パートナーシリーズ
パートナー薬剤学改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 寺田勝英/伊藤智夫 |
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ISBN | : 978-4-524-40289-2 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 428 |
在庫
定価6,820円(本体6,200円 + 税)
サポート情報
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2015年03月12日
改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応表
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
薬剤学のスタンダードな教科書。物理薬剤学、製剤学、生物薬剤学、薬物速度論、調剤学を網羅し、1冊で薬剤学のすべてが学習できる構成。本文中には理解の助けとなるよう適宜CBTレベル・薬剤師国家試験レベルを意識した「例題」を掲載。今改訂では日本薬局方第十六改正に対応したほか、調剤学分野の章を一新するなど最新の基準、知見等を取り入れた。
序章 医薬品と薬剤学
1.薬剤学とは
2.医薬品開発における薬剤学の役割
3.医薬品の有効かつ安全な使用に対する薬剤学の役割
4.薬物相互作用
第1章 医薬品開発と製造・管理
1.リード化合物の探索
A 受容体と酵素
B 受容体技術
C 機能アッセイ
D 作用機作に基づく薬物探索
E ゲノム創薬科学
F 組換え体医薬品−遺伝子組換え製剤
G 特許
2.前臨床試験
1)製造法の開発
2)物性研究と製剤化研究
3)薬効薬理試験
4)薬物動態試験
5)毒性試験
3.臨床試験
A ヘルシンキ宣言とGCP
B 臨床試験の概要
1)第I相臨床試験(フェーズI)
2)第II相臨床試験(フェーズII)
3)第III相臨床試験(フェーズIII)
C 申請から発売まで
4.市販後調査
1)第IV相臨床試験(フェーズIV)
2)医薬品の再審査・再評価
3)GPSP(Good Post-Marketing Study Practice)
4)GVP(Good Vigilance Practice)
5.医薬品の製造・管理
A 医薬品の製造と品質保証
B 品質管理のためのGMPとバリデーション
第2章 製剤材料の性質と製剤特性
1.粒子と粉体の性質
A 粒子径と表面積
1)粒子径測定法
a)顕微鏡法
b)ふるい分け法
c)コールターカウンター法
d)沈降法
e)透過法
f)吸着法
B 粉末の性質
1)流動性
2)流動性の改善方法
3)充てん性
4)混合性
5)吸湿性
C 粒子内の分子配列
1)結晶多形、溶媒和物、非晶質
2)結晶多形、溶媒和物、非晶質の確認方法
a)粉末X線回折法
b)熱分析法
c)赤外吸収スペクトル法
2.医薬品の溶解現象
A 固体医薬品の溶解度
B 崩壊と溶解
1)ぬれ
2)崩壊
3)溶解速度
a)表面積一定条件での溶解速度
b)溶解にともない表面積が変化する場合の溶解速度
c)放出制御製剤からの医薬品の溶出
4)弱酸性および弱塩基性医薬品の溶解
5)pHと溶解度
C 溶解に影響する因子
1)結晶多形
2)非晶質
3)水和物と無水物
4)粒子径
5)複合体形成
6)混合溶媒
7)塩および共沈物
8)プロドラッグ
3.界面現象と分散系
A 表面(界面)張力と界面活性
1)表面張力
2)界面活性と表面張力の変化
3)Gibbsの吸着式
4)ミセル形成と臨界ミセル濃度
B 界面活性剤
1)界面活性剤の種類
2)HLB
3)機能・特性
C 界面活性剤溶液の性質
1)ミセル形成による溶液特性の変化
2)曇点
3)クラフト点
D 乳化
1)乳化と乳剤
2)乳剤の安定性
E サスペンション、コロイド
1)サスペンション
2)コロイド
3)コロイドの分散、凝集
4.レオロジー
A レオロジーの基礎
B 非ニュートン流動(非粘性流動)
1)非ニュートン流動の流動特性
2)チキソ卜ロピー
3)粘弾性モデル
5.反応速度論と医薬品安定性
A 反応速度と反応次数
1)1次反応、擬1次反応
2)0次反応、2次反応
3)積分型速度式
4)半減期
5)併発反応、逐次反応
a)併発反応
b)逐次反応
c)可逆反応
B 反応速度に影響する因子
1)温度
2)pH
3)イオン強度、誘電率
C 医薬品の安定化
1)分子レベルでの安定化
2)安定化を目的とした製剤化
3)吸湿
第3章 製剤の設計と製造
1.剤形と日本薬局方製剤総則
A 製剤通則
B 日本薬局方(日局16)に収載されている剤形と定義
C 剤形の分類と貯法
D 製剤に関する試験法
2.固形製剤
A 経口投与する製剤
1)錠剤
2)カプセル剤
3)顆粒剤
4)散剤
5)丸剤
B 口腔内に適用する製剤
1)口腔用錠剤
a)トローチ剤
C 固形製剤の単位操作
1)粉砕
2)分級
3)混合
4)造粒
5)製錠
6)打錠時のトラブル
7)コーティング
a)コーティングの目的
b)コーティング錠剤の分類
3.半固形製剤
A 各種剤形
1)軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤とその関連製剤
2)貼付剤
3)坐剤、腔用坐剤とその関連製剤
a)全身作用を目的とする坐剤
b)局所作用を目的とする坐剤
B 基剤とその原料
1)基剤の選択
a)製剤の使用目的と適応症
b)薬剤学的配合性
2)軟膏基剤
a)油脂性基剤
b)水溶性基剤
3)クリーム基剤
4)ゲル基剤
5)坐剤基剤
a)油脂性基剤
b)水溶性基剤
c)乳剤性基剤
6)添加剤
a)乳化剤
b)保存剤
C 製法
1)軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤
2)貼付剤
3)坐剤、膣用坐剤
D 試験法
1)ペネトロメーター(針入度計)
2)カードテンションメーター
3)スプレッドメーター
4.種々の製剤
A シロップ剤
1)シロップ剤
a)シロップ用剤
B その他の経口投与する製剤
1)経口液剤
2)経口ゼリー剤
C 口腔内に適用する製剤
D 吸入剤
1)吸入エアゾール剤
2)吸入粉末剤
3)吸入液剤
4)吸入剤の特徴
E 耳、鼻に適用する製剤
F 皮膚などに適用する製剤
G 生薬関連製剤
1)エキス剤、流エキス剤、浸剤・煎剤、チンキ剤
2)芳香水剤、酒精剤
3)茶剤
5.無菌製剤
A 無菌製剤に必要な要件
1)浸透圧
a)浸透圧の調節(等張化)
b)浸透圧の測定
2)pH
3)無菌製剤の環境・設備
a)無菌室
b)滅菌
c)発熱性物質
d)注射用水
B 注射剤
1)分類
2)調製
a)溶剤
b)添加剤
c)容器と投与器具
d)製法
3)試験法
a)注射剤
b)溶剤
c)容器
C 輸液剤
D 埋め込み注射剤
E 持続性注射剤
F 透析用剤
1)腹膜透析用剤
2)血液透析用剤
G 点眼剤
1)分類
2)調製
a)溶剤
b)添加剤
3)試験法
4)容器
H 眼軟膏剤
1)製法
2)試験法
3)容器
I 消毒剤
6.製剤添加物
A 添加剤の分類
B 剤形別の代表的な添加剤
1)経口固形製剤
a)賦形剤
b)結合剤
c)崩壊剤
d)滑沢剤
e)コーティング剤
2)注射剤
a)溶剤
b)等張化剤
c)pH調節剤
d)無痛化剤
3)外用剤
a)基剤
4)その他
a)着色剤
b)懸濁化剤
c)乳化剤
d)溶解補助剤
C 新機能の添加剤
D 添加剤の規制
7.製剤の試験法
A 経口製剤に関係する主な製剤試験法
1)製剤均一性試験法
a)含量均一性試験
b)質量偏差試験
2)製剤の粒度の試験法
3)崩壊試験法
4)溶出試験法
a)試験装置
b)試験液
c)試験時間
d)判定
B 無菌製剤に関係する主な製剤試験法
1)無菌試験法
2)エンドトキシン試験法
3)発熱性物質試験法
4)浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)
5)注射剤の採取容量試験法
6)注射剤用ガラス容器試験法
C その他の主な製剤試験法
1)錠剤に対する試験法
a)硬度試験
b)摩損度試験
2)軟膏剤に対する試験法
a)稠度試験
8.包装、容器
A 医薬品包装・容器の目的
B 品質に影響を与える外的要因
1)外的劣化要因
2)容器
a)容器の種類
C 主な剤形の包装形態
1)内用剤・外用剤
a)PTP
b)SP
c)バラ包装
d)分包品
e)ピロ一包装
f)チューブおよびジャー
g)坐剤の包装
h)点眼剤の容器
2)注射剤・輸液の容器
a)アンプル
b)バイアル
c)輸液の容器
d)キット製品
第4章 生物薬剤学と体内動態
1.生体膜の構造と薬物の生体膜透過機能
A 生体膜の構造
B 生体膜の透過機構
1)受動拡散(単純拡散)
2)担体輸送
a)能動輸送
b)促進拡散
c)担体輸送の輸送速度
3)膜動輸送(サイトーシス)
C 非撹拌水層
2.薬物の吸収
A 消化管からの吸収
1)口腔
2)胃
3)小腸
4)大腸
B 吸収に影響を及ぼす薬物側の要因
1)薬物の脂溶性および分子サイズ
2)粒子径
3)結晶形
4)塩形成
5)消化管内における安定性
6)その他
C 吸収に影響を及ぼす生体側の要因
1)胃内容排出速度
2)食事の影響
D 吸収における薬物相互作用
1)消化管内pH変動を介した相互作用
2)吸着による吸収阻害
3)キレート形成による吸収阻害
4)排出輸送担体の誘導による吸収低下
E 消化管以外からの薬物吸収
1)経鼻吸収
2)経肺吸収
3)眼内への吸収
4)経度吸収
5)注射
3.薬物の分布
A 血管内から血管外への薬物の移行
B 血流量
C リンパ系への薬物移行
D 血漿タンパク結合
E 血漿タンパク質
F タンパク結合の理論的解析
G 血漿タンパク結合・組織結合と分布容積
H 血漿タンパク結合に影響を浸ぼす要因
1)薬物濃度
2)病態時における変化
3)種差
4)薬物相互作用
I 血液組織関門
1)血液脳関門と血液脳脊髄液関門
2)血液脳関門(BBB)の薬物透過
3)栄養物質の担体介在輸送と薬物輸送
4)血液脳関門排出輸送
5)生理活性ペプチドなどの高分子化合物の脳移行性
6)血液脳脊髄液関門(BCSFB)を介した輸送
7)血液網膜関門(BRB)
8)血液胎盤関門
4.薬物の代謝
A 薬物代謝の反応
1)第I相反応
a)酸化
b)還元
c)加水分解
2)第II相反応
B 代謝過程における薬物相互作用
1)CYPが関係した薬物相互作用
a)同じCYP分子種で代謝される薬物相互作用
b)CYPのヘム鉄に配位することによる薬物相互作用
c)代謝物がCYPと複合体を形成することによる薬物相互作用
d)酵素誘導によりCYPが増加することによる薬物相互作用
2)CYP以外の代謝酵素が関係する薬物相互作用
C 代謝酵素の遺伝子多型
1)CYPの遺伝子多型
2)CYP以外の代謝酵素の遺伝子多型
a)抱合代謝酵素
b)その他の代謝酵素
D 初回通過効果
5.薬物の排泄
A 腎排泄
1)腎臓の構造と機能
2)糸球体濾過
3)腎クリアランス
4)尿細管上皮細胞における再吸収、分泌と尿中排泄速度との関係
5)薬物の腎排泄
a)薬物の糸球体濾過
b)薬物の尿細管分泌
c)薬物の原細管分泌における薬物間相互作用
d)薬物の再吸収
B 胆汁中排泄
1)肝臓の構造と機能
2)胆汁生成とその成分
3)腸肝循環
4)薬物の胆汁中排泄
a)薬物の胆汁中排泄に関与する取り込み輸送担体
b)薬物の胆汁中排泄に関与する排泄輸送担体
C その他の排泄
a)唾液中排泄
b)肺からの排泄
c)母乳への分泌(母乳を介した乳幼児への薬物移行)
6.加齢および病態と薬物動態
A 加齢と薬物動態
1)新生児、乳児、小児における薬物動態変動
a)薬物吸収の変化
b)体内分布の変化
c)薬物代謝能の変化
d)腎排泄能の変化
2)高齢者における薬物動態変動
a)薬物吸収の変化
b)体内分布の変化
c)薬物代謝能の変化
d)腎排泄能の変化
B 妊娠と薬物動態
C 病態と薬物動態
1)肝疾患時の薬物動態
a)肝クリアランス
2)肝移植時の薬物動態
3)腎摸患時の薬物動態
a)血漿タンパク結合の変化
b)クレアチニンクリアランスの変化
4)心不全時の薬物動態
5)炎症疾患時の薬物動態
7.ドラッグデリバリーシステム(DDS)
A DDSの必要性および定義
B 放出制御型システム
1)放出制御型システムの形態と放出理論
a)貯蔵層(リザーバー)型システム
b)マトリックス型システム
c)侵食型システム
d)浸透圧型システム
2)放出制御型システムの例
a)経皮吸収型製剤
b)経粘膜吸収型製剤
c)体内埋め込み型製剤
d)経肺吸収型製剤
3)外部エネルギーを用いた放出制御
a)イオントフォレーシス
b)ソノフォレーシス
4)吸収促進剤を用いた放出制御
a)経皮吸収促進剤
b)経粘膜吸収促進剤
c)タンパク質分解酵素阻害剤
C ターゲティングシステム
1)能動的ターゲティング
a)モノクローナル抗体
b)リポタンパク
c)磁気フェライト
2)受動的ターゲティング
a)高分子化
b)微小キャリア
D プロドラッグ
1)定義
2)プロドラッグの目的と作用メカニズム
3)プロドラッグの例
4)アンテドラッグ
E その他のDDS、新しいDDSの潮流
1)核酸医薬品(アンチセンス、トリプルヘリックス、リボザイム、RNA干渉)
2)遺伝子治療
第5章 薬物動態の解析
1.薬物速度論
A 1−コンパートメントモデル
1)急速静注
a)消失速度定数
b)消失半減期
c)分布容積
d)血中濃度−時間曲線下面積
e)全身クリアランス
2)定速静注(点滴静注)
3)一次吸収(経口投与、筋肉注射、皮下注射)
a)最高血中濃度到達時間
b)最高血中濃度
4)尿中排泄データの解析法
5)反復投与(静脈注射、経口投与)
a)蓄積率
b)定常状態平均血中濃度
c)一次吸収過程を含む経路による反復投与
d)蓄積率
e)定常状態平均血中濃度
B モーメン卜解析
1)台形法によるAUC、AUMCの算出
2)1−コンパートメントモデルから得られるパラメータとの対応
3)吸収過程ならびに崩壊・溶出過程の解析
C 生理学的薬物速度論
1)臓器クリアランス
2)固有クリアランス
3)全身クリアランス
4)血中非結合率と分布容積
5)血流律速と代謝律速
6)血液中薬物濃度と血漿中薬物濃度
7)生理学的モデルの組み立て
D 2-コンパートメントモデル
1)2-コンパートメントモデルにおける分布容積
2)他のパラメータの算出
E 非線形薬物速度論
2.生物学的利用能
A 量的バイオアベイラビリティ
B 初回通過効果
C 速度的バイオアベイラビリティ
D 生物学的同等性
3.PK/PD解析
A PK/PD解析の概要
B PK/PDモデル
1)直接反応モデル
2)間接反応モデル
3)薬効コンパートメントモデル
C PK/PD解析の課題
4.TDM
A 臨床薬物動態の基本概念
1)薬物血中濃度と効果および副作用との関係
2)血漿中非結合形薬物濃度を推定するために必要な薬物動態パラメータ
a)バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)
b)分布容積
c)全身クリアランス
d)未変化体尿中排泄率
e)血漿タンパク結合率
B TDMが必要な薬剤
C 最適な採血時間
D 投与設計の実際
E 母集団薬物速度論
第6章 調剤と服薬指導
1.調剤の定義
2.処方せん
A 処方せんの形式
B 処方せんの記載事項
1)患者氏名・年齢
2)医薬品名
3)分量
4)用法・用量(投与日数)
a)用法
b)用量(投与日数)
3.処方用語
4.調剤の順序
5.処方せん鑑査
A 医薬品名、剤形、規格、含量
B 薬用量
1)小児薬用量
2)高齢者薬用量
3)薬用量の調節
C 用法・用量
D 薬物相互作用
1)配合不可
2)配合不適
3)配合注意
6.薬袋・薬札の作成
7.調剤の実際
A 散剤(細粒剤、顆粒剤を含む)の調剤
1)秤量
2)混和
3)分割・包装
4)希釈散
5)調剤に工夫を要する散剤
6)調剤学上の当然の措置
B 錠剤、カプセル剤の調剤
C 内用液剤の調剤
a)目盛投薬調製法の場合
b)整数mL投薬法の場合
1)シロップ剤
2)エリキシル剤
3)液剤の配合変化
D 外用剤の調剤
1)軟膏剤・クリーム剤・ゲル剤
2)貼付剤
3)点眼剤
4)坐剤
5)吸入剤
E 注射剤の調剤
1)注射薬調剤の流れ
2)処方せん(注射薬処方せん)の記載事項
3)計数調剤と計量調剤(無菌調製)
4)無菌調製の環境
5)無菌調製の服装・準備
6)無菌調製の手技
a)アンプル製剤
b)バイアル製剤
c)輸液製剤
d)プレフィルド(薬剤充てん済み)製剤
7)コアリング
8)抗がん薬の無菌調製
8.調剤薬の鑑査(最終鑑査)
A 鑑査の詳細
B 散剤の鑑査
C 液剤の鑑査
D 注射剤の鑑査
9.薬剤交付
10.調剤過誤
A 医療事故と調剤過誤
B 調剤過誤の誘因
1)医薬品名の類似
2)外観の類似
3)個人的要素
C ヒヤリ・ハット事例とインシデントレポート
D 調剤過誤発生時の対応
11.服薬指導
A 服薬指導の目的
B 服薬指導の内容と方法
12.薬歴管理
A 薬剤服用歴管理簿・薬剤管理指導記録に記載すべき項目
B 問題指向型システム(POS)に基づく、SOAP方式による服薬指導の記録
1)問題指向型診療記録
2)SOAP方式による薬歴の記載
C おくすり手帳
13.医薬品の情報
A 医薬品情報(DI)とは
B 医薬品情報活動とは
C 紙(冊子)媒体による医薬品情報の収集
1)製薬企業からの医薬品情報資料
a)医療用医薬品添付文書
b)「使用上の注意」解説書
c)医薬品インタビューフォーム(IF)
d)医療用医薬品製品情報概要(製品情報概要と略称)
e)緊急安全性情報(ドクターレター)
f)「使用上の注意」改訂のお知らせ
g)医薬品安全対策情報
2)厚生労働省からの医薬品情報資料
a)新医薬品承認審査概要
b)医薬品・医療用具等安全性情報
c)厚生労働省緊急安全性情報(緊急FAX情報)
d)新医薬品再審査概要
D インターネットを介した医薬品情報の収集と提供
1)医薬品医療機器情報提供ページ
2)医学文献データベース
3)緊急情報の収集
4)種々の医薬品情報データベース
E 専門書籍からの医薬品情報収集
F 医薬品情報と薬剤師
例題解答
付表
索引
薬学教育6年制が始まった平成18(2006)年、それまで20年以上に渡り薬剤学の教科書として広く使われてきた「IE(Integrated Essentials)薬剤学」を見直し、「薬学教育モデル・コアカリキユラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラム」の内容を網羅するかたちで編集がおこなわれ、その翌年、新たに本書「パートナー薬剤学」が誕生した。
本書は、社会のニーズに応えられる薬剤師、薬学研究者の育成を目指したものであり、基礎専門科目、医療薬学科目との関わり、さらには基礎薬学教育から医療薬学教育への橋渡しとなるようにまとめられている。
生命科学分野の技術の進歩はめざましいものがあり、薬剤学分野では、薬物輸送担体(トランスポーター)に関する情報が爆発的に増えており、今後も新しい薬物輸送担体が発見され、薬物動態への関与が明らかになってゆくものと期待される。薬物代謝酵素や薬物輸送担体の誘導機構が明らかになり、タンパクの誘導が関与する薬物相互作用が理論的に理解できるようになったのも比較的新しい。また、科学技術も著しく進歩しており、新たな製剤技術や分析技術は日進月歩であり、それに伴う新たな製剤や剤形が数多く誕生し臨床で使用されている。
そのような中、平成23(2011)年に日本薬局方が改正され、第十六改正日本薬局方が適用されることとなった。特に製剤総則は大幅に見直しがおこなわれ、各剤形の分類と定義、適用すべき試験の規定が大きく改訂された。
また、平成24(2012)年は、6年制薬学教育を修めた一期生が卒業するとともに新薬剤師国家試験が3月に実施される。出題総数345問のうち薬剤は必須問題15問薬学理論問題15問、薬学実践問題10問というかたちで計40問が出題される。また実務問題を含めるとさらに多くの問題が本書の範囲から出題されることになる。内容の理解とともに、試験に対応できるよう練習問題を随所に取り入れたので大いに活用していただきたい。
本書では、このような最新の情報をできる限り取り込むとともに、改正点については見直しを行い、新しい薬学教育に対応できるように努めた。また、本書は物理薬剤学、製剤学、生物薬剤学、薬物速度論、調剤学を網羅しており、1冊で薬剤学の全てが学習できるように配慮されている。薬学部の学生のみならず、薬剤学を学びなおしたいと考えている薬剤師、医薬情報担当者、医薬品の研究・開発に携わる者にとって本書が「パートナー」として役立てば幸いである。
平成24年3月
寺田勝英
伊藤智夫