教科書

健康・栄養科学シリーズ

臨床栄養学改訂第3版

監修 : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
編集 : 中村丁次/川島由起子/外山健二
ISBN : 978-4-524-24196-5
発行年月 : 2019年3月
判型 : B5
ページ数 : 448

在庫あり

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

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サポート情報

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

主要な疾患の病態と、患者に対する適切な栄養アセスメント・栄養ケアについて詳細に解説したテキスト。総論で栄養マネジメントの流れ、食事療法・栄養補給法の基礎、薬との相互作用などを総合的に理解し、各論で各疾患の栄養マネジメントの実際を発展的に学べるよう構成。今改訂では、紙面デザインを一新し、レベルは維持したまま、内容が一目で理解できる工夫を盛り込んだ。

第1章 臨床栄養学の基礎
 A 意義と目的
 B 疾患と栄養
 C 医療・介護制度の基本
 D 医療と臨床栄養
 E 福祉・介護と臨床栄養
第2章 チーム医療
 A チーム医療とは
 B 各種チーム医療の実際
第3章 栄養ケア・マネジメント
 A 栄養ケアとマネジメントとは
 B栄養ケア・マネジメントと制度
 C クリニカルパス
第4章 傷病者の栄養アセスメント
 A 意義と目的
 B 栄養スクリーニングとアセスメント
 C 臨床診査
 D 臨床検査
 E 身体計測
 F 食事調査
 G 栄養必要量の算定
 H エネルギーおよび栄養素のアセスメント
第5章 栄養ケア計画と実施
 A 栄養ケア計画とは
 B 栄養ケア計画作成の手順
 C 栄養ケア計画の実施
第6章 栄養・食事療法,栄養補給の方法
 A 栄養・食事療法と栄養補給法
 B 経口栄養補給法(栄養・食事療法)
 C 経腸栄養補給法
 D 経静脈栄養補給法
第7章 傷病者の栄養教育
 A 傷病者の栄養教育
 B 診療報酬制度での栄養教育
 C 要支援者・要介護者の栄養教育
 D 介護報酬制度での栄養教育
 E 栄養教育の運用システムと記録
 F 栄養教育のマンパワー
第8章 モニタリングと評価
 A モニタリング
 B 評価
第9章 栄養ケアの記録
 A 栄養ケア記録の意義
 B 問題志向型システム(POS)の活用
第10章 栄養管理プロセス
 A 栄養管理プロセスとは
 B 栄養管理プロセスの実践
第11章 薬と栄養・食物の相互関係
 A 薬により起こる栄養および代謝異常
 B 薬による電解質の変化
 C 薬物療法における栄養の影響
第12章 栄養障害
 A たんぱく質・エネルギー栄養失調症(栄養障害)(PEM)
 B ビタミン欠乏症・過剰症
 C ミネラル欠乏症・過剰症
第13章 肥満と代謝疾患
 A 肥満,メタボリックシンドローム
 B 糖尿病
 C 脂質異常症(高脂血症)
 D 高尿酸血症,痛風
 E 先天性代謝異常
第14章 消化器疾患
 A 口内炎,舌炎
 B 胃食道逆流症
 C 胃・十二指腸潰瘍
 D 蛋白漏出性胃腸症
 E 炎症性腸疾患
  E-1 クローン病
  E-2 潰瘍性大腸炎
 F 過敏性腸症状
 G 便秘
 H 肝炎
 I 肝硬変
 J 脂肪肝
 K 胆石・胆嚢炎
 L 膵炎
第15章 循環器疾患
 A 高血圧
 B 動脈硬化症
 C 狭心症,心筋梗塞
 D 心不全
 E 脳出血,脳梗塞
第16章 腎・尿路疾患
 A 糸球体腎炎
 B ネフローゼ症候群
 C 糖尿病性腎症
 D 急性腎障害
 E 慢性腎臓病
 F 腎代替療法(血液透析,腹膜透析)
 G 尿路系疾患
第17章 内分泌疾患
 A 甲状腺機能亢進症
 B 甲状腺機能低下症
 C 副甲状腺疾患
 D クッシング病,クッシング症候群
 E その他の内分泌疾患
  E-1 原発性アルドステロン症
  E-2 更年期障害
第18章 感覚器・神経疾患
 A 認知症
 B パーキンソン病,パーキンソン症候群
第19章 摂食障害
 A 神経性やせ症(神経性食欲不振症)
 B 神経性過食症(神経性大食症)
第20章 呼吸器疾患
 A 慢性閉塞性肺疾患
 B 気管支喘息
 C 気管支炎,肺炎
 D 肺結核
第21章 血液系の疾患・病態
 A 鉄欠乏性貧血
 B 巨赤芽球性貧血
 C 腎性貧血
 D 再生不良性貧血
 E 溶血性貧血
 F 出血性疾患
 G 白血病
第22章 筋・骨格系疾患
 A 骨粗鬆症
 B 骨軟化症,くる病
 C 変形性関節症
 D サルコペニア
 E ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
第23章 免疫・アレルギー疾患
 A 食物アレルギー
 B 膠原病,自己免疫疾患
 C 免疫不全
第24章 感染症
 A 食中毒
 B 院内感染症
第25章 がん
 A 消化管のがん
  A-1 食道がん
  A-2 胃がん
  A-3 結腸がん
 B がんの緩和ケア,終末期医療(ターミナルケア)
第26章 術前・術後
 A 術前・術後の栄養ケア・マネジメント
 B 食道切断
 C 胃切除後
 D 小腸切除
 E 大腸切除
 F 消化管以外の術後
第27章 クリティカル・ケア
 A クリティカル・ケアの概要
 B 外傷
 C 熱傷
第28章 摂食機能の障害
 A 咀嚼・嚥下障害
 B 口腔・食道障害
 C 消化管通過障害
第29章 身体・知的障害
第30章 乳幼児・小児疾患
 A 消化不良症(乳児下痢症)
 B 周期性嘔吐症
 C アレルギー疾患
 D 小児肥満
 E 先天性代謝異常
  E-1 フェニルケトン尿症
  E-2 メープルシロップ尿症
  E-3 ガラクトース血症
  E-4 糖原病
  E-5 ホモシスチン尿症
 F 1型糖尿病
 G 腎疾患
  G-1 ネフローゼ症候群
  G-2 急性糸球体腎炎
第31章 妊産婦・授乳婦の疾患・病態
 A 肥満,低体重(やせ)
  A-1 肥満
  A-2 低体重(やせ)
  B 鉄欠乏性貧血
  C 妊娠糖尿病
  D 妊娠高血圧症候群
第32章 老年症候群
参考図書
練習問題解答
索引

改訂第3版の序

 近年、臨床栄養学は著しく進歩している。2014年に刊行された本書の改訂第2版では、各種栄養補給、栄養管理システム、さらに疾患ごとの栄養・食事療法等の進歩に従って、新たな知見を盛り込んだ。その後、医学・栄養学の進歩以外に、対象となる傷病者の高齢化や医療・介護制度等の変化を背景として、臨床栄養学で習得すべき専門的な知識や技術も変化しつつある。
 例えば、栄養との関連性が強い糖尿病、脂質異常症、高血圧、腎臓病、がん等の非感染性疾患(NCDs)、いわゆる生活習慣病に対しては、改善すべき栄養や食事の在り方が科学的に明らかになってきた。近年の医療の進歩もあり、NCDsの患者は長寿となり、高度の医療を受けながらも健常人と同様に生活できるようになった。しかし、高齢患者の病態と栄養状態は多様で、複雑で、複数の疾患が合併していることも多く、従来のような特定の疾患に対する特定の栄養・食事療法は効果を発揮しにくくなっている。高齢患者は、完治することのない慢性疾患と死ぬまで付き合い、複数の疾患が互いに関連しながら増悪する中で、栄養・食事療法を進めていくことになる。
 また、糖尿病や腎臓病の高齢患者において、やせ、貧血、サルコペニア、低アルブミン血症、骨粗鬆症、骨折などの低栄養疾患が出現しつつある。病的状態に至らなくても、フレイル(虚弱)になる高齢者は多く存在する。加齢による低栄養は、食欲や味覚の低下、咀嚼・嚥下等で摂取量が減少すると同時に、栄養素の合成・分解能力が低下して回復にも時間を要すため、栄養素の必要量が増大することが要因となっている。栄養・食事療法は、栄養バランスの取れた健康な食事と比べると、いわゆるアンバランス食になっているので、長期に実施すれば栄養障害を起こす必然性があり、加齢はそれをさらに深刻にする。
 高齢患者が病気の治療と同時に快適に生命を全うできる栄養・食事療法は、どのように行われるべきなのか? 臨床栄養学が新たな時代の課題に対応できるように今回の改訂作業を実施した。改訂第3版では紙面デザインのリニューアルも図り、内容が一目で理解できるような工夫を盛り込んだ。
 管理栄養士を目指し、臨床栄養学を学ぶ人々が、臨床栄養に関する基礎事項を学ぶと同時に最新の知識と技術を習得するために、本書を活用されることを心から願っている。

2019年2月吉日
編集者を代表して
中村丁次