免疫抑制薬
B 免疫増強薬
C ワクチン製剤
5 抗アレルギー薬
A I型アレルギー発現機構
B I型アレルギー治療薬
1.メディエーター遊離抑制薬
2.抗ヒスタミン薬
3.トロンボキサンA2合成酵素阻害薬(オザグレル)
4.トロンボキサンA2受容体拮抗薬(セラトロダスト、ラマトロバン)
5.ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、モンテルカスト)
6.Th2サイトカイン阻害薬(スプラタスト)
6 抗リウマチ薬
A 疾患修飾性抗リウマチ薬(抗リウマチ薬、DMARDs)
B 生物学的製剤
第10章 内分泌・代謝作用薬、ビタミン
1 ホルモンとホルモン拮抗薬
A 下垂体前葉ホルモンと視床下部ホルモン
1.下垂体前葉ホルモン
2.視床下部ホルモン
B 下垂体後葉ホルモン
C 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬
D 副腎皮質ホルモンと抗副腎皮質ホルモン薬
1.副腎皮質ホルモン
2.抗副腎皮質ホルモン薬
E 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
1.女性ホルモン
2.男性ホルモンと蛋白同化ステロイド
3.性ホルモン拮抗薬
F インスリンと経口血糖降下薬
1.インスリン製剤
2.経口血糖降下薬およびその他の薬
2 代謝性疾患治療薬
A 骨粗鬆症治療薬
B 痛風治療薬
1.尿酸産生阻害薬
2.尿酸排泄促進薬
3.痛風発作治療薬
3 ビタミン
第11章 呼吸器作用薬
1 気管支喘息治療薬
A 気管支拡張薬
B 抗アレルギー薬
C 副腎皮質ホルモン剤
2 鎮咳薬
3 去痰薬
4 呼吸促進薬
第12章 消化器作用薬
1 消化器の機能および調節
A 神経支配
B ホルモン支配
C 胃液分泌
D 胃酸分泌
E ペプシノーゲン分泌
2 食欲・消化作用薬
A 苦味健胃薬
B 芳香性健胃薬
C 消化酵素薬
3 消化性潰瘍治療薬
A 攻撃因子抑制薬
1.胃酸分泌抑制薬
2.制酸薬
3.抗ペプシン薬
B 防御因子賦活薬
C プロスタグランジン製剤
D ヘリコバクター・ピロリ除菌薬
4 催吐薬と鎮吐薬
A 催吐薬
1.中枢性催吐薬
2.末梢性催吐薬
B 鎮吐薬
1.中枢性鎮吐薬
2.末梢性鎮吐薬
5 胃腸運動改善薬
A 胃腸管運動
B 抗ドパミン薬
C 抗セロトニン薬
6 腸疾患作用薬
A 瀉下薬
1.膨張性下剤
2.浸潤性下剤
3.粘滑性下剤
4.塩類下剤
5.刺激性下剤
6.浣腸薬
B 止瀉薬
1.粘滑薬
2.吸着薬
3.収斂薬
4.腸運動を抑制する薬物
C 潰瘍性大腸炎治療薬
D クローン病治療薬
E 過敏性腸症候群治療薬
7 肝臓・胆道・膵臓に作用する薬物
A 肝疾患治療薬
1.抗肝炎ウイルス薬
2.肝庇護薬
B 胆道疾患治療薬
1.催胆薬
2.排胆薬
3.胆石溶解薬
C 膵臓作用薬
第13章 感覚器・皮膚・放射線関連薬
1 眼科用薬
A 眼の解剖
B 点眼薬
1.点眼薬の動態と吸収
2.点眼薬の副作用
3.点眼薬の投与法
4.点眼薬の種類
C 眼科疾患と治療薬
1.眼感染症
2.眼アレルギー
3.白内障
4.緑内障
5.加齢黄斑変性
2 皮膚
A 皮膚の解剖
B 基剤の種類と適応
1.油脂性基剤
2.水溶性基剤
3.乳剤性基剤
4.ローション剤
C 皮膚疾患治療薬
1.ステロイド外用剤
2.非ステロイド性抗炎症外用剤
3.抗真菌外用剤
4.褥瘡・皮膚潰瘍治療薬
5.アトピー性皮膚炎
3 造影剤および放射性医薬品
A X線造影剤
B MR(I磁気共鳴映像法)造影剤
C 超音波造影剤
D 造影剤の副作用
E 放射性医薬品
第14章 消毒薬
第15章 毒物と解毒薬
1 毒物の吸収阻害・遅延
2 毒物の排泄促進
3 特異的拮抗薬
4 有機リン剤中毒
5 金属・重金属中毒
6 医薬品中毒
第16章 救急に用いられる薬物
1 蘇生
A 心臓の収縮不全(心停止・低血圧ショック)を改善する薬
1.アドレナリン
2.ドパミン
3.ドブタミン
4.アトロピン
B 心臓の調律不全(不整脈・徐脈)を改善する薬
1.アトロピン
2.リドカイン
3.プロプラノロール
4.アミオダロン
5.ニフェカラント
6.ベラパミル
C 心臓の冠循環を改善する薬物(虚血性心疾患)
2 昏睡
A 脳血管障害
1.アルテプラーゼ
2.マンニトール
B 糖尿病性昏睡
3 痙攣
4 呼吸障害
1.アドレナリン
2.アミノフィリン
3.β2刺激薬
4.吸入ステロイド
5 鎮痛・鎮静
1.モルヒネ
2.ジアゼパム
6 高カリウム血症・アシドーシス
1.グルコン酸カルシウム
2.炭酸水素ナトリウム
3.インスリン
4.イオン交換樹脂
第17章 嗜好品の薬理
1 タバコ
2 アルコール
3 カフェイン飲料
4 サプリメント
5 化粧品
第18章 漢方の薬理
1 漢方の歴史
2 漢方の基本概念
3 漢方薬の特徴と主な作用機序
4 臨床でよく使われている漢方薬
セルフチェック 解答
参考書
索引
本書『シンプル薬理学』は初版から一貫して臨床に必要な「薬物治療学」の基本的知識を学ぶことを目的として編集されている。その結果、本書は講義室だけでなく病院実習での学習に役立つ内容となっている。近年、医療系学科では病院実習に多くの時間を割いたカリキュラムを取り入れ、学生は指導者の下で病棟体験を積みながら学ぶことが重視されている。この意味でも『シンプル薬理学』の編集方針は学習者、教員のニーズに合致したものである。
医学医療における学習の目標は、将来「患者さん中心の医療」を担える人材になることであり、そのためには、患者さんや、そのご家族、そして医療に従事する同僚らとの適切で正確な情報のやり取りができる力を備えていることが大切である。普段から、問題点を見出したり、問題解決のための道筋を考えたりする習慣づけが大切である。薬理学というとカタカナの薬物名があふれており、それらを覚えるだけで精一杯になってしまうという声をよく聞く。それではつまらないし、薬理学を学ぼうという意欲は出てこないであろう。『シンプル薬理学』は、本書を使って勉強する学生が「どのようなメカニズムで薬の作用が発揮されるのか」について興味を持って学べるように編集されている。
お蔭様で、『シンプル薬理学』の編集方針は学生諸君と教員の方々から変わらぬ支持を受けており、多くの施設で教科書としてご使用いただいている。そして、これまでに、利用者の方々より数々の貴重なご意見やご指摘を頂き、その都度、内容にはより一層の磨きをかけていただいた。心より感謝する次第である。さらに今後とも、医師、歯科医師、薬剤師、看護師をはじめ、管理栄養士、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、診療情報管理士など、医療のプロを目指すすべての人に活用いただけることを期待したい。
薬物療法は患者さんにとっては低侵襲でありながら非常に高い効果が期待できる治療法であり、その研究の進歩には眼を見張るものがある。今回の改訂にあたっては、編集部での検討を重ねた結果、最新の情報を取り入れ、一層理解しやすい薬理学の教科書となったと自負している。注目される新規の薬物の記述を充実させたとともに、用いられなくなった薬物については歴史的に重要なものを除いては削除した。また第4版では第2章で生体活性物質について概説したが、第5版では生体活性物質のそれぞれについては関連する各章で説明し、治療薬の作用メカニズムを生体活性物質と関連付けて理解できるように配慮した。各章末の「薬物のまとめ」も最新の情報を取り入れて刷新した。セルフチェックテストは各種国家試験を検討し、重要事項を取り入れて作問してある。全国共用試験、国家試験対策にも活用して頂きたい。
「進歩に遅れないで学生がその基本を学びうる」教科書としての役割を果たすことは本書の初版からのモットーである。本書がさらに前進するためには薬理学教育現場の皆様から忌憚のないご意見やご批判がどうしても必要である。前版同様、変わらぬご指導を賜りたい。
改訂にあたっては南江堂出版部の皆様に多大なるご努力と、貴重なご助言を頂いた。ここに改めて感謝の意を表するものである。
2014年6月
編者