Clinical Dermatopathology

皮膚病理学は、皮膚科学と病理学の中間に位置する境界領域の学問である。イタリアに限らず他の国でも、この領域の大学院の学位を見つけることは難しい。皮膚病理学は、皮膚病変を顕微鏡で観察する技術を身につけた皮膚科医によって行われることもあれば、患者を臨床的に診察することなく医学的な報告書を作成する必要のある病理医によって実践されることもある。そのため、この2つの独立した分野を統合し、皮膚病理学として１つの体系的な学問とすべきである。両専門分野の教育的ニーズを満たすために、専門の学会や委員会の創設、出版物の刊行が進められた。本書においても、皮膚科医、病理医、研修医を読者として想定している。本書はもっとも重要な皮膚腫瘍を、イラストおよび臨床的・構造的な画像とともに解説する。特定のエビデンスとなる画像と臨床病理学的な相関関係を通じ、皮膚腫瘍における診断方法を読者に習得させることが本書の目的である。