テキスト健康科学改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 竹内康浩/田中豊穂 |
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編集 | : 佐藤祐造/柴田英治 |
ISBN | : 978-4-524-25885-7 |
発行年月 | : 2017年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 280 |
在庫
定価2,860円(本体2,600円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
大学における健康教育の教科書。最新の統計データ・数値を盛り込んだ改訂版。本書では、健康は様々な人々の職業活動のうえに成り立っているという視点を育てることを重視。健康を、心、環境、経済などの様々な視点から解説している。具体的事例やコラムも豊富で学生が飽きずに読み進めることができる一冊。
第1章 現代の健康問題概観
1 統計からみた現代の健康問題
2 健康問題の発生要因
3 疾病予防と健康の増進
第2章 人の心身と健康を知る
A 身体と健康
1 身体の構造と機能
2 健康診断の意義
B 心と健康
1 心の健康・不健康とは
2 心の不健康
3 薬物依存
C 遺伝と健康
1 遺伝のしくみ
2 遺伝性疾患に対する理解
3 遺伝的素因と疾患
4 ゲノム研究の潮流
D 適応と健康
1 はじめに
2 適応の原理
3 適応のメカニズム
4 さまざまな適応
5 適応不全による病態
6 環境変化と適応の限界
第3章 健康の基礎
A 環境と健康
1 環境と人間の健康との関係
2 物理的環境と健康
3 生物的環境と健康
4 社会的環境と健康
B 栄養と健康
1 栄養素の機能
2 栄養・健康に関する社会的諸問題
C 運動と健康−運動の効果
1 安静の弊害
2 身体運動とエネルギー代謝
3 生活習慣病と身体運動−疫学的研究成績
4 生活習慣病に対する運動療法の効果
5 運動処方の実際
D 運動と健康−運動による傷害
1 運動器の傷害
2 運動器以外の傷害
E 生活習慣と健康
1 生活習慣と生活習慣病
2 食と健康
3 身体活動と健康
4 たばこと健康
5 アルコールと健康
6 睡眠,休養,ストレスと健康
7 歯磨き行動と歯科保健
8 健康寿命を延ばすために
第4章 社会と健康
A 社会と健康
1 はじめに
2 感染症対策から学ぶ
3 医療制度
4 社会のあり方によって生じる健康格差
B 集団と健康
1 学校と職場の健康障害因子
2 学校と健康
3 職場と健康
4 集団の健康を守るために
C 経済と健康
1 経済的格差の拡大の現状
2 経済状態と健康との関連
3 経済と健康水準との関連
D 法と健康
1 健康にかかわる法
2 学校保健安全法
3 健康増進法
4 食育基本法
5 食品衛生に関連した主な法令
6 損害賠償法と製造物責任法
第5章 科学技術と健康
A 化学物質と健康
1 人類と化学物質のかかわり
2 化学物質の人体へのばく露と反応
3 化学物質取扱いへの社会的な働きかけ
B 情報技術の革新と健康
1 情報技術の革新
2 コンピュータ作業者の健康状態
3 VDT作業者の労働衛生管理
4 まとめ
C 交通・輸送の革新と健康
1 自動車中心の交通・輸送と車社会を取り巻く状況
2 交通事故の実態と交通安全対策
3 交通事故防止・対策を考える
4 自動車の運転と健康障害
5 自動車交通網の発達と環境問題
D 住宅と健康
1 住宅と健康の基本原則
2 衛生環境の向上
3 室内空気汚染
4 ユニバーサルデザイン
第6章 健康観と健康に関する社会のしくみ
1 健康観と健康政策の潮流
2 保健・医療制度と健康に関するしくみ
参考図書
索引
改訂第2版の序
現在大学教育の質的転換を図るため、各大学において、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」及び「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」の策定及び運用が求められており、2016年3月には、中央教育審議会よりガイドラインが公表されている。その中で、カリキュラム編成に関して、体系的な教育課程の構築に向けて、初年次教育、教養教育、専門教育、キャリア教育等の様々な観点から検討を行うこと、特に、初年次教育については、多様な入学者が自ら学修計画を立て、主体的な学びを実践できるようにする観点から充実を図ることが求められている。
本書は大学の教養科目における健康科学の教科書として編集した。医学・医療系、家政・栄養系、養護教員養成系、体育系、福祉・介護系学部など、ことに将来、職業を通して様々な立場から他者の健康と関わりをもつ学生に、「現代人の健康は様々な人々の職業活動の上に成り立っている」という認識を育て、また、「現代人の健康に科学の果たしている役割」を理解していただくことを目的として、2005年に初版を上梓した。関係教員各位、学生諸君の支持を得て、第9刷、累計1万数千部を刊行することができた。しかし、成人の死因等も大きく変化するなど、全面的に書き改める必要が生じたのを機に、刊行後10年が経過したことからも、改訂第2版を出版することとなった、
今版では竹内康浩・田中豊穂両名誉教授には監修の立場で大所高所からご助言いただき、編集のメンバーに柴田英治教授に加わっていただいた。また、分担執筆者に関して、大学の教育現場から離れたり、ご逝去された方々に代わり、若手の新進気鋭の先生方に加わっていただいた。
内容的には、初版の基本方針を踏襲したが、解説内容の点検、古い統計データ、事例(話題)の刷新とともに、学問領域の進展に伴う新知見の加筆を行った。また、読者からいただいたご指摘・要望を改正点として取り込み、より多くの学生に活用される、現在の健康科学の教育に十分対応しうる改訂を行った。さらに、学生が必要十分な健康科学の知識を修得できるよう、監修者・編者が丁寧に査読を行った。
章・節の構成はある程度の脈絡を考えて配列したが、各執筆者の担当章・節は独立した内容となっている。したがって、教科書として利用していただく場合には、講義の構成や授業時間数にあわせて取捨選択することも十分に可能である。
本書が学生諸君の健康科学に関する認識を広げることに少しでもお役に立てば幸いである。また、是非ご批評をお寄せいただきたい。
2016年12月
監修者・編者を代表して
佐藤祐造