シンプルシリーズ
シンプル衛生公衆衛生学2020
こちらの商品は改訂版・新版がございます。

監修 | : 鈴木庄亮 |
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編集 | : 辻一郎/小山洋 |
ISBN | : 978-4-524-22656-6 |
発行年月 | : 2020年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 424 |
在庫
定価2,640円(本体2,400円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

保健医療福祉分野の専門職を目指す学生に求められる知識を最新の統計数値とともにわかりやすく解説。2020年度版では、最新の統計数値はもちろん、生育基本法などの新たな法律についても加筆するなど、最新の社会・環境動向を反映した。衛生学・公衆衛生学の“知識”と“今”をシンプルにわかりやすく伝え、“これから”を考える力を養うために必読の一冊。
第1章 衛生学・公衆衛生学序論
1−1 衛生学・公衆衛生学
1−2 健康をめぐって
1−3 生活と健康
1−4 健康問題の変遷,公衆衛生と医療の歴史
1−5 公衆衛生活動
1−6 生命倫理−保健医療福祉の倫理
第2章 保健統計
2−1 健康の測定と健康指標
2−2 人口統計
2−3 その他の統計
第3章 疫学
3−1 疫学とは
3−2 疫学調査の手順と留意事項
3−3 疾病の分類
3−4 疾病量の把握
3−5 疫学の方法
第4章 疾病予防と健康管理
4−1 疾病リスクと予防医学
4−2 健康管理
4−3 健康増進
4−4 健康日本21
第5章 主な疾病の予防
5−1 感染症の予防
5−2 循環器系の疾患の予防
5−3 糖尿病・脂質異常症・痛風・メタボリックシンドロームの予防
5−4 がんの予防
5−5 腎疾患の予防
5−6 アレルギー疾患の予防
5−7 不慮の事故と自殺の防止
第6章 環境保健
6−1 人間の環境
6−2 環境の把握とその評価
6−3 物理的環境要因
6−4 化学的環境要因
6−5 生物的環境要因−微生物を中心に
6−6 空気の衛生と大気汚染
6−7 水の衛生と水質汚濁
6−8 廃棄物
6−9 衣食住の衛生
6−10 公害と環境問題
6−11 環境の管理
第7章 地域保健と保健行政
7−1 地域社会と地域保健
7−2 地域保健活動と行政
7−3 消費者保健
第8章 母子保健
8−1 母子保健の水準
8−2 母子保健の課題
8−3 母子保健活動と行政
第9章 学校保健
9−1 子どもの健康状況
9−2 学校保健とは
9−3 学校保健の組織と運営
9−4 学校保健管理
9−5 歯科保健−小児を中心として
9−6 学校環境管理
9−7 学校保健教育
第10章 産業保健
10−1 働く人々の健康
10−2 労働災害・事故
10−3 職業病
10−4 職場における健康診断と健康増進
10−5 勤労者の労働時間と余暇
10−6 職場復帰
第11章 高齢者の保健・医療・介護
11−1 老化とは
11−2 高齢者の生活と健康
11−3 高齢者の健康状態
11−4 高齢者の保健と医療
11−5 認知症と対策
11−6 介護保険
11−7 地域包括ケアシステム
第12章 精神保健
12−1 精神保健と心の働きの理解
12−2 ストレスと精神健康の破綻
12−3 精神の健康とは
12−4 精神障害の現状と分類
12−5 精神保健福祉活動
第13章 国際保健医療
13−1 国際保健とは
13−2 人種と民族と国
13−3 相手国の情報入手と調査法
13−4 開発途上国の健康問題とその対策
13−5 日本の保健医療の国際協力
13−6 国際機関を通じた協力−国連,WHOなど
13−7 国際保健医療の展望
第14章 保健医療福祉の制度と法規
14−1 保健医療行政の概要と基礎知識
14−2 保健制度の仕組み−行政組織
14−3 医療制度の仕組み
14−4 保健医療行政に関するその他の事項
14−5 医療保障・年金の仕組み
14−6 社会福祉の仕組みと障害者福祉
付録
参考図書
和文索引
欧文索引
2020年度版 はしがき
政府の統計によると、2019(令和元)年の日本の年間出生数は86.4万人でした。これは、予想より2年も早い90万人割れであり、日本の人口減少がより一層顕著になってきました。厚生労働省「雇用政策研究会」によると、経済成長と労働参加が進まない場合、就業者数は2017(平成29)年の6,530万人から2040年には5,245万人へ急減すると推計されています。つまり、これから23年間で1千万人以上の労働者が減ることになります。これにより、日本の社会経済はどのような影響を受けるのでしょうか? 日本の経済力は、これからも増え続ける高齢者の医療介護や年金を支えることができるのでしょうか? これらの難問が私たちを待ち構えています。
一方、難しい事態に直面した時こそ、私たちは基本に忠実になるべきだと思っています。その「基本」とは、一人ひとりの健康を守ること、そして健康な社会を創ることが、私たち保健医療職の使命であるというものです。それが達成されると、社会経済的な活力は高まっていき、医療費・介護費などの社会保障負担は軽減されることでしょう。つまり私たちは、その仕事を通じて、日本社会のサステナビリティ(持続可能性)に大いに貢献しているのです。その使命感と誇りを持って、衛生公衆衛生学を学んで頂きたいと思います。
さて本書は、年度版として毎年改訂を行っています。その特徴を活かせるように、最新の統計数値を取り入れています。また、第2章「保健統計」は日本人の3大死因に老衰が初めて入ったこと、第7章「地域保健と保健行政」はインターネットと健康について、第8章「母子保健」で児童虐待防止法と成育基本法について、第10章「産業保健」で労働者災害補償保険法について、第13章「国際保健医療」でSDGs(持続可能な開発目標)およびユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)について、それぞれ加筆いたしました。
執筆者では、京都府立医科大学の上原里程教授、東京大学大学院の梅ア昌裕教授、同じく東京大学大学院の西大輔准教授、国立成育医療研究センターの友利久哉課長に加わって頂きました。
本書は24名の分担執筆によるものであり、執筆者との連絡調整などの膨大な作業をこなして下さっている南江堂の飯島純子、山本忠平、鈴木佑果の各氏に深謝いたします。
激動の時代にこそ、変わらない「基本」が重要になります。これからも、最新かつ正確な情報に加えて、衛生公衆衛生学の「基本」をお伝えしていきたいと考えています。そうした思いを胸に、皆様方に2020年度版「シンプル衛生公衆衛生学」をお届けします。
2020(令和2)年1月
編集者
辻一郎
小山洋
