シンプル理学療法学シリーズ
中枢神経障害理学療法学テキスト改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 植松光俊/江西一成/中江誠 |
ISBN | : 978-4-524-26866-5 |
発行年月 | : 2014年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 448 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
理学療法士が遭遇することの多い中枢神経障害について、発生機序、障害の評価、理学療法の実際までを解説した教科書。好評を得ているコンパクトかつやさしい表現、臨床とのつながりを意識させる演習・実習は今版も踏襲。さらに、図写真を充実させ視覚的にも理解しやすいように配慮した。また、筋ジストロフィーなどの章を新設し、より多くの知識が習得できるようになった。
総論
1 中枢神経障害の全容
A 中枢神経とは
B 中枢神経障害と症状
C 中枢神経障害と理学療法における運動
片麻痺
2 片麻痺の原因、脳血管障害とは
A 発症の原因
B 脳血管障害の理解のための脳の構造と機能
C 脳血管障害とは
3 脳血管障害の診断、急性期治療
A 脳血管障害各病型の特徴
B 脳血管障害の画像診断
C 脳血管障害の急性期治療とリハビリテーション
4 片麻痺の評価
A 片麻痺評価の考え方
B 理学療法評価(検査・測定)
C 理学療法評価の実際
5 急性期の理学療法、理学療法のあり方
A リハビリテーションの開始
B 機能的予後予測の意味
C 理学療法の実施
D 理学療法、運動療法の進め方と内容
6 重症片麻痺(予後不良)例に対する回復期 理学療法の実際(その1)
A なぜ重症度別の理学療法が必要なのか?
B ADLの必須動作、動作遂行の力源
C 運動療法の実際(重力との関係)
7 重症片麻痺(予後不良)例に対する回復期 理学療法の実際(その2)
A 運動療法の実際(筋収縮の関与)
B 運動療法の実際(ADLへの反映)
C 高次脳機能障害、体幹機能障害に対する工夫
D 病棟との連携、社会復帰に向けた諸調整
8 演習1
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
9 軽症片麻痺(予後良好)例に対する回復期 理学療法の実際(その1)
A 軽症片麻痺とは
B 片麻痺患者における歩行
C 運動療法の実際
10 軽症片麻痺(予後良好)例に対する回復期 理学療法の実際(その2)
A 運動療法の実際(その1)
B 理学療法の実際(その2)
C 社会の要請に応える「理学療法士」であるために
11 演習2
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
12 日常生活における身体機能の活用(生活機能の向上)
A 理学療法におけるADL能力のとらえ方
B 起居・移動動作
C セルフケア
13 実習1
A 片麻痺者の動作における特徴
B 片麻痺者の基本動作
C 移乗の最大介助法の習得、車いすの駆動
D 装具、三角巾の装着
E モデル患者による(半他動的)介助歩行の実習
14 片麻痺にみられる合併症とその対策
A 片麻痺にみられる合併症
B 合併症の特徴
15 高次脳機能障害・嚥下障害と理学療法
A 高次脳機能障害患者の理学療法
B 摂食・嚥下障害の理学療法
四肢麻痺・対麻痺
16 脊髄損傷の原因、脊髄の解剖・機能
A 脊髄損傷の原因
B 麻痺の種類
C 脊髄の構造と機能
D 脊髄損傷の障害像
17 自律神経と脊髄損傷の随伴・合併症
A 自律神経の構造と機能
B 脊髄損傷の随伴症状
C 脊髄損傷の廃用症候群
D 障害受容過程
18 脊髄損傷の評価
A 脊髄損傷の評価の考え方
B 理学療法評価
C 理学療法評価の実際
19 四肢麻痺の理学療法(急性期)
A 急性期理学療法の目的
B ベッドサイドの理学療法
20 四肢麻痺の理学療法(回復期)
A 回復期理学療法の目的
B 理学療法の実際
C ADL訓練
D 二次的合併症の予防
21 演習3
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
22 実習2
A 四肢麻痺者の基本動作
23 対麻痺の理学療法(急性期)
A 急性期理学療法の目的
B ベッドサイドの理学療法
24 対麻痺の理学療法(回復期)
A 回復期理学療法の目的
B 理学療法の実際
C ADL訓練
25 演習4
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
26 実習3
A 対麻痺者の基本動作
B 対麻痺者の車いす応用動作
C 対麻痺者の立位・歩行動作
27 脊髄損傷者の生活機能の向上と社会参加
A 補装具の適応と処方
B 生活環境整備について
C 社会参加social participation(就労、就学)と健康増進
運動失調
28 運動失調とは
A 運動失調(症)の定義
B 運動失調(症)の分類
C 小脳の構造と主要投射路
D 小脳の機能特性
E 小脳性運動失調の症状の特徴
F 小脳性運動失調の原因
G 小脳変性疾患の特徴
H 小脳性運動失調の評価
I 姿勢バランスと歩行障害
J 一般的な理学療法評価の考え方
29 小脳性運動失調の理学療法
A 理学療法、運動療法の考え方
B 運動療法の実際
C 他合併症への対応
30 演習5
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
パーキンソン症状
31 パーキンソン病とは
A 疾患概念
B パーキンソニズム
C 薬物療法
D ホーエン-ヤールの分類
32 パーキンソン病の理学療法
A 目的
B 評価
C 理学療法、運動療法の考え方
D 他合併症状への対応
E まとめ
33 演習6
A グループ討議
B 症例提示によるロールプレイ
その他の神経障害
34 頭部外傷、低酸素性脳症
A 頭部外傷とは
B 低酸素性脳症
35 多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症
A 多発性硬化症
B 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
36 筋ジストロフィー、多発性筋炎、重症筋無力症、Guillain-Barre症候群
A 筋ジストロフィー
B 多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)
C 重症筋無力症(MG)
D Guillain-Barre症候群(GBS)
演習の解答例
参考文献
索引
和文索引
欧文索引
本書は2008年に、中枢神経障害理学療法ガイドラインモデル「教育学習効果に重点をおいたテキスト」となることを目指し、「シンプル理学療法学シリーズ」の第3巻として刊行する運びとなった。
その初版の編集方針であった
■学生にとって全体的な障害像をイメージすることが難しい障害領域について、臨床実習や卒後の臨床現場に出る際に備えて学んでおくべき必要最小限の基本的知識、技術項目をわかりやすく構成、解説する。
■障害にしたがった分類で目次を構成し、最も多い脳卒中に関しては病態と理学療法が結びつくよう工夫し、重傷例から軽症例まで網羅する。
■片麻痺、四肢麻痺、対麻痺などの錐体路系障害を中心に、典型的な運動麻痺例に対する知識、技術を基本として構成し、中枢神経の構造と機能、その病態生理などを理学療法の観点から簡潔に解説する。
■学生の自習や発展学習への興味を高めるために、演習・実習を適宜盛り込み、臨床との関連づけを高める。
といった特色が比較的高い評価を得て、多くの養成校において教科書として取り上げていただき感謝に堪えない。初版刊行から6年近くが経過したこの時期に、この間の当該領域の進歩を盛り込むとともに、本書を採用していただいた先生方から寄せられた的確な意見や批評、改善要望について検討し、以下のような改訂を加え、より多くの養成校でお使いいただけるような教科書を目指した。
■好評を得ている「コンパクトさ、やさしい表現」はそのままに教育現場の声を生かす内容として、脳卒中片麻痺、四肢麻痺・対麻痺、運動失調、パーキンソン症状以外の神経障害については、新たに筋ジストロフィー、多発性筋炎、重症筋無力症、Guillain.Barre症候群を解説
■図表、写真を充実させてより視覚的な理解を促す紙面構成
■本文余白を有効活用し(脇組み)、用語解説やコラムを盛り込んだ解説
今後も講義される先生方や学生諸君には是非とも忌憚のないご意見、ご批評をいただき、さらに「教育学習効果の高いテキスト」へと昇華されていくよう努めたい。
平成26年2月
編集を代表して 植松光俊