雑誌

別冊整形外科

No.77 鏡視下手術の進歩

小関節から脊椎まで

ISBN : 978-4-524-27777-3
発行年月 : 2020年4月
判型 : A4
ページ数 : 262

在庫あり

定価7,150円(本体6,500円 + 税)


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  • 序文

関節鏡視下手術における適応疾患の増加や手術手技の進歩は著しく、四肢の関節のみならず脊椎疾患の診断と治療にまで適応が広がっており、手術侵襲の少なさから整形外科においては治療の主流を占めるようになってきた。本特集号では手指の小関節から脊椎までさまざまな鏡視下手術の手術手技や術後成績、コツやピットフォールなどの最新情報を掲載した。

I.脊椎
 新コンセプトの低侵襲腰椎椎体間固定術である全内視鏡下経椎間孔腰椎椎体間固定術の手術手技と腰椎変性すべり症に対する術後2年の臨床成績
 腰椎変性疾患に対する全内視鏡下手術による低侵襲化−ヘルニア摘出術から除圧,固定術への進化
 外側型腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下摘出術の治療成績
 腰椎椎間板ヘルニアの鏡視下摘出術と腰部脊柱管狭窄症の鏡視下除圧術−脊椎内視鏡手術を始めるあなたへ
 腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下手術の有用性とその習得
 腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下椎弓形成術後の適用範囲−腰椎椎間可動角からの検討
 遅発性神経根症を合併した中下位腰椎椎体下縁骨折に伴う椎間孔狭窄に対する全脊椎内視鏡下椎間孔狭窄開放術
 第5腰神経重複病変(double lesion)に対する脊椎内視鏡同時進行手術
II.肩関節
 陳旧性肩鎖関節脱臼に対する半腱様筋腱を用いた烏口鎖骨靱帯再建術の治療成績
 L字型骨孔作製デバイスを用いた骨孔式鏡視下腱板修復術の実際
 腱板大・広範囲断裂に対するポリグリコール酸シートを使用した鏡視下腱板修復術
 中高年者反復性肩関節前方脱臼のoff-track lesionに対する鏡視下remplissage法の早期術後成績
 人工骨を用いた反復性肩関節脱臼に対する関節鏡視下骨移植術
 肩甲骨関節窩骨折に対する関節鏡補助下整復固定
 石灰沈着性腱炎に対する鏡視下手術
 上腕骨近位端骨折に対する関節鏡の応用
III.肘関節
 変形性肘関節症に対する鏡視下関節形成術の術式と臨床成績
 変形性肘関節症に対する関節鏡視下手術の実際
 変形性肘関節症に対する術前シミュレーションを併用した鏡視下手術
 肘離断性骨軟骨炎に対する肘関節鏡視下骨軟骨移植術−手技の詳細と外側広範型肘離断性骨軟骨炎への応用
 難治性上腕骨外側上顆炎に対する鏡視下手術
 難治性上腕骨内側上顆炎に対する鏡視下手術
IV.手部・手関節
 遠位橈尺関節障害に対する鏡視下Sauvé-Kapandji法
 関節鏡視下交通孔拡大術は手関節周囲ガングリオンに有効かUniversal subcutaneous endoscope systemを用いた鏡視下手根管開放術
 手根管症候群に対する安全な鏡視下手術−手根管外鏡視手根管開放術
 鏡視下手根管開放術(2ポータル法)のコツ
 三角線維軟骨複合体損傷に対する関節鏡視下修復術の治療経験−関節鏡手術の適応と限界
 手指内軟骨腫に対する鏡視下掻爬術
 手指の関節鏡下手術
V.股関節
 股関節鏡視下手術の進歩
 股関節関節外病変に対する鏡視下手術−下前腸骨棘炎と大転子疼痛症候群を中心に
VI.膝関節
 関節鏡支援下同種半月板移植術
 半月板損傷に対する関節鏡視下手術
 内側半月板後根損傷に対する縫合術式の改良
 内側半月板後根断裂に対する経脛骨pullout修復術の実際
 ロッキングを呈する円板状半月に対する外側半月前角後方線維リリース併用関節鏡視下半月縫合術
 症候性膝蓋下滑膜ひだに対する鏡視下切除術
 人工膝関節全置換術後の拘縮膝に対する治療−関節鏡視下手術から関節切開下手術まで
 前十字靱帯再建術における靱帯固定にpolyether ether ketone製knotless anchorを用いた術式
 急性炎症性膝関節炎に対する局所麻酔下関節内洗浄
 手術的治療を行った脛骨顆間隆起骨折の治療成績
 骨巨細胞腫に対する骨髄鏡手術の活用
VII.足部・足関節
 陳旧性足関節外側靱帯損傷に対する鏡視下外側靱帯修復術の治療成績−二つの術式間の比較
 足関節鏡を併用した人工靱帯による足関節外側靱帯再建補強術
 鏡視下足関節外側靱帯修復術の実際と成績
 鏡視下足関節固定術−最近の知見より
 足関節骨軟骨損傷に対する鏡視下手術の適応と限界
 母趾種子骨障害に対する鏡視下種子骨切除



 関節鏡は故高木憲次先生、渡辺正毅先生を中心として日本で開発され、ビデオシステムの導入と関節鏡視下手術器具の開発、改良とともに広く世界に普及しました。関節鏡および鏡視下手術は日本が世界に誇るべき医療機器、医療技術であり、現在の整形外科診療においては必要不可欠となっています。
 膝関節において発展した関節鏡および関節鏡視下手術は続いて肩関節に応用され、その後肘関節、足関節、股関節、手指や足趾の小関節、また近年では関節のみならず脊椎疾患の診断と治療にまで適応が広がっています。鏡視下手術では小切開から内視鏡を挿入して手術操作が可能であり、手術侵襲の低さから早期の回復、社会復帰が可能となり、整形外科においては治療の主流を占めるようになってきました。関節鏡や鏡視下手術に関する知識、技術の獲得は専門分野のエキスパートのみならず、一般整形外科医や研修医にとっても必要なものとなっています。
 鏡視下手術は特殊な機器や器具を用いて行う手術であり、正確な診断や適切な治療のためには深い知識と高い技術が要求されます。一方、鏡視下手術の適応疾患の増加や各疾患における手術手技の進歩は著しく、広くその最新の知識を網羅し、技術を獲得することは容易ではありません。
 本特集号では「脊椎」、「肩関節」、「肘関節」、「手部・手関節」、「股関節」、「膝関節」、「足部・足関節」の各領域において、さまざまな鏡視下手術の手術手技や術後成績、コツやピットフォールなどの最新情報を、臨床の第一線で活躍されているエキスパートの先生方に解説していただきました。各項ともに大変興味深い内容になっています。本号により鏡視下手術による正確な診断と適切な治療法が普及し、運動器疾患に悩む患者さんの健康に寄与することができれば幸いです。

2020年4月
広島大学教授
安達伸生