教科書

シンプルシリーズ

シンプル衛生公衆衛生学2021

  • 新刊

編集 : 辻一郎/小山洋
ISBN : 978-4-524-22878-2
発行年月 : 2021年3月
判型 : B5
ページ数 : 424

在庫あり

定価2,640円(本体2,400円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

保健医療福祉分野の専門職を目指す学生に求められる知識を最新の統計数値とともにわかりやすく解説。2021年度版では、最新の統計数値はもちろん、新型コロナウイルス感染症に関する記述の追加など、最新の社会・環境動向を反映した。衛生学・公衆衛生学の“知識”と“今”をシンプルにわかりやすく伝え、“これから”を考える力を養うために必読の一冊。

第1章 衛生学・公衆衛生学序論
 1-1 衛生学・公衆衛生学
 1-2 健康をめぐって
 1-3 生活と健康
 1-4 健康問題の変遷,公衆衛生と医療の歴史
 1-5 公衆衛生活動
 1-6 生命倫理−保健医療福祉の倫理
第2章 保健統計
 2-1 健康の測定と健康指標
 2-2 人口統計
 2-3 その他の統計
第3章 疫学
 3-1 疫学とは
 3-2 疫学調査の手順と留意事項
 3-3 疾病の分類
 3-4 疾病量の把握
 3-5 疫学の方法
第4章 疾病予防と健康管理
 4-1 疾病リスクと予防医学
 4-2 健康管理
 4-3 健康増進
 4-4 健康日本
第5章 主な疾病の予防
 5-1 感染症の予防
 5-2 循環器系の疾患の予防
 5-3 糖尿病・脂質異常症・痛風・メタボリックシンドロームの予防
 5-4 がんの予防
 5-5 腎疾患の予防
 5-6 アレルギー疾患の予防
 5-7 不慮の事故と自殺の防止
第6章 環境保健
 6-1 人間の環境
 6-2 環境の把握とその評価
 6-3 物理的環境要因
 6-4 化学的環境要因
 6-5 生物的環境要因−微生物を中心に
 6-6 空気の衛生と大気汚染
 6-7 水の衛生と水質汚濁
 6-8 廃棄物
 6-9 衣食住の衛生
 6-10 公害と環境問題
 6-11 環境の管理
第7章 地域保健と保健行政
 7-1 地域社会と地域保健
 7-2 地域保健活動と行政
 7-3 消費者保健
第8章 母子保健
 8-1 母子保健の水準
 8-2 母子保健の課題
 8-3 母子保健活動と行政
第9章 学校保健
 9-1 子どもの健康状況
 9-2 学校保健とは
 9-3 学校保健の組織と運営
 9-4 学校保健管理
 9-5 歯科保健−小児を中心として
 9-6 学校環境管理
 9-7 学校保健教育
第10章 産業保健
 10-1 働く人々の健康
 10-2 労働災害・事故
 10-3 職業病
 10-4 職場における健康診断と健康増進
 10-5 勤労者の労働時間と余暇
 10-6 職場復帰
第11章 高齢者の保健・医療・介護
 11-1 老化とは
 11-2 高齢者の生活と健康
 11-3 高齢者の健康状態
 11-4 高齢者の保健と医療
 11-5 認知症と対策
 11-6 介護保険
 11-7 地域包括ケアシステム
第12章 精神保健
 12-1 精神保健と心の働きの理解
 12-2 精神の健康とは
 12-3 精神障害の分類と疫学
 12-4 主な精神疾患と精神保健の課題
 12-5 精神保健福祉活動
第13章 国際保健医療
 13-1 国際保健とは
 13-2 人種と民族と国
 13-3 相手国の情報入手と調査法
 13-4 開発途上国の健康問題とその対策
 13-5 日本の保健医療の国際協力
 13-6 国際機関を通じた協力−国連,WHOなど
 13-7 国際保健医療の展望
第14章 保健医療福祉の制度と法規
 14-1 保健医療行政の概要と基礎知識
 14-2 保健制度の仕組み−行政組織
 14-3 医療制度の仕組み
 14-4 保健医療行政に関するその他の事項
 14-5 医療保障・年金の仕組み
 14-6 社会福祉の仕組みと障害者福祉
付録
参考図書
和文索引
欧文索引

2021年度版 はしがき

 2019(令和元)年12月8日に新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されて以来、世界は大きく変わってしまいました。皆様方も、学校生活や日常生活で大変なご苦労をされていることと思います。
 感染症が社会に及ぼすインパクトは計り知れません。人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもありました。たとえば14世紀には、ペストの大流行により世界人口の22%にあたる1億人が死亡しました。16世紀のヨーロッパ人のアメリカ植民とともに、天然痘などの感染症も持ち込まれ、それがアステカ・インカ両帝国の崩壊の一因になったといわれています。1918年に始まったスペインかぜによる死亡者数(推計2,000万〜5,000万人)は、第一次世界大戦による戦没者数(約1,600万人)をはるかに上回るものでした。
 一方、「ペストは近代の陣痛」ともいわれるように、ヨーロッパのペスト大流行がルネサンスや資本主義形成の契機となりました。1854年にロンドンで流行したコレラを制圧するところから、疫学と近代的な公衆衛生が始まったのです(☞第3章「疫学」)。このように、人類は感染症による甚大な被害を受けながらも、そこから何かを学び取り、よりよい社会を築き上げてきました。
 では私たちは、コロナ禍から何を学び、どのような社会を作ることができるのでしょうか?それは、人々の健康や生きがいを最大限に尊重する社会であり、いかなる人も置き去りにされない「多様性(diversity)」と「包摂性(inclusion)」のある社会であって欲しいと、私たちは思います。その実現に向けて本書も貢献していきたいという思いを持って、皆様方に2021年度版「シンプル衛生公衆衛生学」をお届けします。
 さて本書は、年度版として毎年改訂を行っています。その特徴を活かせるように、最新の統計数値を取り入れています。また、新型コロナウイルス感染症に関する記載を増やし、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員の押谷仁先生にコロナ感染のコラムを執筆していただきました。第10章「産業保健」ではパワハラ防止法・セクハラ防止法・女性活躍推進法について、第11章「高齢者の保健・医療・介護」では、高齢者虐待防止法や認知症施策推進大綱について加筆しました。
 執筆者では、群馬大学大学院の内田満夫准教授、東京大学大学院の小西祥子准教授、北海道医療大学大学院の工藤禎子教授、神戸大学大学院の中澤港教授に加わっていただきました。また、1986(昭和61)年に本書を創刊した鈴木庄亮氏が、編集・監修から本年度以降引退することを心からの感謝とともにお知らせいたします。
 本書は22名の分担執筆によるものであり、執筆者との連絡調整などの膨大な作業をこなして下さっている南江堂の飯島純子、山本忠平、吉野正樹の各氏に深謝いたします。

2021(令和3)年1月
編集者
辻一郎
小山洋