パートナー分析化学U改訂第4版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 萩中淳/加藤くみ子 |
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ISBN | : 978-4-524-40385-1 |
発行年月 | : 2021年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 346 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
物理的分析法(クロマトグラフィーによる分離分析法,分光分析法による化合物の化学構造解析法,分析技術の臨床応用)を中心とした薬学部向け教科書.重要語句と要点を色文字で表示し,ハイレベルな内容は「発展」として区別した,学ぶべきポイントがわかりやすい構成.コラムで医療との接点も紹介.今改訂では第十八改正日本薬局方に対応したほか,各節に演習問題を新設した.
第1章 分光分析法
1.概説
2.紫外可視吸光度測定法
A 紫外可視吸収の原理
B 基本事項
C 装置および測定
D 二波長分光光度法
E 分子構造と吸収スペクトル
F 定量分析への応用
G 定性分析への応用
3.蛍光光度法・化学発光分析法
A 蛍光およびりん光とルミネッセンス
B 基本事項
C 装置及び測定
D 化学構造と蛍光特性
E 定量
F バイオイメージングへの応用
G その他の蛍光を利用した分析法
H 化学発光分析法
4.その他の分光分析法
A 比濁法
B 比ろう法(ネフェロメトリー)
C 原子吸光光度法・原子発光分析法,ICP質量分析法
第2章 構造解析
1.概説
A 物理的構造解析法の分類と特徴
B 分光分析法
C 質量分析法
D スペクトル法による構造解析と確認試験への応用
2.赤外吸収スペクトル測定法およびラマンスペクトル測定法
A 分子振動とスペクトル
B 赤外吸収スペクトル測定法
C 赤外吸収スペクトルの利用とその解析
D ラマンスペクトル測定法
3.旋光度測定法,旋光分散,円偏光二色性測定法
A 旋光度測定
B 旋光分散と円偏光二色性測定法
C ORDスペクトルとCDスペクトルの応用
4.核磁気共鳴・電子スピン共鳴スペクトル測定法
A 核磁気共鳴スペクトル測定法
B 電子スピン共鳴スペクトル測定法
5.X線分析法
A X線とは
B 結晶構造とX線の回折
C X線結晶構造解析
D 粉末X線回折測定法
6.質量分析法
A 装置
B マススペクトル
C 応用
第3章 分離分析
1.概説
A クロマトグラフィーの原理と特徴
B 移動相によるクロマトグラフィーの分類
C 固定相によるクロマトグラフィーの分類
D 分離メカニズム(分離モード)によるクロマトグラフィーの分類
E 形状・装置によるクロマトグラフィーの分類
2.液体クロマトグラフィー
A 原理,装置
B 分離モード
C 誘導体化
D 定性・定量分析
3.薄層クロマトグラフィー
A 薄層クロマトグラフィー
B ろ紙クロマトグラフィー
4.ガスクロマトグラフィー
A 原理・特徴
B 装置
C カラム
D 検出器
E 誘導体化
F 定性・定量分析
5.電気泳動法
A 電気泳動の原理
B ゲル電気泳動法
C キャピラリー電気泳動法
D マイクロチップ電気泳動法
E 局方での電気泳動法の適用
第4章 臨床現場で用いる分析技術
1.分析の準備
A 前処理法
B 精度管理
2.酵素を用いる分析法
A 酵素反応の基礎
B 臨床化学領域における酵素を用いる分析法
C フローインジェクション分析法
3.免疫化学的測定法
A 測定原理
B 抗体
C ラジオイムノアッセイ
D エンザイムイムノアッセイ
E その他の標識イムノアッセイ
F 非標識イムノアッセイ
4.センサー
A イオンセンサー
B ガスセンサー
C バイオセンサー
D 医療用センサー
5.ドライケミストリー
A 尿試料用試験紙
B 血液および血清用試験紙
C イムノクロマトグラフィー
D 核酸クロマトグラフィーによるRNAの検出
6.画像診断技術
A X線検査
B 磁気共鳴イメージング(MRI)
C 超音波検査
D 内視鏡検査
E 放射性核種を利用した核医学検査
7.遺伝子検査
A ヒトゲノムの多様性
B DNA解析の流れ
C 解析法の概要
第5章 その他の分析法
1.屈折率,粘度,比重及び密度
A 屈折率測定法
B 粘度測定法
C 比重及び密度測定法
2.熱分析法
A 熱重量測定法(TG)
B 示差熱分析法(DTA)
C 示差走査熱量測定法(DSC)
3.表面プラズモン共鳴法
A 表面プラズモン共鳴法とは
B 表面プラズモン共鳴法の原理と基本事項
参考書
演習問題の解答・解説
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25 年度改訂版)対応一覧
索引
改訂第4版の序
本書『パートナー分析化学U 改訂第4版』は,2017年3月に出版された『パートナー分析化学U 改訂第3版』の改訂版であり,『パートナー分析化学T 改訂第4版』と対をなすものである.薬学領域における分析化学は,創薬科学,医療薬学,生命科学,衛生薬学のあらゆる分野で不可欠な基礎知識・基盤技術となっている.医薬品の確認試験,純度試験および定量,生体試料中の薬物濃度の測定,ゲノム,プロテオーム、メタボロームなどのオミックス解析,バイオマーカー分析,環境および食の安全性の評価を行ううえで,分析化学の知識や技能が必要となってくる.
薬の専門家として社会のニーズに応えることのできる薬剤師・薬学研究者の養成を目指した「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が2004年8月に作成され,2006年4月から薬剤師教育6年制がスタートした.2010年10月には厚生労働省から新薬剤師国家試験出題基準が発表された.その後,薬剤師として求められる「基本的な資質」を前提とした学習成果基盤型教育に基づく,「薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)」(改訂コアカリ)が2013年12月に作成され,2015年4月から各大学で新カリキュラムが開始された.2016年11月には改訂コアカリを踏まえた新たな薬剤師国家試験出題基準が公表された.また,2021年6月に第十八改正日本薬局方(日局18)が施行され,これを機に改訂版を企画した.
本書は,改訂コアカリを完全に網羅するとともに,新薬剤師国家試験出題基準(2016年策定)および日局18に準拠した内容となっている.また,改訂第3版と同様に,改訂コアカリ(SBO)対応一覧を掲載し,読者の便宜を図るとともに,「要点のまとめ」として本文中の重要な語句と文章を色刷りとした.さらに,本改訂版でも,本文のうち初学者にとって高度な部分を「発展」として表示した.また,例題および章末の演習問題を充実させるとともに,CBTから薬剤師国家試験レベルまで,多岐にわたる問題を配するようにした.
本書は,改訂コアカリの「C2化学物質の分析」中の(4)機器を用いる分析法,(5)分離分析法,(6)臨床現場で用いる分析技術,「C3化学物質の性質と反応」中の(4)化学物質の構造決定で取り扱われている,物理的分析法(機器分析法)を中心に記述した.物理的分析法(機器分析法)の進歩によって,機器がコンピュータ化され,自動化されても,機器分析装置の原理の理解は必要である.特に,デジタル化された結果が容易に得られる昨今,その結果に至る過程で分析化学的な誤りがあっても,基本的な知識がないと気付かず,重大な誤謬につながる.また,本書で述べる基本的な原理や理論は,薬剤師あるいは薬学研究者にとっては不可欠なものである.したがって,読者各位が,本書『パートナー分析化学U 改訂第4版』の重要性を認識し,姉妹書『パートナー分析化学T 改訂第4版』と併せて,今後の発展の基盤として活用されることを期待する.
終わりに,本書を出版するにあたり,ご尽力をいただいた南江堂出版部の方々に深謝します.
2021年10月
編集者一同