基礎から臨床までカバーできる 薬系微生物学・感染症学[電子版付]
| 監修 | : 三鴨廣繁/木村利美/河村好章 |
|---|---|
| 編集 | : 中南秀将/輪島丈明 |
| ISBN | : 978-4-524-40408-7 |
| 発行年月 | : 2024年4月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 622 |
在庫
定価7,150円(本体6,500円 + 税)
正誤表
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2024年08月26日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

薬学生・薬剤師向けの,病原微生物・化学療法薬・感染症の立体的な理解を目指す教科書.平易な記述で,基礎から臨床業務に役立つ内容まで幅広く網羅.わかりやすい図やフルカラーの写真を多数収録.各項目ごとに要点(Point),練習問題,用語解説,コラム等を設置し,自習にも最適.薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版/平成25年度改訂版)対応.電子版付.
第1編 微生物学
第1章 微生物学総論
1.1 歴史
1.2 分類
1.3 環境の微生物
1.4 ヒトの常在微生物
第2章 細菌総論
2.1 分類
2.2 形態とグラム染色
2.3 細胞の構造
2.4 増殖
2.5 病原性
2.6 遺伝学
2.7 遺伝子解析技術
第3章 細菌各論
3.1 グラム陽性球菌
3.2 グラム陽性桿菌
3.3 グラム陽性嫌気性桿菌
3.4 抗酸菌および放線菌
3.5 グラム陰性通性嫌気性桿菌
3.6 グラム陰性好気性桿菌
3.7 グラム陰性球菌
3.8 グラム陰性嫌気性菌
3.9 スピロヘータ
3.10 マイコプラズマ,リケッチア,クラミジア
第4章 ウイルス総論
4.1 ウイルスの構造
4.2 ウイルスの増殖
4.3 ウイルスの遺伝・進化
4.4 ウイルスの病原性
4.5 ウイルスの培養・定量
4.6 ウイロイド
第5章 ウイルス各論
5.1 DNA ウイルス
5.2 プラス鎖RNA ウイルス
5.3 マイナス鎖RNA ウイルス
5.4 二本鎖RNA ウイルス
5.5 逆転写酵素をもつウイルス
5.6 プリオン
第6章 真菌総論
6.1 性質と構造
6.2 形態
6.3 栄養と代謝
6.4 生殖と生活環
6.5 分類と命名法
第7章 真菌各論
7.1 深在性真菌症の原因真菌
7.2 深部皮膚真菌症の原因真菌
7.3 表在性真菌症の原因真菌
7.4 輸入真菌症の原因真菌
第8章 寄生虫(原虫と蠕虫)
8.1 原虫
8.2 蠕虫
第2編 化学療法学
第1章 化学療法総論
1.1 化学療法と歴史
1.2 化学療法薬の条件
1.3 抗菌作用の様式
1.4 抗菌スペクトル
1.5 最小発育阻止濃度(MIC)と最小殺菌濃度(MBC)
1.6 post-antibiotic effect
1.7 抗菌薬の併用
第2章 抗菌薬
2.1 細胞壁合成阻害薬
2.2 タンパク質合成阻害薬
2.3 核酸合成阻害薬
2.4 細胞膜障害薬
2.5 葉酸合成阻害薬
2.6 抗結核薬
2.7 抗ハンセン病薬
2.8 抗菌薬の副作用と相互作用
第3章 PK/PD
3.1 抗菌薬(化学療法薬)の体内動態
3.2 PK/PD パラメータによる抗菌薬の分類
3.3 TDM
第4章 薬剤耐性
4.1 薬剤耐性(AMR)とは
4.2 薬剤耐性菌の出現と伝播
4.3 臨床で問題となる薬剤耐性菌
4.4 薬剤耐性菌に有効な抗菌薬
4.5 AMR 対策アクションプラン
第5章 抗ウイルス薬・
5.1 抗ヘルペスウイルス薬
5.2 抗インフルエンザウイルス薬
5.3 抗ヒト免疫不全ウイルス薬
5.4 抗肝炎ウイルス薬
第6章 抗真菌薬
6.1 ポリエン系薬
6.2 アゾール系薬
6.3 キャンディン系薬
6.4 ピリミジン系薬
6.5 アミン系薬
6.6 抗ニューモシスチス薬
第7章 抗寄生虫薬
7.1 抗原虫薬
7.2 抗蠕虫薬
第8章 生物学的製剤
8.1 生物学的製剤の分類
8.2 抗毒素
8.3 血液製剤
8.4 モノクローナル抗体製剤
第3編 感染症学
第1章 感染症総論
1.1 感染症の発症
1.2 宿主と感染源
1.3 感染経路
1.4 日和見感染症
1.5 人獣共通感染症(動物由来感染症)
1.6 感染症の現状
第2章 感染症の検査・診断
2.1 感染症診療に必要な一般的検査
2.2 病原細菌の検査法
2.3 ウイルスの検査法
2.4 病原真菌の検査法
第3章 感染症各論1(全身性および器官別感染症)
3.1 全身性ウイルス感染症
3.2 発熱性感染症
3.3 呼吸器感染症
3.4 消化器感染症・食中毒
3.5 血液媒介感染症
3.6 ウイルス性肝炎
3.7 尿路感染症
3.8 神経系感染症
3.9 皮膚・軟部組織感染症
3.10 感覚器感染症
第4章 感染症各論2(その他の感染症)
4.1 性感染症
4.2 母子感染
4.3 感染性心内膜炎
4.4 劇症型溶血性レンサ球菌感染症
4.5 菌血症/血流感染症・敗血症
4.6 発熱性好中球減少症
4.7 サイトメガロウイルス感染症
4.8 ジフテリア
4.9 リステリア症
4.10 乳児ボツリヌス症
第5章 感染制御・感染予防
5.1 感染対策総論
5.2 滅菌
5.3 消毒
5.4 院内感染対策
5.5 予防接種
近年,微生物の薬剤耐性(antimicrobial resistance:AMR)が世界中で大きな問題となっている.このまま何も対策が講じられなければ,2050 年にはAMR による死者が1000 万人を超えることが予想されている.世界初の抗生物質であるペニシリンは,これまでに最も多くの命を救った薬と称されている.それから約100 年が経ち,多種多様な抗微生物薬が開発されてきたが,そのつどAMR が発生する「いたちごっこ」が続いている.わずか数年で使えなくなる(売れなくなる)かもしれないため,抗微生物薬を開発する製薬企業は著しく減少し,2000年以降は新規作用機序の薬がほとんど開発されていない.このままでは,有効な薬がないために大流行した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のように,AMR による感染症の流行が危惧される.
このような状況においては,AMR の発生を防ぎ既存の抗微生物薬の有効性を維持することが重要である.ここで最も活躍すべきは,薬の専門家である薬剤師である.感染症は急性疾患であり,初期治療が予後を大きく左右する.感染症患者の「病態」を見極め,患者背景やさまざまな検査情報から「原因微生物」を推定し,有効な「抗微生物薬を適切に使用する」ことが重要である.したがって,感染症治療に携わる薬剤師は,「病態=感染症学」「原因微生物=微生物学」「抗微生物薬を適切に使用する=化学療法学」の三者をシームレスに学修する必要がある.そのため,本書は微生物学,化学療法学,感染症学のすべてを一冊で学習できることを目指した.2024 年4 月から,新しい薬学教育モデル・コア・カリキュラムが施行され,基礎薬学と臨床薬学が融合し,医療現場で他職種と連携できる薬剤師を育成することが求められている.そこで本書では,薬学部の基礎研究者に微生物学,実務経験が豊富な薬剤師に化学療法学,感染症専門医に感染症学を執筆していただいた.また,大きな社会問題となっており,今後の薬剤師国家試験に出題が予想されるAMR や感染対策についても,しっかりと網羅できている.さらに,教科書として全体を俯瞰していただくために,微生物学の専門家である愛知学院大学の河村好章 教授,感染症学の専門家である愛知医科大学の三鴨廣繁 教授,化学療法学の専門家である順天堂大学医学部附属順天堂医院の木村利美 薬剤部長に監修していただいた.このように,本書は基礎から臨床まで幅広くカバーした渾身の一冊に仕上がっている.
感染症領域の認定・専門薬剤師の数は,まだまだ少ないのが現状である.薬剤師が主導してAMR 対策を推進するためには,こうした専門知識をもった薬剤師を増やす必要がある.本書は薬学部の教科書に留まらず,感染症領域の認定・専門薬剤師を目指す薬剤師の参考書としても活用していただければ幸いである.
最後に,本書の出版に際し,広範な編集・校正などにご尽力いただいた南江堂の皆様に深く感謝する.
2024 年3 月
監修者・編集者を代表して 中南 秀将




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