教科書

健康・栄養科学シリーズ

栄養教育論改訂第5版

  • 新刊

監修 : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
編集 : 武見ゆかり/足達淑子/木村典代/林芙美
ISBN : 978-4-524-22677-1
発行年月 : 2021年3月
判型 : B5
ページ数 : 274

在庫あり

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

管理栄養士の栄養教育活動の理論的基盤・マネジメントを体系的に学べるテキスト。行動科学理論とその食行動への応用、栄養教育の方法論、栄養教育の事例と発展(管理栄養士の活動の実際)の3部門で構成している。今改訂では、管理栄養士国家試験出題基準(2019年改定)に準拠したほか、栄養教育のための理論的基礎に関する説明を充実させた。

第1章 栄養教育の概念
 A 栄養教育の定義と目的
 B 栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション・食育
 C 栄養教育と生態学的モデル
第2章 栄養教育と人間の行動変容に関する理論
 A 栄養教育と行動科学
 B 行動科学の基礎となる学習理論
 C 個人要因に焦点を当てた行動変容の理論
 D 対人関係や環境要因に焦点を当てた行動変容の理論
 E 大規模集団や地域レベルの行動変容の理論
第3章 栄養カウンセリング
 A カウンセリングとは何か
 B 治療者(カウンセラー)−患者(クライアント)関係
 C 行動カウンセリングの方法論
 D カウンセリングの基礎
 E 認知行動療法(CBT)
 F 動機づけ面接
 G 行動療法面接の実際
第4章 行動変容のための技法
 A 習慣変容に必要な条件
 B 行動技法と概念
第5章 栄養教育マネジメント
 A 栄養教育マネジメントとは
 B 栄養教育の対象と機会
 C 栄養教育マネジメントで用いる理論やモデル
第6章 栄養教育のためのアセスメント
 A 栄養教育におけるアセスメントの意義と目的
 B 情報収集の方法
 C 栄養アセスメントの種類と方法
 D 判定
第7章 栄養教育の目標設定と計画立案
 A プログラム
 B 目標設定
 C 栄養教育方法の選択
 D 学習形態選択と組み合わせ
 E 教材
 F プログラムの作成
第8章 栄養教育の実施と評価
 A 栄養教育の実施
 B 栄養教育の評価
第9章 ライフステージ別の栄養教育の展開
 A 妊娠・授乳期
 B 乳・幼児期
 C 学童期
 D 思春期
 E 成人期
 F 高齢期
付録 栄養教育と法律
参考図書
練習問題解答
索引

改訂第5版の序

 今回の改訂作業は、2020年の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの最中に行われた。国内外の行き来は制限され、会食や外食が制限され、結果として、家庭内食が増えた。食料品の入手方法も、ネット注文が増えるなど変化がみられる。また、自粛生活に伴いコロナ禍で収入が減少した人々が、食費を切り詰めているとの報道もある。
 食生活は言うまでもなく生命に直結する営みであるが、人とのコミュニケーション手段でも、生活の楽しみでも、文化でもある。これらの大切な要素が奪われかねない状況下で、また、政策としてデジタル社会の形成が推進される中で、人々の食生活改善に向けた栄養教育がどうあるべきかは、大きな課題である。
 本書改訂第5版は以下の(1)〜(3)を特長としている。
(1)「管理栄養士国家試験出題基準」「管理栄養士・栄養士養成のための栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」に準拠
 改訂にあたり「管理栄養士国家試験出題基準」(2019年改定)に準拠して全体の構成を見直し、章の統廃合を行った。さらに、厚生労働省が日本栄養改善学会に委託して策定された、国として初めての「管理栄養士・栄養士養成のための栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」(2019年)にも対応する内容とした。モデル・コア・カリキュラム(☞F頁)の「A管理栄養士として求められる基本的な資質・能力」のうち、栄養教育と深く関係するのは「A-3。個人の多様性の理解と栄養管理の実践」と「A-5。栄養・食の選択と決定を支援するコミュニケーション能力」であり、前者の学修目標は、「人々の価値観や社会的背景の多様性を理解できる」と「適切な栄養管理のために、対象者に寄り添い、全人的な理解ができる」である。上述したCOVID-19感染症対策による生活の変化、食生活の変化を考えると、未曾有の事態やデジタル化への対応という点からも、栄養教育に携わる者にはこれらの資質が一層求められるようになるであろう。
(2)行動科学と栄養カウンセリングに関する科学的かつ実践的な解説
 本書の特長の1つは、第2章「栄養教育と人間の行動変容に関する理論」と第3章「栄養カウンセリング」の内容が、科学的かつ実践的に説明されている点であり、精神科医である足達淑子先生の長年の臨床経験と研究成果をふまえている。これらは、上述した管理栄養士に必要な資質、すなわち、対象者に寄り添い、価値観の多様性を含む全人的理解によって食行動変容を支援するうえでの基礎であり、学生のみならず、現場で栄養教育や保健指導に関わる管理栄養士・栄養士の方、さらには栄養教育を担当する教員の方々にも共有していただきたい内容と自負している。
(3)ライフステージ別栄養教育に応用力育成のための「ディスカッションテーマ」を追加
 今版より紙面デザインをリニューアルし、各章の学修目標を明記し、項目ごとのポイントが一目でわかるような「結論的な小見出し」を追加した。また、管理栄養士国家試験でも応用力試験が重視される傾向を受け、ライフステージ別の栄養教育では、学生が考え、議論する材料となる事例を「ディスカッションテーマ」として加筆した。
 今日、COVID-19感染症対応、持続可能な開発目標(SDGs)の達成、健康寿命の延伸など、国内外の社会のいずれの課題にとっても、栄養の重要性が強調されている。人々の望ましい食生活の実現を支える専門職である管理栄養士の養成はもとより、現職者の資質向上にも、ぜひ本書をお役立ていただきたい。
 最後に、ご多用中、改訂の趣旨を理解いただき、労をいとわず執筆くださいました先生方に深く御礼申し上げます。

2021年1月
編集者を代表して
武見ゆかり