シンプル理学療法学シリーズ
内部障害理学療法学テキスト改訂第2版
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 山崎裕司/川俣幹雄/丸岡弘 |
ISBN | : 978-4-524-26463-6 |
発行年月 | : 2012年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 460 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
患者の障害像を理解することを大目的とし、本書全体を「循環器」「末梢循環」「腎機能」「呼吸器」「代謝」の各障害に分けて構成。重症度別の理学療法を示すことによって、個別疾患ごとに対応した理学療法があるのではなく、個別の病態に応じて理学療法は変化するものであることが理解できるよう工夫した。今改訂では、「気管吸引」「がんの理学療法」を新設した。
総論
1 内部障害の理解
A 内部障害
B 酸素搬送系の障害
C 廃用性変化による運動能力の低下
D 内部障害と運動
E 行動変容の必要性
循環器障害
2 循環器系の障害と運動
A 循環器系の役割
B 運動と循環器系の適応
C 循環器系の障害と運動制限
3 循環器疾患と一般的治療
A 虚血性心疾患
B 慢性心不全
C 不整脈
4 心ポンプ機能低下、心筋虚血、不整脈
A 心ポンプ機能
B 心筋虚血
C 不整脈
5 運動耐容能
A 運動耐容能の指標
B 循環器疾患と運動耐容能
C 運動耐容能の評価
D 測定指標の臨床的意昧と目的
6 循環器障害のADLとQOL
A 心疾患患者のADL
B 心疾患患者のQOL
C 障害モデルからみた心機能障害、ADLおよびQOLの関係
7 心筋梗塞急性期の理学療法
A 心筋梗塞急性期の理学療法の目的
B 心筋梗塞急性期症例の障害像
C 心筋梗塞急性期症例の理学療法評価
D 心筋梗塞急性期症例の理学療法
E 心筋梗塞急性期症例に関するエビデンス
8 心筋梗塞回復期・維持期の理学療法
A 心筋梗塞回復期・維持期の理学療法の目的
B 陳旧性心筋梗塞症例の障害像
C 理学療法評価とリスクの層別化
D 陳旧性心筋梗塞症例の理学療法
E 理学療法関連のエビデンス
9 心不全に対する理学療法
A 理学療法に必要な心不全症例の障害像
B 理学療法の適応と禁忌
C 理学療法評価
D 急性心不全の理学療法プログラム
E 慢性心不全の理学療法プログラム
F 理学療法関連のエビテンス
10 循環器疾患を合併した症例への対応
A 狭心症を合併した症例
B 不整脈を合併した症例
C 血圧異常を合併した症例
末梢循環障害
11 動脈系末梢循環障害
A 疾患の概略
B 診断と治療の概略
C 理学療法評価
D 理学療法プログラム
E 理学療法関連のエビデンス
12 静脈・リンパ系末梢循環障害
A 静脈系末梢循環障害
B リンパ系末梢循環障害
C エビデンス
腎機能障害
13 腎機能障害の理解と理学療法
A 腎臓の機能と役割
B 腎機能検査
C 腎疾患の主要病型
D 腎不全
E 腎疾患の治療戦略
F 腎不全と運動
G 腎疾患患者に対する理学療法
H 運動療法のエビデンス
呼吸器障害
14 運動と呼吸
A 呼吸器系の役割
B 運動と呼吸器系の適応
C 呼吸器系の障害と運動制限
15 呼吸器疾患と一般的な治療
A 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
B 拘束性肺疾患(肺結核後遺症)
C 拘束性肺疾患(間質性肺炎)
D 肺がん
E 慢性呼吸不全
F 睡眠時無呼吸症候群
16 酸素化能、換気能力
A 酸素化能
B 換気能力
17 全身持久力、息切れ、栄養
A 呼吸器疾患患者の運動耐容能
B 呼吸困難感のメカニズム
C 栄養障害
D 運動耐容能の評価
E 呼吸困難(息切れ)の評価
F 栄養の評価
18 呼吸器障害のADL、QOL、その他
A 呼吸器疾患患者におけるADLとQOL
B 呼吸器疾患患者におけるADL.QOLの評価
19 慢性閉塞性肺疾患の理学療法
19-1 軽症例
A COPD(軽症例)における換気運動の特徴
B COPDの臨床検査
C 理学療法評価
D COPD(軽症例)の理学療法
E 呼吸理学療法のエビデンス
19-2 重症例
A COPD(重症例)における換気運動の特徴
B COPDの臨床検査
C 理学療法評価
D COPD(重症例)の理学療法
E COPD(重症例)のリスク管理
20 拘束性肺疾患の理学療法
20-1 軽症例
A 疾患の概略
B 間質性肺炎の臨床所見
C 理学療法評価
D 目標設定
E 理学療法プログラム
F エビデンス
20-2 重症例
A 拘束性肺疾患(重症例)における換気運動の特徴
B 理学療法評価
C 理学療法プログラム
D 理学療法のエビデンス
21 開胸術後の理学療法
A 開胸手術が生体に与える影響
B 疾患(病態)別の開胸術の特徴
C 術後呼吸機能の特徴
D 理学療法の構築
E 運動療法のエビデンスについて
22 急性増悪例の理学療法
A 人工呼吸療法の適応
B 人工呼吸が生体に及ぼす影響
C 人工呼吸器の基本と換気モード
D 急性憎悪例の理学療法
E 人工呼吸器装着患者の理学療法に関するエビデンス
23 排痰法
23-1 排痰法
A 排痰法とは
B 気道の構造
C なぜ排痰法が必要か
D 分泌物を排出するために
E 気道内分泌物の位置の把握
F 体位排痰法
G 徒手的に分泌物を移動させる方法
H 換気方法により分泌物を移動させる方法
I 器具や機器を用いて分泌物を移動させる方法
J 排痰法の適応基準
K 排痰困難な症例の障害像について
L 効果判定の考え方とエビデンス
23-2 気管吸引
A 気管吸引とは
B 気管吸引の実施前に
C その他の注意点
D 気管吸引の実施手順
代謝障害
24 運動と代謝
A 代謝系の役割
B 糖質代謝
C 脂質代謝
D アミノ酸代謝
E 代謝系の障害と運動制限
25 糖尿病と一般的な治療
A 糖尿病の概要
B 糖尿病の主な検査
C 糖尿病の治療
26 糖尿病患者の障害理解
A 急性合併症
B 慢性合併症
C 糖尿病足病変
27 糖尿病の理学療法
27-1 軽症例
A 軽症2型糖尿病の特徴
B 軽症2型糖尿病に対する理学(運動)療法の効果
C 軽症2型糖尿病治療における理学療法士の役割
D メディカルチェック
E 理学療法評価(初期評価および定期的な再評価)
F 理学(運動)療法の実際
G 運動処方と指導の実際
H 糖尿病教育入院
I エビデンス
27-2 重症糖尿病合併症例
A 障害像
B 重症糖尿病患者に対する理学療法の目的
C 理学療法評価
D 理学療法プログラム
E エビデンス
がん
28 がんの理学療法
28-1 疾患の概要
A がん(悪性腫瘍)とは
B がんの分類
C がんの検査
D がんの進行と病期・ステージ
E がんの治療
F 緩和ケア
G 理学療法の対象となる障害
H がん治療過程において生じる障害
28-2 がんのリハビリテーション
A がん患者のリハビリテーション
B 理学療法評価
C 理学療法
D エビデンス
患者教育
29 患者教育と行動変容へのアプローチ
A 患者教育における行動変容の重要性
B 行動に関する一般的な考え方
C 行動の成立と消失の過程:ABC分析
D 行動変容の方法
E 理学療法関連のエビデンス
付録:症例問題
参考文献
索引
初版の発刊から4年が経過した。この間、理学療法士のかかわる内部障害の分野には大きな変化があった。
2010年度診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料が新設された。がん患者が手術・放射線治療・化学療法などの治療を受ける際、これらの治療によって合併症や機能障害を生じることが予想される。このため、治療前あるいは治療後早期から理学療法を行うことで機能低下を最小限に抑え、早期回復を図る必要がある。これを受けて第2版では、第28章「がんの理学療法」を追加した。はじめに、がん疾患の概要に関する節を設け、がんの基礎知識について解説した。その後のがんの理学療法の内容がより理解しやすいようになっている。
2010年4月30日からは、厚生労働省医政局の通知(医政発0430第1号)によって、理学療法士による喀痰等の吸引が認められた。理学療法士には、吸引に必要な知識と技術を習得したうえで、安全かつ効率的に吸引操作を行うことが求められる。そこで第2版では、第23章の2「気管吸引」として、吸引操作に関する内容を追加した。第22章「急性増悪例の理学療法」、第23章の1「排痰法」とあわせて学習することで。呼吸器管理、排痰から吸引操作の一連の流れが学べるようになっている。
その他の章では、日々更新されるエビデンスや新たなガイドライン、Up to Dateの情報を可能な限り盛り込んだ。また、紙面構成の余白部分にmemoや用語解説を効率よく配置し、初版よりも見やすいレイアウトに仕上がっている。
第1章の中に追記したが、2010年4月より、身体障害者福祉法において肝機能障害が内部障害として追加された。2006年度の統計でも、障害の基礎疾患において内部障害系疾患の占める割合は脳血管障筈、骨関節疾患を大きく上回っている。理学療法士のかかわる内部障害分野は今後もさらに拡大していくであろう。
初版と同様、本書が教育現場、臨床現場で活用されることを願っている。
平成24年2月
山崎裕司
川俣幹雄
丸岡弘