シンプル理学療法学シリーズ
日常生活活動学テキスト改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 河元岩男/坂口勇人/村田伸 |
ISBN | : 978-4-524-26609-8 |
発行年月 | : 2014年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 208 |
在庫
定価4,400円(本体4,000円 + 税)
正誤表
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2015年10月30日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
わかりやすい解説と豊富な図表で「ADL」の基礎から臨床での指導までを学ぶことができる好評の教科書。今版では、初版の問題点を抽出し、学生が理解しやすいよう章の再編成を行い、各疾患のADL指導をコンパクトにし全15章立ての構成とした。また、本書を採用する先生方の意見、要望を積極的に取り込み、より現場に求められる使いやすい教科書となるように改訂を行った。
1 総論
A 日常生活活動(ADL)の概念
1 理学療法の歴史とADL概念形成
2 ADLの範囲と項目
3 リハビリテーション医療のなかでのADL(ADLに関する職種の役割)
B ADLとICF
1 ICFの理念と意義
2 ICFの構造とADL
C ADLとQOL
1 QOLの概念と構造
2 ADLとQOL
D 理学療法にとってのADLの位置づけ
1 理学療法の過程とADL
E ADL練習・指導の考え方
1 ADL練習・指導とは
2 時間的経過のなかでのADL練習・指導
2 ADL評価とその実際(1)ADL評価とは(大城昌平・重森健太・矢倉千昭)
A 日常生活活動(ADL)評価の歴史
1 ADL評価の歴史
2 国際分類(ICIDHとICF)
B ADL評価の目的
1 活動状況(ADL)の把握
2 理学療法プログラムの考案
3 理学療法効果の判定と見直し
4 社会復帰計画の立案
5 施設間や他職種との情報交換
6 理学療法研究
C ADL評価の尺度
D ADL評価のポイント
1 ADLの実用性
2 「できるADL」と「しているADL」
3 動作分析の視点
4 疲労への配慮
E 理学療法経過の時期別ADL評価の意義
1 急性期におけるADL評価
2 回復期におけるADL評価
3 維持期におけるADL評価
F さまざまなADL評価
1 バーセルインデックス(BI)
2 機能的自立度評価法(FIM)
3 ケニー式セルフケア評価
4 PULSES プロフィル改訂版
5 カッツインデックス
6 ロートンの手段的ADL スケール
7 老研式活動能力指標
8 子どものための機能的自立度評価法(weeFIM)
9 厚生労働省「障害者の日常生活自立者評価」(寝たきり度)
3 ADL評価とその実際(2)日常生活活動の動作分析の視点
A 動作観察と動作分析
1 理学療法のなかの動作観察、動作分析の位置づけ
2 動作観察、動作分析の方法
3 動作観察、動作分析の実際(歩行の場合)
4 機器を用いた動作分析
B 身の回り動作の分析
4 ADL評価とその実際(3)バーセルインデックス(BI)
A バーセルインデックス(BI)の歴史
B バーセルインデックスの特徴
1 バーセルインデックスの利点
2 バーセルインデックスの欠点
C バーセルインデックスの評価項目と尺度
1 食事
2 車いす・ベッド間の移乗
3 整容
4 トイレ動作
5 入浴
6 移動
7 階段昇降
8 更衣
9 排便自制
10 排尿自制
D バーセルインデックス評価の注意点
E バーセルインデックスの臨床活用
1 バーセルインデックスの総得点(バーセルスコア)
2 ADL項目別自立度
3 バーセルインデックスの地域社会での利用
4 バーセルインデックスを用いたリハビリテーション介入の効果判定
5 ADL評価とその実際(4)機能的自立度評価法(FIM)
A FIMの歴史
B FIMの特徴
1 FIMの利点
C FIMの評価項目と尺度
1 FIMの評価項目
2 FIMの評価尺度と点数
D FIMの運動項目の採点
1 セルフケア
2 排泄コントロール
3 移乗
4 移動
E FIMの認知項目の採点
1 コミュニケーション
2 社会的認知
F FIMの臨床活用
1 FIM得点の意味
2 FIM評価からの予後予測
3 FIM項目別自立度
4 脳卒中患者の機能障害とFIM得点
5 FIM得点と介護時間との関係
6 補装具(移動補助具を中心に)
A 補装具とは
B 移動補助具の種類と適応
C 杖の種類と構造
1 杖の種類
2 杖の構造
3 杖の長さ
D 松葉杖の種類と構造
1 松葉杖の種類
2 松葉杖の構造
3 松葉杖の長さ
E その他の歩行補助具
1 歩行器
2 歩行車
F 車いすの種類と構造
1 手動式車いすの種類と特徴
2 車いすの基本的構造と名称
3 車いすの採寸
4 シーティング
7 起居・移動動作(1)総論
A 起居・移動動作の役割
1 意味
2 意義
B 基本動作
1 姿勢保持動作
2 姿勢変換動作
3 移乗動作
4 移動動作
8 起居・移動動作(2)起居動作
A 起居動作とは
1 理学療法における起居動作の位置づけ
2 起居動作の運動学的特徴
B 寝返り
1 寝返りの種類
2 背臥位⇔腹臥位
3 自立のためのポイント
C 起き上がり
1 起き上がりの種類
2 正常な起き上がりパターン
3 背臥位⇔長座位
4 背臥位⇔端座位
5 臥位から四つ這い位へ
6 自立のためのポイント(背臥位から長座位、端座位へ)
D 座位
1 基本的な座位姿勢
2 いろいろな座位の特徴
3 座りやすくするためのポイント(シーティング)
E 立ち上がり
1 立ち上がりの種類
2 端座位⇔立位
3 四つ這い位から立位へ
4 長座位から立位へ
5 自立のためのポイント
9 起居・移動動作(3)床上移動動作
A 移動動作の種類
B 移動動作の目的
C 移動動作を援助する方法
1 腹這い動作
2 四つ這い(高這い)動作
3 膝歩き動作
4 座位いざり動作、ずり這い動作
5 車いす駆動動作
10 起居・移動動作(4)歩行動作
A ADLと歩行
B 歩行指導
1 平行棒内歩行
2 T字杖歩行
3 松葉杖歩行
11 身の回り動作
A 身の回り動作とは
B 食事動作
1 意義
2 必要な要素
C トイレ動作
1 意義
2 必要な要素
D 入浴動作
1 意義
2 必要な要素
E 整容動作
1 意義
2 必要な要素
F 更衣動作
1 意義
2 必要な要素
G 国際生活機能分類におけるセルフケア
12 ADLを支援する機器
A 福祉用具とは
B 福祉用具の種類とその機能
1 移動に関する福祉用具
2 就寝に関する福祉用具
3 排泄に関する福祉用具
4 入浴に関する福祉用具
C 自助具とは
D 自助具の種類とその機能
1 食事動作を助ける自助具
2 整容動作を助ける自助具
3 更衣動作を助ける自助具
4 炊事動作を助ける自助具
E 介護保険の適用となる福祉用具
13 住環境整備
A 住環境整備の意義と目的
1 住環境整備の意義と目的
2 住環境整備の手法
3 国際生活機能分類(ICF)と住環境整備との関連
4 介護予防、自立支援を視点においた住環境整備のポイント
B 介護保険制度における住宅改修
1 支給限度基準額
2 住宅改修の種類
C 介護保険制度対象外の住宅改修
1 介護保険制度対象外の効果的な住宅改修
2 介護保険制度対象外の住環境整備
14 中枢神経障害に対するADL指導
A 脳卒中
1 活動制限の概要
2 具体的練習、指導の考え方と方法
B パーキンソン病
1 活動制限の概要
2 具体的練習、指導の考え方と方法
C 脊髄損傷
1 活動制限の概要
2 具体的練習、指導の考え方と方法
15 運動器障害に対するADL指導
A 関節リウマチ
1 活動制限の概要
2 具体的練習・指導の考え方と方法
B 大腿骨頸部骨折
1 活動制限の概要
2 具体的練習・指導の考え方と方法
C 変形性膝関節症
1 活動制限の概要
2 具体的練習・指導の考え方と方法
D 大腿切断
1 活動制限の要因
2 具体的練習・指導の考え方と方法
参考文献
索引
和文索引
欧文索引
改訂第2版の序
「シンプル理学療法学シリーズ」の一冊として『日常生活活動学テキスト』は2011年1月に刊行され,3年半が経過した.この間,採用していただいている先生方からさまざまな意見が寄せられ,これらを基に,以下の3点を基本方針として改訂を行った.
1.教育現場でのさらなる使いやすさの追求
実際の講義に即して原則として1つの章が講義の1コマにおさまるようまとめることに重点を置いた.まず,このテキストの目標が日常生活活動学の基本を学ぶことである,ということを改めて念頭に置いた.また,授業回数に合わせ21章立てから15章立てに変更した.変更点は初版の「第14章ADL練習・指導の考え方」を「第1章総論」のまとめとして組み込んだこと,そして,疾患別ADLとして独立した章になっていた脳卒中,脊髄損傷,関節リウマチ,大腿骨頸部骨折,大腿切断,変形性膝関節症,高齢者を中枢神経障害と運動器障害の2つの章に整理統合したことである.このほかに,索引の充実や重要な略語の正式名称を初出箇所に記載し必要に応じて説明を加えた.これらにより,学習した内容を暗記することから,理解して覚えることにより一層つながると期待している.
2「.第3章日常生活活動の動作分析の視点」の刷新
日常生活活動の評価と治療においては「できること」と「できないこと」を把握し,分析することが重要である.この過程と方法論をさらにしっかりと学べる内容とした.そのために機器を用いた動作分析の項目は紹介程度にとどめ,動作観察と動作分析の項目を充実させ,身の回り動作の動作分析の項目を追加した.
3. 「本書の使い方」フローチャートの追加(p.xvi)
本書を十分に活用して講義で学んだ知識・技術を確実に理解できるように目的・構成などを「本書の使い方」として整理し,あらかじめ全体像がみえるようにした.これにより,予習・復習のポイントが明確となり,日常生活活動学の基本の理解を深められることを期待する.
以上のように今回の改訂では,日常生活活動学の基本を理解しやすいように構成や内容を見直してきた.今後も,本書を採用いただいている先生や学生諸君からの忌憚のないご意見,ご批評をいただければ幸いである.
最後に,改訂にあたりさまざまなご助言をいただいた埼玉県立大学細田多穂名誉教授に感謝の意を表したい.
2014年10月
河元岩男
坂口勇人
村田伸