教科書

看護学テキストNiCE

病態・治療論[10] 感染症/アレルギー/膠原病

編集 : 竹末芳生/一木薫/佐野統/東直人
ISBN : 978-4-524-23751-7
発行年月 : 2019年7月
判型 : B5
ページ数 : 302

在庫あり

定価2,420円(本体2,200円 + 税)

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  • 主要目次
  • 序文

専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の感染症/アレルギー/膠原病編。第一線で活躍する医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。(1)さまざまな症状が理解できる、(2)診断の進め方、考え方がわかる、(3)臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視してビジュアルに構成している。

1 感染症
 第I章 感染症総論
  1 感染症総論
  2 消毒・滅菌
  3 標準予防策,感染経路別対策
  4 デバイス関連感染とその対策
  5 問題となっている耐性菌
  6 感染症サーベイランス
  7 血液・体液曝露対策
 第II章 感染症の診断・治療
  1 主な感染症の診断のプロセス
  2 感染症の検査
  3 感染症の画像診断
  4 抗菌薬治療の基本
  5 敗血症,敗血症性ショックの診断基準と治療
 第III章 感染症各論
  1 細菌感染症
  2 抗酸菌感染症
  3 リケッチア感染症,コクシエラ症
  4 深在性真菌症
  5 ウイルス感染症
  6 寄生虫感染症
  7 その他の感染症
2 アレルギー
 第IV章アレルギー総論
  1 アレルギーとは
  2 アレルギーの分類
  3 アレルゲンの種類
 第V章 アレルギーの診断・治療
  1 アレルギーの診断
  2 アレルギーの治療
 第VI章 アレルギー各論
  1 アレルギー性鼻炎
  2 食物アレルギー
  3 薬物アレルギー
  4 職業性アレルギー
  5 血清病
  6 アナフィラキシー
3 膠原病
 第VII章 膠原病総論
  1 膠原病の病態
  2 膠原病の診断・治療の概要
  3 膠原病が患者の生活に与える影響
 第VIII章 膠原病の診断・治療
  1 膠原病の症候と診断のプロセス
  2 膠原病の検査
  3 膠原病の治療
 第IX章 膠原病各論
  1 関節リウマチ
  2 全身性エリテマトーデス
  3 全身性強皮症
  4 シェーグレン症候群
  5 ベーチェット病
  6 多発性筋炎・皮膚筋炎
  7 血管炎症候群
  8 原発性免疫不全症候群
  9 成人スチル病
  10 IgG4関連疾患
  11 リウマチ性疾患患者の看護
索引

第1部 はじめに

 本書は看護学生向けテキスト「NiCEシリーズ」の1領域で、看護学生が専門基礎科目として、領域別に病態・治療を学ぶ際に使用されるテキストです。第1部「感染症」の構成は、第I章の感染症総論、第II章の感染症の診断・治療、第III章の感染症各論の3部構成となっており、執筆者はいずれもその領域でトップクラスの先生方にお願いいたしました。教科書としての利用はもとより、臨床実習や国家試験、さらに看護師になったときでも実地臨床で対応できる感染症に関する知識が満載となっています。
 本書に記載されている内容をさらに理解しやすくするために、「臨床で役立つ知識」と「もう少しくわしく」が記載されています。前者は看護学生が臨床に出た際に役立つ基本的知識で臨床とのつながりを感じられる内容とし、後者は本文の解説を補足・補強する内容としています。また必要に応じて、コラムも執筆されていますので参照いただければと存じます。
 現在、わが国での感染対策はinfection control nurse(ICN)が中心となって行われています。病院に専従のICNが働いていれば、すべての入院患者に加算が付き、病院経営にも大きな貢献となっています。
 本書を活用し、一人でも多くの看護学生が感染症に興味を示し、将来のICNを目指していただければと期待しています。

2019年6月
竹末芳生

第2/3部 はじめに

 アレルギーとは本来外部からの侵入物を排除するために存在する「免疫反応」が特定の物質(抗原・アレルゲン)に対して過剰に起こることをいいます。アレルギーが原因となって起こる病気がアレルギー疾患です。それには、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、薬物アレルギー、食物アレルギー、蕁麻疹などが含まれます。先進国ではアレルギー疾患の有病率は高まる傾向にあります。近年、アレルギー疾患の診断、治療は飛躍的に進歩しています。診断においては原因アレルゲンの検索が可能となりました。治療では減感作療法、薬物療法、手術療法などがあります。また、生活指導も重要です。
 膠原病は免疫力に異常をきたし、全身のあらゆる臓器に慢性的な炎症を引き起こす疾患群の総称です。免疫力は本来、外部からの病原菌や異常な細胞に対してのみ働きますが、なんらかの原因でこのシステムが異常を起こし、自身を構成する細胞と外部から侵入した病原菌の識別が不能となり、病原菌がいないにもかかわらず自身の細胞や組織を病原菌であると認識してしまいます。その結果、本来は病原菌にのみ反応するリンパ球や抗体が自身の細胞に対して産生され、体のいたるところで炎症を引き起こすことにより、多彩な臓器障害が生じます。これが膠原病の発症機序と考えられています。
 膠原病は1942年クレンペラー博士によって命名された疾患群です。当初は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱の6疾患に分類されました。これらは古典的膠原病と呼ばれ、現在では、その臨床症状や経過、病理学的特徴、異常免疫の機序、検査所見からさらに細分化されています。リウマチ性疾患や自己免疫疾患といわれることもあります。膠原病の診断と治療は近年著明に進歩しています。膠原病も治る疾患となりました。早期からの積極的な治療で関節リウマチにおいても関節破壊や変形が防止され、身体障害の出現を防ぐことが可能となっています。特に、生物学的製剤や低分子化合物などの開発が膠原病治療を劇的に変えました。そのため、看護においては薬剤の特徴と副作用を十分に熟知する必要があります。服薬や自己注射の指導も大切です。症状が安定すれば、積極的に患者さんの日常生活動作を高めるように努める必要があります。
 「複雑で知識の整理がむずかしそう」と思われがちな免疫反応について、わかりやすくなるよう、項目立てには細心の注意を払いました。みなさまの実臨床に役立つことを願っております。

2019年6月
佐野統