薬系薬理学書[電子版付]改訂第2版
| 監修 | : 立川英一/弘瀬雅教 |
|---|---|
| 編集 | : 田野中浩一/田村和広/加藤伸一/藤野裕道 |
| ISBN | : 978-4-524-40474-2 |
| 発行年月 | : 2026年2月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 656 |
在庫
定価9,790円(本体8,900円 + 税)
正誤表
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2026年03月17日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

薬学基礎と臨床の橋渡しを担う,標準的な薬理学テキスト.初学者がつまずきやすい用語を曖昧にせず,定義から丁寧に解説.今改訂では,総論をさらに充実させるとともに,新薬・新知見・ガイドライン更新等の情報を反映.各論の構成を整理し,理解しやすさがさらに向上した.薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に対応.電子版付録として化学構造式一覧,抗菌薬スペクトル表,主要な抗悪性腫瘍薬の適応や副作用などの一覧表を収載.
第1部 総 論
1章 薬理学の基礎
1 薬理学とは
2 薬と薬理学の歴史
3 薬の開発
2章 薬物作用の基本
1 薬物の作用様式(薬理作用)
2 細胞情報伝達系と受容体
3 薬物の作用に影響を与える生体の要因
4 薬物の生体内での動態(薬の運命)
5 薬物相互作用
6 バイオ医薬品と分子標的薬
7 薬理遺伝学
8 オータコイドと関連薬
第2部 薬物の作用
3章 自律神経系薬理
1 自律神経系の構造と機能
2 交感神経系に作用する薬物
3 副交感神経系に作用する薬物
4 自律神経節に作用する薬物
5 アドレナリン反転・アセチルコリン反転
4章 体性神経系薬理
1 神経筋接合部の構造とその機能を介した骨格筋収縮メカニズム
2 神経筋接合部に作用する薬物
3 知覚神経とその伝導メカニズム
4 局所麻酔薬
5章 中枢神経系薬理
1 中枢神経系の構造と機能
2 全身麻酔薬
3 催眠薬
4 精神疾患治療薬
5 抗てんかん薬
6 パーキンソン病治療薬
7 中枢性筋弛緩薬
8 鎮痛薬
9 アルコール依存症治療薬
10 中枢興奮薬
11 脳卒中(脳血管障害)の治療薬と脳循環改善薬・脳神経賦活薬
12 抗認知症薬
13 片頭痛の治療薬
6章 感覚器系薬理
1 眼の構造と機能
2 散瞳薬と縮瞳薬
3 緑内障治療薬
4 白内障治療薬
5 加齢黄斑変性治療薬
6 その他の点眼薬
7 皮膚の構造と機能
8 アトピー性皮膚炎治療薬
9 皮膚真菌症治療薬
10 褥瘡治療薬
11 角化症・乾癬治療薬,尋常性白斑治療薬,その他の皮膚作用薬
12 耳鼻の構造と機能
13 めまいの治療薬
7章 内分泌系薬理
1 内分泌系総論
2 視床下部-下垂体ホルモンと薬物
3 甲状腺ホルモンと薬物
4 副甲状腺ホルモンと薬物
5 活性型ビタミンD3誘導体
6 膵臓ホルモンと薬物
7 副腎ホルモンと薬物
8 性ホルモンと薬物
8章 抗炎症薬と免疫抑制薬
1 炎 症
2 免疫応答と免疫疾患
9章 消化器系薬理
1 消化器系の機能と調節
2 胃・十二指腸潰瘍治療薬
3 催吐薬・制吐薬
4 止瀉薬(止痢薬)・瀉下薬(下剤,抗便秘薬)
5 機能性消化管疾患治療薬
6 炎症性腸疾患治療薬
7 肝臓・胆道・膵臓疾患治療薬
10章 呼吸器系薬理
1 呼吸器系の構造と機能
2 鎮咳薬
3 去痰薬
4 気管支拡張薬
5 呼吸興奮薬(呼吸刺激薬)
6 肺線維症の治療に用いられる薬物
7 その他の肺疾患に用いられる薬物
11章 循環器系薬理
1 循環器系の構造と機能
2 高血圧症治療薬
3 低血圧症治療薬
4 末梢循環改善薬
5 虚血性心疾患治療薬
6 心不全治療薬
7 抗不整脈薬
12章 代謝系薬理
1 糖尿病治療薬
2 脂質異常症治療薬
3 高尿酸血症・痛風治療薬
4 骨粗鬆症治療薬
5 骨軟化症治療薬
13章 泌尿器系薬理
1 尿路系の構造と機能
2 腎臓に作用する薬物
3 膀胱の活動に作用する薬物
4 急性,慢性腎不全に用いる薬物
5 ネフローゼ症候群治療薬
6 慢性腎臓病
7 糸球体腎炎
8 薬剤性腎障害
9 膀胱炎
10 腎盂腎炎
11 尿路結石
14章 血液系薬理
1 血液の生理
2 貧血治療薬
3 止血薬
4 抗血栓薬
5 播種性血管内凝固症候群(DIC)およびその治療薬
15章 化学療法薬
1 化学療法薬の概要
2 感染症に作用する薬物
3 抗悪性腫瘍薬
16章 消毒薬
薬学部6 年制教育の導入により,新たな薬学教育が,薬学教育モデル・コア・カリキュラムで実施されることとなった.コア・カリキュラムはすでに2 回の改訂を受けており,臨床教育の強化が進められている.
疾病および傷害の治療には,薬物が用いられる.薬物の作用に関する知識は,適正な薬物治療を行うために必須のものとなる.この処方の可否の根拠となるのが,薬理学的知識である.薬理学の目的は,薬の効き方,つまり,生体で薬物が効果を発揮するための作用機序を理解することである.そのため,薬理学は医療現場で働く薬剤師だけでなく,製薬企業および行政などの医薬品に関わる仕事に従事する者にとって必須の知識の根幹をなすといえる.
薬学部の学生は,機能形態学,生化学,免疫学の生物系教科だけでなく,有機化学,物理化学などの教科に加え,疾病と薬物治療に関する臨床系教科を修得することがコア・カリキュラムで定められている.その中で,薬理学は生物系教科の知識と有機化学などの化学系教科の知識を用いて,薬物の作用機序を理解することを特徴としており,研究領域の異なる知識を統合的に用いる学問である.加えて,基礎系の科目と臨床での薬物治療系の科目の橋渡しという薬学教育で要の役割も担っている.薬物の作用機序は,その標的となる受容体,チャネルあるいは酵素の生理学的役割に結びついており,さらに標的細胞が構成する組織(臓器)の機能の理解につながる.細胞から生体への総合的な理解が,病態の理解と治療戦略を明確にさせる.換言すると,薬物の作用機序から,生体を構成する細胞および組織の構造と機能を理解し,さらに病態を理解することも可能となる.
薬理学では,薬物治療で用いられている多種多様な薬物が登場する.そのため,薬を覚える暗記科目と誤解する学生が多い.確かに,薬物名(医薬品名)を覚えることは重要であり,その膨大な数が時間と労力を要する原因となっている.そこで,本書は,薬物の作用機序の要点を明確にし,作用機序を中心にした薬物群としてまとめた.さらに,薬物の作用点,つまり,薬物が作用を発揮するための標的および細胞・組織についての理解すべき点についても解説している.特に,科学技術水準が高くなっているため,新たに登場した薬物の作用機序は,以前のそれよりも詳細に記載されるようになっている.本書では,従来の薬物との差異・共通点を解説し,特徴ある適用に加え,薬物の副作用についても理解できるようにした.薬物の副作用から,薬物そのものの作用だけでなく,代謝による薬物の変換が生体に及ぼす効果について学ぶことで,生体機能の制御についても理解ができるように配慮した.初版では副作用などの情報について,可能性のあるものを詳細に記載したが,改訂第2 版では特徴あるものあるいは薬学生として知っておくべきものに焦点を当て,読者が薬物の要点を理解しやすいようにした.加えて,テキスト内に提示する化学構造式についても,代表的な薬物に限定し,それ以外のものは電子版付録として収載し,本書のスリム化を図った.本書が,学生から社会で活躍する薬学関係者の薬物への基礎知識を広げかつ理解を深めることの一助になれば幸いである.
令和8 年1 月
編集者を代表して
田野中浩一


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