わかりやすい病理学改訂第6版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 岩田隆子 |
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編集 | : 恒吉正澄/小田義直 |
ISBN | : 978-4-524-26569-5 |
発行年月 | : 2016年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 366 |
在庫
定価2,970円(本体2,700円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
視覚的に理解することが容易なシェーマ図を豊富に盛り込んだ病理学の教科書。医療系学部学生を対象とし、通読のしやすさに優れ、アドバンスな内容や臨床的知識、コラム的な解説は文字の大きさで本文とは区別しており、レベルに応じた学習が可能。今版ではフルカラー化を行い、組織や細胞構造等のイラストが色分けされたことで、より一層理解しやすくなっている。
第I章 序論
第II章 総論
1 病因
1 内因
2 外因
a 物理的障害
b 化学的障害
c 感染
d 栄養障害
2 退行性病変と代謝異常
1 退行性病変
a 萎縮
b 変性
c 壊死
d アポトーシス
e 全身死
f 脳死
2 物質代謝異常
a 蛋白質およびアミノ酸代謝異常
b 糖代謝異常
c 脂質代謝異常
d 尿酸代謝異常
3 循環障害
1 局所の循環不全
a 虚血
b 充血
c うっ血
d 側副循環
e 出血
f 血栓症
g 塞栓症
h 梗塞
2 全身の循環不全
a ショック
b 浮腫(水腫)
4 進行性病変
1 細胞増殖と再生
a 細胞増殖
b 各組織の再生
2 化生
3 肥大と過形成
a 肥大
b 過形成
4 創傷治癒
a 創傷治癒の基本過程
b 各種臓器の創傷治癒
5 炎症と免疫
1 炎症
a 炎症の原因
b 炎症に関与する細胞と化学伝達物質
c 炎症局所にみられる基本的変化
d 炎症の分類
e 炎症の全身反応
2 免疫
a 免疫応答のしくみ
b 免疫担当細胞の分化と機能
c 液性免疫と細胞性免疫
d アレルギーのしくみ
e 自己免疫疾患
f 免疫不全
6 感染症
1 感染発症とその防御
a 常在菌叢
b 病原性
c 感染症の成立に必要な6要素
d 感染経路
e 宿主反応
f 日和見感染症
g 感染症の経過
h 持続感染
i 内因性感染症と外因性感染症
2 院内感染
a ユニバーサルプレコーション
b 手洗い
c 消毒
d MRSA
e 針刺し事故
f 業務(職務)感染
g 感染性医療廃棄物
3 開発途上国における感染症
4 輸入感染症,新興・再興感染症
5 人畜共通感染症
6 感染症法
7 腫 瘍
1 種類と名称
2 腫瘍の形態
a 肉眼的形態
b 組織学的形態
3 腫瘍の発育
a 局所発育
b 転移
c 再発
4 腫瘍と宿主
a 局所性影響
b 全身的影響
c ホルモン作用・ホルモン環境
d 宿主抵抗
5 悪性度と病気
6 腫瘍の原因
a geneticな異常
b epigeneticな異常
c 癌細胞の性質
d 分化異常としての癌
e 腫瘍発生の外的要因
7 腫瘍の疫学
8 腫瘍の分類
9 上皮性腫瘍
a 良性上皮性腫瘍
b 悪性上皮性腫瘍(癌腫)
10 非上皮性腫瘍
a 良性非上皮性腫瘍
b 悪性非上皮性腫瘍(肉腫)
11 混合腫瘍
a 癌肉腫
b 奇形腫
8 先天異常と新生児・小児疾患
1 奇形・変形・破壊の発生機序・原理
2 奇形とその分類の基本
3 単体奇形
a 全身性の奇形,外表の奇形
b 頭蓋および脊椎の奇形
c 顔面の奇形
d 四肢の奇形
e 体壁の異常
4 変形
5 破壊
6 奇形発生の環境的要因
a 感染
b 物理的因子
c 化学的因子
7 染色体異常
a 染色体数の異常
b 染色体の再配列
c 染色体の命名法
d 染色体異常の頻度
e 特徴的な染色体異常症
8 単一遺伝子異常
a 常染色体優性遺伝
b 常染色体劣性遺伝
c X-連鎖劣性遺伝
d ゲノムインプリンティング
e 反復配列の伸長による疾患
9 多因子遺伝
10 新生児・小児疾患
a 乳幼児突然死症候群
b 呼吸器系の疾患
c 消化器系の疾患
d 肝臓の疾患
e 腎臓・副腎
9 老化
1 加齢と老化
2 老化の機序
3 遺伝性老化疾患
4 老化の形態
a 中枢神経
b 骨格筋
c 骨・関節
d 皮膚および乳腺
e 呼吸器
f 循環器系
g 消化器系
h 内分泌系
i 泌尿・生殖器系
j 造血器系
5 老化と老年病
10 全身性疾患
1 高血圧
a 高血圧の定義とわが国の現状
b 高血圧の型
c 本態性高血圧の原因
d 高血圧における血管の変化
e 高血圧による続発症
2 糖尿病
a 正常の糖代謝
b 糖尿病の成因と病型
3 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
4 リウマチ
a 関節リウマチ
b リウマチ熱
第III章 各論
1 循環器系
1 心臓
a 先天性心疾患
b 心肥大,心拡張
c 心不全
d 心不全を呈する心疾患
e 炎症性疾患
f 弁膜症
g 心臓腫瘍
2 血管
a 動脈
b 静脈
c リンパ管
d 血管腫瘍
2 呼吸器系
1 上気道
a 炎症
b 肥大および過形成
c 腫瘍
2 気管支・肺
a 形成異常
b 周産期の肺疾患
c 肺の循環障害
d 気管支の疾患
e 肺の炎症
f 空気含量の異常
g その他の肺疾患
h 腫瘍
3 胸膜
a 気胸
b 胸膜炎
c 胸膜中皮腫
d 孤在性線維性腫瘍
3 消化器系
1 口腔・唾液腺
a 口腔
b 唾液腺
2 食道
a 発育異常
b 内腔の異常
c 循環障害
d 炎症
e 腫瘍
3 胃
a 発達異常
b 炎症
c 消化性潰瘍
d 腫瘍および腫瘍様病変
4 腸
a 発育異常
b 腸閉塞症
c 循環障害
d 炎症
e 腫瘍および腫瘍様病変
5 肝
a 循環障害
b 肝炎
c アルコール性肝障害
d 脂肪肝・非アルコール性脂肪肝炎
e 肝硬変
f 腫瘍
6 胆道系,胆嚢
a 先天性胆道閉鎖症
b 胆嚢炎
c 胆石症
d 胆嚢癌
e 肝外胆管癌
7 膵臓
a 輪状膵
b 膵嚢胞線維症
c 膵炎
d 腫瘍
8 腹膜
a 腹膜炎
b 腹水
c 腫瘍・腫瘍性病変
d ヘルニア
4 内分泌系
1 視床下部,下垂体
a 下垂体機能亢進症
b 下垂体機能低下症
c 視床下部−下垂体の主な疾患
2 松果体
3 甲状腺
a 甲状腺機能亢進症
b 甲状腺機能低下症
c 炎症
d 腫瘍
4 副甲状腺(上皮小体)
a 副甲状腺機能亢進症
b 副甲状腺機能低下症
5 膵頭(ランゲルハンス島)
a 糖尿病
b 腫瘍
c 多発性内分泌腫瘍症
6 副腎
a 副腎皮質機能亢進症
b 副腎皮質機能低下症
c 副腎皮質癌
d 副腎髄質腫瘍
5 泌尿器系
1 腎
a 先天異常
b 腎嚢胞性病変
c 血管性病変
d 急性腎不全
e ネフローゼ症候群
f 糸球体の病変
g 感染症
h 腫瘍
2 下部尿路(腎盂,尿管,膀胱,尿道)
a 奇形
b 水腎症
c 尿路結石
d 炎症
e 腫瘍
6 生殖器系
1 男性性器
a 停留精巣
b 精巣腫瘍
c 前立腺
2 女性性器
a 外陰,膣
b 子宮頸部
c 糸球体部
d 絨毛性疾患
e 卵管
f 卵巣
3 乳腺
a 乳腺症
b 良性腫瘍
c 境界病変
d 葉状腫瘍
e 乳癌
7 造血器系
1 造血系疾患
a 正常造血
b 多能性造血幹細胞
c 赤血球の異常
d 白血球の異常
e 巨核球,血小板,凝固因子の異常
2 リンパ節,リンパ装置の疾患
a リンパ球の分化と種類
b 反応性リンパ節疾患
c 悪性リンパ腫
d 組織球,樹状細胞腫瘍性病変
3 胸腺病変
a 非腫瘍性疾患
b 腫瘍性病変
4 脾臓病変
8 神経系
1 中枢神経
a 先天異常と発達障害
b 外傷
c 循環障害
d 感染症
e プリオン病
f 脱髄疾患
g 代謝異常,栄養障害,中毒症
h 変性疾患
i 腫瘍
2 末梢神経
a ニューロパチー
b 腫瘍
9 感覚器系
1 聴覚
a 外耳の疾患
b 中耳の疾患
c 内耳の疾患
d 腫瘍
2 視器
a 眼瞼の疾患
b 結膜・角膜の疾患
c 虹彩・毛様体・脈絡膜の疾患
d 緑内障
e 白内障
f 網膜の疾患
g 視神経の疾患
h 腫瘍
10 運動器系
1 骨
a 形成異常
b 外傷・物理的障害
c 代謝性疾患
d 炎症
e 腫瘍
2 関節
a 外傷・物理的障害
b 変性・代謝性疾患
c 炎症
d 腫瘍
3 骨格筋
a 変性・萎縮
b 代謝障害
c 炎症
d 腫瘍
11 皮膚
1 非腫瘍性疾患
a 非感染性皮膚炎(いわゆる皮膚症)
b 感染症
2 腫瘍
a 上皮性腫瘍
b 色素性(メラノサイト系)腫瘍
c 軟部腫瘍
d 悪性リンパ腫
第IV章 病理診断
1 病理診断とは
2 細胞診断(細胞診)
a 細胞診の特徴
b 細胞診標本の作製方法
c 細胞診の判断
3 病理組織診断
a 病理組織診断の対象と目的
b 病理組織標本の作製法
c 病理組織の判断と報告
d 術中迅速診断
e 遠隔術中迅速診断
f 特殊な診断方法
4 病理解剖
索引
改訂第6版 序
医学・医療の高度化・専門化が進む中、各領域の専門性が要請されるが、大局的に疾病の全体像を把握することがますます重要になってきた。病理部門は全身各臓器の診断をすることにより治療方針の決定に大きく関与する。平成20(2008)年4月からスタートした標榜診療科としての「病理診断科」の存在が医療機関の中で定着してきた。当然ながら病理担当者の責任も重くなってきている。さらに、医療系技術者(看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など)との連携の中で、チーム医療の一翼を担い、日常業務では迅速な診断と高い精度がより求められる。しかるに、現在、種々の医療技術が進歩し、きめ細やかな治療が求められる中で、病理学的検査はより重きを置かれるようになった。
本書は「わかりやすい」ことを大きな目標に平成元(1989)年に編集出版された。最新の知見を盛り込み、常に新しい情報を提供できる教科書を目指してきた。以来27年、わかりやすいとご好評を頂き、今版が第6版になる。本書は医療系技術者を志向する学生が理解しやすいように、第6版からカラー化し、写真を大いに取り入れ、視覚に訴える紙面構成を心がけた。また、これまで好評であった口絵掲載の写真を引き続き本文中に掲載し、わかりやすいシェーマと比べることによりより深い理解が得られるようにした。
第6版では総論の中に新たに“全身性疾患”の項目を設け、「糖尿病」「高血圧」「メタボリックシンドローム」「リウマチ」を取り上げ、病気の理解をより深められるように試みた。
第6版では執筆者も一部交代となり、新たな視点の解説も加わり、一段と充実した内容になったと自負している。
今後、医学医療はますます細分化、専門化する一方で、患者の目線での配慮が求められてくる。医学全般を正しく理解する上で重要、かつ不可欠な「病理学」を学ぶ人に、本書「わかりやすい病理学」は大きく寄与するものと確信している。
平成28年2月
監修者編集者一同