機能形態学 [電子版付]改訂第5版
| 編集 | : 櫻田忍/櫻田司 |
|---|---|
| ISBN | : 978-4-524-40441-4 |
| 発行年月 | : 2025年3月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 356 |
在庫
定価7,150円(本体6,500円 + 税)
正誤表
-
2026年02月24日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

人体の構造と機能について,薬学部生に必要な情報を簡潔にわかりやすくまとめた教科書.章ごとに箇条書きの「まとめ」を掲載し, おさえるべきポイントを明示することに加え理解度のチェックができる記述式の「練習問題」を掲載.今改訂では理解がよりいっそう進むよう全ページフルカラーを実施、電子版付となった.薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)対応.
第1章 器官系概論
1-1 人体の構造
1 人体を観察する際の基準となる体位,方向および断面
2 人体の成り立ち
1-2 細胞
1 細胞の構造
2 細胞小器官の構造とはたらき
3 細胞間結合と細胞外マトリックス
4 細胞の構成
5 細胞内情報伝達系
1-3 組織
1 上皮組織
2 支持組織
3 筋組織,神経組織
1-4 器官と器官系
1-5 ヒトの発生
1 受精のしくみ
2 卵割から胞胚形成
3 原腸形成
4 器官形成
5 胎盤の構造と通過する分子
まとめ
練習問題
第2章 末梢神経系
2-1 神経の基本的機能
1 ニューロンとグリア
2 静止膜電位
3 活動電位
4 興奮伝導
5 神経線維の種類
6 軸索輸送
7 ウォーラーの変性と再生
8 シナプス伝達
2-2 神経系
1 末梢神経系
まとめ
練習問題
第3章 中枢神経系
3-1 脳と脊髄
1 中枢神経系の区分
2 脳室と脳脊髄液
3 髄膜
4 脳の血管
5 血液脳関門
3-2 脊髄
1 脊髄の形態
2 運動ニューロン
3 筋紡錘と腱紡錘
4 脊髄の機能
3-3 脳幹
1 中脳
2 橋
3 延髄
4 脳幹の運動調節
3-4 間脳
1 視床
2 視床下部
3 松果体
3-5 大脳基底核と小脳
1 大脳基底核
2 小脳
3-6 大脳半球
1 大脳皮質
2 大脳辺縁系
まとめ
練習問題
第4章 筋肉・骨格系
4-1 筋肉
1 筋肉の種類
2 骨格筋
3 骨格筋収縮のしくみ(滑り説)
4 骨格筋の興奮収縮連関
5 骨格筋における筋小胞体からのCa2+遊離機構
6 骨格筋収縮のためのエネルギー源
7 骨格筋収縮の形式
8 平滑筋
9 心筋
4-2 骨格
1 骨
2 骨の種類
3 骨の構造
4 骨の形成と成長
まとめ
練習問題
第5章 感覚器系
5-1 感覚の種類と感覚受容器
1 感覚刺激の活動電位への変換
5-2 視覚
1 眼球の構造と眼運動
2 網膜上への結像の調節
3 網膜における光受容機序
4 視覚伝導路
5-3 聴覚
1 聴覚器
2 聴覚伝導路
5-4 前庭覚
1 前庭器官は頭部の動きを感覚する
2 有毛細胞による機械刺激の変換
3 前庭覚伝導路
5-5 嗅覚と味覚
1 嗅覚
2 味覚
5-6 体性感覚
1 皮膚感覚
2 深部感覚
3 体性感覚の伝導路
5-7 内臓感覚
5-8 感覚情報の統合・修飾機構
1 側方抑制による感覚の増感
2 下行性疼痛抑制系
5-9 皮膚
1 皮膚の構造とはたらき
2 皮膚付属器官
まとめ
練習問題
第6章 消化器系
6-1 消化器系の構成
6-2 消化管
1 口腔
2 咽頭と食道
3 胃
4 小腸
5 大腸
6 肛門
7 消化管における吸収
6-3 肝臓・胆のう・膵臓
1 肝臓
2 肝臓のはたらき
3 胆のう
4 膵臓
6-4 消化管ペプチド
まとめ
練習問題
第7章 循環器系
7-1 心臓
1 心臓の形態
2 刺激伝導系
3 循環
4 心筋の微細構造
5 心筋細胞の電位変化
6 心筋収縮の生化学的機序
7 心臓周期
8 神経による調節
9 心電図
10 心音
7-2 血管系
1 血管の種類
2 血管壁の構造
3 血管の分布
まとめ
練習問題
第8章 血液・リンパ系
8-1 血液の成分と主なはたらき
1 赤血球
2 白血球
3 血小板
4 血漿
5 造血(血球の産生)
6 赤血球の破壊
7 出血と止血
8 血液型
8-2 リンパと免疫
1 リンパ
2 胸腺
3 脾臓
4 粘膜関連リンパ組織
5 免疫
まとめ
練習問題
第9章 呼吸器系
9-1 呼吸
9-2 呼吸器系の構成
1 鼻腔
2 喉頭
3 気管・肺
9-3 呼吸器系の機能
1 肺の機能
2 呼吸運動
3 肺気量
4 肺,胸郭のコンプライアンスと気道抵抗
5 呼吸の神経調節機構
6 肺胞と組織における酸素・二酸化炭素の交換
7 血液による酸素の運搬
8 血液による二酸化炭素の運搬
まとめ
練習問題
第10章 泌尿器系
10-1 腎臓
1 腎臓の構造
2 ネフロンの構造と機能
3 尿細管への分泌
4 腎臓による血圧と体液の調節
5 その他の機能
6 腎のクリアランス(清掃率)
10-2 尿路
1 尿管
2 膀胱
3 尿道
まとめ
練習問題
第11章 内分泌系
11-1 内分泌系調節
11-2 ホルモン受容体
1 核内・細胞質内受容体
2 細胞膜受容体
11-3 視床下部ホルモン
11-4 下垂体
1 下垂体前葉ホルモン
2 下垂体後葉ホルモン
11-5 甲状腺ホルモン
11-6 副甲状腺ホルモン
11-7 副腎
1 副腎皮質
2 副腎髄質
11-8 膵臓ホルモン
1 インスリン
2 グルカゴン
11-9 生殖
1 男性生殖生理
2 女性生殖生理
11-10 オータコイド
まとめ
練習問題
薬学教育は古くは化学系分野が主体となって進められてきたが,徐々に,生物の生理機能が明らかになるに従い,生物系分野に重きを置いた方向へと変わりつつある.そして,両分野が融合され,さらに新しい基礎薬学分野の形態を取りつつある.本書は,医療系薬学分野への導線の一端を担うべく,2002 年9 月の初版刊行以来,多くの薬学系大学において「機能形態学」のテキストとして使用されてきた.初版刊行から25 年が経過し2024 年に「薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4 年度改訂版)」および薬剤師国家試験の出題内容に十分対処すべく,改訂作業に着手した.
生命科学の一分野である医学・薬学は,疾病の診断,治療そして予防に焦点を当てた分野であり,多岐にわたる疾病の治療薬および治療方法を学ぶために,医療系大学の低学年の段階で基本的な生理機能と形態的特徴を学ぶことが必須である.たとえば,パーキンソン病(PD)は,ドパミンを産生・分泌する神経細胞(ドパミン神経細胞)が進行性に減少し,手足のふるえやこわばりなどの運動機能障害が起こる神経変性疾患で難病に指定されている.PD の薬物療法には限界があり,iPS 細胞(人工多能性幹細胞)からドパミン神経細胞を作りこれらを脳内に移植することで,脳内のドパミン量を増やし症状を改善させる再生医療の治験が進んでいる.ドパミン生産細胞が減少するメカニズムについては不明の点が多々あるが,「a-シヌクレイン」というタンパク質が注目されている.神経終末部に存在するこのタンパク質は,シナプス調節機能やシナプス可塑性に関与していると考えられている.PD 患者の脳内では,異常な構造をした病原タンパク質のa-シヌクレインが凝集・蓄積し,ドパミンを分泌する神経細胞が死滅し,運動機能障害を引き起こす.このa-シヌクレインを除去することにより神経変性の予防とPD 症状の進行を抑制できると期待されている.機能形態学は上述のような最新の病態生理,その治療方法および治療薬の作用機序を理解する上で大切な基礎分野であることを念頭に置き,本書の改訂を行った.
薬剤師国家試験の出題基準は令和4 年度改訂版「薬学教育モデル・コア・カリキュラム」において示されている内容を基本としている.機能形態学の分野については「C-7 人体の構造と機能及びその調節」の箇所に明記されている.さらに,C-7 は15 項目からなる中項目に分類され,C-7-1 器官系概論,C-7-2 神経系,C-7-3 内分泌系,C-7-4 外皮系,C-7-5 感覚器系,C-7-6 骨格系,C-7-7 筋系,C-7-8 循環器系,C-7-9 リンパ系と免疫,C-7-10 消化器系,C-7-11 呼吸器系,C-7-12 泌尿器系,C-7-13 体液,C-7-14 生殖器系,C-7-15 ヒトの発生に分けられ,さらに中項目は,各項目の〈ねらい〉の中に「各領域・項目とのつながり」,〈学修目標〉を設定している.本書はこれらの中項目および〈ねらい〉を意識して勉強できるようにした.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019 年12 月に第1 例目の感染者が報告されてから,わずか数ヵ月ほどの間にパンデミックといわれる世界的な流行となった.大学の講義にも影響を及ぼし,約3 年間,オンラインでの講義を余儀なくされた.しかし,どのような講義形態であろうと自学自習のテキストとしての重要性には変わりはなく,巻末の練習問題とともに,本書が学生諸君の勉学の理解のために役立ってくれることを切望する.
改訂作業では著者のみならず,多方面からの協力を仰いだ.ご教示くださった先生方ならびに南江堂出版部の諸氏に心から御礼申し上げる.
2025 年1 月
編者ら


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