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新 放射化学・放射性医薬品学改訂第5版

編集 : 佐治英郎/向高弘/月本光俊
ISBN : 978-4-524-40382-0
発行年月 : 2021年8月
判型 : B5
ページ数 : 376

在庫あり

定価6,050円(本体5,500円 + 税)

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放射化学,放射性医薬品学のスタンダードな薬学部学生向けの教科書.放射化学の基礎から,放射線,放射性同位体元素の利用,関連法規まで網羅し,基礎から応用までわかりやすく解説.今改訂では,測定機器の写真を多数収載するとともに,放射線防護と管理の項目では旧版から一部項目立てを変更し,医療法についての解説を追加した.薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応.

序 章 
放射線の二性  
放射線・放射性同位元素・放射性医薬品は何のために学ぶのか 
1章 原子核と放射能 
 1 原子と原子核 
  A. 原子の構造 
  B. 原子核の構造 
  C. 核 種 
  D. 原子質量とエネルギー 
  E. 結合エネルギー  
  F. 原子核の安定性  
 2 放射性壊変の形式  
  A. α 壊変 
  B. β 壊変 
   1) β−壊変(陰電子壊変) 
   2) β+壊変(陽電子壊変) 
   3) 軌道電子捕獲(EC 壊変) 
  C. γ 転移(γ 放射) 
  D. 自発核分裂 
  E. 壊変図式 
 3 放射能と放射性壊変の特徴 
  A. 放射性壊変の法則(壊変律) 
  B. 放射能の単位 
  C. 分岐壊変 
  D. 連続壊変 
  E. 放射平衡 
   1) 過渡平衡 
   2) 永続平衡 
   3) ミルキング 
2章 放射線と物質との相互作用 
 1 放射線が物質に及ぼす効果 
  A. 放射線による電離 
  B. 放射線による励起 
  C. 電離・励起により起こる作用 
   1) 化学反応 
   2) 写真効果 
   3) 蛍光作用―蛍光発光 
 2 荷電粒子(α 線,β 線)と物質との相互作用 
  A. α 線 
  B. β− 線 
  C. β+ 線 
 3 電磁波電離放射線(γ 線)と物質との相互作用 
  A. 電磁波 
  B. γ 線と物質の相互作用 
   1) 光電効果 
   2) コンプトン散乱 
   3) 電子対生成 
   4) レイリー散乱(トムソン散乱) 
  C. γ 線の吸収 
 4 中性子と物質との相互作用 
  A. 中性子のエネルギーによる分類 
  B. 物質との相互作用 
 5 線量(放射線量)とその単位 
  A. 粒子束密度(粒子フルエンス率) 
  B. 照射線量 
  C. 吸収線量 
  D. 線量当量 
3章 放射線測定法 (杉本幹治) 
 1 放射線の測定原理とシステム構成 
  A. 放射線の測定原理 
  B. システム構成 
  C. 測定器の分類 
 2 壊変率と計数率 
 3 測定値の補正と取り扱い 
  A. バックグラウンド 
  B. 数え落とし 
  C. 統計的取り扱い 
 4 電離現象を利用した放射線測定器 
  A. 気体の電離を利用した測定器 
   1) 電離箱 
   2) 比例計数管 
   3) GM 計数管(GM カウンタ) 
   4) 密閉型とガスフロー型 
  B. 固体の電離を利用した測定器 
 5 蛍光現象を利用した放射線測定器 
  A. 固体の蛍光を利用した測定器 
   1) NaI (TI)シンチレーションカウンタ 
  B. 液体の蛍光を利用した測定器 
   1) 液体シンチレーションカウンタ(LSC) 
 6 放射線エネルギーの測定とエネルギースペクトル 
  A. α 線のエネルギー測定 
  B. β 線のエネルギー測定 
  C. γ 線のエネルギー測定 
 7 その他の放射線測定法 
   1) 写真フィルムとイメージングプレート 
   2) 個人被ばくモニタ 
   3) サーベイメータ 
   4) 環境モニタ 
   5) 固体飛跡検出器 
   6) 化学線量計 
   7) 霧 箱 
   8) 泡 箱 
   9) 核医学診断用放射線測定装置 
4章 天然の放射性核種と人工放射性核種の製造  
 1 天然放射性核種と人工放射性核種 
  A. 天然放射性核種 
   1) 一次放射性核種と二次放射性核種 
   2) 誘導放射性核種 
  B. 人工放射性核種  
   1) 人工放射性核種の利用法 
   2) 自然環境中の人工放射性核種  
 2 核反応 
  A. Q 値 
  B. しきい値 
  C. クーロン障壁 
  D. 核反応の形式 
 3 核分裂 
  A. 核分裂の特徴 
  B. 核分裂生成物 
  C. 原子炉 
 4 人工放射性核種の製造 
  A. 原子炉による放射性核種の製造 
   1) (n, x)反応による製造  
   2) (n, f)反応による製造 
  B. 加速器による放射性核種の製造 
   1) サイクロトロン 
   2) サイクロトロンによる放射性核種の製造 
  C. 核反応による放射性核種製造量の定式化 
   1) 放射性核種の製造放射能 
   2) 励起関数と飽和収率 
  D. ジェネレータによる放射性核種の製造 
   1) ジェネレータの仕組み 
   2) 99Mo―99mTc ジェネレータ 
5章 放射線の生体への影響  
 1 放射線の生物への影響の特殊性 
 2 放射線の生体分子への作用過程 
 3 水の放射線化学と生成ラジカルと生体分子との反応 
 4 フリーラジカル 
 5 活性酸素 
 6 直接作用と間接作用 
 7 直接作用と標的理論 
  A. 1 標的1 ヒットモデル 
  B. 複数(多重)標的1 ヒットモデル 
 8 間接作用の根拠となる事象 
  A. 希釈効果 
  B. 酸素効果 
  C. 温度効果 
  D. 保護効果および増感効果 
 9 生体高分子の放射線化学 
  A. 高分子化合物 
  B. DNA 損傷 
  C. DNA 修復 
   1) 塩基損傷の修復 
   2) DNA 鎖切断の修復 
 10 細胞に対する放射線の影響 
  A. 細胞周期 
  B. 放射線感受性と細胞周期 
  C. 分裂遅延  
  D. 細胞死 
  E. 細胞障害からの回復 
 11 個体への影響 
  A. 組織・器官に対する作用  
   1) 細胞再生系(分裂系) 
   2) 潜在的再生系(休止系) 
   3) 非再生系(非分裂系) 
  B. ベルゴニー・トリボンドーの法則 
  C. 各種組織の放射線感受性 
   1) 造血臓器 
   2) 消化管 
   3) リンパ器官 
   4) 皮 膚 
   5) 生殖腺 
   6) その他の組織 
 12 身体的効果  
  A. 急性放射線死  
  B. 種による放射線感受性の相違  
  C. 急性放射線症  
  D. 晩発性障害  
   1) 発がん  
   2) 寿命の短縮 
   3) 白内障 
   4) 再生不良性貧血 
  E. 胎内被ばく 
 13 遺伝的影響 
  A. 突然変異 
  B. 自然突然変異 
  C. 倍加線量 
  D. 放射線による突然変異 
  E. 染色体異常 
  F. 遺伝線量 
  G. 人の放射線被ばくと遺伝的影響 
 14 内部被ばく 
  A. 放射性物質の組織集積性と決定器官 
   1) 放射性物質の排泄と有効半減期 
  B. 体内摂取放射性物質による内部被ばく対策とその障害の治療 
 15 放射線の生物作用に関与する要因  
  A. 物理的要因 
  B. 化学的要因 
  C. 生物的要因 
 16 ウラン加工工場での臨界事故による放射線被ばく 
   1) 血液・骨髄障害 
   2) 消化管障害  
   3) 循環器障害  
   4) 中枢神経障害  
 17 非電離放射線の生体影響  
  A. 紫外線(UV)  
  B. 赤外線  
 18 低線量放射線に対する生体の適応応答  
6章 標識化合物  
 1 標識化合物の命名  
 2 標識化合物の合成  
  A. 標識化合物の合成における諸注意  
   1) 線質,半減期  
   2) 比放射能  
   3) 標識位置  
  B. 低分子標識化合物の合成 
   1) 3H 標識化合物  
   2) 14C 標識化合物  
   3) 放射性ヨウ素標識化合物 
  C. 高分子標識化合物 
   1) 放射性ヨウ素による標識 
   2) 放射性金属による標識 
  D. 核医学画像診断用放射性医薬品(体内診断用放射性医薬品,インビボ放射性医薬品) 
   1) 無機放射性医薬品 
   2) 金属放射性医薬品 
   3) 有機放射性医薬品 
   4) タンパク質・ペプチド・血球標識放射性医薬品 
   5) 99mTc の化学と標識化合物 
  E. 放射性ヨウ素化合物の合成  
  F. 11C 標識化合物の合成  
  G. 18F 標識化合物の合成 
 3 標識化合物の純度,安定性,保存 
   1) 純 度 
   2) 分 解(安定性) 
   3) 保 存 
7 章 放射性物質の薬学領域への応用 
 1 トレーサ実験  
  A. トレーサの条件  
  B. ラジオトレーサの留意点  
  C. 応 用 
 2 同位体希釈分析 
  A. 直接希釈法 
  B. 逆希釈法(間接希釈法) 
  C. 二重希釈法 
  D. その他  
 3 放射化分析  
  A. 放射化分析の原理 
  B. 即発γ 線分析の原理 
  C. 放射化分析の応用例 
 4 ラジオアッセイ  
  A. ラジオイムノアッセイ  
   1) 競合法 
   2) イムノラジオメトリックアッセイ(IRMA) 
   3) 抗体量測定法  
   4) ラジオアッセイの応用  
  B. ラジオレセプタアッセイ(RRA)  
  C. 競合的タンパク結合測定法(CPBA)  
  D. その他の測定法  
  E. ラジオアッセイの利点と欠点  
 5 オートラジオグラフィ  
  A. ARG の分類  
   1) マクロオートラジオグラフィ(肉眼的レベル)  
   2) ミクロオートラジオグラフィ(光学顕微鏡レベル)  
   3) 超ミクロオートラジオグラフィ(電子顕微鏡レベル) 
   4) 飛跡(トラック)オートラジオグラフィ 
  B. ARG の感度および解像度  
   1) 感度および解像度  
   2) カブリと退行  
   3) 定 量  
  C. イメージングプレートを用いるARG  
  D. 中性子ラジオグラフィ  
 6 薬物動態,薬物代謝研究への応用  
  A. トレーサ 
  B. 薬物動態・代謝研究における利用法 
   1) in vivo における薬物動態解析 
   2) in vitro における薬物代謝反応および速度解析 
   3) in vitro における薬物輸送活性の評価  
 7 遺伝子工学,分子生物学への応用  
  A. RI 標識核酸を用いた研究手法  
   1) サザンブロット法  
   2) ノーザンブロット法  
   3) in situ ハイブリダイゼーション  
   4) ゲルシフトアッセイ  
  B. RI 標識ヌクレオチドを用いた研究手法  
   1) キナーゼアッセイ  
   2) G タンパク質共役型受容体(GPCR)の活性測定  
  C. RI 標識タンパク質を用いた研究手法  
   1) パルスチェイス法  
   2) 免疫沈降法によるタンパク質間相互作用の解析  
 8 その他の領域への応用  
  A. 有機化学への応用 
  B. 年代測定 
  C. 滅 菌  
  D. X 線分析  
8章 放射性医薬品 
 1 放射性医薬品の分類  
 2 インビボ診断用放射性医薬品の基本事項  
  A. インビボ診断用放射性医薬品の特徴  
  B. インビボ診断用放射性医薬品に用いられる放射性同位元素  
   1) 放出放射線の線質  
   2) 半減期  
   3) γ 線のエネルギー  
  C. インビボ放射性医薬品に用いられる放射性核種の製造  
  D. 核医学イメージング装置  
  E. 放射性医薬品の体内挙動と集積機序  
 3 インビボ診断用放射性医薬品各論  
  A. 脳機能診断薬 
   1) 脳の構造と機能 
   2) 核医学診断の対象となる脳の機能 
   3) 脳循環代謝機能測定剤 
   4) 神経伝達機能測定剤 
   5) 脳内アミロイドイメージング剤 
   6) その他の脳機能測定剤 
  B. 心機能診断薬  
   1) 心臓の構造と機能  
   2) 核医学診断の対象となる心臓の機能  
   3) 心筋血流量測定剤  
   4) エネルギー代謝機能測定剤  
   5) 心筋交感神経機能測定剤  
   6) 心動態シンチグラフィ剤(心RI アンギオグラフィ)  
   7) 心筋梗塞シンチグラフィ剤  
  C. 骨シンチグラフィ剤  
   1) 骨の構造と機能 
   2) 核医学診断の対象となる骨の機能と骨シンチグラフィ剤  
  D. 甲状腺機能測定剤 
   1) 甲状腺の構造と機能 
   2) 核医学診断の対象となる甲状腺の機能と甲状腺機能測定剤 
  E. 腎機能測定剤  
   1) 腎臓の構造と機能  
   2) 核医学診断の対象となる腎臓の機能と腎機能測定剤  
  F. 肺機能測定剤  
   1) 肺の構造と機能  
   2) 核医学診断の対象となる肺の機能と肺機能測定剤 
  G. 腫瘍シンチグラフィ用放射性医薬品  
  H. センチネルリンパ節シンチグラフィ用放射性医薬品  
  I. その他  
 4 核医学治療(インビボ治療)用放射性医薬品  
  A. 核医学治療用放射性医薬品に用いられる放射性同位元素 
  B. 核医学治療用放射性医薬品各論 
 5 インビボ用放射性医薬品の品質管理 
  A. 確認試験  
  B. 純度試験  
   1) 放射性核種純度  
   2) 放射化学的純度  
   3) 化学的純度  
  C. 定量法  
  D. その他の規格試験  
  E. 製剤学的安定性  
  F. 容器および外装  
 6 インビトロ診断用放射性医薬品  
9章 物理的画像診断法とそれに用いる診断薬  
 1 X 線診断法とX 線造影剤  
  A. X 線の発生と制御  
  B. X 線像の検出方法  
   1) X 線フィルム  
   2) イメージ・インテンシファイア(I.I.) 
   3) イメージングプレート(IP)  
   4) フラットパネルディテクタ(FPD)  
  C. X 線検査の種類  
   1) 単純X 線撮影法(X 線検査,レントゲン)  
   2) X 線コンピュータ断層撮影法(X 線CT,CT,CT スキャン)  
  D. X 線造影剤  
   1) 硫酸バリウム  
   2) ヨード造影剤  
 2 MRI 診断法とMRI 用造影剤  
  A. MR 現象と緩和  
  B. MR 信号の検出と位置決定  
  C. MRI 撮影シーケンス  
  D. MRI 用造影剤  
   1) ガドリニウム製剤  
   2) 超常磁性酸化鉄製剤およびその他のMRI用造影剤 
 3 超音波診断法と超音波診断用造影剤 
  A. 超音波診断装置と画像法の概要 
  B. 超音波診断用造影剤  
 4 内視鏡検査  
  A. 分光的内視鏡  
  B. その他の内視鏡  
  C. 内視鏡を利用した代表的な検査法と処置・治療法 
 5 造影剤による副作用  
 6 その他のからだを調べる医用画像法 
   1) サーモグラフィ  
   2) マンモグラフィ  
   3) 骨密度測定 
   4) 光トポグラフィ  
   5) 光干渉断層撮影法(OCT)  
   6) 脳電図(EEG)  
   7) 脳磁図(MEG)  
10章 放射線の防護と管理  
 1 放射線防護  
  A. 放射線防護に用いられる諸量および単位  
  B. 外部被ばくと内部被ばく  
   1) 外部被ばくに対する防護  
   2) 内部被ばくに対する防護  
  C. 日常生活における放射線被ばく  
   1) 宇宙放射線(宇宙線)  
   2) 土壌からの放射線  
   3) 吸入・経口摂取する放射性物質  
   4) 医療被ばく  
 2 国際放射線防護委員会の勧告  
  A. ICRP 勧告の概要  
  B. 災害時における放射線防護  
 3 放射性同位元素等の規制に関する法律(放射性同位元素等規制法またはRI等規制法) 
  A. 放射線および放射性同位元素の定義  
  B. 放射性同位元素等規制法  
   1) 定義と適用範囲および線量限度  
   2) 使用の許可・届出など  
   3) 放射線施設と管理区域  
   4) 取り扱いの基準  
   5) 事業者の義務  
   6) 「下限数量」以下の非密封放射性同位元素の管理区域外使用  
 4 放射線・放射性同位元素の安全取り扱い 
  A. 放射線管理による防護  
   1) 被ばく管理  
   2) 作業環境モニタリング  
   3) 個人の管理  
   4) 教育訓練  
   5) 健康診断  
   6) 放射性廃棄物の処理  
   7) 特定放射性同位元素の防護  
  B. 放射性同位元素の安全取り扱い  
  C. 汚染の除去  
 5 放射性医薬品に関連する医療関係法令 
  A. 医療法・医薬品医療機器等法の構成  
   1) 医療法の構成  
   2) 医療法施行規則第4章 
   3) 医薬品医療機器等法 
  B. 医療法施行規則  
   1) 放射性同位元素: 医則第24条第3号  
   2) 放射性医薬品の定義・届出 
   3) 構造設備基準:医則第30条の8〜第30条の12 
   4) 管理者の義務:医則第30条の13〜第30条の25 
   5) 濃度限度および線量限度:医則第30条の26〜第30条の27 
 6 放射性医薬品による被ばくと管理 
  A. 医療施設における放射性医薬品の安全取り扱い  
   1) 診療用放射線の安全管理体制  
   2) 放射性医薬品の品質管理  
   3) 患者の看護  
   4) 患者の退出基準  
  B. 医療従事者の職業被ばく防護  
   1) 放射線診療従事者の職業被ばく 
   2) 職業被ばくの低減対策 
  C. 患者の医療被ばく防護 
   1) 患者の医療被ばくの特徴 
   2) 医療被ばくにおける放射線利用の正当化 
   3) 患者の防護の最適化 
   4) 診断参考レベル 
   5) 患者の医療被ばくの低減対策 
   6) 患者以外の医療被ばく 
   7) MIRD 法による吸収線量計算 
 7 原子力関連施設の事故と放射線事故対策 
  A. 原子力関連施設の事故  
   1) 原子力関連施設事故と国際原子力事象評価尺度(INES) 
   2) 福島第一原発事故に伴う土壌・海洋・食物汚染と対策 
   3) 主な放出同位元素の体内除去法 
  B. 放射線事故とその対策 
   1) 放射性物質をこぼしたときの対策 
   2) 事故の措置と報告の義務 
  C. 「セーフティ・カルチャー」「ラーニング・カルチャー」の醸成 
付表  
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25 年度改訂版)対応一覧  
参考図書・データサイト 
索 引 

 本書は2003 年に初版が発行されて18 年,改訂第4 版が発行されて5 年が経過し,今回改訂第5 版が出版されることになった.本書は,初版の序でも述べたように,薬学および関連分野の学生諸君が,放射線,放射性同位元素に関連した基本的知識を正しく身につけるための教科書ないしは参考書としてまとめたものである.
 薬学教育においては,薬学基礎教育のより一層の充実,病院・薬局での半年間の実務実習を含めた医療薬学教育の充実を求めて,2006 年4 月から薬学6 年制が始まり15 年が経つ.この間,6 年制の薬学教育は「薬学教育モデル・カリキュラム」および「実務実習モデル・カリキュラム」,さらにその後のコアカリキュラムの統合・改定による「平成25(2013)年度改訂版・薬学教育モデル・カリキュラム」を基盤として実施されている.また最近,教育の一層の充実を目指して,「薬学教育モデル・カリキュラム」のさらなる改定の検討も進められている.
 放射性医薬品についても,最近アルツハイマーに関係するβ アミロイドイメージングや腫瘍に発現する受容体,脳神経終末の再取り込み部位のイメージングをはじめとする核医学診断薬や,β 線放出核種だけでなくα 線放出核種を用いる核医学治療薬を含めて,いくつかの新しい放射性医薬品が製造承認され,放射性医薬品学領域も大きく変化,進展している.
 また,核医学における放射性医薬品の調製や品質管理,薬物動態評価などをはじめとして, 放射性医薬品・放射性物質の取り扱いに習熟した薬剤師を養成し,診療の安全性を向上して社会に貢献することを目的として,放射性医薬品・放射性物質の取り扱いに関する充分な知識と実績を有する薬剤師を核医学認定薬剤師として認定する核医学認定薬剤師制度を2017 年に一般社団法人日本核医学会が発足させ,現在までに約70 名が核医学認定薬剤師として認定されている.薬学分野では,最近の医療の高度化に伴い,専門薬剤師・認定薬剤師の制度がいくつかの分野で設置されているが,核医学認定薬剤師もその背景のもとに発足したものである.なお,専門薬剤師制度を最初に発足させて本制度が最も進んでいる米国では,放射性医薬品を取り扱う薬剤師が専門薬剤師Radiopharmacist として一番初めに制度化され,放射性医薬品の調製や供給管理は病院内に独立した部署(放射性医薬品の薬局:Radiopharmacy)を設け,そこで行われている.
 さらに,2019 年4 月にはわが国の放射線の安全取扱・障害防止に関する基本法である「放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律」(障害防止法)が大きく改正され,これまでの放射性同位元素の使用,販売,賃貸,廃棄その他の取り扱い,放射線発生装置の使用および放射性同位元素によって汚染された物の廃棄その他の取り扱いに加えて,核セキュリティ対策による特定放射性同位元素の防護を目的に追加して,事業所が自主的に責任のある放射線管理を実施してより積極的に放射線安全管理に取り組むことを求めて,法律名も「放射性同位元素等の規制に関する法律」(RI 規制法)として改題する改革がなされた.
 改訂第5 版では,このような背景のもと,さらに最近の学問の進展への対応も含めて,初版の基本方針を踏襲しながら,放射線,放射性同位元素の物理・化学・生物,放射線測定に関する基本項目,放射性医薬品を含めた放射線・放射能の薬学・医療領域への応用,X 線診断法,CT,MRI などの物理学的手法を利用した各種画像診断法,放射線の防護と管理などの項目を中心に,大幅な改訂を含めて,より一層記載を充実させた.また,編集,執筆体制も,現在この領域の教育を実際に担当している先生方に大幅に交替した.さらに,図表においては可能な限りわかりやすいものにし,記述されている事項の理解につながる内容や関連情報を記した「より理解を深めるために」などの項目も充実させて,より理解しやすいように配慮した.
 このように本書は,新しい薬学教育の体系ならびに薬剤師国家試験出題基準に適合するとともに,薬学および関連分野における放射線,放射性同位元素の基礎および応用に関して,学部学生に向けてできるだけ幅広く易しく解説することを心がけたつもりであるが,十分でない点もあろう.本書の内容について,読者諸氏からのご意見,ご指摘は編者,著者にとって極めて貴重なものであり,それらを参考にして,今後さらに充実したものにしたいと願っているので,忌憚のないご意見,ご指摘を積極的にお寄せ下さることをお願いする次第である.
 本書が,放射化学・放射性医薬品学を学ぶ学生諸君に役立ち,薬学および関連分野での放射線,放射性同位元素,放射性医薬品および関連領域の教育・研究の質的向上に少しでも貢献できれば幸いである.
 最後に,本書の執筆にあたり,貴重な資料の提供を快諾していただいた方々のご厚意に心から感謝の意を申し上げたい.さらに,本書の出版に多大なるご努力をいただいた南江堂出版部諸氏に心よりお礼申し上げる.
2021年6月
編者