教科書

エッセンシャル・キネシオロジー[電子書籍付]原書第4版

機能的運動学の基礎と臨床

監訳 : 弓岡光徳/溝田勝彦/村田伸
ISBN : 978-4-524-21839-4
発行年月 : 2025年10月
判型 : A4変型判
ページ数 : 406

在庫あり

定価6,820円(本体6,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

・400以上のわかりやすい図を用いて,骨・筋・関節の解剖と生体力学を関連付けながら学べると世界的に高い評価を得ている教科書「Essentials of Kinesiology」の日本語版 ・今改訂では最新の情報への対応のほか,身体の部位別にコンテンツ”Common Patterns of Joint Restriction(一般的な関節可動域制限のパターン)”が追加され,より充実した内容となった ・基礎から臨床までを横断して理解できる,PT・OTを目指す学生必携の1冊 ・日本語版の電子書籍つき

第1章 キネシオロジーの基本原理
 運動学
  用語
  骨運動学
  関節運動学
 運動力学
  トルク
  生体力学的てこ
  牽引線
  ベクトル
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第2章 関節の構造と機能
 軸性骨格と付属性骨格
  骨:解剖と機能
  骨の種類
 関節の分類
  不動関節
  半関節
  可動関節:滑膜関節
 結合組織
  結合組織の構成
  結合組織の種類
  機能的考察
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第3章 骨格筋の構造と機能
 筋の基本的な性質
  筋活動の種類
  筋の用語
  筋の解剖
 筋節:筋の基本的な収縮単位
 筋の形態と機能
  横断面積
  形態
  牽引線
 筋の“長さ−張力関係”
  自動的な“長さ−張力関係”
  他動的な“長さ−張力関係”
  多関節筋での“長さ−張力関係”
 筋の“力−速度関係”:速さ
 重要な臨床的考察:患者の治療に際しては
 機能的運動学の原則に沿って行うこと
  筋の硬さ
  筋組織のストレッチ
  筋力の強化
  自動的スタビライザーとしての筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第4章 肩複合体の構造と機能
 骨学
  胸骨
  鎖骨
  肩甲骨
  近位から中間部の上腕骨
 関節学
  胸鎖関節
  肩甲胸郭関節
  肩鎖関節
  肩甲上腕関節
  肩複合体の相互作用
 筋と関節の相互作用
  肩複合体の神経支配
  肩甲帯の筋
  整理して考えよう
  肩甲上腕関節の筋
  整理して考えよう
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第5章 肘・前腕複合体の構造と機能
 骨学
  肩甲骨
  遠位上腕骨
  尺骨
  橈骨
 肘の関節学
  一般的な特徴
  肘関節の支持構造
  運動学
 前腕の関節学
  一般的な特徴
  上・下橈尺関節の支持構造
  運動学
  前腕骨間膜による力の伝達
 肘・前腕複合体の筋
  筋の神経支配
  肘関節の屈筋
  肘関節の伸筋
  前腕回外筋・回内筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第6章 手関節の構造と機能
 骨学
  遠位の橈骨と尺骨
  手根骨
 関節学
  関節構造
  手関節の靱帯
  運動学
 筋と関節の相互作用
  手関節筋の神経支配
  手関節筋の機能
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第7章 手の構造と機能
 骨学
  中手骨
  指節骨
  手のアーチ
 関節学
  手根中手関節
  中手指節関節
  指節間関節
 筋と関節の相互作用
  手の神経支配
  手の筋の機能
  手指の外在筋と内在筋の相互作用
 手の関節変形
  一般的な変形
  尺側偏位
 まとめ
 確認問題
 参考文献
 付録
第8章 脊柱の構造と機能
 正常な弯曲
 重心線
 骨学
  頭蓋骨
  標準的な椎骨
  椎間板
  椎骨と椎間板の表記
  さまざまな椎骨
  脊柱の支持構造
 運動学
  頭頸部
  胸腰部
  機能的考察
  腰仙関節と仙腸関節
 筋と関節の相互作用
  頭頸部と体幹の筋の神経支配
  頭頸部の筋
  体幹の筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第9章 股関節の構造と機能
 骨学
  腸骨
  坐骨
  恥骨
  寛骨臼
  大腿骨
 関節学
  一般的な特徴
  股関節内の支持構造
  股関節外の支持構造
  股関節の伸展の重要性
  運動学
 筋と関節の相互作用
  股関節の筋と神経支配
  股関節の筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第10章 膝関節の構造と機能
 骨学
  大腿骨遠位部
  脛骨近位部
  腓骨近位部
  膝蓋骨
 関節学
  一般的な特徴
  正常なアライメント
  支持構造
  運動学
 筋と関節の相互作用
  膝関節の筋の神経支配
  膝関節の筋
  膝関節の内旋筋と外旋筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第11章 足関節と足部の構造と機能
 用語
 歩行周期の概要
 骨学
  脛骨遠位部と腓骨
  足部の骨
 足関節と足部の関節学
  一般的な特徴
  足関節と足部の運動学
  足関節と足部の近位の関節
  足部の遠位の関節
 筋と関節の相互作用
  足関節と足部の筋の神経支配
  足関節と足部の外在筋
  足部の内在筋
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第12章 歩行の基礎知識
 用語
 歩行周期の詳細
  立脚相
  遊脚相
  矢状面における歩行のまとめ
  前額面における歩行のまとめ
  水平面における歩行のまとめ
 異常歩行
 まとめ
 確認問題
 参考文献
第13章 咀嚼と呼吸のキネシオロジー
 顎関節
  骨学および関連構造
  運動学
 筋と関節の相互作用
  顎関節の筋
 顎関節のまとめ
 呼吸
  肺気量
  吸気と呼気
  呼吸時における筋の作用
 呼吸のまとめ
 確認問題
 参考文献

 本書『エッセンシャル・キネシオロジー─機能的運動学の基礎と臨床』の目的は,キネシオロジーkinesiology(身体運動学:人体の運動の研究)において,すでに確立されている基本的知識を示すことである.本書では,筋骨格系の構造と機能を中心に述べているが,これらは理学療法士アシスタントphysical therapist assistant (PTA)[訳注:米国において,理学療法士は修士または博士号をもち,直接,患者に対し評価と治療を行う.PTA は専門の課程を修め,理学療法士の指示のもとに,患者に対し治療を行う]にとって,あらゆる面で不可欠な内容である.健常人の運動を詳細にわかりやすく説明することにより,多くの一般的な代償方法や治療技術,異常運動パターンについて考えることが可能になる.本書は,骨,関節,支持靱帯,筋のリアルな描画を取り入れ,理学療法士・PTA が関係する臨床上の事例をも多く含んだ内容となっている.
 理学療法士であれPTA であれ,キネシオロジーは理学療法を実施するうえで中核となるものである.キネシオロジーの確実な理解のためには,筋骨格系の解剖と機能の正確な知識が基本となる.筋骨格系の解剖学の知識があってはじめて,正常および異常運動の基礎を理解することが可能となるのである.この知識がなければ,理学療法士・PTA は機能異常や,動作困難,可動域制限や痛みを伴う運動を的確に治療することができない.
読者
 本書は,主にPTA 養成校の学生および理学療法の学位を求めている人を念頭に置いて書かれているが,読者対象はそれだけにはとどまらない.すでに臨床に携わっている理学療法士・PTA や,臨床とキネシオロジーとを明確に結びつけようと模索する他分野の学生や専門家にとっても価値のあるテキストであろう.
ユニークな共著者
 共著の2 人が,それぞれの経験を持ち寄ることにより,包括的で,解剖学的な内容に富み,あるいは臨床に結びついたキネシオロジーのテキストを理学療法分野に送り出すことが可能となる.
 Dr. Paul Jackson Mansfield は理学療法の臨床に20 年以上従事し, 現在はMilwaukee Area Technical College のPTA 養成課程の責任者である.Dr. Mansfield は,キネシオロジー,筋骨格解剖学,整形外科学,上級運動療法,神経筋疾患のリハビリテーションの各講座を,養成課程で幅広く教えている.彼はこれらの経験を通して,その講座の必要性,臨床との関連,そして学生に対して効果的に教える方法について,見識を深めた.
 Dr. Donald A. Neumann は,30 年間の理学療法の臨床経験を積んだ後,現在はMarquette University 理学療法学部の名誉教授である.Dr. Neumann は35 年以上キネシオロジーを教授しており,またベストセラーのテキスト『Kinesiology of the Musculoskeletal System: Foundationsfor Physical Rehabilitation』(Mosby Elsevier)( 邦題『筋骨格系のキネシオロジー』(医歯薬出版))の著者である.Dr.Neumann 自身,PTA の経験があり,PTA 学生および,臨床家の任務と必要性を理解している.
 本書は,この2 人の著者の豊かな経験の賜物である.
Dr. Mansfield は,全体の方向性と臨床との関連性についての知見を,一方Dr. Neumann は,根拠のある科学的背景と長年の教育的経験を提供した.
コンセプト
 本書で使用される図の多くは,既述のDr. Neumann による大著から引用したものである.このテキストでの成功が励みとなり,このたびPTA を対象とした版を出版することとなった.著者らはPTA 学生の特殊なニーズを満たすために,莫大な時間を費やして思考を重ね,コンセプトを作り上げた.そのうえで,図の美しさ,文章の明快さ,細部にわたる整合性,臨床との関連性の強調などが保たれるよう,一所懸命に取り組んだ.
PTA 教育への寄与
 PTA 学生は,理学療法についてほとんど何も知らないところから出発し,最終的には新卒のPTA にかけられた期待に応え,さらには期待を上回る能力を身につけるという短い旅(一般的に2 年間の過程)を耐え抜かなければならない.このことは,PTA 養成課程の教育に携わったことのある人は皆知っている.過密なカリキュラムをこなさなければならないので,学生は,複雑で種々の事柄が入り組む臨床に進む前に,まず人の運動の基本を熟知しておかなければならない.PTA 養成課程において,キネシオロジーは理学療法の知識と実践の基礎をなす土台である.本書を使う学生と教員が,著者らが準備した知識と説明を受け入れ,基礎を構築し支えるために必要なものは提供されているということを,理解していただけることを心から望む.
学問的アプローチ
 本書『エッセンシャル・キネシオロジー』は,Dr.Neumann の『筋骨格系のキネシオロジー』を単に簡略化したテキストではない.読めばすぐに,本書が適当に手を抜いて編集された本ではないということがよくわかるであろう.本書は,Dr. Neumann の偉大なテキストの単なる縮小版ではなく,はるかに中身の濃い内容となっている.著者らは,理学療法教育を受けるあらゆるレベルの学生が本書を使用し,学習意欲が高まることを切に望む.素晴らしいアートワーク[訳注:本文以外のイラストなどの図版]とわかりやすく適切な説明は,学生がモチベーションを発揮して,学んだことを最大限に活用するのに役立つであろう.学生と教員双方へ寄せる著者らの大きな期待が,多くの方々と共有され,理学療法の職域が成長し続ける刺激となることを望む.専門の職域は,その教育内容の濃さによって発展するものである.今日のPTA の教育は,理学療法の職域全体として,迅速で継続性のある教育の進歩に伴って発展する必要がある.
構成
 本書は,キネシオロジーを段階的に解説している.各章は身体の部位ごとに構成され,骨の解剖と機能の解説をはじめに扱う.次に,関節と関連支持組織について,詳細だがわかりやすい説明が続く.その後,筋の構造と機能が示される.ここでは起始と停止,作用,神経支配が解説される.各部位で取り上げられる筋はそれぞれ,解剖学的に詳細で,巧妙かつ理解しやすく図示されている.各章は解剖から始まり,筋と関節が一体になって正常に機能することの説明へと続く.その後,疾患や外傷によりこの関係が崩壊し,異常運動に陥る過程の説明へと進む.これによって,それまでの内容が理学療法を実施するうえでなぜ重要なのかを説明する最終段階へと進む.さらに臨床例,推論,座学と臨床間のギャップを埋めるのに役立つ図等を盛り込んだ囲み記事が,各章に多数配置されている.
 第1 〜 3 章では,キネシオロジー,生体力学の基礎,関節構造,筋の解剖および生理における基本的な用語の,信頼性があり,かつ関連する背景を示した.第4 〜 11 章では,身体の各部位に関して特殊な解剖学とキネシオロジーの原理に焦点をあてたが,まさにここの部分が本書の心臓部である.第12,13 章では,歩行,咀嚼,換気について,それぞれに必要なキネシオロジーの基礎を詳しく説明し,それまでの章の内容を取り入れて,総合的に説明した.
本書の特色
● 優れたアートワーク:質・量ともに優れた写真とイラストが,本書を素晴らしいものにしている.良質な多数のイラストと写真が,このテキストのために準備されたのである.
● ATLAS:個々の筋および関連する筋群を,ユニークな図で示した.図解により,筋や筋群と,それぞれの付着部,神経支配,作用の組み合わせがわかりやすくなった.この方法は教育,および臨床との関連づけにとって,効果的なものである.
● 共著者:あわせて40 年の臨床経験,約25 年の教育経験から導き出された著者らの専門知識により,PTA 教育において信頼でき,また特色のある解説が示されている.
● 臨床との関連:本書は,キネシオロジーの概念を理学療法の臨床に一貫して結びつけている.はじめに人の運動についての基礎的な知識を提示し,次に臨床に関連した情報と特徴を,重ね合わせるように解説した.特色を知る
● カラフルでわかりやすく豊富な図:本書の中には400枚近くの高品質でフルカラーの画像が収められており,画像自体の出典を示して本書の理解を助けた.
● ATLAS:図と一致した文章を対にしたユニークなレイアウト(詳細は既述)により,読者の手元に必要な情報を効果的に示した.
● 「臨床的な視点」「考えてみよう!」:内容を追加し,理学療法の観点でキネシオロジーの概念を臨床での応用へ常に結びつけている.
● Box:各章に,主要な概念をまとめた一覧や表を掲載し,読者が学習をするうえで,とても使いやすくした.
● 確認問題:各章末には,試験準備の自己評価として役立つ,20 〜 30 問の多肢選択式または正誤式の問題を掲載した.
● キーワード:キネシオロジーの専門用語は内容をよく理解するための鍵となるので,各章にキーワードの一覧を配し,解説文の中では太字で記載している.
● 用語解説:各章の鍵となる専門用語は,巻末の用語解説で50 音順に編集して解説しており,便利な用語辞典として利用できる.
● 学習目標:各章のはじめには学習目標の一覧を示し,これにより素早く内容把握ができる他,試験対策の手っ取り早いチェックリストにもなるものとした.
● 本章の概要:各章のはじめに主要な見出しを示し,章の構成が概観できるものとした.
 われわれは,活動的なPTA 養成課程において,教員が学生に教授するために必要なすべての情報や素材が,本書から得られることを期待して執筆した.その内容が明確で,また体系化されており,適切な方法で提示されるならば,学生の学ぶことができるものに限度はないと考えている.本書はまさにこのことを前提として編集された.
Paul Jackson Mansfield
Donald A. Neumann

9784524218394