教科書

看護学テキストNiCE

病態・治療論[13] 産科婦人科疾患

編集 : 百枝幹雄/山中美智子/森明子
ISBN : 978-4-524-23754-8
発行年月 : 2019年4月
判型 : B5
ページ数 : 414

在庫あり

定価3,080円(本体2,800円 + 税)

  • お気に入りに登録
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の産科婦人科疾患編。医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。(1)さまざまな症状を理解できる、(2)診断の進め方・考え方がわかる、(3)臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視して構成している。第1部婦人科疾患では女性に特徴的な疾病を取り上げている。第2部産科疾患では妊娠・分娩・産褥および新生児の生理をまず理解し、その上で異常・疾患を学ぶ構成としている。第一線で活躍する医師たちが執筆し、臨床写真・超音波写真・CTGの波形など学生の理解を助ける図を多数収載。成人看護学の婦人科領域、母性看護学の学びの重要な礎となる一冊。

序章 なぜ産科婦人科疾患について学ぶのか
 1 医師の立場から
 2 看護師の立場から
1 婦人科疾患
 第I章 女性生殖器の構造・機能と発達
  1 女性生殖器の構造
  2 生殖生理
  3 女性生殖器の年齢に伴う変化
 第II章 婦人科疾患の診断・治療
  1 婦人科の検査
  2 婦人科症状からの診断過程
  3 婦人科疾患の治療・処置
 第III章 婦人科疾患 各論
  1 先天性疾患,発達に関する障害・疾患
   1 性分化疾患
   2 思春期発来異常
  2 乳腺疾患
   乳腺疾患の症状
   乳腺疾患
   1 乳腺症
   2 乳腺炎
   3 乳がん
  3 内分泌異常
   1 無月経
   2 高プロラクチン血症
   3 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
  4 良性腫瘍・類腫瘍
   1 子宮筋腫
   2 子宮内膜症
   3 子宮腺筋症
   4 良性卵巣腫瘍
  5 悪性腫瘍
   1 子宮頸がん
   2 子宮体がん
   3 卵巣がん
  6 更年期・老年期の障害・疾患
   1 更年期障害
   2 萎縮性腟炎
   3 閉経後骨粗鬆症
   4 閉経後脂質異常症
   5 下部尿路症状(過活動膀胱[OAB]・尿失禁)
   6 骨盤臓器脱(POP)
  7 婦人科の感染症
   1 外陰腟炎
    1-1 非特異的非感染性外陰炎
    1-2 非特異的感染性外陰炎
    1-3 外陰・腟カンジダ症
    1-4 バルトリン腺炎・バルトリン腺膿瘍
    1-5 細菌性腟症(BV)
    1-6 細菌性腟炎
    1-7 腟トリコモナス症
   2 骨盤内炎症性疾患(PID)
   3 性感染症(STD)
    3-1 性器ヘルペス
    3-2 尖圭コンジローマ
    3-3 性器クラミジア感染症
    3-4 淋菌感染症
    3-5 梅毒
  8 不妊症・不育症
   1 不妊症
   2 不育症
2 産科疾患
 第IV章 妊娠・分娩・産褥の生理
  1 妊娠
   受胎・発生と胎児の生理
   妊娠と母体の生理
  2 分娩
  3 産褥
 第V章 産科の検査・診断・治療
  1 産科の検査
   1 妊婦健診
   2 検体検査
   3 超音波検査(超音波断層法)
   4 胎児心拍数モニタリング
  2 妊娠期の健康管理と薬物療法
   1 妊娠期の健康管理
   2 妊娠期・授乳期の薬物療法
  3 産科処置と産科手術
   1 子宮内容除去術
   2 頸管縫縮術
   3 急速遂娩術(吸引分娩,鉗子分娩)
    3-1 吸引分娩
    3-2 鉗子分娩
   4 帝王切開術
 第VI章 妊娠期の異常 各論
  1 妊娠悪阻
  2 異所性妊娠(子宮外妊娠)
  3 胞状奇胎
  4 流産,切迫流産
   4-1 流産
   4-2 切迫流産
  5 切迫早産
  6 母子感染症
  7 妊娠高血圧症候群(HDP)
  8 妊娠糖尿病(GDM)
  9 前置胎盤・常位胎盤早期剥離
   9-1 前置胎盤
   9-2 常位胎盤早期剥離
  10 血液型不適合妊娠
  11 双胎
   11-1 多胎妊娠の母体合併症・胎児合併症
  12 胎児発育不全(FGR)
  13 羊水過多症,羊水過少症
   13-1 羊水過多症
   13-2 羊水過少症
  14 合併症妊娠
   14-1 婦人科疾患
   14-2 心血管系疾患
   14-3 脳血管疾患
   14-4 血液疾患
   14-5 呼吸器疾患
   14-6 甲状腺疾患
   14-7 自己免疫疾患
   14-8 消化器疾患
   14-9 悪性疾患
   14-10 精神疾患合併妊娠
   14-11 腎疾患合併妊娠
 第VII章 分娩期の異常 各論
  1 分娩の3要素の異常
   陣痛の異常
   1-1 微弱陣痛
   1-2 過強陣痛
   1-3 遷延分娩
   産道:軟産道の異常
   1-4 子宮頸管熟化不全・軟産道強靱
   1-5 腟,外陰の強靱,狭窄
   産道:骨産道の異常
   1-6 児頭骨盤不均衡(CPD)
  2 前期破水(PROM)
  3 産道裂傷,腟壁血腫,子宮破裂など
   3-1 会陰裂傷
   3-2 頸管裂傷
   3-3 腟壁血腫
   3-4 子宮破裂
  4 産科出血,分娩時異常出血,産科ショック,羊水塞栓症,DIC
   4-1 産科ショック
   4-2 羊水塞栓症
   4-3 産科DIC
  5 胎児機能不全(NRFS)
  6 胎位異常,回旋異常
   胎位異常
   6-1 骨盤位
   6-2 横位
   回旋異常
   6-3 後方後頭位
   6-4 高在縦定位
   6-5 低在横定位
   6-6 不正軸進入
 第VIII章 産褥期の異常 各論
  1 産後出血(産褥出血)
   1-1 晩期異常出血
  2 深部静脈血栓症,肺塞栓症,血栓性静脈炎
   2-1 深部静脈血栓症(DVT)
   2-2 肺塞栓症(PE)
   2-3 血栓性静脈炎
  3 子宮復古不全
  4 乳腺炎
   4-1 うっ滞性乳腺炎
   4-2 化膿性乳腺炎
  5 産褥熱
  6 産褥精神障害
   6-1 マタニティブルーズ
   6-2 産後うつ
 第IX章 新生児の生理,異常と治療
  1 新生児の生理
   新生児の生理
   新生児生理に基づく新生児観察の実際
  2 新生児の異常と治療
  3 新生児の蘇生
索引

はじめに

 看護学の中で、産科婦人科疾患は主に母性看護学と関連します。母性看護学の「母性」について、WHOの母性保健委員会では「現在子どもを産み育てているもの、将来子供を産み育てるもの、および過去においてその役目を果たしたもの」と定義されていることから、母性看護学の対象は、周産期に留まらず、生殖能力を獲得する思春期から、成熟期を経て、更年期、老年期に至る女性のすべてのライフステージにおける健康問題となります。よって、その看護にあたっては単に医学的な知識だけでなく、リプロダクティブヘルス・ライツやセクシャリティーなど社会的な問題や出産、育児に関わる家庭環境まで考慮したアセスメントやケアを必要とし、極めて広範な知識を必要とします。本書は、そのような母性看護学を学び実践するにあたって必要とされる医学的基礎を固めるために、産科婦人科疾患の病態と治療に関してそれぞれの専門家がわかりやすく解説した教科書です。
 本シリーズの名称であるNiCEはNew Integrated Creative Evidencebasedの略語であり、最新、統合的、創造的、エビデンスという理念に基づいています。すべての医療において、最適かつ効率的な医療を提供するためにはエビデンスに基づく医療(EBM)が重要です。しかし、基礎および臨床研究の進歩に伴い加速度的に蓄積され更新されてゆくエビデンスを常に最新のものにアップデートし、さらにその知識を実践に統合することは、広範多岐にわたる対象を扱う母性看護学においては大変な労力を要します。本書では、現在臨床の第一線で活躍する各領域の専門家に最新の情報を盛り込んだ解説をしていただいたので、比較的容易に、かつ効率的に最新の知識を学ぶことができます。しかも、本シリーズに共通の特徴である、豊富なカラーの図やイラスト、丁寧な用語解説、臨床の場で役立つコラム記事などは読者の知識の整理や理解の助けとなるでしょう。
 これから看護学を学び始める皆さんにとって、まず医学的な基礎はとても重要なことです。その基礎がなければ患者さんを癒やすことはできても救うことはできません。その大切な基礎固めに、きっと本書が役立つことと思います。本書で培った医学的基礎の上に、看護学、社会学、心理学、倫理学などの知識や技術を身につけて、多くの女性、母性を救う看護師に育っていただけることを、心から期待しています。

2019年3月
百枝幹雄
山中美智子
森明子