疾病と病態生理改訂第3版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 豊島聰 |
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編集 | : 橋本隆男/佐藤隆司/市田公美/辻勉 |
ISBN | : 978-4-524-40274-8 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 462 |
在庫
定価6,600円(本体6,000円 + 税)
サポート情報
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2015年03月12日
改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応表
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
薬剤師として知っておくべき疾病を、病態生理に重点を置いてまとめた教科書。薬学教育モデル・コアカリキュラムC14 薬物治療(1)〜(4)に含まれる疾患に対応。今改訂では新ガイドライン、新知見、新薬に対応したほか、見返しに掲載の「検査値一覧」を拡充。また、図を増やしてより理解しやすい内容とした。
I.総論
A.はじめに
B.症候
1 全身、呼吸器系
a.柊捕
b.発熱
c.発疹
d.呼吸困難
e.咳(咳噺)
2 心血管系
a.共通
b.心停克進・動停
c.高血圧
d.低血圧
e.ショック
f.チアノーゼ
3 消化器系
a.悪心・嘔吐
b.嚇下降古
c.腹痛
d.下痢
e.使紛
f.腹部膨満
g.黄痰
4 腎・泌尿器系
a.脱水・口渇
b.浮腫
c.血尿
d.排尿障害
e.頻尿
5 神経系
a.頭痛
b.意識障害
c.運動障害
d.知覚障古、しびれ
e.記憶障害
f.けいれん
g.めまい
6 血液系およびその他
a.貧血
b.出血傾向
c.月経異常
d.視力障害
e.聴力障害
II.各論
1 消化器疾患
A.消化管系
1 胃炎
2 消化性潰虜
3 大腸炎
a.虚血性大脳炎
b.腸管膜動脈閉鎖抗
c.感染性大J陽炎
d.偽膜性大腸炎
e.急性出血性大腸炎
f.メチシリン|肘性黄色ブドウ球尚!陽炎(MRSA腸炎)
4 過敏性腸症候群
5 炎症性腸疾患
a.潰瘍性大腸炎
b.クローン病
6 虫垂炎
7 痔疾患
a 痔核
b.痔瘻
c.裂肛
B.肝・胆・醇系
1 肝炎(急性・慢性)
a.急性肝炎
b.慢性肝炎
2 劇症肝炎
3 肝硬変
4 脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎
5 急性胆嚢炎
6 胆管炎
7 胆石症
8 膵炎
a.急性膵炎
b.慢性膵炎
2 心臓・血管系疾患
A.心臓・血管系疾患の検査法
a.12誘導心電図
b.運動典荷心電図
c.ホルター心・電図(24時間心電図記録)
d.心エコー法・ドプラー法
e.胸部X線(レントゲン)検査
f.核医学(ラジオアイソトープ)検査
g.心臓カテーテル法
B.心臓および血管系の代表的な疾患
1 不整脈
2 心不全
3 高血圧症
4 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
a.狭心症
b.心筋梗塞
5 動脈硬化、閉塞性動脈硬化症、バージャー病
6 心原性ショック
7 低血圧症
8 血栓症・塞栓症
9 心臓弁膜症
10 感染性心内膜炎
11 肥大型心筋症、拡張型心筋症
12 心筋炎
13 先天性心疾患
3 腎臓・泌尿器疾患
1 腎疾患・泌尿器疾患の検査法
a.腎臓の機能を評価する検査
b.腎臓の障害を評価する検査
c.腎臓の形態異常や器質的病変を評価する検査
2 慢性腎臓病
3 腎不全(急性・慢性)
a.急性腎不全
b.慢性腎不全
4 糸球体腎炎
5 糖尿病(性)腎症
6 ネフローゼ症候群
7 薬物性腎障害
a.薬物性腎障害の分類
b.造影剤による腎障害(造影剤腎症)
c.非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)による腎障害
d.抗菌薬による腎障害
e.抗がん薬による腎障害
£ 抗リウマチ薬による腎障害
g. 免疫抑制薬による腎障害
h.降圧薬による腎障害
i.漢方薬による腎障害
8 尿路感染症
a.腎孟腎炎
b.膀胱炎
c.前立腺縁
d.尿道炎炎
e.精巣ヒ体炎
f.尿路結核症
9 尿路結石
10 前立腺肥大症
4 呼吸器疾患
1 呼吸器機能の検査法
a.スパイロメーター
b.フローボリューム曲線
c.ピークフロー
d.動脈血ガス分析
e.酸塩基平衡
2 急性気管支炎
3 肺炎
4 気管支喘息
5 慢性閉塞性肺疾患
a.慢性気管支炎
b.肺気腫
6 肺真菌症
a.肺カンジダ症
b.アスペルギルス症
c.肺クリプトコックス症
d.肺ムコール章(接合菌症)
7 肺結核
5 内分泌・代謝疾患
1 糖尿病
2 低血糖
3 甲状腺機能元進症/甲状腺機能低下症
a.バセドウ病
b.慢性甲状腺炎
4 副腎皮質機能充進症/副腎皮質機能低下症
a.クッシング症候群
b.先天性副腎過形成症(副腎性器症候群)
c.アジソン病
d.原発性アルドステロン症
5 尿崩症
6 副甲状腺機能元進症/副甲状腺機能低下症
a.副甲状腺機能亢進症
b.副甲状腺機能低下症
7 脂質異常症
a.血漿リポタンパクの種類と特徴
b.リポタンパクの代謝
c.I型高脂血症
d.IIa型高脂血症
e.IIb高脂血症
f.III1型高脂血症
g.IV型高脂血症
h.V型1高脂血症
i.高HDL−C血漿、低HDL−C血漿
8 メタボリックシンドローム
9 高尿酸血症
6 血液・造血器疾患
1 貧血
2 赤血球増多症
3 紫斑病
4 白血球増多症/白血球減少症
5 血友病
6 播種性血管内凝固症候群
7 白血病
8 悪性リンパ腫
7 神経系疾患
1 脳血管障害
a.脳梗塞
b.一過性脳虚血
c.脳(内)出血
d.クモ膜下出血
e.脳血管性認知症
2 脳腫瘍
3 脳炎・髄膜炎
a.脳炎
b.骨髄炎
4 てんかん
5 パーキンソン症候群/パーキンソン病
6 重症筋無力症
7 アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)
8 精神疾患
1 精神疾患の診断基準と疾患分類
2 統合失調症
3 気分障害
4 不安障害
5 心身症
6 薬物依存症
7 アルコール依存症
9 免疫疾患と炎症
1 アレルギー
a.アレルギーの機序と分類
b.アレルギー性疾患
2 アナフィラキシー性ショック
3 炎症
4 自己免疫反応と自己免疫疾患
a.臓器特異的自己免疫疾患
b.臓器非特異的自己免疫疾患
5 免疫不全症
a.原発性免疫不全症
b.エイズ(AIDS)
6 移植免疫
a.移植と拒絶反応
b.移植抗原
c.移植拒絶反応の機序
d.腎移植
e.骨髄移植
f.免疫抑制薬
10 感染症
1 DNAウイルス感染症
a.ヒトヘルペスウイルス感染症
b.ヒトアデノウイルス感染症
c.ヒトパルボウイルス感染症
2 RNA ウイルス感染症
a.インフルエンザ
b.エンテロウイルス感染症
c.ライノウイルス感染症
d.麻疹(はしか)
e.ムンプス(流行ー性耳下腺炎、おたふくかぜ)
3 レト口ウイルス感染症
a.成人T 細胞白血病
b.後天性免疫不全症候群
4 グラム陽性球菌感染症
a.ブドウ球菌感染症
b.レンサ球菌感染症
c.腸球菌感染症
5 グラム陰性球菌感染症
a.淋病
b.髄膜炎菌感染症
6 グラム陽性拝菌感染症
a.破傷風
b.ボツリヌス痕
c.ジフテリア
d 炭痘
e.抗酸菌感染症
7 ラム陰性樟菌感染症
a.大腸菌感染症
b.細菌性亦痢
c.サルモネラ感染症
d.ペスト
e.緑l限菌感染症
f.コレラ
g.腸炎ビブリオ感染症
h.百日咳
i.インフルエンザ菌感染症
j.レジオネラ症
k.ヘリコパクター感染拡
8 その他の原核微生物による感染症
a.マイコプラズマ肺炎(原発性異型肺炎)
b.リケッチア症
c.クラミジア感染症
d.スピロヘータ感染症
9 真菌感染症
a.皮!自立菌症
b.深在性真菌症
10 原虫・寄生虫感染症
a.マラリア
b.赤痢アメーパ症
c.クリプトスポリジウム症
d.アニサキス目定
11 水疱症
11 感覚器疾患
1 白内障
2 緑内障
3 結膜炎
4 網膜症
5 肩桃炎
a.扇桃の機能と構造
b.急性(口蓋)扇桃炎、扇桃周囲炎
c.扇桃周囲炎
d.慢性扇桃炎・扁桃肥大
e.扇桃と病巣感染
6 急性副鼻腔炎
7 鼻茸、慢性副鼻腔炎
8 中耳炎
a.急性中耳炎
b.慢性中耳炎
9 メニエール病
10 突発性難聴
12 骨・関節疾患
1 骨粗鬆症
2 変形性関節症
3 骨軟化症
13 女性生殖器疾患
1 子宮内膜症
2 不妊
3 異常妊娠
a.流産
b.切迫早産
c.妊娠糖尿病
d.妊娠高血圧症候群
4 異常分娩
a.微弱陣痛
b.産科ショック
14 悪性腫瘍
1 食道がん
2 胃がん
3 大腸がん
4 肝がん
5 膵がん
6 肺がん
7 前立腺がん
8 乳がん
9 子宮がん
a.二子宮頚がん
b.二子宮体がん
10 緩和ケア
a.がん患者の生存期間と身体症状
b.がん終痛治療法
c.医療用麻薬の副作用と対策
参考書
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対向一覧
索引
前回の改訂から、6年が経過している。2006年に6年制が始まった薬学部においては、医療現場においてチーム医療に貢献できる臨床能力の高い薬剤師の養成のために、カリキュラムが大幅に変わった。実習に関しては、参加型実習になったことにより実習に参加できる基準に達しているかを評価する共用試験、そして病院と薬局の長期実務実習の導入である。また、6年制薬学部において習得すべき知識に関しては、日本薬学会より提示された「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(以下コアカリキュラム)に沿って教育が進められた。このコアカリキュラムは、学習者のために、一般目標(学習者が学習することによって得る成果:GIO)と到達目標(一般目標に到達するまでに必要な具体的な行動:SBO)が示されている。しかし、病態生理に関して言えば、範囲が膨大であることもあり、このコアカリキュラムだけでは学生に教える知識の範囲の設定に苦慮することもしばしばであった。その後、6年制学生の一期生が最終学年になる前年の2010年になり、厚生労働省より6年制における新薬剤師同家試験出題基準が示された。これにより、薬剤師の資格を得るために現在要求されている知識の水準と範囲が、ある程度明らかになってきたところである。本書は今回の改訂により、これらの要求を満たすことができたと与えている。すなわち、前述のように、今同の薬学教育の改正の目的は、以前にも増して臨床能力の高い薬剤師を養成することである。コアカリキュラムのC14「薬物治療」または新薬剤師国家試験出題基準の「病態・薬物治療」に関して言えば、適正かつ安全な薬物治療の遂行のために、代表的な疾患の病態、生理を理解していることが求められている。その上で、臨床の場における疾病に伴う症状や臨床検査値の変化などを含めた病状を白分で読み取り、理解することができ、治療薬の使用上の注意に留意しながら、適切な薬物治療法を考案することができることまでが求められている。まさにチーム医療の中で薬物を中心に全体をみることができる薬剤師が要求されているのである。本書は、実際の医療現場およびその近い位置で活躍する薬剤師と医師の先生方に執筆をお願いしている。コアカリキュラムと薬剤師国家試験出題基準に沿った内容であることはもちろんであるが、臨床の場において必要とされる知識に関しても積極的に指載した。本の分量が多くなり過ぎるのを避けながらの改訂作業であり、執筆者の方々も苦労した点である。しかしその結果、重要な点が簡潔な記述により分かりやすく説明され、かつ多くの必要な知識を盛り込むことができたと自負している。本書が読者の病態生理の勉学のために貢献することができることを期待している。
2012年2月
編者