基礎看護学テキスト改訂第2版
EBN志向の看護実践
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 深井喜代子/前田ひとみ |
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ISBN | : 978-4-524-26656-2 |
発行年月 | : 2015年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 528 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
正誤表
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2015年03月02日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
研究データに裏付けされた看護実践の実現を目指し、可能な限りの根拠を示しながら基礎看護学の広範で多様な内容をまとめたテキスト。改訂第2版では、新しいエビデンスをもとに全体の記述を見直し、新項目として心肺蘇生の内容を追加した。看護の科学性を希求する志の高い看護学系教員、次代の看護界を支える看護大学生、ケア技術の進歩を希求する看護実践者に必携の書。
I 新時代の看護
1 看護の対象と看護学
2 新時代の看護の役割
3 科学的看護の推進
II 看護活動展開の方法
1 看護過程
A 看護過程とは
B 看護過程の構成要素
C 看護過程の基盤となる理論
D 看護過程の課題と展望
2 看護活動の情報
A 看護活動
B 看護活動の情報
C 記録・報告
III 看護活動の前提となる技術
1 看護における人間関係とコミュニケーション
A 看護と人間関係
B コミュニケーションの基礎知識
C 援助的コミュニケーションスキル
D 医療チームのコミュニケーション
E 機器を用いたコミュニケーション
2 感染看護
A 感染の基礎知識
B 感染症の成立
C 感染予防のための看護技術
D 医療関連感染と職業感染
3 看護動作とボディメカニクス
A ボディメカニクス
B 看護動作におけるボディメカニクス
4 医療安全(リスクマネジメント)
A 定義
B 社会的背景
C 医療事故の現状
D 医療事故発生の要因
E 事故防止対策
F 看護の質の向上
IV ヘルスアセスメント
1 身体的健康状態のアセスメント
A ヘルスアセスメントとは
B フィジカルアセスメントの方法
2 心理状態と社会性のアセスメント
A 人の考え・気持ちを理解する方法
B 人の暮らしぶりを理解する方法
3 セルフケア能力
A セルフケアとセルフケア能力
B セルフケア能力のアセスメント
V 日常生活の援助
1 生活の場を整える
1-1 健康生活と居住環境
A 健康生活のための環境調整の視点
B 援助の場に応じた居住環境の視点
1-2 光環境−明るさと色彩
A 光と生活
B 明るさと色彩
C 生活に適した光環境
1-3 空気と臭い環境
A 日常生活における臭い
B 病院環境における臭い
C 除臭
D 治療・症状緩和を目的とした匂い
1-4 居住空間と音環境
A 音の物理的特性
B 病院の集中治療室での音の問題
C 問題となる音への対処方法
1-5 寝床環境
A 生活の場としての寝床
B 寝床内気候
C 快適な寝床を提供する
1-6 衣服
A 健康者の日常における衣服の役割
B 健康障害のある人の衣服
C 病者・床上生活者にとっての寝衣
D 臨床における寝衣交換の方法
2 生理的ニードを補充する
2-1 食べる
A 栄養の基礎知識
B 現代人の食の特徴
C 食事援助のための看護技術
2-2 呼吸する
A 呼吸の基礎知識
B 呼吸のアセスメント
C 呼吸を安楽にする看護技術
2-3 排泄する
2-3-1 排尿
A 排尿のメカニズム
B 排尿に影響する要因
C 排尿に関するアセスメント
D 排尿の援助にかかわる看護技術
2-3-2 排便
A 排便の意義とメカニズム
B 快適な排便を促す援助
C 排便の異常に対する援助
2-4 清潔を保つ
A 身体を清潔に保つことの意義と看護の役割
B 清潔のニードのアセスメント
C 清潔の援助技術
2-5 活動する
A 人間の活動に関する基礎知識
B 活動のアセスメント
C 活動を支援する看護技術
2-6 ポジショニング
A ポジショニングと体位
B 基本的な全身ポジション
C 日常生活に必要なポジショニング
2-7 睡眠と休息
A 睡眠・休息の定義・機能と看護者の役割
B 睡眠の生理学的基礎知識
C 睡眠に影響を与える因子
D 症状のとらえ方
E よりよい睡眠への看護援助
VI 治癒促進と症状緩和のケア技術
1 患部の保護
A 患部の保護と包帯法の歴史
B 包帯法の基礎知識
C 包帯法に共通する実施上の原則
D 包帯とドレッシング
E 症状緩和技術としての包帯法
2 体液バランスを保つケア
A 体液についての基礎知識
B 体液バランスの乱れ
C 体液バランスのアセスメント指標
D 体液バランスを整えるためのケア
3 褥瘡の予防ケア
A 褥瘡の定義
B 褥瘡の重症度分類と状態評価
C 予防ケアの基本
D 全身皮膚観察
E リスクアセスメント
F 圧迫・ずれ力の管理
G スキンケア
H 栄養
4 ストーマケア
A ストーマの種類
B ストーマ装具
C ストーマの基本的なケア
D ストーマ周囲皮膚障害の早期発見とその対応
5 安楽・安寧を保つケア
A こころと身体の調和を保つ
B 温熱・寒冷刺激による安楽・安寧の促進
6 悪心・嘔吐のケア
A 悪心・嘔吐の基礎知識
B 悪心・嘔吐の原因
C 悪心・嘔吐のケア
7 尿失禁のケア
A 尿失禁の基礎知識
B 尿失禁のアセスメント
C エビデンスに基づく尿失禁の援助
8 痛みのケア
A 侵害受容としての痛み
B 体験としてのヒトの痛み
C 痛みの種類と特徴
D 痛みの測定・評価の方法
E 鎮痛のメカニズム
F 鎮痛ケアの方法
G 関連痛
9 がん疼痛のケア
A がん疼痛に関する看護の実践範囲
B がん疼痛のケア
10 タッチのケア
A タッチの基礎知識
B タッチのケア
11 味覚異常のケア
A 味覚の基礎知識
B 味覚異常
C 味覚異常を予防・緩和するケア
12 視覚障害者のケア(ロービジョンケア)
A ロービジョンケアの基礎知識
B 視覚障害者のアセスメント
C ロービジョンケアの実践
D ロービジョンケアの課題
13 ターミナルケア
A ターミナルケアの基礎知識
B 終末期患者の身体的苦痛を緩和する技術
C 終末期患者の精神的苦痛を緩和する技術
VII 看護の教育的役割
1 看護の教育的役割
A 学習者の依存度に応じて教育的役割を発揮する必要性
B 知識・技術を身につける支援をする
C 自己効力感を高める
D 相手をエンパワーメントする
E 自己教育力を身につける支援をする
F 施設から在宅への支援
G 終末期における支援
2 ヘルスプロモーションの理念と方策
A ヘルスプロモーションという理念の登場
B ヘルスプロモーションとは
C ヘルスプロモーションの活動の方策
D ヘルスプロモーションのわが国における活用
E ヘルスプロモーションの有効性
VIII 診療の補助
1 薬物療法の管理
A 前提となる知識
B 薬物療法に共通する看護の原則
C 適用別与薬の実際
2 注射
A 薬物療法における注射の意義と看護の役割
B 注射実施前のアセスメント
C 注射の方法
D 輸血療法と看護の役割
3 検査補助
A 検査における看護師の役割
B 検体検査におけるケア
C 生理機能検査におけるケア
D 画像検査におけるケア
E 内視鏡検査におけるケア
4 外来看護の役割
A 外来の特徴
B 外来における看護の機能と役割
C 外来看護師に求められる能力
D 外来看護の専門化
5 心肺蘇生と止血法
A 心肺蘇生の基礎知識
B 止血法
C 心肺蘇生法の教育・研修の必要性
IX 実験実習の方法
1 実験実習
1-1 病床環境領域:パーソナルスペースを測ってみよう
A パーソナルスペースとは
B パーソナルスペースの測定方法
C さまざまな場面でのパーソナルスペースを比較してみよう
1-2 感染看護領域:手洗いによる汚染除去に関する実習
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D 実験レポート
1-3 バイタルサイン領域1:日常生活と体温−体温調節における皮膚の役割
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D データの集計
E 看護への示唆
1-4 バイタルサイン領域2:生活活動負荷
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D 設問
1-5 バイタルサイン領域3:呼吸測定−体位による変化と運動による変化
A 体位による変化
B 運動による変化
1-6 食のケア領域1:嚥下と食物形態・体位との関係
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D 設問
1-7 食のケア領域2:味覚テスト
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D データの集計
E 看護への示唆
1-8 清潔ケア領域:清拭時の皮膚温と湯温の変化
A 実験の目的
B 実験の準備
C 実験の方法
D 設問
2 示教実験
2-1 バイタルサイン領域:脳機能
A 脳電図
B 大脳誘発電位
2-2 排泄ケア領域1:便器の温度と循環反応
A 排泄動作と血圧変動
B 連続血圧計による血圧の記録
C 異なる便器に着座する際の循環反応の比較
2-3 排泄ケア領域2:腸音の観察
A 腸音とは
B 心音計による腸音測定方法
C 腸音による腸蠕動の評価
D 聴診器による腸蠕動の測定・評価の方法
2-4 褥瘡ケア領域
A 褥瘡の特性
B 加圧による虚血の範囲について(静的検索)
C 加圧による皮膚循環動態への影響について(動的検索)
和文索引
欧文索引
改訂にあたって
初版発行(2006年5月)から8年半を経て,このほど『基礎看護学テキスト・改訂第2版』として出版できたことを嬉しく思います.本書は,看護学のテキストを技術解説に力点を置いた従来のマニュアル本でなく,科学のテキストにしたいという想いから誕生しました.2014年度には看護系大学の数は220を超え,看護学教育の大学化・大学院化の動きは留まるところを知らないかのようです.この間に看護学系学会はどんどん増え,本邦に事務局を置く国際誌も発行されるようになり,看護学は科学の一領域として進化・発展を遂げつつあります.このような時代を背景に,看護学教育は変わりゆく社会から絶えず課題を突きつけられる中,その理想的なあり方を模索しながら前進しているといえるでしょう.本書の今回の改訂も,そうした看護学(における教育・研究)の流れに沿う形で行いました.
我が国の看護学教育は新旧のシステムが複雑に入り交じった体制下で,進化する「学」と「実践」を担う有能な人材を育てるべく切磋琢磨しています.その努力は永遠に続くわけですが,看護学が学問たりうる存在となり,看護が高度で不可欠な専門職であることが社会の周知となるまでは,理想の教育の模索は闘いにも似て厳しいものであるべきでしょう.改訂版には,我が国の津々浦々で学習する学生諸君,実践に励む看護職者,そして学究に勤しむ看護学教育研究者の皆様が進化する看護を見据えながら自己研鑽にお励みいただけるよう,確かな基礎を踏まえるとともに新たなエビデンスを織り込みました.皆様から,ご意見・ご要望などいただけましたら幸いです.
2014年11月26日
編者を代表して
深井喜代子