シンプル衛生公衆衛生学2026
| 監修 | : 辻一郎 |
|---|---|
| 編集 | : 上島通浩/大久保孝義 |
| ISBN | : 978-4-524-27424-6 |
| 発行年月 | : 2026年3月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 424 |
在庫
定価3,300円(本体3,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

保健医療福祉分野の専門職を目指す学生に求められる知識を最新の法規・制度・統計数値とともにわかりやすく解説.2026年度版では,フルカラーでビジュアルな紙面はそのままに、最新のトピックスを追加した.衛生学・公衆衛生学の“知識”と“今”をシンプルにわかりやすく伝え,“これから”を考える力を養うために必読の一冊.
Chapter 1 衛生学・公衆衛生学序論
1-1 衛生学・公衆衛生学
1-2 健康をめぐって
1-3 生活と健康
1-4 健康問題の変遷,公衆衛生と医療の歴史
1-5 公衆衛生活動
1-6 生命倫理─保健医療福祉の倫理
Chapter 2 保健統計
2-1 健康の測定と健康指標
2-2 人口統計
2-3 その他の統計
Chapter 3 疫 学
3-1 疫学とは
3-2 疫学調査の手順と留意事項
3-3 疾病の分類
3-4 疾病量の把握
3-5 疫学の方法
Chapter 4 疾病予防と健康管理
4-1 疾病リスクと予防医学
4-2 健康管理
4-3 健康増進
4-4 健康日本21
4-5 健康づくりの新しい動き
Chapter 5 主な疾病の予防
5-1 感染症の予防
5-2 循環器系の疾患の予防
5-3 糖尿病・脂質異常症・痛風・メタボリックシンドロームの予防
5-4 がんの予防
5-5 腎疾患の予防
5-6 アレルギー疾患の予防
5-7 不慮の事故と自殺の防止
Chapter 6 環境保健
6-1 人間の環境
6-2 環境の把握とその評価・対策
6-3 物理的環境要因
6-4 化学的環境要因
6-5 生物的環境要因─微生物を中心に
6-6 空気の衛生と大気汚染
6-7 水の衛生と水質汚濁
6-8 廃棄物
6-9 衣食住の衛生
6-10 公害と環境問題
6-11 環境の管理
Chapter 7 地域保健と保健行政
7-1 地域社会と地域保健
7-2 地域保健活動と行政
7-3 消費者保健
Chapter 8 母子保健
8-1 母子保健の水準
8-2 母子保健の課題
8-3 母子保健活動と行政
Chapter 9 学校保健
9-1 子どもの健康状況
9-2 学校保健とは
9-3 学校保健の組織と運営
9-4 学校保健管理
9-5 歯科保健─小児を中心として
9-6 学校環境管理
9-7 学校保健教育
Chapter 10 産業保健
10-1 働く人々の健康
10-2 労働災害・事故
10-3 職業病
10-4 職場における健康診断と健康増進
10-5 勤労者の労働時間と余暇
10-6 ハラスメント防止と女性の職場活躍に関する法的整備など
10-7 職場復帰
Chapter 11 高齢者の保健・医療・介護
11-1 老化とは
11-2 高齢者の生活と健康
11-3 高齢者の健康状態
11-4 高齢者の保健と医療
11-5 認知症と対策
11-6 介護保険
11-7 地域包括ケアシステム
Chapter 12 精神保健
12-1 精神保健と心の働きの理解
12-2 精神の健康とは
12-3 精神障害の分類と疫学
12-4 主な精神疾患と精神保健の課題
12-5 精神保健福祉活動
Chapter 13 国際保健医療
13-1 国際保健とは
13-2 人種と民族と国
13-3 開発途上国の健康問題とその対策
13-4 日本の保健医療の国際協力
13-5 国際機関を通じた協力─国連,WHOなど
13-6 国際保健医療の展望
Chapter 14 保健医療福祉の制度と法規
14-1 保健医療行政の概要と基礎知識
14-2 保健制度の仕組み─行政組織
14-3 医療制度の仕組み
14-4 保健医療行政に関するその他の事項
14-5 医療保障・年金の仕組み
14-6 社会福祉の仕組みと障害者福祉
付 録
1 主な比率の解説
2 巻末付表
参考図書
和文索引
欧文索引
コラム
質的研究と量的研究
「やせ」はよいことか?
人の絆(きずな)の大切さ:ソーシャル・キャピタルと社会的孤立
アナフィラキシーショック
紅麹サプリメントによる健康被害問題
PFASへの総合的対応策について
自然災害と医療システム
新型コロナウイルス感染症対応からの学び
スマートフォンやSmall Screen Timeと子どもの健康
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
学校における熱中症予防
過労死
ライフコースからみたメンタルヘルスの重要性
この教科書を手にとって開いたみなさんの多くは,人の生命や健康に関わる専門課程で学ぶ方々です.目次を見て,また,パラパラとページをめくってみて,衛生学・公衆衛生学で学ぶ範囲がきわめて広いことを知り,難しそうだと途方に暮れかかっているかもしれません.また,この科目は暗記科目だ,試験が終わったらみんな忘れてしまった,と先輩から聞かされた人もいるでしょう.難しく感じる理由として,衛生学・公衆衛生学には,高等学校で学んだ保健の範囲に加え,国語,数学,理科,社会の各科目の要素が入っていることがあると思います.そして,必修科目だから仕方なく学ぶ,という人が多いのも事実です.
では,考えてみましょう.自分の心にちょっとフィットしない現実に向き合った時は,考えることで,より深みのある人生を歩み始めるチャンスになり得ます.衛生学・公衆衛生学はなぜ必修科目なのでしょうか.
人の健康や病気のなりたちを考えた時,風邪をひきにくくするために,栄養,休養,適度な運動を心がける,といったことはすぐに思いつくでしょう.一方で,感染症,がん,糖尿病,心筋梗塞などによる死亡数は,予防接種の実施,生活習慣・生活環境の管理,病気になった時の医療へのアクセスのしやすさなどによって変わり,それは社会の仕組みやあり方に依存することを,意識しているでしょうか.公害や職業病を防ぐことは,個人の努力だけで可能でしょうか.みなさんが衛生学・公衆衛生学を学ぶ目的は,社会・集団というマクロの視点で「生を衛(まも)る」ための方法や,そのためにわが国が築いてきた仕組みを理解することにあるのです.それが,法律などによる管理や,人々に行動変容をもたらす正しい情報提供・啓発活動・教育の出発点になります.
本書の内容は毎年改訂されています.2025 年度版と比較すれば,一部の章の執筆者が替わり,また,図表を含め統計数値が刷新されていることにすぐに気づくはずです.少し注意して読めば,多くの箇所で細かい表現などに変更が加えられていることもわかるでしょう.衛生学・公衆衛生学を勉強する際は,伝統的な考え方とともに最新の情報を学ぶ姿勢が大切です.また,本書は単に暗記するための本ではなく,考えて理解を深めるために,章末にミニ・レポート課題を,随所にコラムをちりばめています.本書による学びは,今後の社会のあり方を考えることにつながります.
誤解を恐れずに書けば,試験対策で「暗記」する用語の意味や統計数値は,試験が終わった瞬間に忘れてしまって構いません.大切なのは,どのような内容・領域が目次にあったか,項目の引き出しが頭の中にうっすらとでも残ることです.そして,みなさんが実社会に出て現場で活躍する時に役に立ち,また,ひとりでも多くの方が衛生学・公衆衛生学に興味を持つきっかけとなれば,望外の喜びです.
最後になりましたが,執筆者との連絡調整,政府統計値の確認などの膨大な作業を行ってくださった南江堂の冨塚賢太郎,山本忠平,吉野正樹の各氏に深謝いたします.
2026(令和8)年1 月
編集者 上島 通浩
大久保孝義

