看護学テキストNiCE
ヘルスアセスメント
臨床実践能力を高める[DVD付]
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 三上れつ/小松万喜子/小林正弘 |
---|---|
ISBN | : 978-4-524-24762-2 |
発行年月 | : 2010年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 294 |
在庫
定価3,960円(本体3,600円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
看護に必要な「ヘルスアセスメント」のテキスト。人体の構造と機能の基礎知識、フィジカルアセスメント、看護実践への活かし方が理解しやすいように、図・表・写真を豊富に掲載。また、アセスメントの項目と手順を系統的に解説。さらに、充実した内容のDVDで確かな手技を学習できる。心理・社会面のアセスメントについても述べ、これからの看護に欠かせない一冊。
第I章 ヘルスアセスメントの概要
A.ヘルスアセスメントとは
1 ヘルスアセスメントの定義
2 ヘルスアセスメントの目的
3 ヘルスアセスメントの意義
4 看護データベースと情報収集
5 ヘルスアセスメントで収集する情報の種類
6 情報収集の方法
B.フィジカルアセスメント
1 フィジカルアセスメントとは
2 フィジカルアセスメントの技法と診査項目
3 身体診査の進め方
4 身体診査技法の概要
C.心理社会的アセスメント
D.倫理的配慮
第II章 看護過程とヘルスアセスメント
A.看護過程とは
B.ヘルスアセスメントの理論的枠組み
C.アセスメント段階
1 情報収集と情報の種類
2 データの情報源
3 情報分析
4 情報交換
D.ヘルスアセスメントの具体的な進め方
1 診断的推論
2 クリティカル・シンキング
3 アセスメントの具体例
E.看護過程の事例
F.フィジカルアセスメントの事例
第III章 ヘルスアセスメントの基本技術
1.看護データベース聴取
A.看護データベースとは
1 看護データベースの主な内容
B.看護データベース聴取の方法
2.面接・問診技術
A.面接・問診とは
B.面接・問診の方法
1 準備
2 面接・問診の実際
3 聞き方
3.観察・測定・記録技術
A.観察技術
B.測定技術
C.記録技術
第IV章 日常生活行動のアセスメント−S・O情報、解釈・分析
1.日常生活行動のアセスメント
A.栄養−代謝
B.排泄
C.活動−運動
D.睡眠−休息
E.認知−知覚
F.性−生殖
2.心理社会的側面のアセスメント
A.健康知覚−健康管理
B.自己知覚−自己概念
C.価値−信念
D.役割−関係
E.コーピング−ストレス耐性
3.日常生活行動のアセスメント−事例
A.情報とアセスメント
B.事例
第V章 ライフサイクルにおけるアセスメント
1.小児のアセスメント
A.基礎知識
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と手順
2 アセスメント後の対応
C.事例
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
2.成人のアセスメント
A.メタボリックシンドロームの基礎知識
1 生活習慣病とメタボリックシンドローム
2 特定健診・保健指導
B.メタボリックシンドロームのアセスメント方法
1 情報収集
2 腹囲測定
3 アセスメント後の対応
C.更年期障害の基礎知識
1 更年期とは
2 更年期障害の症状
D.更年期障害のアセスメント方法
1 情報収集
2 アセスメント指標
3 アセスメント後の対応
E.事例
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
3.高齢者のアセスメント
A.基礎知識
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と手順
2 留意点
3 アセスメント後の対応
C.事例
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
4.妊産婦・褥婦のアセスメント
A.妊婦のアセスメント項目
B.産婦のアセスメント項目
C.褥婦のアセスメント項目
D.妊産婦に必要なフィジカルアセスメントの方法
1 レオポルド触診法
2 児心音聴取
3 子宮底長測定(妊娠期)
4 子宮底長測定(産褥期)、悪露、外陰部、肛門部の観察
E.事例
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
第VI章 フィジカルアセスメント
1.フィジカルアセスメント総論
A.フィジカルアセスメントの基本手技
1 視診
2 触診
3 打診
4 聴診
B.全身状態の把握
1 体型
2 歩行
C.バイタルサインズ
1 体温測定
2 脈拍測定
3 血圧測定
4 呼吸測定
5 意識レベル
2.外皮系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
3 熱傷、褥瘡、浮腫
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
3.特殊感覚(眼、耳、鼻、舌)
A.基礎知識
1 眼の構造と機能
2 耳の構造と機能
3 鼻の構造と機能
4 舌の構造と機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
4.筋・骨格系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
3 日常生活活動と関節可動域の関連
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と全体の診査手順
2 アセスメント項目と部位ごとの診査手順
3 記録
4 アセスメント後の対応
5.神経系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
6.呼吸器系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
7.循環器系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
8.消化器系
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
9.腎・泌尿器系、男性生殖器
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
10.女性生殖器
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
11.乳房
A.基礎知識
1 構造
2 機能
B.アセスメント方法
1 アセスメント項目と診査手順
2 記録
3 アセスメント後の対応
第VII章 心理(精神機能)・社会的アセスメント
1.心理(精神機能)・社会的側面のアセスメント
A.心理社会的アセスメントとは
1 心理社会的アセスメントの目的
2 心理社会的アセスメントの考え方
B.心理面(精神機能)のアセスメント
1 意識
2 知能
3 思考
4 感情
5 知覚
6 記憶
7 意欲・行動
8 自我意識
C.社会面のアセスメント
1 社会・経済状況
2 家族
3 文化
2.心理社会的障害−事例
A.パニック障害
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
B.抑うつ状態
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
C.境界性パーソナリティ障害
1 患者の状況
2 アセスメント
3 看護の方向性
第VIII章 ヘルスアセスメントと評価
A.看護過程における評価
1 評価方法
2 記載方法
B.ヘルスアセスメントの質保証
1 質保証
2 質保証プログラム
3 質保証における評価方法
4 看護師の自己評価
索引
少子高齢社会、生活習慣病の増加、在院日数の短縮化、在宅医療への移行、医療技術の高度化等によって、看護・医療を取り巻く状況は目まぐるしく変化し、看護に期待される役割はますます高まっています。これに伴い、2002年に静脈注射の法解釈の変更が行われました。2009年4月からは、看護実践能力の向上のためにカリキュラム改正が行われ、フィジカルアセスメント、コミュニケーション、マネジメントなどの教育内容が強化されました。また、2009年7月の国会で、看護基礎教育を4年間教育にする方向性や卒業後の研修制度の努力化が明確に示されました。さらに専門性を強化するために、専門看護師(CNS)、ナースプラクティショナー(NP)、高度実践看護師(APN)等の卒後教育についても検討が重ねられています。このように、わが国の看護学教育や看護実践内容は大きく変わろうとしています。
看護は、人間の生・老・病・死という、生活者としての人々の健康生活に深くかかわり、個人・家族・集団のQOLの維持・向上を果たす役割を担っています。専門的なケアを提供していくためには、対象との専門的対人関係を基盤に、科学的思考で、対象の解決すべき健康問題を明確にすることが不可欠です。
本書の「ヘルスアセスメント」は、人々の健康状態の査定・事前評価を意味し、看護過程のアセスメントと同義語として位置付けています。看護におけるアセスメントは、フィジカルアセスメントのみならず、心理社会的側面からもアセスメントし、対象を全人的にとらえ、看護診断や看護ケアを方向づけていくための要となる段階です。したがって、看護学生や看護師の皆様が、看護過程をふまえてアセスメントを充実させ、臨床実践能力を高めていけるように配慮しました。
本書は、VIII章から構成されています。
第I章から第III章までは、ヘルスアセスメントの概要、看護過程におけるアセスメント、基本技術について述べ、ヘルスアセスメントの基本的事項を理解、確認、復習できるようにしました。第IV章は、ゴードンの機能的健康パターンのアセスメントツールに基づき、看護過程のアセスメント段階が具体的に理解できるようにしました。また、初学者でも実際に活用できるように事例を用いて、各パターンにおけるアセスメントの記録方法を例示しました。第V章から第VII章は、アセスメント能力をさらに強化するために、ライフサイクルの側面、身体的側面、心理社会的側面から、基礎的知識とアセスメント技法について詳述し、得られた情報から基準と逸脱について判断し、看護ケアに適用できるようにしています。第VIII章では、評価について述べ、アセスメント段階で出した結論が、適切であったかどうかを判断しながら実践を繰り返すことができるようにしました。
とくに第VI章の「フィジカルアセスメント」においては、身体診査技法について理解を深めるために、フィジカルアセスメントに熟達している実演者によるDVDを作成し、本文とDVDを活用して、身体診査技法を確実に学習できるように構成しました。なお、臨床や在宅において、身体診査技法を活用していくためには、さらなる教育訓練と習熟が必要であることを付記しておきたいと思います。
2010年2月
編者