シンプルシリーズ
シンプル病理学改訂第7版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 笹野公伸/岡田保典/安井弥 |
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ISBN | : 978-4-524-26154-3 |
発行年月 | : 2015年8月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 412 |
在庫
定価3,190円(本体2,900円 + 税)
正誤表
-
2016年02月12日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
1990年の初版発行から、長い間版を重ねてきた病理学の教科書。エッセンスを体系立てて解説し、各医療系国家試験の出題基準に対応。今改訂では、新知見の追加・内容の更新と共に、過分葉好中球写真、粥瘍形成過程、抑制性T細胞の解説など、読者からの追加要望に応えた。読み取りが難しい病理写真には矢印やシェーマを追加し学生の理解に配慮した。
I.総論
第1章 病理学とは何か
1-1 われわれはなぜ病理学を学ぶ必要があるのか
1-2 疾患の概念の変遷と近代病理学の確立
1-3 疾患の病因と病理学
第2章 細胞傷害と細胞増殖
2-1 細胞の微細構造と機能
1 ミトコンドリア
2 小胞体
3 ゴルジ装置
4 ライソゾーム
5 細胞骨格
2-2 細胞増殖(進行性病変)と細胞死
1 細胞の増殖
2 進行性病変
3 細胞死
2-3 細胞傷害
1 細胞傷害の原因とその機序
2 細胞傷害による組織の変化:退行性病変
3 変性
4 萎縮
2-4 遺伝子傷害とその修復
第3章 組織,細胞の修復と再生
3-1 再生
1 再生能力
2 再生の機序
3-2 過剰再生
3-3 化生
3-4 創傷治癒
1 肉芽組織
2 瘢痕組織
3 創傷治癒の様式
4 骨折の治癒
3-5 異物の処理
1 異物
2 異物処理
第4章 循環障害
4-1 局所的循環障害
1 充血とうっ血
2 虚血
3 血栓症
4 出血
5 塞栓症
6 梗塞
4-2 全身的循環障害(全身性循環不全)
1 全身性のうっ血
2 門脈圧亢進症
3 ショック
4 播種性血管内凝固症候群
5 浮腫(水腫)
6 脱水症
第5章 炎症
5-1 炎症とは何か
1 炎症と細胞傷害の違い
2 炎症の原因
3 炎症の目的
4 炎症の徴候
5 炎症の理解に必要な3要素
6 炎症にかかわる細胞
5-2 急性炎症−炎症の開始とその分子機構
1 急性炎症における毛細血管の3つの重要な変化
2 好中球遊走の原理
3 急性炎症の病理形態学的分類
4 急性炎症の転帰
5-3 炎症の全身への影響
1 急性炎症による全身反応
2 全身性炎症反応症候群・サイトカインストーム
5-4 持続する炎症(慢性炎症)
1 慢性炎症の特徴
2 慢性炎症の原因
3 慢性炎症におけるマクロファージの機能
4 肉芽腫性炎症
5 肉芽腫の形成
6 肉芽腫の原因
第6章 感染症
6-1 病原体の種類
6-2 定着と発症,常在菌と病原菌
6-3 感染の成立
1 病原体の感染力
2 感染経路
3 ヒトからヒトへと伝播する感染症(伝染病),伝播しない病原体
4 宿主の抵抗性
6-4 感染の体内進展
6-5 病原体の標的細胞,標的臓器
6-6 感染症の経過
6-7 感染防止対策
1 感染源対策
2 感染経路対策
3 感受性宿主対策
6-8 感染防御機構
1 好中球反応を惹起する病原体
2 好酸球反応を惹起する病原体
3 リンパ球浸潤が主たる細胞反応である病原体
4 肉芽腫反応を惹起する病原体
6-9 中和抗体と持続感染
6-10 日和見感染症
1 骨髄抑制(好中球減少)
2 細胞性免疫不全(リンパ球減少)
3 液性抗体産生不全
4 局所的な免疫抑制状態
6-11 内因性感染症と外因性感染症
6-12 病原体ないし感染細胞の形態学的特徴
第7章 免疫機構の異常
7-1 免疫反応の守備範囲は広い
7-2 多種の細胞群,分子群が免疫反応を遂行する
1 自然免疫,獲得免疫と液性免疫,細胞性免疫
2 免疫担当細胞群
3 サイトカイン,ケモカインと接着分子
4 免疫グロブリンと補体
7-3 種々の免疫反応は非自己(変化した自己)を排除する生体防御反応である
1 移植免疫反応
2 侵入細菌の排除
3 ウイルス感染細胞の排除
4 腫瘍化した細胞の排除
7-4 アレルギー反応は免疫反応の結果,有害な症状が現れる場合を指す
1 I型アレルギー(アナフィラキシー反応)
2 II型アレルギー(細胞傷害性反応)
3 III型アレルギー(免疫複合体反応)
4 IV型アレルギー(遅延型反応)
5 V型アレルギー(機能亢進型反応)
7-5 自己免疫疾患では自己成分に対する免疫反応が引き金となる
1 免疫寛容と胸腺内T細胞分化
2 自己免疫疾患
7-6 免疫不全症候群は先天的・後天的な免疫機構の不全状態である
1 先天性免疫不全症
2 後天性免疫不全症
第8章 遺伝と先天異常
8-1 先天異常の病因
8-2 遺伝病
1 遺伝,遺伝子
2 遺伝病
8-3 染色体異常症
1 染色体数の異常
2 染色体の構造異常
3 常染色体異常症の代表的疾患
4 性染色体異常症の代表的疾患
5 隣接遺伝子症候群
8-4 単一遺伝子病
1 常染色体優性遺伝性疾患
2 常染色体劣性遺伝性疾患
3 X連鎖遺伝性疾患
4 ミトコンドリア病
5 ゲノム刷り込み現象が関与する疾患
8-5 遺伝子診断とその応用
1 遺伝子診断法
2 遺伝子診断の応用
8-6 遺伝カウンセリング
第9章 腫瘍
9-1 腫瘍の概念と命名法
9-2 腫瘍の形態
1 肉眼的性状
2 腫瘍の組織構造−実質と間質
9-3 腫瘍細胞の特徴
9-4 腫瘍の組織学的分類
9-5 腫瘍の発生・増殖と発育パターン
9-6 悪性腫瘍の進展と転移
1 播種
2 リンパ行性転移
3 血行性転移
4 浸潤・転移の機序
9-7 腫瘍の良性と悪性の鑑別
9-8 腫瘍の分化度
9-9 機能性腫瘍
9-10 腫瘍マーカーと組織マーカー
9-11 腫瘍のクローン発生と癌幹細胞
9-12 腫瘍発生の要因
1 環境要因(外因)
2 腫瘍素因(内因)
9-13 腫瘍の発生と遺伝子
1 発癌機序
2 癌遺伝子
3 癌抑制遺伝子
9-14 腫瘍と宿主の関係
1 腫瘍が宿主に及ぼす影響
2 宿主が腫瘍に及ぼす影響
9-15 癌の病期
1 早期癌と進行癌
2 前癌病変と上皮内癌
3 不顕性癌
9-16 多発癌と重複癌
9-17 癌の病理診断(組織診と細胞診)
9-18 癌の分子病理診断
9-19 腫瘍の組織学的分類−実例
1 上皮性腫瘍
2 非上皮性腫瘍
3 混合腫瘍と奇形腫
9-20 腫瘍の疫学
第10章 代謝異常
10-1 細胞傷害に対する細胞の適応(萎縮,肥大,過形成,化生)
10-2 石灰沈着(石灰化)
10-3 細胞外物質沈着
1 硝子化
2 アミロイド変性
3 フィブリノイド変性
4 ムコイド変性
10-4 細胞内物質沈着
1 色素沈着
2 糖原変性
10-5 黄疸
1 溶血性黄疸
2 肝細胞性黄疸
3 閉塞性黄疸
4 体質性黄疸
10-6 タンパク質代謝異常症(尿毒症,アンモニア血症,アミロイドーシス)
1 尿毒症
2 アンモニア血症
3 アミロイドーシス
10-7 脂質代謝異常症(脂肪肝,粥状硬化症,高脂血症)
1 脂肪肝
2 粥状硬化症
3 高脂血症
10-8 糖質代謝異常症(糖原病,遺伝性ムコ多糖症)
1 糖原病
2 遺伝性ムコ多糖症
10-9 栄養素の過剰や不足による疾患(栄養障害)
1 肥満
2 ビタミン欠乏症
3 ミネラル欠乏症
10-10 生活習慣病
第11章 老化
11-1 老化とは
1 老化の定義
2 生理的老化と病的老化
3 老化の基本的な4原則
4 個体老化と細胞老化
5 個体の死
11-2 老化のメカニズム
1 プログラム説
2 エラー蓄積説
11-3 老化による細胞・臓器の変化
1 老化に伴う臓器特異的な機能細胞の減少
2 主要臓器・組織の変化
11-4 細胞を構成する微細構造・物質からみた老化
1 ミトコンドリアの加齢変化
2 DNAの加齢変化
3 タンパク質の加齢変化
4 脂質・糖質の加齢変化
5 アミロイドと老化
11-5 老化と疾患の関連
1 老化と疾病の相違点
2 加齢に伴って増加する疾患
3 老年症候群
4 日常生活活動度(ADL),生活の質(QOL)と老化との関連
5 老年者の死因
II.各論
第12章 循環器
12-1 心臓
1 正常の解剖と生理
2 適応と心不全
3 先天性心奇形
4 弁膜症
5 冠状動脈疾患と虚血性心疾患
6 心筋症と心筋炎
7 腫瘍
12-2 血管
1 血管の構造
2 動脈硬化症
3 高血圧
4 動脈瘤
5 血管炎
6 静脈疾患
第13章 呼吸器
13-1 上気道(鼻,咽頭)
1 上気道の炎症
2 多発血管炎性肉芽腫症(旧名ウェゲナー肉芽腫症)
3 喉頭ポリープ(歌手結節)
4 上気道の腫瘍
13-2 下気道(気管,気管支,肺)
1 循環障害
2 炎症
3 無気肺
4 塵肺症
5 肺気腫
6 慢性気管支炎
7 気管支喘息
8 気管支拡張症
9 新生児の肺疾患
10 下気道の腫瘍
13-3 胸膜
1 胸水
2 胸膜炎と膿胸
3 気胸
4 胸膜腫瘍
13-4 縦隔(胸腺を除く)
1 奇形
2 炎症
3 縦隔腫瘍
第14章 口腔・唾液腺
14-1 奇形(発育異常)
14-2 炎症
1 歯と歯周組織の炎症
2 口腔粘膜の炎症
3 唾液腺の炎症
14-3 皮膚粘膜疾患
14-4 白板症
14-5 嚢胞
14-6 腫瘍
1 口腔粘膜の腫瘍
2 歯原性腫瘍
3 唾液腺腫瘍
第15章 消化器
A.上部消化管
15-1 消化管の構造と機能
15-2 食道の病気
1 奇形(形成異常)
2 マロリー・ワイス症候群
3 食道静脈瘤
4 炎症
5 バレット食道
6 腫瘍
15-3 胃の病気
1 奇形(形成異常)
2 炎症
3 消化性潰瘍
4 腫瘍および類縁疾患
B.下部消化管
15-4 腸の病気
1 発育異常
2 腸閉塞症(イレウス)
3 循環障害
4 炎症
5 タンパク漏出性胃腸症
6 過敏性腸症候群(IBS)
7 便秘症
8 腫瘍様病変
9 上皮性腫瘍
10 非上皮性腫瘍
C.肝臓,胆道,膵臓
15-5 肝臓の病気
1 肝臓の構造と機能
2 肝臓の循環障害
3 ウイルス肝炎
4 アルコールによる肝臓の障害と薬剤性肝炎
5 肝硬変
6 肝炎ウイルス以外の肝臓の感染症
7 肝臓の代謝障害
8 肝臓の腫瘍
15-6 胆道の病気
1 胆道の先天異常
2 胆石症
3 胆嚢炎
4 肝外胆管癌と胆嚢癌
15-7 膵臓の病理
1 急性膵炎と慢性膵炎
2 膵臓の腫瘍
D.腹膜
15-8 腹膜の病気
1 腹膜炎
2 腹水
3 腫瘍
第16章 内分泌系
16-1 内分泌疾患を知るための予備知識
1 内分泌(ホルモン)とは何か
2 ホルモンはわれわれの体でどうやって作用しているのか−ホルモンの作用機序
3 ホルモン機能亢進症と機能低下症とは−ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると,われわれの体はどうなるのか
4 ホルモン分泌はどうやって調整されているか
16-2 視床下部と下垂体
1 視床下部-下垂体とは
2 視床下部-下垂体はどこにあり,何の働きをしているのか
3 視床下部の疾患
4 下垂体後葉の疾患
5 下垂体前葉の疾患
16-3 甲状腺
1 甲状腺はどこにあり,何の働きをしているのか
2 甲状腺の疾患
16-4 副甲状腺
1 副甲状腺とは
2 副甲状腺はどこにあり,何の働きをしているのか
3 副甲状腺の疾患
16-5 副腎
1 副腎とは
2 副腎皮質
3 副腎皮質疾患
4 副腎髄質
16-6 膵臓ランゲルハンス島
1 膵臓ランゲルハンス島とは
2 膵臓ランゲルハンス島はどこにあり,何の働きをしているのか
3 膵臓ランゲルハンス島の疾患
16-7 遺伝的に発症する内分泌腺の疾患
1 多発性内分泌腫瘍
第17章 造血系
17-1 骨髄
1 血球の発生と分化・成熟
2 赤血球の異常
3 白血球の異常
4 出血性素因,血小板の異常および凝固・線溶系の異常
5 骨髄系細胞の腫瘍性増殖疾患
17-2 リンパ節
1 リンパ節疾患とは
2 リンパ節の炎症性・反応性疾患
3 リンパ節の腫瘍性疾患
4 形質細胞腫瘍
5 組織球系細胞の増殖症
6 転移性腫瘍
17-3 脾臓
1 アミロイドーシス
2 梗塞
3 脾機能亢進症と脾腫
4 腫瘍
17-4 胸腺
1 過形成
2 腫瘍
第18章 泌尿器系
18-1 腎臓の構造と機能
1 腎臓の肉眼解剖
2 ネフロンの構造と機能
18-2 腎臓の病気の特徴と考え方
1 腎臓における2つの炎症−腎盂腎炎と糸球体腎炎
2 血尿とタンパク質
3 腎不全(急性腎不全と慢性腎不全)とはどのような状態か
18-3 代表的な原発性糸球体疾患(糸球体腎炎および関連病変)
1 急性糸球体腎炎
2 急速進行性糸球体腎炎
3 慢性腎炎症候群(およびネフローゼ症候群)
18-4 全身性疾患の一部としてみられる続発性
1 糖尿病性腎症
2 腎糸球体線維沈着症(アミロイド腎症)
3 ループス腎炎
18-5 遺伝性腎疾患
1 アルポート症候群
2 劣性遺伝型(幼児型)嚢胞腎
3 優性遺伝型(成人型)嚢胞腎
18-6 腎腫瘍
1 腎細胞癌
2 血管筋脂肪腫
3 腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)
18-7 尿路腫瘍(腎盂尿管癌と膀胱癌)
18-8 尿路結石
18-9 尿路の炎症性疾患
1 腎盂腎炎
2 膀胱炎
第19章 生殖器
A.女性生殖器,乳腺
19-1 外陰部の病気
1 外陰炎
2 外陰部の類腫瘍病変
3 外陰部の悪性腫瘍
19-2 腟の病気
1 腟炎
2 腟の類腫瘍病変
3 腟の悪性腫瘍
19-3 子宮頸部の病気
1 子宮頸管炎
2 子宮頸部の類腫瘍病変
3 子宮頸部の前癌性病変および悪性腫瘍
19-4 子宮体部の病気
1 子宮内膜炎
2 機能性出血
3 子宮内膜の類腫瘍病変
4 子宮内膜の前癌性病変と悪性腫瘍
5 子宮筋層に起こる腫瘍
19-5 妊娠に関連した病気と絨毛性腫瘍
1 妊娠の合併症
2 子宮外妊娠(外妊)
3 絨毛性腫瘍
19-6 卵巣・卵管の病気
1 卵巣・卵管の類腫瘍病変
14 a .子宮内膜症
2 卵巣腫瘍
19-7 乳腺の病気
1 乳腺炎
2 線維嚢胞性変化(いわゆる乳腺症)
3 乳癌
4 乳癌以外の良性腫瘍
5 男性の乳腺疾患
B.男性生殖器
19-8 男性生殖器の構造と機能
19-9 精巣(睾丸)と精巣上体(副睾丸)の病気
1 停留精巣
2 精巣炎と精巣上体炎
3 精巣の腫瘍
19-10 前立腺の病気
1 前立腺炎
2 前立腺肥大症
3 前立腺癌
第20章 感覚器
20-1 眼
1 眼の構造
2 眼の疾患
20-2 耳・平衡器
1 耳と平衡器の構造
2 主な耳の疾患
第21章 運動器
21-1 骨・軟骨の構造と機能
21-2 骨・軟骨の病気
1 骨折
2 骨髄炎
3 無血管性骨壊死(無腐性骨壊死)
4 代謝性骨疾患
5 骨系統疾患
6 骨腫瘍および腫瘍類似病変
21-3 関節の構造と機能
21-4 関節の病気
1 炎症性疾患
2 非炎症性関節疾患
3 脊椎関節症
4 関節の腫瘍および腫瘍類似病変
21-5 筋・末梢神経の構造と機能
21-6 筋,腱,末梢神経の病気
1 神経筋疾患
2 筋炎
3 軟部腫瘍および腫瘍類似病変
第22章 皮膚
22-1 皮膚疾患を知るための予備知識
1 皮膚の構造
2 皮膚病変で用いられる用語
22-2 反応性皮膚疾患
22-3 膠原病
22-4 角化症
22-5 水疱症,膿疱症
22-6 光線・温熱皮膚障害,薬疹,色素異常症
22-7 皮膚付属器疾患,代謝異常症
22-8 肉芽腫性疾患
22-9 感染症
1 細菌性感染症
2 真菌感染症
3 ウイルス感染症
22-10 皮膚腫瘍
1 上皮性腫瘍
2 メラノサイト系腫瘍(母斑を含む)
3 間葉系腫瘍
第23章 小児病理
23-1 肺
1 肺の発達
2 新生児呼吸窮迫症候群(肺硝子膜症)
23-2 肝臓
1 胆道閉鎖症
2 新生児肝炎
23-3 消化器
1 食道閉鎖
2 横隔膜ヘルニア
3 メッケル憩室
4 ヒルシュスプルング病
23-4 小児腫瘍
1 神経芽腫群腫瘍
2 腎芽細胞腫
3 肝腫瘍
4 胚細胞腫瘍
5 骨肉腫
6 横紋筋肉腫
7 網膜芽細胞腫
8 脳腫瘍
9 白血病
10 悪性リンパ腫
第24章 脳・神経系
24-1 中枢神経系
1 発生異常
2 脳浮腫と脳ヘルニア
3 脳血管障害
4 頭部外傷
5 感染症
6 脱髄疾患
7 代謝性疾患
8 栄養障害・中毒症
9 変性疾患
10 脳腫瘍
24-2 脊髄
1 脊髄空洞症
2 脊髄血管障害
3 脊髄外傷
4 脊髄腫瘍
24-3 末梢神経系
1 末梢神経の病的変化
2 末梢神経の再生
3 末梢性ニューロパチー
4 末梢神経腫瘍
第25章 病理組織細胞診断
25-1 病理組織細胞診断と現在医療における意義
1 病理組織診断とその意義
2 細胞診診断とその意義
3 病理解剖とその意義
25-2 病理組織細胞診断/検査および病理解剖の実際
1 病理組織診断の実際
2 術中迅速組織診断の実際
3 細胞診診断の実際
4 病理解剖(剖検)の実際
付1.病理組織診断,細胞診診断に用いられる主な染色法の解説
付2.主要略語
索引
改訂第7版の序
ヒトの疾患を学ぶに際しては、どのようにしてその疾患が生じてきて、さらになぜ個体に種々の悪い影響を与えているのかという観点からの学習がなければ、疾患の本質的な理解をすることはできない。すなわち、疼痛、発熱、下痢などの症状・徴候をいかに詳細に観察しようとも、科学的な所見に基づいてこれらの症状を生じさせている病因・機序を理解しなければ、その患者の的確な診断/治療を行うことが不可能だということは、おぼろげながらも理解できるかと思われる。上記のようにどのような原因で病気が生じ、どのような機序で疾患が進行して患者に悪い影響を与えるのかという疾患の本質を学ぶには、病理学の知識が欠かせない。このような背景から、ヒト疾患に少しでも関係する領域では、病理学はいわば必須と位置付けられている。しかし近年の臨床医学の目覚ましい進歩により、ヒト疾患の様相も従来より非常に複雑になってきており、病理学が取り扱う領域も非常に幅広くかつ複雑になり、ともすれば学生にとってとっつきにくい学問体系の1つとなっていはしないかと危惧される。こうした事情から、今日病理学の教育に従事する者には、いかにして学生に分かりやすく病理学を教授するかが強く問われている。
シンプル病理学は1990年に初版が発行され、主に医療技術系の学生を対象とした病理学の教科書としては、最も多くの学生に読まれてきた成書の1つである。さらに2004年の改訂第4版では、全国レベルで編者・執筆者に専門領域の適任者を選び、内容的にも大幅な改訂を行って、多くの教育施設で指定教科書として採用されるに至った。加えて、改訂第5版では看護師、管理栄養士、臨床検査技師、柔道整復師の、そして改訂第6版では理学療法士、作業療法士の国家試験出題基準、いわゆるコアカリをほぼ完全に網羅するように改訂が行われ、各領域の国家試験受験者はこのシンプル病理学1冊で国家試験受験に向けた最低限の知識は得られるように内容が整えられた。また医療技術系の養成課程では、どうしても病理学の年間講義数が限られていることは否めない。そこで、より学生・教官のニーズに沿った病理学の教科書を編纂するために、これらの病理学の教官並びに学生に対するアンケート調査を行った。改訂第6版では可能な限りその意見を取り入れて、ミニマムな項目を漏れのないようにカバーし、コンパクトで、しかも種々の病理組織所見・肉眼画像をオールカラーで示しつつ値段を据え置いたことで、教官・学生双方にとって非常に使い勝手のよい病理学の教科書を実現した。
改訂第6版をさらに発展させた今回の『シンプル病理学改訂第7版』では、再生医療等の医学の最新の進歩を取り入れるなど内容をアップデートさせ、かつより読みやすいように文章表現などを改訂した。これにより、本書はヒト疾患への理解を深めるためには非常によい入門書となり、医学部・歯学部の学生にとっても、最初に目を通していわゆる病理学アレルギーをなくす意味では適した内容になってきている。このように今まで何回かの改訂を経て、本書の読者対象はさらに広がってきているが、改訂第7版においても、どのような養成課程であれ、「病理学入門書として最適な教科書」という本書の位置付けがよりいっそう確固としたものになったと自負している。
2015年7月
笹野公伸
岡田保典
安井弥