看護学テキストNiCE
小児看護技術改訂第3版
子どもと家族の力をひきだす技
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 今野美紀/二宮啓子 |
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ISBN | : 978-4-524-25983-0 |
発行年月 | : 2017年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 270 |
在庫
定価2,860円(本体2,600円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
『NiCE小児看護学概論』と対をなす小児看護技術の教科書。写真やイラストを多用したビジュアルな表形式で、根拠に基づいて技術を解説。子どもと家族(親)の力を最大限にひきだすためのコミュニケーション方法についても具体的に解説。国家試験出題基準にも対応。今版ではSkill表のデザインを刷新し、一目で技術の根拠や注意がわかるようにしたほか,最新の情報にアップデートした。
第I章 アセスメント技術
1.健康歴の聴取
A.健康歴の聴取に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
2 基本的な手技
3 健康歴の聴取の手順
2.全身状態の把握
A.全身状態の把握に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
2 留意すべき子どもの権利と看護行為のあり方
3 全身状態の把握の手順
3.バイタルサイン
A.バイタルサインの概要
B.呼吸に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
2 呼吸数を測定するそのほかの方法
C.脈拍(心拍数)に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
D.体温測定に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
2 使用する機器の知識
3 測定部位に関連した知識
E.血圧に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
2 触診法による血圧測定
4.身体計測
A.身体計測の概要
B.身長測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
C.体重測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
D.頭囲測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
E.泉門測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
F.胸囲測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
G.腹囲測定に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
第II章 コミュニケーション技術−プレパレーション
1.プレパレーション
A.プレパレーションに関する基礎知識
1 小児の心理的混乱
2 プレパレーションとは
B.第1段階−通常の遊びを通したアセスメント
1 環境整備
2 遊びの計画
C.第2段階−入院オリエンテーションとプレイプレパレーション(情報提供)
1 入院オリエンテーション
2 プレイプレパレーションツール
3 発達段階別のプレイプレパレーションのポイント
4 場所
5 きょうだいの参加
6 同じ医療処置を受けた小児の参加
7 プレパレーションの計画
8 プレイプレパレーションの準備
D.第3段階−ディストラクション
1 ディストラクションツール
2 発達段階別のディストラクションのポイント
E.第4段階−処置後の遊び
1 処置後の遊びに使われるツール
第III章 検査・処置技術
1.採血
A.採血に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
2.採尿・導尿
A.採尿・導尿に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
3.咽頭・鼻腔培養
A.咽頭・鼻腔培養に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
4.骨髄穿刺・腰椎穿刺
A.骨髄穿刺に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
B.腰椎穿刺に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
5.与 薬 半田浩美
A.経口与薬に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
B.坐薬に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
C.注射に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
D.輸液管理・輸血に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 輸血の副作用
3 主な輸血製剤の取り扱い
E.点鼻・点耳・点眼に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
F.吸入に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
3 吸入器の種類
6.吸引
A.鼻腔・口腔吸引に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
B.気管内吸引に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
7.酸素療法
A.酸素療法に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
3 酸素療法の実施
8.抑制
A.抑制に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
第IV章 日常生活援助技術
1.食事の援助技術(1)
A.食事に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
3 小児の食事・栄養の目的と意義
4 離乳食の援助に必要な知識
2.食事の援助技術(2)−経管栄養
A.経管栄養に関する基礎知識
1 解剖・生理学,成長・発達の知識
3.清潔・衣生活の援助技術
A.清潔・衣生活に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
4.排泄の援助技術
A.排泄に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
5.呼吸の援助技術−先天的な障害や病気により特別なニーズのある小児
A.呼吸に関する基礎知識
1 解剖・生理学の知識
2 成長・発達の知識
3 注意点とアセスメントの視点
6.移動の援助技術
A.移動に関する基礎知識
1 抱っこ
2 ベビーカー
3 車いす
4 ストレッチャー
7.環境調整の技術−快適で安全なベッド環境整備
A.環境調整に関する基礎知識
1 成長・発達の知識
第V章 救急救命処置技術
1.一次救命処置
A.一次救命処置に関する基礎知識
1 救命の連鎖
2 発達段階の違いと救命処置の流れ
3 一次救命処置のアルゴリズム
B.気道確保,胸骨圧迫,人工呼吸,AED
1 気道確保
2 胸骨圧迫
3 人工呼吸
4 AED(自動体外式除細動器)
2.二次救命処置
A.二次救命処置に関する基礎知識
1 二次救命処置
索引
はじめに
本書は2009年に刊行され、2012年に改訂第2版が、そしてこのたび改訂第3版が刊行されることとなりました。近年の小児看護をめぐる社会状況として、2015年度の合計特殊出生率(概数)は1.46であり、この7年間では微増で、少子化傾向は続いています。一方で、低出生体重児の出生割合は増え、小さく生まれた子どもの命を支え、成長に伴う課題への対応が求められています。そして子どもの入院先は、混合病棟が稀ではなくなり、必ずしも子どもに配慮した生活環境を提供できていない課題もあります。
そのような中、本書は子どもと家族の力をひきだす技を伝える教科書として、子どもと接した経験の少ない学生に配慮して編集しています。このたびの改訂では主として以下の点に取り組みました。まず、新しい統計データやガイドライン等に照らし、情報を更新しました。次に、実習にも携帯できるコンパクトさを維持しながらも、手技の理解を助ける写真や図を充実させ、「根拠/ポイント」の記述にメリハリをつけることで、実施時の根拠や注意点が一目でわかるように示しました。さらに「中心静脈栄養法施行中の子どもの入浴」や「発達障害をもつ子どもへの医療処置の説明」など、学生が実習で経験すると想定される事例に触れ、より実習で活用しやすいものにしました。
本書の中で示している「子どもの権利を尊重しながら根拠に基づく看護技術の実践」は、今日の看護師に必須となる力と考えられます。本書の概論編、『小児看護学概論−子どもと家族に寄り添う援助(改訂第3版)』と合わせてご活用いただくと対象理解、子どもの権利尊重、実施の根拠が一層、明白になると思います。
小児看護学を初めて学ぶ学生の皆さんに本書を広く活用していただきたいと思います。そして小児看護を実践しておられる看護師の方々にも活用いただき、忌憚のないご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。
最後になりましたが、本書の企画に賛同してご参加いただきました執筆者の皆様、写真撮影にご協力いただきました(前)札幌医科大学教職員・ご家族の皆様、札幌医科大学附属病院看護部・神戸市立医療センター中央市民病院小児病棟の関係者の皆様、ならびに本書の企画から刊行まで全過程でご支援いただきました南江堂の皆様に心より感謝申し上げます。
2016年11月
今野美紀
二宮啓子