教科書

看護学テキストNiCE

老年看護学技術改訂第3版

最後までその人らしく生きることを支援する

編集 : 真田弘美/正木治恵
ISBN : 978-4-524-22711-2
発行年月 : 2020年3月
判型 : B5
ページ数 : 486

在庫あり

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

高齢者への看護実践に必要な解剖・病態生理の知識から学び、アセスメント・介入・評価の方法を、根拠をもってまとめたテキスト。生活機能に関する加齢変化や、高齢者に特徴的な老年症候群が、高齢者の生活にどのような影響をもたらすのかという視点で看護過程を解説。また、代表的な疾患の事例を通して、治療や健康レベルに応じた看護技術の展開を具体的に提示。演習問題・練習問題も充実。今改訂では、最新のガイドラインに沿って記述内容を見直した。

第I章 現代の高齢者とその理解
 A.高齢者の発達的特徴
 B.高齢者と環境
 C.高齢者の健康
 D.高齢者の看護
第II章 老年看護の基本技術−ヘルスアセスメント
 A.ヘルスアセスメントとは
 B.ヘルスアセスメントの実際
第III章 高齢者の生活と看護−加齢変化とフィジカルアセスメントの技術
 1.呼吸
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 2.食事
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 3.排泄
  3-1 排尿
   A.基礎知識
   B.看護実践の展開
  3-2 排便
   A.基礎知識
   B.看護実践の展開
 4.動作と移動
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 5.睡眠
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 6.体温
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 7.清潔
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 8.コミュニケーション
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
 9.性
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
第IV章 高齢者に特徴的な症状と看護−老年症候群
 1.起立・歩行障害
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(1))
 2.感覚機能障害
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(2))
 3.摂食・嚥下障害
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(3))
 4.脱水
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(4))
 5.低栄養
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(5))
 6.皮膚.痒感
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(6))
 7.痛み
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(7))
 8.褥瘡
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(8))
 9.尿失禁
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(9))
 10.便秘・下痢
  10-1 便秘
   A.基礎知識
   B.看護実践の展開−予防と治療
  10-2 下痢
   A.基礎知識
   B.看護実践の展開−予防と治療
   C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(10))
 11.不眠
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(11)・(12))
 12.うつ
  A.基礎知識
  B.看護の実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(13))
 13.寝たきり
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(14))
 14.せん妄
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(15))
 15.転倒
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(16))
 16.骨折
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(17))
 17.感染症
  A.基礎知識
  B.看護実践の展開−予防と治療
  C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習(18))
第V章 高齢者に特徴的な疾患と看護−事例による展開
 1.急性期の看護(胃がん)
  事例(1)Aさん(80歳,男性)
  A.胃がんとは
  B.胃がん術後(周手術期)の急性期の看護
 2.リハビリテーション看護(大腿骨頸部骨折)
  事例(2)Bさん(75歳,女性)
  A.大腿骨頸部骨折とは
  B.大腿骨頸部骨折のリハビリテーション看護
 3.慢性期の看護(慢性閉塞性肺疾患)
  事例(3)Cさん(71歳,男性)
  A.慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは
  B.慢性閉塞性肺疾患(COPD)の看護
 4.認知機能障害の看護(アルツハイマー病)
  事例(4)Dさん(80歳,女性)
  A.アルツハイマー病とは
  B.アルツハイマー病の看護
 5.緩和ケア(大腸がん)
  事例(5)Eさん(70歳,女性)
  A.大腸がんとは
  B.進行・終末期大腸がんの緩和ケア
 6.パーキンソン病の看護
  事例(6)Fさん(72歳,男性)
  A.パーキンソン病とは
  B.パーキンソン病の看護
 7.薬物療法を受ける高齢者の看護
  事例(7)Gさん(87歳,男性)
  A.病態と治療
  B.薬物療法を受ける高齢者への看護
  事例(8)Hさん(77歳,男性)
  C.病態と治療
  D.薬物療法を受ける高齢者への看護
第VI章 老年看護技術の新たな動向と課題
 1.感染症をめぐる新たな動向と課題
  A.新興・再興感染症と老年看護のあり方
  B.新型インフルエンザとパンデミックに対する老年看護のあり方
 2.老年看護の将来に向けた看護技術の動向
  A.ブロッティング技術の応用
  B.ロボティックマットレス
付録 評価スケール・アセスメントツール
 付録1 バーセルインデックス(Barthel Index)
 付録2 カッツインデックス(Katz Index)
 付録3 IADL尺度
 付録4 老研式活動能力指標
 付録5 FIM(機能的自立度評価表)
 付録6 障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
 付録7 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
 付録8 HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
 付録9 MMSE(簡易精神機能検査)
 付録10 FAST(Functional Assessment Staging)
 付録11 NRS(数字評価尺度)
 付録12 VAS(視覚アナログ尺度)
 付録13 フェイス・スケール
 付録14 日本語版アビー(Abbey)痛みスケール(APS-J)
 付録15 ジャパン・コーマ・スケール(JCS)
 付録16 GDS-15
 付録17 日本語版GDS-5
 付録18 ボルグ(Borg)スケール
演習問題 解答への視点
練習問題 解答と解説
索引

はじめに

 本書は、高齢者への看護実践に必要な解剖・病態生理から学び、アセスメント・介入・評価の方法について根拠をもってまとめたテキストとして、2011年に初版を刊行し、早9年が経過しようとしている。この間、看護技術は目覚ましく発展した。たとえば、第2版まで「第VI章老年看護技術の新たな動向と課題」として挙げていたエコーを用いた残尿量の測定は、平成28年の診療報酬改定において排尿自立指導料が新設されたことを契機に発行された日本創傷・オストミー・失禁管理学会の指針の中で、病棟看護師がエコーを用いて残尿測定を行うことが推奨された。このように新しい技術が臨床現場に普及した背景には2つある。第一に開発した技術に関する看護研究の積み重ねによりエビデンスが構築されたこと、第二に特定行為研修制度の導入により看護師が必要とする技術の幅が拡大されたことである。このような変化を踏まえ、第3版では、エコーやサーモグラフィを用いた技術は臨床ですでに行われている看護技術としてそれぞれ該当する項目の中で述べた。
 少子高齢化が一層進む中で、地域医療構想の実現や地域包括ケアシステム構築の推進に向け、人口及び疾病構造の変化に応じた適切な医療提供体制の整備が必要となっている。また、医療・介護分野においても、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)等のICT(情報通信技術)の導入が急速に進んできている。このような背景を受け、2019年に厚生労働省による看護基礎教育検討会報告書の中の「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」の改正案で、看護基礎教育においてもICTを活用するための基礎的能力を養うことが重要であるという考えが示された。
 そこで、今回の改訂では、「第VI章老年看護技術の新たな動向と課題」において、ロボットやICTを活用した地域での医療で役立つ新しい技術を取り上げた。これらの技術は地域での医療において高まっているポイントオブケアのニーズに応える技術である。さらに、最新の治療方法を紹介すべく、可能な限り、各学会のガイドラインの更新などを反映した。
 誰もが幸せに老いることのできる社会の実現を目指した老年看護というコンセプトは、今回の改訂においても変わりない。高齢者の自己実現の大切さが多くの学生に伝わることを願っている。
 最後に、本書の企画にご賛同いただいた執筆者の方々、改訂にご尽力いただいた南江堂の皆様に改めて感謝を申し上げるとともに、本書が老年看護の質をより一層高めることに寄与できれば幸いである。

2020年1月
真田弘美
正木治恵