教科書

柔道整復

整形外科学改訂第4版

監修 : 公益社団法人全国柔道整復学校協会
編集 : 松下隆/福林徹/田渕健一
ISBN : 978-4-524-25944-1
発行年月 : 2017年3月
判型 : B5
ページ数 : 294

在庫あり

定価6,160円(本体5,600円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

柔道整復師に要求される整形外科学の基本知識をまとめたわかりやすくかつ詳細なテキスト。2色の図表を用いたわかりやすい解説と、系統的に正しく理解できるような内容構成、現場で扱う整形外科疾患の充実した解説が好評。今改訂では統計データの更新のほか、他の柔道整復学校協会監修の教科書との用語統一を図り、より他科目と連動した学習が可能となった。

整形外科とは
 A 整形外科の意義と内容
 B 整形外科の歴史
1 運動器の基礎知識
 1 骨の基礎知識
 2 関節の基礎知識
 3 筋・靱帯・腱の基礎知識
 4 運動器の科学
2 整形外科診察法
 1 姿勢
 2 体幹と四肢のバランス
 3 上・下肢長,周径
 4 跛行(異常歩行)
 5 関節拘縮と強直
 6 徒手筋力テスト
 7 感覚の診断
 8 反射
3 整形外科検査法
 A 検査のすすめ方
 B 画像検査
  1 X線撮影
  2 コンピュータ断層撮影(CT)
  3 磁気共鳴画像(MRI)
  4 関節造影検査
  5 血管造影検査
  6 核医学検査
  7 画像検査の選択
 C 骨密度測定
  1 方法
  2 結果の評価法
  3 診断的意義
 D 電気生理学的検査
  1 筋電図検査(EMG)
  2 神経伝導速度検査
 E 関節鏡検査
 F 超音波検査
  1 超音波診断装置の概略
  2 整形外科領域での利用
4 整形外科的治療法
 A 保存療法
  1 薬物療法
  2 徒手整復法
  3 整形外科的包帯法
  4 牽引療法
 B 観血的治療
  1 皮膚の手術
  2 関節の手術
  3 腱の手術
  4 神経の手術
  5 骨の手術
5 骨・関節損傷総論
 A 骨折総論
  1 骨折の定義と分類
  2 骨折の症状と診断
  3 骨折の治癒
  4 骨折の治療
  5 小児骨折の特徴
  6 開放骨折
  7 疲労骨折と病的骨折
  8 骨折の合併症
 B 関節の損傷
  1 捻挫と靱帯損傷
  2 外傷性脱臼
  3 繰り返しの脱臼
  4 病的脱臼
6 スポーツ整形外科総論
 1 スポーツ整形外科の位置付け
 2 スポーツ活動中の怪我
 3 代表的なスポーツ種目と特徴的な怪我
 4 学校体育での重症外傷について
 5 スポーツ怪我の特殊性
 6 診療と治療上の基本
7 リハビリテーション総論
 A 変形(拘縮)のリハビリテーション
 B 術後のリハビリテーション
 C 上肢のリハビリテーション
 D スポーツリハビリテーション
8 疾患別各論
 A 感染性疾患
  1 急性化膿性骨髄炎
  2 慢性骨髄炎
  3 ブロディ骨膿瘍
  4 骨関節結核
  5 化膿性関節炎
 B 骨および軟部腫瘍
  B−1 骨腫瘍
   1 骨腫瘍の診断
   2 悪性骨腫瘍
   3 良性骨腫瘍
  B−2 軟部腫瘍
   1 悪性軟部腫瘍
   2 良性軟部腫瘍
 C 非感染性軟部・骨関節疾患
  1 変形性関節症
  2 関節リウマチ・悪性関節リウマチ
  3 痛風
  4 偽性痛風と石灰沈着性滑液包炎・石灰沈着性腱炎
  5 血友病性関節症
  6 離断性骨軟骨炎
  7 関節遊離体/関節ねずみ
  8 その他の関節炎
  9 骨粗鬆症
 D 全身性の骨・軟部疾患
  1 先天性骨系統疾患
  2 多発性神経線維腫症(フォン・レックリングハウゼン病)
  3 くる病
  4 巨人症
  5 成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性小人症)
 E 骨端症
  1 骨端症とは
  2 ペルテス病
  3 オズグッド・シュラッター病
  4 ブラント病
  5 踵骨骨端症(セーバー病)
  6 月状骨軟化症(キーンベック病)
  7 ケーラー病(第1ケーラー病)
  8 フライバーグ病(第2ケーラー病)
 F 四肢循環障害
  1 末梢動脈疾患
  2 レイノー症候群
  3 深部静脈血栓症
  4 静脈瘤
 G 神経・筋疾患
  G−1 神経麻痺と絞扼性神経障害
   1 上肢の神経麻痺と絞扼性神経障害
   2 下肢の神経麻痺と絞扼性神経障害
  G−2 腕神経叢損傷・分娩麻痺
   1 腕神経叢の解剖
   2 腕神経叢損傷
   3 分娩麻痺
  G−3 全身性神経・筋疾患
   1 脳性麻痺
   2 脊髄性小児麻痺(ポリオ)(ハイネ・メジン病)
   3 脊髄空洞症
   4 脊髄癆
   5 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
   6 神経性進行性筋萎縮症(シャルコー・マリー・トゥース病)
   7 若年性一側性上肢筋萎縮症(平山病)
   8 進行性筋ジストロフィー
  G−4 脊髄腫瘍
  G−5 脊髄損傷(脊損)
9 身体部位別各論
 A 体幹
  A−1 頸部
   1 頸部の機能解剖
   2 頸部の脱臼骨折の手術
   3 頸部の損傷
  A−2 胸部
   1 胸部の機能解剖
   2 胸部の脱臼骨折の手術
   3 胸部の損傷
  A−3 腰部
   1 腰部の機能解剖
   2 腰部の脱臼骨折の手術
   3 腰部の損傷
 B 肩甲帯および上肢の疾患
  B−1 肩・肩甲帯
   1 肩関節・肩甲帯の機能解剖
   2 肩関節・肩甲帯の骨折の手術
   3 肩関節・肩甲帯の損傷
  B−2 上腕・肘関節
   1 上腕・肘関節の機能解剖
   2 上腕・肘関節の骨折の手術
   3 骨軟骨障害
   4 靱帯の損傷
   5 肘内障
   6 筋腱の損傷
  B−3 前腕
   1 前腕の機能解剖
   2 前腕の骨折の手術
   3 前腕の損傷
  B−4 手関節
   1 手関節の機能解剖
   2 手関節の骨折の手術
   3 骨関節の疾患
   4 腱鞘炎と腱断裂
  B−5 手・手指
   1 手・手指の機能解剖
   2 手・手指の骨折の手術
   3 手指の変形
   4 腱鞘炎と腱断裂
   5 拘縮
   6 手指の先天異常
 C 骨盤および下肢の疾患
  C−1 骨盤・股関節
   1 骨盤・股関節の機能解剖
   2 骨盤・股関節の骨折の手術
   3 骨盤・股関節の損傷
  C−2 大腿・膝関節
   1 大腿・膝の機能解剖
   2 大腿・膝関節の骨折の手術
   3 大腿・膝関節の損傷
  C−3 下腿・足関節
   1 下腿・足関節の機能解剖
   2 下腿・足関節の骨折の手術
   3 下腿・足関節の損傷
  C−4 足・足趾
   1 足・足趾の機能解剖
   2 足・足趾の骨折の手術
   3 足・足趾の疾患
参考文献
索引

改訂第4版の序文

 本書は、柔道整復学校での整形外科学の教科書として作成したものである。初版は帝京大学整形外科学講座の初代主任教授である阿部光俊先生が1998年に執筆された。第3版は各分野の専門家による分担執筆とし、全面的な改訂を行った。今回の改訂第4版では、前回とほぼ同じ著者に分担執筆していただき内容をupdateするとともに、養成課程の学生が目にする機会のある本書以外の整形外科書との解説内容の整合性を図った。また、理解を助けるために、必要に応じて図の追加や修正を行った。
 柔道整復学は、整形外科学のうち外傷学の保存治療だけを抜き出したものに近く、その部分だけを熟知していればいいと考えることもできる。しかし、柔道整復師は整形外科医と同様に、機能を大切にしなければいけない「運動器」の治療を行なうのであるから、運動器全体の知識すなわち整形外科学全般についても基本的な知識を持っている必要があると考える。本書では、手術療法や稀な疾患など整形外科専門医を目指す医師にしか必要ないものは除き、基本的な項目だけを記載したつもりである。柔道整復学による治療が、運動器の治療全体においてどのような位置付けにあるかを柔道整復師を目指す学生がこの書によって正確に理解し、柔道整復師と整形外科医とが連携して運動器外傷の治療に当たれる日が来ることを切に願っている。

平成29年2月
帝京大学名誉教授
松下隆

9784524259441