教科書

パートナーシリーズ

パートナー薬理学改訂第3版

編集 : 石井邦雄/栗原順一/田中芳夫
ISBN : 978-4-524-40352-3
発行年月 : 2019年2月
判型 : B5
ページ数 : 596

在庫あり

定価7,150円(本体6,500円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

1991年刊行のIE薬理学を前身とし、時代に合わせて改訂を重ねてきた歴史ある薬理学の名著。なめらかでわかりやすい表現により、初学者でも迷うことなく薬理学の基本的原理を身につけられる。今版では各領域に薬の作用点マップ(薬の作用点の概略を示す簡易図)を追加。外から見ると同じ効き方をする薬の作用機序の違いがひと目で理解できるようになった。

第1章 薬理学総論
 1.薬理学の定義
 2.薬理作用の分類
 3.薬物の体内動態
 4.薬物の作用機序
第2章 自律神経系に作用する薬物
 1.自律神経系の形態と機能
 2.神経興奮の化学伝達
 3.自律神経支配と受容体
 4.交感神経系に作用する薬物
 5.副交感神経系に作用する薬物
 6.自律神経節に作用する薬物
第3章 体性神経系に作用する薬物
 3−1.末梢性筋弛緩薬
  1.神経筋遮断薬と抗クラーレ薬
  2.骨格筋の筋小胞体に作用する薬物
  3.運動神経に作用する薬物
 3−2.局所麻酔薬
  1.局所麻酔作用と痛覚伝導路
  2.局所麻酔薬
第4章 中枢神経系に作用する薬物
 1.中枢神経系の形態と機能
 2.全身麻酔薬
 3.催眠薬
 4.鎮痛薬
 5.抗てんかん薬
 6.向精神薬
 7.中枢性筋弛緩薬
 8.抗パーキンソン病薬
 9.脳循環・代謝改善薬
 10.認知症治療薬
 11.中枢興奮薬
第5章 心臓・血管系に作用する薬物
 1.心臓・血管系の生理
 2.心不全治療薬
 3.抗不整脈薬
 4.抗狭心症薬
 5.末梢循環改善薬
 6.抗高血圧薬
 7.昇圧薬
第6章 腎臓に作用する薬物
 1.体液の調節
 2.腎臓の生理的機能
 3.利尿薬
 4.電解質平衡異常治療薬
第7章 泌尿器・生殖器系に作用する薬物
 1.泌尿器系に作用する薬物
 2.生殖器系に作用する薬物
第8章 血液・造血器系に作用する薬物
 1.血液凝固・線溶系の生理
 2.止血薬
 3.抗血栓薬
 4.造血薬
 5.輸液剤
第9章 呼吸器系に作用する薬物
 1.呼吸の生理
 2.呼吸障害改善薬
 3.鎮咳薬
 4.去痰薬
 5.気管支喘息治療薬
 6.慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬
 7.間質性肺炎治療薬
第10章 消化器系に作用する薬物
 1.消化器系の機能調節
 2.健胃・消化薬
 3.消化性潰瘍治療薬
 4.催吐薬,制吐薬
 5.腸に作用する薬物
 6.利胆薬
 7.肝臓に作用する薬物
 8.膵臓に作用する薬物
 9.鎮痙薬
第11章 感覚器に作用する薬物
 1.眼科用薬
 2.抗めまい薬
第12章 皮膚に作用する薬物
 1.収斂薬
 2.褥瘡治療薬
 3.尋常性ざ瘡治療薬
 4.角化症・乾癬治療薬
 5.その他
第13章 炎症およびアレルギーに作用する薬物
 1.炎症反応
 2.オータコイド
 3.抗炎症薬
 4.抗リウマチ薬
 5.アレルギー疾患治療薬
第14章 免疫系に作用する薬物
 1.免疫系の概観
 2.免疫抑制薬
 3.免疫チェックポイント阻害薬
 4.免疫強化薬
 5.ワクチンおよびトキソイド
第15章 代謝系に作用する薬物
 1.ホルモン概論
 2.糖尿病治療薬
 3.脂質異常症(高脂血症)治療薬
 4.痛風・高尿酸血症治療薬
 5.カルシウム代謝調節・骨代謝関連薬
 6.その他のホルモン関連薬
第16章 病原性微生物に作用する薬物
 1.病原性微生物と感染症
 2.抗菌スペクトル
 3.耐性菌
 4.抗菌薬の作用機序
 5.抗生物質
 6.合成抗菌薬
 7.抗結核薬
 8.抗真菌薬
 9.抗ウイルス薬
第17章 悪性腫瘍に作用する薬物
 1.がんの病因
 2.細胞傷害性抗悪性腫瘍薬の一般原理
 3.抗悪性腫瘍薬
 4.抗悪性腫瘍薬に対する耐性
 5.併用療法
 6.抗悪性腫瘍薬の副作用と対策:嘔吐と骨髄抑制の調節
第18章 解毒薬
 1.未吸収薬毒物の吸収阻害に使用される薬物
 2.吸収された薬毒物の排泄促進に使用される薬物
 3.解毒薬・拮抗薬
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
和文索引
欧文索引

改訂第3版の序

 パートナーシリーズの1冊として2007年に刊行された本書は、1991年に刊行された「IE(Integrated Essentials)薬理学」を前身とした薬理学の教科書である。初版の刊行は薬学教育の主体が4年制から6年制に移行した直後であったが、時代が変遷しても薬理学の本質は変わらないとの考えから、「IE薬理学」の編集方針が継承された。その後、6年制薬学教育における「医療薬学」の重視という潮流に沿って2013年に刊行された改訂第2版では、初版時に割愛された抗病原微生物薬と抗悪性腫瘍薬を、それぞれ病原性微生物に作用する薬物と悪性腫瘍に作用する薬物として復活させた。その理由は、これらの薬物は医療現場における使用頻度が高く、それらの適正使用に欠くことのできない薬理学的基盤を本書でも論及する必要があると判断したからであった。また、読者からの要望に基づいた改訂でもあった。
 6年制薬学教育の基盤となる「薬学教育モデル・コアカリキュラム(コアカリ)」は、本書の改訂第2版の刊行とほぼ時を同じくして改訂され、2015年度から適用された。今回は、その改訂コアカリに準拠した新しいカリキュラムが4年次まで進行したタイミングでの約5年ぶりの改訂作業となった。コアカリへの対応については、前回の本書の改訂では薬理学という学問体系との両立に苦慮した部分があったが、改訂コアカリでは薬理学の大部分が病態・薬物治療学と一体化されたため、「薬理学を理解するために必要となる生理学、生化学、病態学などの知識を可能な限り記述するように努める」という「IE薬理学」から継承した本書の編集方針は、改訂コアカリの趣旨に沿ったものであると考えている。
 今回の改訂にあたっては、本書の基本方針や改訂第2版の章構成を踏襲した上で、医療薬学における薬理学という位置づけに配慮しつつ、学問領域における新知見の追加、医薬品情報の更新や新薬の追加、重複あるいは欠落部分の調整や補填を行った。また、一部の内容については若手の執筆者への引き継ぎを行ったが、その際に旧原稿の活用をご快諾いただいた前執筆者の皆様には心よりお礼申し上げる。さらに、文章よりも視覚的な情報を好む傾向のある最近の学生のニーズに鑑み、薬理作用や作用点・作用機序をまとめた図をあらたに作成し、学生の理解の一助とした。ただし、学生の文字離れを助長しないために、従来から本書の優れた点として挙げられていた本文の通読性を保持するように注意を払った。「IE薬理学」から継承されている「薬理学に初めて接する学生が、その基本的原理を正確に理解しやすいようにすることを第一に心がける」という理念に基づいたこれらの工夫により、本書が真に学生の良きパートナーとなることを願っている。薬理学や関連分野の教育に携わる方々からも、本改訂版の内容の改善すべき点など、お気づきの点をご教示いただけたら幸いである。
 末筆ながら、本改訂版の出版にあたって多大なご尽力をいただいた南江堂編集部の岩崎公希、村上徳治の両氏に深謝する。

2019年1月
編集者 石井邦雄、栗原順一、田中芳夫