シンプル理学療法学シリーズ
小児理学療法学テキスト改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 田原弘幸/大城昌平/小塚直樹 |
ISBN | : 978-4-524-26766-8 |
発行年月 | : 2014年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 298 |
在庫
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
小児理学療法に欠かせない正常運動発達と姿勢反射などの基本知識から、脳性麻痺と二分脊椎症・進行性筋ジストロフィーなど運動機能発達障害を呈する代表的な疾患を収載。今改訂では、要望が強かった脳性麻痺総論を新設。地域リハ、発達障害についても追加した。また、ケーススタディーの解説を充実させ、関連する各章末に配置し、講義と演習を通じて効果的に学べる構成とした。
第I部 正常発達
1 正常運動発達 胎児期・新生児期から歩行獲得まで
A 運動発達
B 胎児期、新生児期、乳児期の運動発達
2 発達・運動発達の評価と正常運動発達の演習
A 発達評価
B 発達検査と運動発達検査
C 演習課題
3 姿勢反射の発達(1)正常姿勢反射と運動発達
A 脳の機能の発達
B 中枢神経系の発達と姿勢反射および運動の発達
C 姿勢反射と検査方法
D 運動発達の経過と姿勢反射
4 姿勢反射の発達(2)異常姿勢反射と運動発達障害
A 脳性麻痺の異常姿勢反射
B 異常姿勢反射の臨床像
C 脳性麻痺の姿勢・運動発達と異常姿勢反射
5 運動発達の理論
A 運動発達理論とは
B 神経学的、生物学的背景に基づく運動発達理論
C 行動学的背景に基づく運動発達理論
D 臨床的意義
第II部 運動発達障害
6 脳性麻痺総論
A 脳性麻痺の定義
B 脳性麻痺の疫学
C 脳性麻痺の原因と病理
D 脳性麻痺の分類
E 脳性麻痺の症状と二次障害
F 理学療法評価
G 理学療法(治療)
7 脳性麻痺(1)痙直型四肢麻痺
A 痙直型四肢麻痺とは
B 臨床症状、異常発達
C 評価のポイント
7-1 痙直型四肢麻痺
A 症例
B 理学療法
8 脳性麻痺(2)痙直型両麻痺
A 痙直型両麻痺とは
B 臨床症状、異常運動発達
C 評価
D 理学療法
8-1 両麻痺児の成長と歩行・移動能力
A 症例
B 理学療法評価
C 現在の問題点および統合と解釈
D 理学療法
8-2 脳室周囲白質軟化症
A 症例
B 理学療法評価
C 問題点と理学療法プログラム
9 脳性麻痺(3)痙直型片麻痺
A 痙直型片麻痺の脳性麻痺(CP)とは
B 痙直型片麻痺の臨床症状と異常発達
C 評価
D 理学療法
E 装具療法
F 整形外科手術
9-1 学童期の片麻痺児
A 症例
B 理学療法評価
C 現在の問題点および統合と解釈
D 理学療法とポイント
10 脳性麻痺(4)アテトーゼ型
A アテトーゼ型の脳性麻痺(CP)とは
B アテトーゼ型脳性麻痺の臨床症状
C アテトーゼ型の異常運動発達
D 評価
E 具体的な評価項目
F 各時期における評価項目の選択
10-1 緊張型アテトーゼ(松岡美紀)
A 症例
B 理学療法評価
C 現在の問題点および統合と解釈
D 理学療法:その際苦労した点、工夫した点
10-2 純粋型(非緊張型)アテトーゼ
A 症例
B 臨床像
C 現在の問題点
D 理学療法
11 子どもの整形外科的疾患
A 二分脊椎
B ペルテス病
C その他の小児整形外科疾患
12 知的障害児
A 知的障害とは
B ダウン症候群
C 発達障害(知的障害と関連する障害)
D 生活と療育指導
E 成長各期における運動発達の特徴
F 評価
G 理学療法
13 子どもの遺伝性疾患
A 遺伝性疾患理解のための基礎知識
B 遺伝性疾患の多様性
C 遺伝性疾患と遺伝異常の種類
D 遺伝性疾患における筋疾患の分類
E デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)
14 重症心身障害児
A 重症心身障害児(者)とは
B 重症心身障害児(者)の臨床像
C 重症心身障害児(者)に対する評価のポイント
D 統合と解釈、目標設定のポイント
E 理学療法
F 理学療法関連のエビデンス
15 子どもの呼吸障害
A 子どもの呼吸機能の特徴
B 子どもの呼吸機能障害の特徴
C 子どもの呼吸理学療法の対象となる代表的疾患
D 呼吸障害の評価
E 呼吸理学療法の進め方
F NICUの呼吸理学療法について
16 運動発達障害の療育体系と療育指導
A 療育の理念と歴史
B 障害児への主な行政サービス
C 特別支援教育とは
D 具体的な療育
16-1 障害児の地域リハビリテーション、訪問リハビリテーション
A 地域・訪問リハビリテーションの依頼内容
B 症例
C 学校の物的環境評価についての助言ならびに指導
D 理学療法士による支援
17 小児理学療法のエビデンス
A 科学的根拠に基づく医療におけるエビデンス
B クリニカル・クエスチョンと文献検索
C 文献の批判的吟味とアブストラクト・テーブル
D エビデンスレベル
E 研究デザインと具体例
F 1症例の研究法
G 推奨グレード
H 脳性麻痺児における理学療法の推奨グレードとエビデンス
I 現在の小児理学療法のエビデンスの動向
参考文献
学習到達度自己評価問題の解答
索引
和文索引
欧文索引
本書は2010年4月に刊行されて以来、多くの理学療法士養成校に採用され、学生が小児理学療法学を学ぶうえで最適なテキストとして好評を得ています。その理由は、本書が小児理学療法学のコアとなる知識と技術を厳選し、初学者にわかりやすく解説するという編集方針に沿って執筆・編集されていることによります。とくに国家試験合格レベルの知識修得を目標に、正常発達や姿勢反射・反応、発達評価方法が見やすくわかりやすいこと、脳性麻痺のタイプ別分類の病態についてポイントを絞って解説している点が高く評価されています。
第2版では、この「コンパクトさとやさしい表現」はそのままにして、アンケート調査により科目担当教員・学生の意見を取り入れて、全体構成と各章における改善点を検討し、さらに使いやすく理解しやすいテキストを目指しました。主な改訂内容は、
1)全体の構成を見直して、15コマの講義に対応した章立てとしました
2)脳性麻痺についての総論の章を設け、脳性麻痺の各病型とのつながりを再構成しました
3)図表や写真・イラストを増やし、イメージしやすいよう視覚的な理解を促す内容としました
4)「学習到達度自己評価問題」は国家試験問題を想定して○×問題形式に統一しました
5)本文余白に用語解説や短いコラムを記述し活用しやすくしました
ことなどです。これにより、各章の内容をよりわかりやすく充実させ、第I部「正常発達」の正常運動発達の学修から、第II 部「運動発達障害」の脳性麻痺と二分脊椎症、進行性筋ジストロフィー、呼吸器障害などの代表的小児疾患の基本事項の理解と理学療法の実際までを系統的に学修できるよう再構成しました。なお、ご要望のあった小児の装具療法や補助具などについては、シンプル理学療法学シリーズの他のテキストとの併用をお願いいたします。
小児理学療法の教育は、障害を有する子どもの特徴や理学療法を具体的にイメージすることが難しく、学生に苦手意識があるといわれ、教員の創意工夫が求められています。本書は、学生がイメージしやすくわかりやすい内容にしてありますので、学生の興味・関心を喚起し、着実に知識の定着を図ることができると考えます。また教員にも「わかりやすく説明するための工夫」「興味や関心をもたせるための工夫」など授業の充実に大いに役立つことでしょう。本書がさらに多くの教員や学生諸氏に活用され、小児理学療法学の理解と発展につながることを期待しています。
平成26年2月
編者を代表して 大城昌平