教科書

薬系薬理学書

編集 : 立川英一/田野中浩一/弘瀬雅教
ISBN : 978-4-524-40329-5
発行年月 : 2018年7月
判型 : B5
ページ数 : 742

在庫あり

定価8,800円(本体8,000円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)準拠の標準的な薬理学の教科書。臨床でよく使用される薬物、国家試験に出題されやすい内容について重点的に解説。初学者に優しい充実した用語解説、読み取り方まで丁寧に解説した模式図が特徴。基本事項から高度な内容まで網羅し、独自学習にも最適な一冊。

第1部 総論
 1章 薬理学の基礎
  1 薬理学とは
  2 薬と薬理学の歴史
  3 薬の開発
 2章 薬物作用の基本
  1 薬物の作用様式(薬理作用)
  2 細胞情報伝達系と受容体
  3 薬物の作用に影響を与える生体の要因
  4 薬物の生体内での動態(薬の運命)
  5 薬物相互作用
  6 バイオ医薬品と分子標的薬
  7 薬理遺伝学
  8 オータコイドと関連薬
第2部 薬物の作用
 3章 自律神経系薬理
  1 自律神経系の構造と機能
  2 交感神経系に作用する薬物
  3 副交感神経系に作用する薬物
  4 自律神経節に作用する薬物
 4章 体性神経系薬理
  1 神経筋接合部の構造と機能
  2 運動神経系に作用する薬物
  3 感覚の伝導のしくみ
  4 知覚神経系に作用する薬物
 5章 中枢神経系薬理
  1 中枢神経系の構造と機能
  2 全身麻酔薬
  3 催眠薬
  4 向精神薬
  5 抗てんかん薬
  6 パーキンソン病治療薬
  7 中枢性筋弛緩薬
  8 鎮痛薬
  9 アルコール類
  10 中枢興奮薬
  11 脳循環改善薬・脳神経賦活薬と脳内出血の治療薬
  12 抗認知症薬
  13 片頭痛の治療薬
 6章 感覚器系薬理
  1 眼の構造と機能
  2 散瞳薬と縮瞳薬
  3 緑内障治療薬
  4 白内障治療薬
  5 加齢黄斑変性治療薬
  6 その他の点眼薬
  7 皮膚の構造と機能
  8 アトピー性皮膚炎治療
  9 皮膚真菌症治療薬
  10 褥瘡治療薬
  11 角化症・乾癬治療薬,尋常性白斑治療薬,その他の皮膚作用薬
  12 耳鼻の構造と機能
  13 めまいの治療薬
 7章 内分泌系薬理
  1 内分泌系総論
  2 視床下部-下垂体ホルモンと薬物
  3 甲状腺ホルモンと薬物
  4 副甲状腺(上皮小体)ホルモンと薬物
  5 活性型ビタミンD3誘導体
  7 副腎ホルモンと薬物
  8 性ホルモンと薬物
 8章 抗炎症薬と免疫抑制薬
  1 炎症の病態
  2 抗炎症薬
  3 免疫と疾患
  4 アレルギー治療薬
  5 免疫抑制薬
  6 免疫増強薬
  7 関節リウマチ治療薬
 9章 消化器系薬理
  1 消化器系の構造と機能
  2 健胃・消化薬
  3 消化性潰瘍治療薬
  4 催吐・制吐薬
  5 瀉下・瀉止薬
  6 潰瘍性大腸炎およびクローン病の治療薬
  7 過敏性腸症候群治療薬
  8 肝臓・胆道・膵臓に作用する薬物
 10章 呼吸器系薬理
  1 呼吸器系の構造と機能
  2 鎮咳薬
  3 去痰薬
  4 気管支拡張薬
  5 呼吸興奮薬(呼吸刺激薬)
  6 肺線維症の治療に用いられる薬物
  7 その他の肺疾患に用いられる薬物
 11章 循環器系薬理
  1 循環器系の構造と機能
  2 抗不整脈薬
  3 心不全治療薬
  4 虚血性心疾患治療薬
  5 高血圧症治療薬
  6 低血圧症治療薬
  7 末梢循環改善薬
 12章 代謝系薬理
  1 糖尿病治療薬
  2 脂質異常症治療薬
  3 高尿酸血症・痛風治療薬
  4 骨粗鬆症治療薬
  5 Ca2+代謝異常に伴う骨組織での疾患の治療薬
 13章 泌尿器系薬理
  1 尿路系の構造と機能
  2 腎臓に作用する薬物
  3 膀胱の活動に作用する薬物
  4 急性,慢性腎不全治療薬
  5 ネフローゼ症候群治療薬
  6 慢性腎臓病
  7 糸球体腎炎
  8 薬剤性腎障害
  9 膀胱炎
  10 腎盂腎炎
  11 尿路結石
 14章 血液系薬理
  1 血液の生理
  2 貧血治療薬
  3 止血薬
  4 抗血栓薬
  5 播種性血管内凝固症候群(DIC)およびその治療薬
 15章 化学療法薬
  1 化学療法薬の概要
  2 感染症に作用する薬物
  3 抗悪性腫瘍薬
 16章 消毒薬
索引

序文

 サイエンスは日々めざましく進歩している。それは薬学分野においても例外ではなく、新しい薬が絶えず誕生し、副作用の強い薬は新薬に取って代わられている。一方で、新たな薬理作用が明らかにされ臨床応用が拡大される薬物もある。薬学教育も変化している。2013年に「薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)」(改訂コアカリ)が作成され、2015年4月より各大学で新しいカリキュラムが開始された。薬学教育はこれまで以上に臨床を重視する内容へとシフトした。
 このような背景のもと、改訂コアカリに準拠し、最新の知識を盛り込んだ新しい薬理学の教科書として本書を企画した。本書は、各専門分野にて第一線で活躍される先生方に、丁寧でわかりやすい解説をしていただいた“薬学生ならびに薬剤師のための薬理学書”である。
 薬理学は、“薬物の生体への作用”と“生体の薬物への作用”、すなわち“生体と薬物の相互作用”を習得する学問であり、薬学基礎と薬学臨床の架け橋となるきわめて重要な科目である。薬理学を理解するために必要となる基礎知識は多い。「形態学(解剖学)」で学ぶ生体の構造的基礎、「生化学」で学ぶ生体組成・代謝・エネルギー、「機能学(生理学)」で学ぶ正常な生体の働き、そして「病態生理学」で学ぶ異常となった生体の機能や形態である。そしてこれらを学習したうえで、『薬理学』では異常な機能を抑制したり、弱まった機能を高めたり、組織を修復したりして生体の働きを正常に戻す薬物の作用を学び、疾病治療のための薬物療法の基本を習得する。そのうえではじめて薬学臨床へと進むことができる。そのため薬理学の知識は、単に薬学基礎にとどまらず、臨床の各分野においても必須である。
 そこで本書では、薬理学の理解にかかせない「形態学」「機能学」「病態生理学」などの基礎知識を盛り込み、さらに改訂コアカリに記載されている疾患についても紙数の許す限り解説した。やや高度な内容や、重要ではあるものの解説の流れから立ち止まるような内容についてはコラムとしてまとめた。これにより、初学者からもう一度学び直したい薬剤師まで、すべての読者に役立つ教科書となったと自負している。本書を手に取った薬学生ならびに薬剤師の方々が薬理学への興味を一層深めていただければ、編者にとってこのうえない喜びである。
 最後に、本書を刊行するにあたって、多大なご尽力とご協力をいただいた(株)南江堂の岩ア公希氏、北島詩織氏、飯島純子氏、横井信氏に心よりお礼を申し上げる。

平成30年6月
編者を代表して立川英一