薬学生のための病態検査学改訂第3版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 三浦雅一 |
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ISBN | : 978-4-524-40357-8 |
発行年月 | : 2018年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 314 |
在庫
定価4,400円(本体4,000円 + 税)
正誤表
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2019年01月22日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
ポイントをおさえた簡潔な記述で、検査項目と病態の両方の視点から臨床検査を学ぶ教科書。薬剤師に必要とされる、臨床検査の数値からその背景にある病態を読み取る力を養うことを目指している。今改訂では、各種情報を更新し検査項目の一部追加を行ったほか、各種検査の意義を具体的に学ぶための症例と、演習問題を新たに収載し、内容のさらなる充実を図った。
第1章 病態検査を理解する上での基礎と検査データの見方
A 病態検査を行うための分析原理と方法
B 検査データの見方
C 検査に用いる検体の種類
D 検体の取扱い,注意点,留意点
第2章 病態検査を行うにあたり必要な検査項目
A 血球検査
A−1 血球
A−2 凝固・線溶系
B 臨床化学検査
B−1 電解質
B−2 糖質・糖質代謝物
B−3 脂質・脂質代謝物
B−4 蛋白・蛋白代謝物
B−5 核酸代謝産物・ビリルビン
B−6 酵素
B−7 骨代謝マーカー
B−8 内分泌検査
C 免疫検査
C−1 免疫血清検査
C−2 自己免疫疾患検査
C−3 感染症
C−4 腫瘍マーカー
D 遺伝子検査
D−1 遺伝子検査の分類
D−2 コンパニオン診断
E 微生物感染症検査
E−1 ヘリコバクター・ピロリ
E−2 耐性菌
E−3 結核菌
E−4 病原体遺伝子検査
F 生理機能検査
F−1 心機能検査
F−2 肺機能検査
F−3 動脈血ガス分析
F−4 バイタルサインを含むフィジカルアセスメント
G 一般検査
G−1 尿検査
G−2 便検査
第3章 主要疾患での病態検査の役割
A 心臓・血管疾患
A−1 不整脈
A−2 心不全
A−3 高血圧
A−4 虚血性心疾患
B 血液疾患
B−1 貧血
B−2 白血病と悪性リンパ腫
B−3 播種性血管内凝固症候群(DIC)
C 消化器疾患
C−1 胃・十二指腸潰瘍
C−2 消化管の悪性腫瘍(胃がん,大腸がん)
C−3 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)
D 肝臓・胆道・膵臓疾患
D−1 肝炎
D−2 肝硬変
D−3 肝がん
D−4 胆石症
D−5 膵炎
D−6 膵がん
E 腎臓・泌尿器疾患
E−1 腎不全
E−2 慢性腎臓病(CKD)
E−3 ネフローゼ症候群
E−4 前立腺疾患
F 呼吸器疾患
F−1 気管支喘息
F−2 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
F−3 肺炎
F−4 肺結核
F−5 肺がん
G 内分泌・栄養・代謝疾患
G−1 甲状腺機能異常症
G−2 クッシング症候群
G−3 尿崩症
G−4 糖尿病
G−5 脂質異常症
G−6 高尿酸血症・痛風
G−7 骨粗鬆症
H 脳・中枢神経疾患
H−1 脳血管障害
H−2 パーキンソン病
H−3 アルツハイマー病
H−4 髄膜炎・脳炎
I 免疫疾患
I−1 関節リウマチ
I−2 アレルギー性疾患
I−3 膠原病および関連疾患
I−4 後天性免疫不全症候群(AIDS)
第4章 病態検査の意義をみる症例
がん
脳血管障害
糖尿病
精神神経疾患
心疾患
免疫・アレルギー性疾患
高血圧症
感染症
第5章 病態検査に関する演習問題
演習問題
解答・解説
略語一覧
検査値一覧
参考文献
索引
改訂第3版の序文
2009年に初版を刊行し9年目を迎え、今回で改訂第3版となった。本書は、薬学生向けの病態検査(臨床検査)学の教科書として絶えず最新の情報を網羅・収載して、編集を行ってきた。また、読者からのご意見を反映しつつ改良を重ね、この領域の先頭を走っているという自負がある。これはひとえに、読者である薬学部学生や教員などの皆さまから貴重なご意見をお寄せいただいたおかげであると思う。改めて本書を愛読していただいた読者に心から感謝申し上げる。
今回の改訂点を以下に示す。
1)検査項目の追加:前回の改訂が行われた2014年以降に新規に保険収載された項目や検査測定法の変更・追加、および薬学教育において必要と思われる項目は追加記載した。
2)今回の改訂では、「検体の取扱い、注意点、留意点」「遺伝子検査」「内分泌・栄養・代謝疾患クッシング症候群」「内分泌・栄養・代謝疾患 尿崩症」の項目を新たに設けた。
3)2013年度に改訂された薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した実務実習では、公平で幅広く参加・体験できる実習を目的として、すべての実習生がどの施設でも標準的な疾患について広く学べるように代表的な8疾患(がん、高血圧症、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー性疾患、感染症)が提示された。本書では、その代表的な8疾患に関して、検査データをベースにした「病態検査の意義をみる症例」をそれぞれ取り上げた。これらの症例を理解することで、実践的な臨床対応能力を身につけることができるようにした。
4)本書での知識の整理と復習ができるよう「病態検査に関する演習問題」を追加したので、日常の学習や実務実習事前学習など大学での臨床準備教育にも役立ててほしい。
医療が高度に進んだ現在、薬剤師に求められる臨床検査の能力とは、薬物治療の効果や安全性の検証のための臨床検査データを読む力、すなわち病態解析能力である。臨床検査は日々の診療に不可欠なものであると同時に、患者についての重要な情報を薬剤師にも提供してくれる。
法改正により薬局などでも生化学検査が行える検体測定室の設置が増加している。健康寿命の延伸のため社会が求める、かかりつけ薬剤師・薬局への期待も大きい。
本書では、臨床医やメディカルスタッフとのコミュニケーションにおける「共通語」である臨床検査項目の基礎や特徴、そして主要疾患での臨床検査の役割を学び、病態解析の糸口となる知識を総合的に身につけてほしい。
おわりに執筆者の各位に感謝するとともに、出版にご尽力いただいた南江堂の諸氏に謝意を表する。
2018年10月
三浦雅一