教科書

看護学テキストNiCE

小児看護学II 小児看護支援論改訂第4版

子どもと家族の主体性を支える

編集 : 今野美紀/二宮啓子
ISBN : 978-4-524-22757-0
発行年月 : 2022年1月
判型 : B5
ページ数 : 480

在庫あり

定価3,740円(本体3,400円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

小児看護の代表的な場面を,状況別,疾患別に丁寧に解説した実践的なテキスト.状況別の看護では「外来」「入院」「手術」など13場面の看護を,疾患別の看護では小児に代表的な30疾患への看護を取り上げている.各疾患の一般的な子どもと家族の課題をまとめた経過図や,事例の情報をまとめた情報関連図を用いて看護の全体像をとらえ,看護過程をたどり看護実践について学べる.

第T章 病気・障害のある子どもと家族の看護
 1 病気・障害のある子どもと家族の特徴
  A.病気に対する子どもの理解と説明
  B.病気・障害,および入院が子どもに与える影響と看護
  C.子どもの病気・障害,および入院が家族に及ぼす影響と看護
 2 病気・障害のある子どもと家族への看護過程
  A.アセスメント
  B.目標の明確化
  C.計画立案,実施,評価
  D.「第V章 事例でみる子どもと家族の看護」について
  E.看護過程を行う際の留意点
第U章 状況別にみる子どもと家族の看護
 1 外来における子どもと家族の看護
  A.外来を受診する子どもと家族の特徴
  B.小児外来の特徴:安全と感染防止に配慮した環境整備
  C.小児外来における看護の役割
  D.外来における子どもの看護
  E.外来における子どもの家族の看護
 2 検査・処置を受ける子どもと家族の看護
  A.子どもの検査・処置の特徴
  B.検査・処置を受ける子どもと家族の特徴
  C.検査・処置を受ける子どもの看護
  D.検査や処置を受ける子どもの家族の看護
 3 入院における子どもと家族の看護
  A.子どもの入院の特徴
  B.入院する子どもの特徴
  C.入院する子どもの家族の特徴
  D.入院時の子どもと家族の看護
  E.入院中の子どもの看護
  F.入院中の子どもの家族の看護
  G.医療的ケアが必要な子どもと家族への在宅療養に向けた援助
 4 手術を受ける子どもと家族の看護
  A.子どもの手術の特徴
  B.手術を受ける子どもと家族の特徴
  C.手術を受ける子どもの術前・術中・術後の看護
  D.手術を受ける子どもの家族の看護
 5 薬物療法を受ける子どもと家族の看護
  A.子どもの薬物療法の特徴
  B.薬物療法を受ける子どもの看護
  C.薬物療法を受ける子どもの家族の看護
 6 リハビリテーションにおける子どもと家族の看護
  A.子どものリハビリテーションの特徴
  B.リハビリテーションを受ける子どもと家族の特徴
  C.リハビリテーションを受ける子どもの看護
  D.リハビリテーションを受ける子どもの家族の看護
 7 救急外来における子どもと家族の看護
  A.小児救急外来の特徴
  B.小児救急外来を受診する子どもと家族の特徴
  C.小児救急外来における子どもの看護
  D.小児救急外来における子どもの家族の看護
 8 集中治療を受ける子どもと家族の看護
  A.小児集中治療の特徴
  B.集中治療を受ける子どもと家族の特徴
  C.集中治療を受ける子どもの看護
  D.集中治療を受ける子どもの家族の看護
 9 活動制限が必要な子どもと家族の看護
  A.子どもの活動制限の特徴
  B.活動制限が必要な子どもと家族の特徴
  C.活動制限が必要な子どもの看護
  D.活動制限が必要な子どもの家族の看護
 10 隔離が必要な子どもと家族の看護
  A.子どもの隔離の特徴
  B.隔離される子どもと家族の特徴
  C.隔離される子どもの看護
  D.隔離される子どもの家族の看護
 11 在宅療養する子どもと家族の看護
  A.子どもの在宅療養の特徴
  B.在宅療養する子どもと家族の特徴
  C.在宅療養する子どもの看護
  D.在宅療養する子どもの家族の看護
 12 成人期に移行する慢性疾患をもつ子どもと家族の看護
  A.成人期に移行する慢性疾患や障害のある子ども・家族を取り巻く状況
  B.成人期に移行する慢性疾患をもつ子どもと家族の特徴
  C.成人期に移行する慢性疾患をもつ子どもへの援助
  D.成人期に移行する慢性疾患をもつ子どもの家族への援助
 13 終末期にある子どもと家族の看護
  A.子どもの死の概念
  B.終末期にある子どもの心理
  C.終末期にある子どもの家族の心理
  D.終末期にある子どもと家族の看護
  E.子どもを亡くした家族の看護
第V章 事例でみる子どもと家族の看護
 新生児期・乳児期
  1 直腸肛門奇形(鎖肛)のある子どもと家族の看護
  2 食道閉鎖症のある子どもと家族の看護
  3 先天性心疾患のある子どもと家族の看護
  4 呼吸窮迫症候群のある子どもと家族の看護
  5 腸重積症のある子どもと家族の看護
  6 肺炎のある子どもと家族の看護
  7 髄膜炎のある子どもと家族の看護
  8 川崎病のある子どもと家族の看護
  9 発育性股関節形成不全(股関節脱臼)のある子どもと家族の看護
  10 熱傷を負った子どもと家族の看護
 幼児期
  11 急性胃腸炎にかかっている子どもと家族の看護
  12 膀胱尿管逆流症のある子どもと家族の看護
  13 口唇口蓋裂のある子どもと家族の看護
  14 食物アレルギーのある子どもと家族の看護
  15 気管支喘息のある子どもと家族の看護
  16 ネフローゼ症候群のある子どもと家族の看護
  17 急性リンパ性白血病のある子どもと家族の看護
  18 二分脊椎(脊髄髄膜瘤)のある子どもと家族の看護
  19 低出生体重の子どもと家族の看護
  20 脳性麻痺のある子どもと家族の看護
  21 虐待を受けた子どもと家族の看護
 学童期・思春期
  22 扁桃(咽頭扁桃,口蓋扁桃)肥大のある子どもと家族の看護
  23 特発性血小板減少性紫斑病のある子どもと家族の看護
  24 アトピー性皮膚炎のある子どもと家族の看護
  25 若年性特発性関節炎のある子どもと家族の看護
  26 発達障害(自閉スペクトラム症)のある子どもと家族の看護
  27 てんかんのある子どもと家族の看護
  28 骨折のある子どもと家族の看護
  29 1型糖尿病のある子どもと家族の看護
  30 脳腫瘍のある子どもと家族の看護
練習問題 解答と解説
索引

 2009 年に発刊した『NiCE 小児看護学概論』,『NiCE 小児看護技術』は,それぞれ2012年に第2 版,2016 年に第3 版を刊行してきました.このたび改訂第4 版の刊行にあたって,2 冊の内容・構成を全面的に見直し,『NiCE 小児看護学概論』にかかる内容の充実と,病態・治療をふまえた疾患別看護等の内容の充実をはかるリニューアルを行いました.
 本書『NiCE 小児看護学U 小児看護支援論』は疾患別看護を扱う巻となり,3 つの章から構成されています.「第T章 病気・障害のある子どもと家族の看護」では,病気・障害のある子どもと家族の特徴,看護過程について概説しました.「第U章 状況別にみる子どもと家族の看護」では,「外来」「検査・処置」「入院」など13 の状況を取り上げて解説しました.そして「第V章 事例でみる子どもと家族の看護」では,子どもに代表的な30 の疾患(障害あるいは状態)について解説しました.
 第V章では,新生児期〜学童・思春期までの各期の身体的・発達的特徴から発生頻度が比較的高い疾患を取り上げ,子どもと家族の心理・社会的特徴を反映した事例を作成しました.また,特定の身体系統に偏らず,さまざまな病態・治療中の場面を設定しました.各疾患の一般的な治療・療養の経過,子どもと家族の課題をまとめた経過図,事例の情報をまとめた情報関連図を提示しており,事例に対する看護過程の全体像や思考をたどりやすい構成に仕上げました.
 前回の改訂からの5 年間は,少子高齢化,情報化,高度先進医療の発展,気候変動など社会の変化が進んだ時でした.さらに新型コロナウイルス感染症の世界的流行とも重なり,子どもと家族を取り巻く生活環境や習慣が,これまで以上に大きく変化した時でした.このような転換期においても子どもと家族がいる限り,彼らを支える看護師は社会に必要とされ,そこにあり続けます.病気・障害をもつ子どもと家族にかかわる際,看護師は,病態・治療,子どもの発達的特徴,置かれている状況にかかる理解が必須です.そして看護問題を解決するうえでは,看護過程を展開する思考力,さらに子どもと家族の権利を尊重した倫理的な看護実践力が必要です.こうした看護師の力が発揮されるための学術的な基盤が小児看護学です.本書はそうした力の育みに貢献できる1 冊になっています.学生のみならず,小児看護実践で活躍されている看護師,看護教員など,多くの方に本書を活用していただき,ご意見・ご感想をいただければ幸いです.
 最後に,本書の企画に賛同してご参加くださいました執筆者の皆様,企画から刊行の全過程においてお力添えくださいました南江堂の皆様に深く感謝いたします.
2021 年11 月
今野美紀
二宮啓子

9784524227570