教科書

遺伝医学への招待改訂第6版

監修 : 新川詔夫
共著 : 太田亨/吉浦孝一郎/三宅紀子
ISBN : 978-4-524-24931-2
発行年月 : 2020年1月
判型 : A5
ページ数 : 196

在庫あり

定価2,200円(本体2,000円 + 税)

  • お気に入りに登録
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

遺伝医学のコンパクトな入門教科書として多くの学生に広く支持されているテキスト。基礎から臨床まで、医療を志す学生が知っておかなくてはいけない遺伝医学の知識を、わかりやすく、親しみやすい文章で解説。豊富な用語解説、コラムが理解を手助けする。今改訂では情報のアップデートはもちろん、遺伝疫学の解説が追加され、より充実した使いやすい1冊とした。

I 遺伝学とは?
 A.遺伝医学の小史
 B.遺伝医学の特性
 C.遺伝医学の役割
 D.遺伝性疾患の分類
 E.家系図のとりかた
II 遺伝子とDNA,RNA
 A.核酸の構造とDNAの複製
 B.ヒトのゲノムの構成
 C.遺伝子の構造
 D.遺伝子の発現
 E.非コードRNA(ノンコーディングRNA)の重要性
 F.ゲノム変化と疾患の分子病理
III 遺伝子の担体としての染色体
 A.染色体の形態と分類
 B.染色体異常と発生機構
 C.染色体異常症
 D.X染色体の不活化
 E.染色体異常の発生頻度
 F.腫瘍と染色体異常
IV ヒトのメンデル遺伝
 A.遺伝形質と遺伝型,接合性
 B.常染色体優性遺伝
 C.常染色体劣性遺伝
 D.X連鎖優性遺伝
 E.X連鎖劣性遺伝
 F.Y連鎖遺伝
 G.遺伝型から表現型へ(遺伝子産物としてのタンパクと疾患発症の関係)
V メンデル法則に従わない遺伝
 A.ミトコンドリア遺伝病
 B.エピジェネティクス関連の疾患
 C.多因子遺伝
VI 集団におけるアレル頻度のふるまい
 A.アレル頻度
 B.遺伝的変異
 C.ハーディ・ワインベルクの法則
 D.変異と進化と疾患アレル
 E.多型と進化
 F.多因子遺伝と多型
 G.関連解析と多型
VII 遺伝医学におけるライフサイエンスの知識と技術
 A.制限酵素と逆転写酵素
 B.組換えDNAと遺伝子クローニング
 C.ハイブリダイゼーション法
 D.ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
 E.染色体蛍光in situ ハイブリダイゼーション(FISH)
 F.DNA マイクロアレイ法と比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)法
 G.次世代シーケンシングとエクソーム解析
 H.連鎖と遺伝子地図
 I.遺伝学を用いた疾患機序解明
 J.遺伝子改変と再生医学
 K.ヒトゲノム計画と遺伝医学
 L.RNA干渉(RNAi)
 M.ゲノム編集
 N.遺伝子診断法
VIII 病気の遺伝学
 A.先天性疾患
 B.多因子疾患
 C.がん
 D.正常変異形質
IX ゲノム医療と倫理
 A.予防医学
 B.ヒトゲノムを対象とした遺伝子検査
 C.出生前診断法
 D.オーダーメード(個別化)医療と薬理遺伝学
 E.遺伝カウンセリング
 F.遺伝子治療
 G.遺伝医学と生命倫理
付録 ベイズ推定法
参考図書
索引

改訂第6版の序

 初版の刊行から29年が経ち、この度改訂第6版を刊行することになりました。今回の改訂で、第5版まで主に執筆していただいた新川詔夫先生には、全体の監修として携わっていただきました。今版では、新たに第一線で活躍する遺伝医学者を共著者に迎え、共同で改訂作業にあたりました。
 最近の高校の生物IIの教科書では、メンデル遺伝の記述がなくなっています。そのかわり分子生物学的記述が増えています。大学や専門学校の医療の教育で、突然メンデル遺伝性疾患の説明があれば、メンデル遺伝を理解していない人には非常に難解でしょう。医療の現場においては、メンデル遺伝は遺伝学の基本です。また、染色体異常の患者さんは、どの専門医療領域にも受診されます。メンデル遺伝や染色体異常は、現在でも非常に重要な遺伝医療の基本です。したがって、メンデル遺伝や染色体の説明は、第6版でも重点を置いて記述しています。また、臨床の現場では、プレシジョン・メディシンが取り入れられています。これには、個人の遺伝情報が利用されています。また、東北メガバンクなどで知られているように、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、神経疾患などの多因子疾患の大規模なコホート研究が進んでいます。このリスク因子はゲノムDNAの多型が大きな割合を占めています。多因子の遺伝性疾患は、メンデル遺伝とは違った知識で理解する必要があります。さらに、国内でもRNA干渉を利用した核酸医薬品が認可されています。ゲノム編集技術の目覚ましい進歩もみられます。
 このように、医療の現場では日々新しい分子遺伝学の知識が取り入れられています。古くから知られている遺伝の知識から、最新の知識、さらには遺伝病の各論を理解するには、膨大な内容を理解する必要があります。そこで、本書では旧版と同様、医師・歯科医師・薬剤師だけでなく、看護師・助産師・保健師・臨床検査技師・診療放射線技師・歯科衛生士・福祉士・療法士などの医療従事者やそれらを目指す学生の方々も対象にした遺伝医学の入門書として、できる限り専門用語を用いず平易な説明を心がけ、簡潔に広範囲の遺伝学的知識を網羅しました。実際の遺伝カウンセリングに利用されるベイズ推定法も付録に載せております。本書は、遺伝医学の入門書として使っていただけたら幸いに思います。
 また、本書の改訂にあたり、南江堂の藤原健人さん、提坂友梨奈さん、杉山由希さんに大変お世話になりました。この場を借りて深謝いたします。

2019年12月
著者